88ゲーム回想録(71)「マリちゃん危機一髪」

マリちゃん危機一髪
エニックス
1983年2月
テープ版：3600円／ディスク版：5800円

本作は1982年に開催された
「第一回エニックスゲーム・ホビープログラムコンテスト」の
優秀プログラム賞作品である。
作者はダイナミックプロに在籍していた漫画家の槙村ただしさん。
槙村さんはすがやみつる先生の影響でFM-8を購入。
そこで作ったプログラム「野球拳」は九十九電機が販売した。
当時、九十九電機は素人が作ったプログラムを買い取って
市販ソフトとして販売していた。
買い取り値段は５万円だったという。
1982年というのはアダルトソフトもまだほとんど無い時代。
そんな時代に漫画家が描いた女の子のＣＧが脱ぐゲームというのは
センセーショナルだった。
「野球拳」はテレビで紹介されたらしい。
その放送を見たエニックスは、
槙村さんに「野球拳と同じようなものを作ってくれ」と依頼。
そうして誕生したのが本作であった。
そんな経緯なのでプログラムコンテスト入賞というのは、
箔をつけるための出来レースだったと思われる。

なお、パッケージの絵は槙村さんのタッチと全然違うが、
槙村さんが描いたものではなく、
ダイナミックプロのアシスタントが描いたものらしい。

はーい！わたしマリコ。
わたしに横恋慕している人に命を狙われているの。
頼りは愛するあなただけよ。よろしくね！

ゲーム1の始まりです。
あなたがジャンケンに負けると敵の凶器がマリちゃんに近づきます。
やられる前にやるしかないのです!!!

これがゲーム1の画面。
ナイフを突きつけた黒い手が左から伸びている。
そしてナイフを持ったプレイヤーの手が画面下から伸びている。
ファンクションキーの1～3でジャンケンをする。
勝つとプレイヤーの手が黒い手の向かって伸びる。
負けると黒い手がマリちゃんに向かって伸びる。
マリちゃんが刺される前にプレイヤーが黒い手を刺せばクリアだ。

ありがとう!!
あなたのおかげで助かったわ。
お礼に服を脱いでわたしの全てをあなたに見せちゃうわ！

ウフッ、ちょっぴり恥ずかしい・・・
次のゲームをロードするからわたしのセミヌードでも見て休んでね。
ロードするためのコードの接続ボリュームの準備などはいいかしら？
良ければｆ・５を押してね!!

テープ版でプレイするとマリちゃんの声が再生されて、
上記のテキストを読んでくれる。
なお、声を吹き込んだのは槙村さんの従姉妹らしいｗ

さあ、大変です。
今度はマリちゃんがさらわれました。
ゲーム2の始まりです。
マリちゃんは電線で縛られています。
その電線の先には6個のスタンドが、そしてその先には大乾電池が繋がれています。
その大乾電池からはスイッチで
6個のスタンドを ON OFF 出来るようになっていますが、
6個目のスタンドがONされますとマリちゃんは感電してしまいます。
6個のスタンドのうち3個がすでにONされています。
あなたはジャンケンに勝って全てのスタンドをOFFしてマリちゃんを助けて下さい。

複雑な説明をされたように思われるが、
ようするにジャンケンで勝てば良いのであるｗ
最初のゲームと違う点は、勝ち続けると電気が消えるが、
負けると電気がついてしまうため、
勝ったり負けたりを繰り返すとずっと終わらないこと。

ありがとう!!
またあなたに助けられたわね。
お礼に今度はスカートを脱いじゃうわ!!

やっぱり恥ずかしい！
こんな姿見せるの初めてなんだもん。

このあとまたしてもマリちゃんは長すぎる黒い手に引っ張られてさらわれる。

さぁ、大変です。
マリちゃんがまたもやさらわれました！
ゲーム3の始まりです。
マリちゃんは何とダイナマイトに縛り付けられています。
しかも敵は導火線に火を点けたのです!!
あなたが導火線の火を消さなければマリちゃんは爆死してしまいます。
画面には導火線の火を追いかけているあなたの足跡が出てきます。
あなたがジャンケンに勝つと足跡が2歩前進し、
負けると導火線が2歩分進みます。
あなたの足跡が導火線を追い抜くと足跡の色が青に変わります。
青い足跡の時にジャンケンに勝つと導火線を踏んで火を消す事が出来るのです。
さぁ!!マリちゃんを助けに行きましょう！

このゲームではジャンケンの手を決めるタイミングが決まっていて、
押せなければ導火線が先に進んでしまう。

ありがとう!!
やっぱりあなたが助けに来てくれたのね。
お礼に今度はスリップを脱ぐわね！

いゃーん、いくらあなたでもこんな姿見せるの恥ずかしいわ。
ロードするためのコードの接続ボリュームの準備などはいいかしら？
良ければｆ・５を押してね!!

さぁ大変です。
マリちゃんがまたまたさわられてしまいました！
ゲーム4の始まりです。
マリちゃんは水牢に閉じ込められました。
水牢には5本のホースから水が流れ込んで来ます。
あなたがジャンケンに勝つとホースが1本ずつ消えて行きますが、
もし負けると水の増え方が早く無くなります。
あなたはマリちゃんが溺れてしまう前に
5本のホースを全て取り除かなくてはいけません。
さぁ、グズグズしてはいられません。
恋敵の手からマリちゃんを助け出しましょう!!

このゲームは何もしなくても次々と水が流れ込んでくるので、
素早くジャンケンに勝ち続けなければならない。

わぁ!!ありがとう。
今度こそダメだと思ったけど、また助けてくれたのね。
嬉しいから今度はブラを取っちゃうわ！

うふっ、最後の一枚はわたしとジャンケンしてあなたが勝ったら・・・・・ね!!
頑張ってね！

ゲーム5の始まりです。
ジャンケンに勝ってマリちゃんのお尻にタッチ出来ればあなたの勝ちです。

アーン、負けちゃったぁ。
約束だからあなたの好きにして、
あなたに全てをあげちゃう!!!

ごめんなさい。
でもわたしのせいじゃないもん。
これに懲りずにまたいつかお会い致しましょうね。
バーイ。

THE END

大変申し訳ございません。
制作者の力不足のために皆様に多大なご迷惑をおかけしました事をお詫び致します。
しかし、次の作品からは決してこのような事はございません！
これに懲りずによろしくご贔屓の程を・・・・・・・・・・・・・・・・・
ではまたお会いできる日までお元気で!!!

制作者・・・・・マキムラタダシ
声の出演・・・・ハシモトマリコ

ジャンケンは特に攻略性はなく、完全に運ゲーである。
なんならずっとグーを連打してても結果は変わらない(^^;
そして最後はこのオチ。
ゲームソフトというよりジョークソフトという構成だ。
ずっと同じ変なポーズを取り続けるマリコがシュールである。
こんな薄い内容で3600円の価値ないんじゃないの!?
と思われるかも知れないが、1983年という時代を思い出すべきで、
画面に女性の裸が表示されるというだけで大きな価値だったのである。

槙村さんはこのゲームの後も
「女子寮パニック」「エルドラド伝奇」「ガンダーラ」といったゲームを
エニックスからリリースしている。

さて、最後に各ゲームの失敗画面をご紹介して終わろう。