カレー番長への道 ~望郷編~ 第506回「ガン爺」

今回は虎ノ門ヒルズにある「ガン爺」でカレー修行だ。


ここは平日の昼にしか営業していない行列店。
店舗は2階にあり、階段から列が伸びる。
階段を上がり切ると目の前に券売機があり、そこで食べたいメニューを選択する。
後ろには待っている列があるし、あまりじっくり選べないので、
予め食べるものを決めておくのが良いだろう。
カレーはランチカレー(日替わり)、バラカリ、ムルギー、きのこカレー、
野菜カレー、豆カレーといったものがあり、
それぞれ大盛りなどはボタンが分かれている。
ちなみに注意書きには「初めて来店の方は『カレー大』禁止」と書かれているw
どんだけデカ盛りなんだ・・。
俺様は「バラカリ普通盛り」と単品で「チキンマサラ」を購入。
最後に券売機の横にいるおばちゃんに「辛さはどうしますか?」と聞かれる。
俺様は予め「この店は甘口にしても辛い」という情報を得ていたので、
「甘口」をお願いした。
カウンター席に案内されると、
1分ぐらいですぐに配膳された!
めちゃめちゃ早い。
たぶん料理を盛るだけでいいように準備されているのだろう。
行列店の鏡のような店だ。


カレー、チキンマサラ、生野菜サラダ、サフランライスが無骨に食器に並ぶ。
「バラカリ」とは豚バラの入っているカレーの事だったらしい。
カレーは情報通り辛い!
甘口なのに!w
ただ普通に辛いカレーじゃなくて、
何か中華料理のエッセンスを感じるような独特なカレーで、中毒性がありそう。
そしてチキンマサラ。
これが劇的に美味い!
これだけでオカズとして成立してる!
さらにカレーを絡めて食べると素敵な味変に!
スプーンが加速する。
このセットは美味い!
量的には少なく無いけど、これなら大盛りでもペロリだよ。
次回は大盛りにして別のカレーにも挑戦しよう。
チキンマサラはマストで。

今日のチョイ呑み(270)「シノバズブルワリーひつじあいす」

今回は上野の繁華街にある「シノバズブルワリーひつじあいす」でチョイ呑みだ。


この店は店舗で栽培した生ホップを使用して醸造したクラフトビールが飲める店。
カウンターの背中側には醸造所が確認できる。


その上、世界の羊料理が色々と楽しめるという魅力溢れるお店だ。
予約はしていなかったが、カウンターがひと席空いていたので潜入に成功した。


ビールサーバーの目の前だ。

 


まずは何はともあれ店内醸造のビールを飲んでみる。
ここでは4種類のビールを醸造しているが、
そのうち3種類を飲む比べられるセットを注文。
左から「ひつじあいす」「不忍エールエール」「厚真町トリプレットラガー」
左から順に軽くて爽やかではあるが、
どれも麦フレッシュジュースと呼ぶべきビールだ。
好き。大好き。

 


1品目のツマミは「極上ラムパッチョ」
シャトーブリアンの希少部位を低温調理したもの。
羊とは思えないクセのないフレッシュさ。
こんなんビールが進まないわけない。
大好き。

 


2品目は「自家製スパイシーチョリソー」
口の中に放り込んだ瞬間に喉の奥がジンギスカン

 


飲み比べビールが無くなったので、
4種類目のクラフトビールゲーテの夜長」
こちらは黒ビール。
羊料理に黒ビール合うかも~♪
これで店内醸造のビール制覇。

 


「かぶりつきラムチョップ
これは熱いうちにがぶりつくべし!
タレとシオがあって、これはタレ。
美味し!

 


「ポテトフライとラムモモ肉の唐揚げガーリック風味」
ラムモモ肉は唐揚げって言うより素揚げな感じ。
ガーリックチップが素敵にサポート。

 


シメは「薬膳黒スープカレー
当然ラムカレーだ。
けっこうスパイシーで口の中ヒリヒリ。
体中からジンワリ汗出てきたw
これをチビチビやりながらビールを飲むのも格別。
時間が経つとライスがカレーを吸ってきてカレーおじやみたいになるのも素敵。

 


最後のビールは最初に飲んだ「ひつじあいす」をおかわり。
夏休み気分満喫できた。
なんだか夏休みに旅行先の繁華街でお酒を楽しんだようなリラックス感があったなー。
まだまだ食べてない羊メニューがあるので、この店はまた来ないわけにはいかんな。

カレー番長への道 ~望郷編~ 第505回「アルクロード」

今回は飯田橋にあるアルクロード」という北インドカレー屋さんでカレー修行だ。


この店は「上等カレー」の2階にあり、
一度「上等カレー」の店舗に入ってから階段を上がる。
また、メニューには「上等カレー」のあいがけも出来るので、
コラボ店舗である事がわかる。
まず券売機で食券を買う。
カレーは4種類で、そのうち3種類まであいがけが出来るので、
俺様は「3種あいもり」にした。
選択したのは固定メニューの
「スパイスチキン」「イカとチキンのキーマ」「ほうれん草チキン」の3種。
(選ばなかったのは日替わりのスペシャル)
やがてカレーがやってくる。


白米に直接かけられているのが
「スパイスチキンカレー」と「ほうれん草チキンカレー」。
別皿に入っているのは「イカとチキンのキーマカレー」。
北インドカレーと言えば、ナンとのセットが日本では定番だが、
ここではライスにがっつりかけるスタイル。
副菜はサラダ、煮豆、酢漬けした根菜など。
これらはカレーに混ぜる用ではない気がする。
スパイスチキンは鶏の旨味が効いた程よい辛さの王道系。
でもよくあるインドカレー屋のチキンカレーとは明らかに違う。
美味い。
でもやっぱり俺様は「ほうれん草カレー」が好き。
めっちゃ美味い。
そして「イカとチキンのキーマ」は予想に反してシャバシャバ系。
そして中を探っても特にイカの存在は見つからず。
これミンチになってるのがイカってこと?
全て食べ終わる頃には体から汗が吹き出していた。
舌が感じる以上にスパイシーだったようだ。


小さいコップでサービスされるマンゴーラッシーが心地良い。

 

概ね満足だったけど、3種類もあいもりしたのに、全部チキンというのは残念だなあ。
次回はスペシャルカレーかビリヤニを食べてみたい。
ところで俺様の横でカレーを食べていた親子の話。
小さな男の子が完食後に
「ぷはぁ!白目剥くほど辛かったけど、おいしかったぁ!プロみたいだったよ!」
と大きな声で店主にお礼を言っていた。
将来、大物になりそうw

やっぱりセガが好き第108回「シャイニング・フォースCD(シナリオ3:新たなる試練)」


シャイニング・フォースCD
セガ
1994年7月22日
7800円
メガCD専用

シナリオ1とシナリオ2はゲームギア版の移植であるが、
その2つをクリアすると出現するシナリオ3は、
シャイニング・フォースCD」のオリジナルシナリオである。

 


「あーあ…ついてないなあ…警備なんてまいるよ。そうだろ、アーロン!」

「ああ、まったくだよなあ。今日はニック様の即位式だってのに…」

「イ・オム退治の時には、あんなに活躍したってのに…」

「お前達がドジばっかり踏んでいるからさ!」

「なにをーっ!」

「何するんだよ。痛いだろー!」

「こんな時にナターシャがいたりしたら…
『やっぱり3人揃ってる!ビル!アーロン!クレイド
持ち場を離れるなんて最低よ。』

なーんて言う風に俺達の事をしかるんだろうな。」

「あっ、ナターシャ!それにシュウ!」

「ニック様をお祝いしに来てくれたんだね!」

「そりゃ、そうよ!
ニック様が王様になるというのに私が来ないわけいかないじゃない。

ところでみんな元気だった?」

「うん、元気たったさ。」

「おかえりナターシャ。
積もる話もあるけれど、急いでお城へ行ってちょうだい。

ニック様やガーディアナのお客様がみんなお待ちかねよ。」

「うん、それじゃ、みんなまたあとでね。」

「私が案内するから、あとはよろしくねクレイド。」

「あーあ、アンジェラまで行っちゃったよ。」

「しょうがない。俺達だけで警備に着くか。」

「ケッヒッヒ、即位式はどこでやっているのじゃな?」

「失礼ですが、招待状はお持ちでしょうか?」

「招待などされておらんのに持っとるわけなかろう、ケッヒッヒ。」

「おばあちゃん、今日は招待されたお客様しかお城には入れないんだよ。」

「そうかいそうかい、それじゃ力づくでも通させてもらうぞい。
カアッーーーーー!ホイッ」

(吹き飛ぶビル、アーロン、クレイド)

「まだまだ修行不足じゃのう。通させてもらうよケッヒッヒ。
ほれっ、チューラオや、さっさと行くよ!」

「ハイッ、ただいま。」

 


「それではこれよりニック様の王位継承の式を執り行うものとする。」
「ちょっと待ってもらおうかのケッヒッヒ。」

「!?」

「誰に断って王位を継承しようっていうんだい、ケッヒッヒ。
邪神を倒したぐらいでいい気になりおって…
その上シャイニング・フォースなどと皆に騒がれて、
浮かれまくっているそうじゃないか。」

「無礼者め、控えるのだ!即位式は既に始まっているのだぞ!」

「無礼者だってぇ?!」

「ここはサイプレス王の間です。慎みなさい!」

「ブルドーよ、お前もやめるのじゃ!」

「・・・」

「あなたは誰なのですか?」

「ワシはダーバという長生きだけが取り柄のばあさんじゃよ、ケッヒッヒ。
ワシが久しぶりに町へ来てみたら、
ニック王子がサイプレスの王になるっていうじゃないか。

本当に相応しいかどうか、ワシがこの目で確かめてやろうと思ってね。シャーッ!」
(アンリ女王とともにダーバ一行が消える)
「アンリ女王ー!」

「アンリ女王を助ける事が出来たなら、お前さんを王として認めようじゃないか。
助ける勇気があるのなら、ワシの屋敷に来るがいい。
歓迎してあげるよ、ケッヒッヒー。」

 

最終章 新たなる試練

こうしてニック達一行は、アンリ女王をを助け出し、
サイプレス王家の威信を取り戻すため、ダーバの屋敷へと向かった。


「ブルブル、不気味なお屋敷ね。」

「お、お墓だらけだよー」

「う、後ろから押すなよ、クレイド。」

「なに言ってるんだよ、俺はこっちにいるぜ。
お前こそ俺のことを押してふざけるのは寄せよ。」

「えっ、それじゃ…ゾ、ゾンビだぁーっ!」

「ニック様、気を付けて下さい。墓の中からゾンビ達が出て来ましたぞ!」

 

*** BATTLE ***

この章のバトルはマップごとにそれぞれ特別な仕掛けがされている。
ここではターンごとに墓石に落雷してそこから追加でゾンビが出現するというもの。

 

「ほほう、ザコを倒すだけの力は持っているようだね、ケーッヒッヒッヒ。
しかしワシに会うには、まず3人の下僕を倒さないとね。
本番はそれからさ。楽しませてもらうとするよ。さあ中へお入りケッヒッヒ。」

「ニック様、心して参りましょうぞ。」

 


「なんなの、この部屋は?
みんな酔っ払ってるわ。寝ちゃってるのまでいるじゃない。」
「おうっ、きれいなお嬢ちゃんだな。おじさん達にお酌をしてくれないかなぁ。」

「やめてください!」
(酔っ払いを弾き飛ばすメイフェア)

「メイフェア大丈夫…のようだな。彼らの方が心配だ。」
「お主達が来るまでと思ってみんなで酒盛りをしてたのョ。」

「そしたらこの有り様ネ、プハッ。」

「そんな有り様じゃ、あなた達に勝ち目は無いわ。
降参した方がいいんじゃない。」

「侮らない方がいいと思うョ、酒を飲めば飲むほど私達は強くなるネ、プハッ。
…まあ中には修行不足で弱くなるのもいるけどネ…
私と戦わなければこのさきには進めないョ。かかってくるがいいネ、プハッ。」

 

*** BATTLE ***

このマップでは実際に戦う敵と酔っ払って倒れているだけのキャラが混在しており、
移動時に解りにくくなっている。

 

「まいったネ、あんた達、思ったよりも強かったョ プハッ。
でも私達の力はこんなものではないョ。仇をとってもらうからネ!」
(消えるチューラオ)

「アンリ女王が心配です。先を急ぎましょう。」

「この部屋は何やら東方の国の様式で作られているようですな。
むっ、何者かがこちらにやってきますぞ。油断なされぬように!」


「ようこそいらっしゃいました。過酷な戦いでご苦労されたと承っております。」

「テディ、何をニヤけてらっしゃるんですか。」
「さっ、どうぞ、こちらでおくつろぎ下さい。
私どもの主が皆様をお待ちしております。」

「き、きれいな方達ですなー、ニック様。」

「ニック様、惑わされてはいけません!
んもうーっ!」

「私はこの間の主、如月でございます。皆様を待ちかねておりました。
皆様お疲れの様子…私どもが疲れを癒やして差し上げましょう。
よろしかったら私どもと“ハレハレ”してみませんこと?」

「ハ、ハレハレ・・・ですと!?」

「そう、ハ・レ・ハ・レ!」

「なんてお下劣な!そんな事は許しません。
みんな骨抜きにされてしまうわよ。」

「堅いことはおっしゃらずにぃー」

「こ、困りましたなー。ニック様、どういたしましょう。
“ハレハレ”をしてまいしりすか?」

(○はい/いいえ)

「それではこの紐を思いっきり引っ張って下さる?」

「おっおう、そんな事をしたらキ、キモノが…」

「あなたに私の本当の姿を見てほ・し・い・の!」

「はっはい、それでは…ウォーッ!」


「ホーッホッホッホッ、これが私の本当の姿よ!
敵地に来てまでのぼせるようでは、私の相手などではなくてよ!」

 

*** BATTLE ***

 

「くくっ、む、無念。このような輩に、
ダーバ様、申し訳ありません。覚えておれ!」

「うむっ、あんなところら隠し扉が…
アンリ女王が心配です。さっ、先を急がねば…ささっ。
メイフェア、何をしておるのだ。さあ、先を急ごう。」

 


「オイッ、おめーら、はええとこ作っちまうんだ。
オラオラ、板を運ぶんだ!」
「へいっ、親分!」

「…あの人達、一体何をしているのかしら…」

「どうやらこの部屋を改築しているようだが…」

「おーっ、もう来やがったか、なんてぇこったい!
おめえらがとろとろしてやがるから奴らが来ちまったじゃねえか。
こうなったらしょうがねえから、近場からやっつけちめえ。」
「へいっ、親分」
(壁を作り上げる子分)
「ゼエゼエ…さあ、かかってきやがれ…ゼエゼエ」

 

*** BATTLE ***

このステージは子分が壁を作るので、進行ルートが途中で変わるという仕掛け。

 

「そこまで来やがったか。こうなったらもっと壁を増やすしかねえな…
おいっ、おめえら、みんなしてかかるんだっ!」
「へいっ親分」
(壁を作り上げる子分)

「さあっ、かかってきやがれ!」

 

*** BATTLE ***

 

「てやんでえ、負けちまったじゃねえか。べらぼうめえ。
仕方ねえ、扉を開けてやらあ。

これを行きゃあ、ダーバ様のところだ。はええとこ行っちめえな、あばよ!」

 


「人のいる気配がないぞ。」

「ダーバ、姿を見せなさい!」
「ケッヒッヒッヒーッ」


「お前達のよこしまな心を形にしてあげるよ。
自分達の邪悪な心に打ち勝つ事が出来るか、見てあげようじゃないか。」


「自分自身と戦うんじゃ勝ち目が無いだろうから、特別に強さを選ばせてやるよ。」
(○ほどほど/強い!)
「ずいぶんと弱気じゃな。
シャイニング・フォースんどと宣っていても、所詮はその程度か…
さあ、シャドーよ。ニック王子を一捻りにしてしまうのじゃ!」

 

*** BATTLE ***

同じ能力のパーティ同士で戦うので、
相性を上手く考慮して侵攻経路を練る必要がある。

 

「ケッヒッヒ、やるじゃないかい。」

「とうとうワシのところまで辿り着いたってわけだね。
その勇気と努力は褒めてあげようじゃないか。だがそれだけでは勝てんぞ。」

「ダーバ、残るはあなただけよ。
強がりを言ってないで、アンリ女王を返しなさい。」

「吠えてばかりいるんじゃないよ、カァーッ!」
(別の場所にワープ?する)


「さあ、かかってくるがいい。」

「それじゃ一発かましてやろうかね。ウシュルーー、カァーーーッ」


「ダーバビーーム!!」

 

*** BATTLE ***

 

「お前達を気持ちよーくしてあげるよ、ほれっほれっ」
ワンダーマッシュが現れた!
(ワンダーマッシュは自爆するときに周囲にいるユニットへ大ダメージを与える)

 

*** BATTLE ***
しばらくすると、ワンダースマッシュの他にブルドー、如月、チューラオが合流。

 


「ヒーッ、やめとくれ。」

「おい、こらっ、アンリ女王を返すんだ」

「早く返さないとヒドい目に合わせちゃうぞ!」

「ひーん、やめとくれ、テディ止めとくれ、この子達をやめさせとくれよ。」

「みんな、実はな…」

「テディっ!一体どういうことっ」
「ウッフフ、みんなに詰め寄られて大変そうですね、テディ殿。」

「アンリ女王様!」

「テディ殿、私から話をしましょう。
今回の事は即位式の前に全てテディ殿から伺っていた事なのです。

ダーバ殿はニック王子が王として相応しいか、試されていたのです。
そうですね、ダーバ殿?」

「よくぞこのダーバを破ってみせてくれたのう。」

「そうでしょう、ダーバ殿!ニック様こそサイプレスの王に相応しい!」

「ウム、ウム、父上も強くて立派な方じゃったが、
ホンにあなた様も素晴らしい勇者にお育ちあそばれたのう。」

「全然わからないわよ。テディ!わかるようにちゃんと説明してちょうだい!」

「あっ、ああ…これはサイプレス王家に伝わる王になるための儀式なのだ。
アハハッ…試練の道とでも言ったら良いのかなぁ…
代々サイプレスの王になるにはダーバ様との戦いに打ち勝たなくてはならないんだ。
ニック様はその試練を見事乗り越えられたというわけさ。良かったな、メイフェア!」

「どうもおかしいと思ったら…まったくもうーっ!」
「アッハッハッハッハッ」

こうしてニックはサイプレス国の目付役であったダーバによって認められ、
改めてサイプレス国の王位を継承する事となったのです。

 


「それではこれよりニック様の王位継承式を執り行うものとする。」

 


サイプレスに伝わる王家代々の試練に打ち勝った王子は、
これ以降、素晴らしい王様として
サイプレスの国を平和で豊かな国へと築き上げました。

そしてテディは、この一件以来、メイフェアには頭が上がらなくなったそうです。

 

SHINING FORCE CD FIGHTING STAFF

PROGRAMMERS
YASUHIRO TAGUCHI
KENJI NUMAYA
YUTAKA YAMAMOTO
TSUKASA TANAKA
CHIKAAKI TOKUHIRO
MASASHI MURAMORI

SUBSCRIPT
SHUGO TAKAHASHI

MAP DESIGN
SHUJI SHIMIZU
TATSUYA NIIKURA
AYUMU SHINDO

CHARACTER DESIGN
HIROSHI KAJIYAMA

GRAPHICS
MASAYUKI HASHIMOTO
FUMIHIDE AOKI
SATOMI YOKOSE
KENSUKE SUZUKI
AYUMU SHINDO
JUNKO NAKAMURA
ORM-GAI FUKUDA
NATSUYO SHINZAWA
KANAE YAMADA

MUSIC COMPOSE AND ORCHESTRATION
MOTOAKI TAKENOUCHI

CD RECORDING
TWO FIVE CO.

SOUND EFFECTS
DOGEN SHIBUYA

NARRATION
KOTONO MITSUISHI

MANUAL
NAOKO OKADA
RIKO KUSHIDA
MAGULER DESIGN

DIRECTED BY
YASUHIRO TAGUCHI

PRODUCED BY
SHUGO TAKAHASHI

GENERAL PRODUCED BY
HIROYUKI TAKAHASHI

SPECIAL THANKS TO
RIT'S
R.I.S. CO., LTD.
SERAPHIC CO., LTD.
WINDS CO., LTD.

CREATED BY
SONIC CO., LTD.

 

今回、発売当初以来、久しぶりにシナリオ3をプレイしてみたが、
こういう内容だったかー。
イ・オムとの真の決着戦のようなものかと思ったら、
実は即位の試練だったと。
思ったよりも小規模なストーリーだったな。
ゲームギアのオリジナル版ではシナリオ2でちゃんと完結させてたわけだし、
こういうオマケシナリオ的になっても仕方無いか。

 

最初に書いたように、本作ゲームギアでのシャイニング・フォース外伝シリーズは、
ゲームギアにおいてちゃんと遊べるゲームに完成されており、
バトルとストーリー進行のみに特化させた作りにする事で、
より携帯プレイに適したシャイニング・フォースになっていた。
だがそれほどの良作を
ゲームギアの滲んだカラー液晶でしか遊べないのは残念に思っていた。
それだけにメガCD移植という試みを果たした本作は有意義なタイトルであった。

本作はBGMこそCD-DA版に載せ替えられているが、
オリジナルセリフのボイス対応などはされておらず、
良くも悪くもゲームギア版そのままであった。
また、ゲームギアには本作の翌年に
シャイニング・フォース外伝 ファイナルコンフリクト
というタイトルがリリースされており、
もう少し本作の発売が遅ければ、
この3作目も収録されたのではないかと残念に思った。

なお、本作でキャラクターデザインを行ったのは梶山浩さん。
シャイニング&ザ・ダクネス」「シャイニング・フォース 神々の遺産
の玉木美孝さん。
シャイニング・フォースII 古えの封印」のSUEZENさんとは
また違ったタッチになっている。
これにより
シャイニングシリーズはキャラクターデザインが固定化されないシリーズ」
というイメージが定着したのである。

 

やっぱりセガが好き第108回「シャイニング・フォースCD(シナリオ2:邪神の覚醒)」


シャイニング・フォースCD
セガ
1994年7月22日
7800円
メガCD専用

前回に引き続き、
シャイニング・フォース外伝II 邪神の覚醒」のシナリオログを記録していこう。
シャイニング・フォースCD」の場合、外伝Iをクリアすると、
読んで娘に指定する本に「外伝II」のものが追加される。
外伝Iとは主人公が違うので、改めて名前を決める。
また、外伝Iの登場キャラクターのデータを引き継ぐかどうかも選べる。


ガーディアナ、サイプレス両国の合同軍による
イ・オムとの戦いから2年の時が流れようとしていた。

「それではこれよりイ・オムに生贄を捧げるとしよう!」


「わが暗黒神イ・オムよ!
あなたの下僕ワードラーが気高き血筋の生贄をここに捧げ申し上げーる!」

「やっ、やめろ!やめんか!
私は捕らえられたとはいえ、一国の城主なるぞ!

こっ、これが王たるものに取る行動とは無礼なり!
ええい!この戒めを解かぬか!」

「静かにしろ!見苦しいぞ!
イ・オムは王族の者こそを生贄に望まれるのだ!

イ・オムの神の一部となれるのだ。喜んで死ぬが良い。カーッ!」
王が宙に浮く。
「偉大なる暗黒神イ・オムよ!今こそ生贄を捧げん!」

「やめろ!やめてくれ!やめて・・ウワーッ!」
王、溶岩の中へ。

「さて、サイプレスの話だったな。バーバラから話してみるがよい。」

「ワードラー様の作戦通り、まんまとその気になっております。
今や、わがイ・オムに遠征すると準備を進めておりますわ。
ホホホ・・罠とも知らずに!」

「して、ガーディアナ軍はどうだ?」

「ご心配には及びません。サイプレス軍の出発にはまず間に合いません!」

「そうか、予定通りか。してソロ!お前の方は!」

「はっ!アルカム平原に建造中の砦は間もなく完成致します。
他に溶岩洞窟など、あらゆる罠を張り巡らせて、サイプレス軍を待つばかりです。」

「うむ、よくやったぞソロ!
・・あとは破邪の剣か。ううむ・・どうしたものか。
ゴードン!ゴードンはおらぬか!」

「ワードラー様のお召により、ゴートンこれにまいりました。」

「うむ・・聞きたい事がある。サイプレスのニック王子だが
サイプレス軍のイ・オム遠征にガーディアナが間に合わずとも
ニック王子は出発するか?」

「大神官ウォルドル様に右手を石にされたとはいえ、責任感の強い男です。
間違いなくやって来るでしょう。」

「奴の右手が使えない今、あの剣は持ってくるまい!
ゴードン!命令を与える!
サイプレス軍が城を出たら、サイプレス城を襲うのだ。そして破邪の剣を!」

「なるほど、そういう事ですか。かしこまってございます。」
ゴードン去る。

「バーバラ!ソロ!お前達もゆくがよい!」

「はい!」

「御意!」

「ところでヒンデルよ、そなたも哀れよのう・・」

「は?哀れとは?」

「弟の事よ・・下賤の者の刃にかかり、命を落としたと聞いたが?」

「・・その事でしたか・・しかし致し方ありますまい。
自分を守る力の無い者は生きていく資格も無いというもの、
それが今の世の習わし・・」

「そうだ!その通りだヒンデル!
やはり世の睨んだ通り、そなたは大した男よ!

今の時代に必要な物、それは力だ!力なのだ!
ウワッハハハハハーッ!」

 


「我々サイプレス軍は!本日ニック王子とともにイ・オムへ向かう事になった!
わがサイプレス国の平和のため、必ずや悪しき邪教を!イ・オムを倒そうぞ!」
「ワァー!ワァー!」

「さあニック王子!準備がよろしければそろそろまいりましょう。」

「メイフェア!あとは頼んだよ!僕たちの留守中は君だけが頼りだからね。」

「ニック王子・・・わかりました。どうか、お任せ下さい。
テディ!王子の事、くれぐれもお願いね。そしてあなたの事も…
決して無理しないようにね。」

「わかってるって!」

「よし、行こうか!」

「もう僕からは何も言う事はない!
本当の平和を掴むためみんなの力を貸してくれ!」

「オーーー!」

「橋を下ろせーっ!」


「どうしたんだ?ナターシャ!」

「ニック王子、大変です!
じ、実は崖下の方で呻き声がしたので行ってみたら…人が!」

「この少年が倒れていたのです!」

「なんだって、それはいけない!
さあ城に運んで手厚く看護してあげなさい。」

「はい、かしこまりました!」

「あの…ニック王子様、
とうとうイ・オム討伐に行ってしまわれるるのですね…」

「ああ…ハハハどうした?そんなに深刻な顔をして!
この遠征はサイプレスにとってどうしても避けられないんだ!
あとの事は頼んだよ。さあ横にどいておくれ。」


「心配しなくても大丈夫よ!
あの人達は大丈夫。あなたが思っているよりもずっとずっと強いんだから。
きっと元気で帰ってくるわ。それを信じていましょうね。」

「はい、そうですね!きっと無事に戻りますよね!」

 

第1章 留守番部隊の冒険

ニック達サイプレス軍がイ・オム遠征に向かってから3月が過ぎようとしていた。


「みんな!ちゃんと警備に付いてるわね。関心関心。
ナターシャ!大丈夫?
あなたのような女の子に警備を手伝わせるなんて申し訳ないんだけど…」

「大丈夫です!ご心配なさらないで下さい。」

「そうそう、もう1つお願い!あなた…あのシュウと一番仲が良いでしょ?
素直で良い子なんだけど、口数が少ないものだから、みんなに馴染めないでいるわ。
どうか今まで通りに仲良くしてあげてね。」

「はい!任せておいて下さい。」

クレイド!まさか…今日は真面目にしてくれているよね?」

「そんなー…メイフィア様!僕はいつも真面目ですよ。」

「そうだったらいいんだけど…
あなたとあの二人が一緒だと何かしでかしそうなのよね。

とにかくサボらないで真面目に頼むわね!」
メイフィア去る。

「メイフェア様はいないな!あーあ…ついてないなあ。
警備なんてまいるよ。そうだろ?アーロン!」

「ああ、全くだよなあ。
こんな事ならニック王子と遠征していた方がマシさ!

なあシュウ!君もこっちに来ないか?」

「・・・・・」

「シュウを悪い仲間に引きずり込まないでちょうだい!
シュウはあなた達と違って真面目に警備についているのだから。」

「アンジェラまで…女はうるさくていけないぜ。」

「やっぱり!3人揃ってる!ビル!アーロン!クレイド
持ち場を離れるなんて最低よ!」

「かたいこと言うなよ!どうせ何も起こらないさ!」

「あっ!敵よ!」

「敵襲よ!敵襲!みんな気をつけて!」

 

*** BATTLE ***

 

「キャーッ!どろぼうー!」

「みんな!聞いてちょうだい!破邪の剣が盗まれたの!
きっとイ・オムの仕業だわ!」

グラハムは破邪の剣を持って身構えた。

「あっ、あそこを逃げて行く!早くあいつを捕まえて!」


「あっ、あそこにいるわ!」

「しまった!やはり追ってきたか!こうなったら仕方が無いな!ドワーフッ!」
「おーどうした。おおっ!あれはサイプレス軍ではないか?
グラハムよ!つけられたな!

まあ良い!ここは我らに任せて先を急ぐがいい!」

「わかった!あとは頼んだぞ!」

「ああっ!みんな急いで!あいつを追ってちょうだい!」
「ちょっと待ったーっ!グラハムを捕まえるつもりらしいが…
そうはいかないぜ!ここから先は一歩も通さない!
子分どもーっ!奴らを蹴散らしてしまえ!」

 

*** BATTLE ***

 

「みんな、よくやりました!しかし…あいつを見失ってしまったわ…
でも…破邪の剣は何としても取り返さなきゃ!
みんなこのまま行きましょう!私も軍師としてまいります!
この先にはたしか…ティムスの町がありました。
そこで手がかりを見つけましょう。」

 


「ここがティムスの町ね
なにかわかるかも知れないから町の人に聞いてみましょう。
シュウ、あなたもついてきて。」

「あの…すいません。ちょっとお尋ねしたいんですが」

「へい、いらっしゃい!いい品物ばかりだよ!ゆっくり見てってくれよ!」

「あ…結構です。またあとで寄りますわ!」

「ありがとう、また寄ってくれよ!」

「ああ、びっくりした…他の人に聞きましょう。」

「誰もいないわ」

「ここにも誰もいないわ。変ね…おかしいわ。どうして誰もいないの?」


「待って下さい!どうして逃げるんですか?」

「私が余計な事を言えば、町の者が命に関わる。だから何も聞かんで下さい。」

「……ひょっとしてイ・オムに何か脅されているの?」

「………」

「ハッ!町の人がいないのは、人質に取られたからなのね。」

「………」

「やっぱり!そうなんでしょ…
ひょっとして破邪の剣は町の人と引き換えね!
でも…聞いてちょうだい!卑劣なイ・オムの者達が約束を守るとは思えないの。」

「奴らの言いなりになる以外に
町の者を救う手立てがあるとでも言うのですか?」

「あるわ!私達がいる!私達とともに戦うのよ!」

「あなた方を信じましょう。
どうかイ・オムの奴らから町の者を助けて下さい。

町の者が破邪の剣を盗んだ罪滅ぼしとして私も一緒にまいります。」
僧侶のセインが仲間になった。

「グラハムは平原の向こうのアルバート谷に向かっています。
みなさんの準備が整ったらさっそく出発しましょう!」

ここで本陣にお店がオープン。

ミドルソード(180G)
ブロンズランス(250G)
ハンドアックス(200G)
レザーグラブ(180G)
ブロンズロッド(140G)
てつのや(110G)
やくそう(10G)
かいふくのみ(200G)
どくけしそう(20G)
てんしのはね(40G)

 

アルバート谷は…
あの山の方角にあります。さあ、急いで参りましょう。」


「サイプレスの奴らがティムスの町に来たと聞いて念の為に張っていたのだが、
やはり裏切り者がいたか!バカめ!蹴散らしてやるわ!」

 

*** BATTLE ***

 

「私達が下手に動いたら罪のない人達まで巻き込んでしまうわ。
シュウ!あなたがいいわ!リーダーになってちょうだい!
そして注意して進むのよ。」

「みんな!あそこを見て!やっとグラハムに追いついたみたいね。」

「ギョッ!あれはサイプレス軍!
あのイ・オムの防衛ラインを破ってきたというのか!?」
「待ちかねたぞ!グラハム!ダークメイジ様が待ちわびているぞ!
で…破邪の剣は手に入れて来たろうな?」

「ああ!ここに持っている!
しかしサイプレス軍がそこまで追ってきているんだ!」

「なんだと!おお!なんと小癪な!
サイプレス軍などは我々が食い止めようぞ!早く登ってくるのだ!」

「みんな!急ぐのよ!グラハムを捕まえて!」

 

*** BATTLE ***

 

「ふ、不覚をとったか…だが、もはや手遅れだ!
今頃ダークメイジ様が破邪の剣を手に入れて、
ティムスの連中を始末している事だろう…グフッ」

「なんという事でしょう…ぐすぐすしていられないわ!
まだ…きっと間に合うわ!」

 


「はっ離せ!これでは約束が違う!」
「何を血迷っているのだ?まずつるぎを渡してくれれば約束を守ろうというのに!」

「バカな!ティムスの人々を解放する方が先だ!さあ、早く解放しろ!」
「ほほう…この私に命令しようというのか?」
殴られて倒れるグラハム。
「バカめ!大人しく渡せば痛い目を見ずに済んだものを!」
ダークメイジは破邪の剣を手に入れた。
「これでお前も用済みだ。ティムスの者達とともにあの世に行ってもらうとしよう!」

「お待ちなさい!」
「なっ、なに!?サイプレス軍か!こんなところまで来るとは!」

「サイプレス軍を見くびっていたようね。
グラハム!今よ!小屋の人々を守って!」
「アッ!ダークメイジ様!だめです!中からカギをかけられました!」
「くそー!どいつもこいつも!こうなったらサイプレス軍を最初に料理してやる!」

 

*** BATTLE ***

 

「ふっ、不覚だった!まさかサイプレスごときに敗れてしまうとは…しかし……」

「あっ!シュウ!やつが逃げるわ!
みんな!あいつを探して!」

「あっ!あんなところにいるわ。」
「逃げはせぬ!しかし、このつるぎもお前らには渡さん!ガーゴイル
ガーゴイルよ、このつるぎをゴードン様に届けるのだ。」
ガーゴイルは破邪の剣を咥えた。

「大変よ!破邪の剣が持ち去られてしまうわ!」

 


グラハムは弓を放った。
「ギャピーッ!」

「私はレンジャーのグラハム。皆さんのお力のおかげで町が救われました。
…なのに私はイ・オムに手をかして、ご迷惑をおかけしました。」

「大丈夫よ!私達あなたを恨んでいないわ!」

「どうか、この罪滅ぼしとして
破邪の剣を見つけるためのお手伝いをさせて下さい!」

レンジャーのグラハムが仲間になった。

ガーゴイルが墜落したのはエルミドの城の近くです!
一刻も早く参りましょう。」

第1章 留守番部隊の冒険
-終-

 

第2章 イ・オムの策略

「おかしいですね…ガーゴイルが落ちたのはこのあたりだったんですが…」

「でも‥‥ガーゴイルの影も形も見えないよ。」

「見当たらないわねえ」

「やはり…エルミド国の者がつるぎを持ち去ったのでしょうか?」

「お待ち下さい。」


「お前もしつこい男だな!お前達はしばらくの間、警備に当たらずとも良いのだ。
それのどこが気に入らぬのだ。」

「いいえ!気に入りません。
我らエルミド兵の代わりにあのような輩に守らせるなど
もっての外だと言っているのです。

これは王様の命令ですか?それとも…まさか!」
「まさか…俺の一存なのか!か?
キヒヒヒ…俺の一存!だったとしたらどうする!
おっと!待っていたものがやってきたようだな!」

「あっ!何をするつもりだ!」
「うるさい!話はあとだ。
待ちかねたぞ!サイプレス!」
エルミド兵になりすましてサイプレス軍を倒すはずが、とんだ計算違いだ。
しかし結果が同じならばゴードン様も許してくれよう!
グハハハッ!皆殺しだ!」

 

*** BATTLE ***

 

「何ていうことだ!警備隊長が‥‥モンスターだった…なんて。」

「サイプレスの方々ですね?
まさか我らエルミド軍が魔物に乗り移られていたとは!

驚かれた事でしょう?」

「いいえ!エルミドの方…あなたこそ驚いたでしょう。
あれはイ・オムの軍隊です。
‥‥我々を待ち伏せし、騙し打つつもりだったのですわ。」

「なんですって!イ・オムですか!あの…悪しき邪神の国
どうりであの破邪の剣を欲しがっていたわけですね!」

「えっ!それではやっぱり…。お願い!破邪の剣を我々に返して下さい!」

「いま…あのつるぎは王様がお待ちです…そうだ!こうしましょう!
エルミドの町にいてください!その間に私は王様に話しておきます。」

 

*** BATTLE ***

 

「エルミド王に申し上げます!
ただいまサイプレスの方々がこちらにお見えになりました!」

「うむ…破邪の剣を取りにみえたのだったな!」

「はい!そうでございます」

「サイプレスの方々よ!そなた達の探しものはこのつるぎに相違ないか?」
エルミド王は破邪の剣を掲げた。

「ああっ!あれに間違いないわ!あれこそ破邪の剣だわ!
エルミド王様!それに相違ございません。」

「ならば良かった!さあそれではお返しするとしよう。
ささ、取りにまいられよ!」

「ワッハッハッ、残念ながらつるぎを渡すわけにはいかぬ!
なぜならば…オレは…」

「オレ様はイ・オムのゴードン!」

「ああっ!王様じゃないぞ!すると…王様は一体?」

「エルミド王は我がイ・オムに盾突き過ぎたのでなぁ…
イ・オムの生贄になったわ!」

「なんだと!キ・サ・マ‥‥わが王を生贄だと!なんてマネを…ゆるさん!」

「我らイ・オムに歯向かう者は、全て葬られるのだ!
しかしそれだけでは済まぬぞ!国までも滅び去るのだ!」
城が崩壊していく。

「我がイ・オムの力!思い知ったか!さて座興も終わったようだな。」

「待て!ゴードン!敵に背中を見せるか!」

「クックックッ、早まるな!
お前達の相手をするのは我が下僕達だ!さらば!」

「王様を殺され…城までもこんな有り様だ!
イ・オムめ…許さんぞ!私にも助太刀させて下さい。」

アーチャーのチェスターが仲間になった。

「さあ、ザコ共を始末してゴードンに追いつくのです。」

 

*** BATTLE ***

 


「ゴードンが入っていったのはこの穴だったわねぇ…
この穴はいったいどこへ通じているのかしら…」

「その穴はポルトベリヨに通じているのですわ。
申し遅れましたが、わたくしはマリアン。王宮魔導士ですわ。
お城が崩れだしたので、王様を救い出そうと慌てて参りました。」

「残念だけどエルミト王はイ・オムの生贄になったわ…」

「ええっ!なんですって!?」

「エルミド城を破壊したのも、
王様に成りすましていたイ・オムのゴードンの仕業だわ!

その穴から逃げたのよ…」

「そう…そうだったのですか…
それで全てがわかりましたわ。王様がおかしかったわけも!
その…ゴードンの後を追うつもりですね?」

「もちろんよ!奴の奪われたサイプレスの宝である破邪の剣を取り戻すの!」

「あんたに優しかった王様を生贄にするなんて許せない!
どうかお願いします。私も連れて行って下さい!」
魔術師のマリアンが仲間になった。

「穴の中は迷路になっています。どうか私についてきて!」


「それではシュウどの!私はこの先の様子を調べてまいりますわ!
誰?そこにいるのは!」

「やはり追ってきたか!サイプレス軍め!」

「その声はゴードンね!
もちろん逃がしはしないわ!
そのつるぎを取り戻すまではどこまでも追い詰めてあげるわ!」

「そうか…どこまででもこのつるぎを追ってくるか?
ならば二度と追って来れないよう。この私が地獄に案内してやろう!」

 

*** BATTLE ***

 

「罠にハマったな!サイプレスのバカどもめ!
このゴードンが何もせずにお前達のやって来るのを待っていたと思ったか!
いでよ!我が下僕達!サイプレスの奴らを叩き潰すが良い!」

マップ中に複数体のゾンビが現れる。

 

*** BATTLE ***

 

「…ワードラー様!残念ながらつるぎはサイプレスの手に渡りました…
油断!めさるな!ぐふっ!」
ゴードンは破邪の剣を落とした。
シュウは破邪の剣を手に入れた。

「やったわね!シュウ!やっと破邪の剣を取り戻す事が出来たわ!
これでサイプレスに戻る事が出来るわね!」
「喜ぶのは早いな!」
「フフフ…探したところで見つかりはしないぞ!」

「あなたは誰?どこにいるの?イ・オムの仲間ね!」
「まだ…私の名を明かす事は出来ない…だがイ・オムの者ではない!」

「喜ぶのは早いとは一体どういう事なの!」
「サイプレスの遠征軍がイ・オム軍に敗れたのだ!
ニック王子も今やイ・オムの捕虜になっている。
ニック王子を助けたければ、
このままポルトベリヨに向かって船でイ・オムに渡るがいい。」

「ウソよ…ウソに決まってるわ!
そんな根も葉もない事を信じる事は出来ないわ!」

「根も葉もない事かどうか。ポルトベリヨに行きさえすれば全てわかるだろう。
さあ、行け!…そして破邪の剣の力でイ・オムを倒すのだ。」

ポルトベリヨに行きましょう。事の真偽を確かめるのよ!」

「まいった。イ・オムの手下だわ。」


「やや!あれはサイプレス軍!…という事はゴードン様が倒されたという事か!
ええい!皆の者!ポルトベリヨを守れ!船を渡してはならんぞ!」

「残念!見つかったわ。こうなったら強行突破よ!」

 

*** BATTLE ***

 


「教えてちょうだい!サイプレスのニック王子はイ・オムに捕まったの?」
「そうだ…その通りだ…。イ・オムのアルカム砦は無敵の要塞なのだ…。
ワードラー様、バンザーイ!グフッ!」

「そんな…まさか…サイプレス軍が敗れたのは本当の事だったの?
きっとニック王子達はヤツの言ったアルカム砦に捕らわれているに違いないわ。
船を手に入れましょう!アルカム砦に向かうのよ!」


「来おったな、サイプレス軍!我らがイ・オムの船を渡してなるものか!
ええい!者共かかれ!!我らの船に近づけるな!」

「シュウ!みんな!あれがイ・オムの船よ。注意して戦って。
奴らも船を守るために必死になって向かってくるわ!」

 

*** BATTLE ***

 


「イ・オム軍を倒して船を手に入れたのは良いけど、この船…おかしいわ!
錨を解いたのに全然動きそうもないわ。一体どういう事かしら…。」
「それにはわけがあるのですわ」

「えっ!誰が言ったの?」

「オーイ!メイフェアーッ!」

「やっぱりメイフェアだ!俺だ!ランドルフだよ。
みんな!来てくれると思ったぞ!」

「えっ?あなたはランドルフ!それにサラもいるじゃない!
あなた達はニック王子とイ・オムに向かったはずでは?」

「その通りですわ…しかしアルカム砦の戦いで敗れてしまったのです。」

「私とサラにもう一人、バードラーのバリーとでここまで逃げ延びて来たのだ。
詳しい話は後だ。早くその船から降りろ。」

「ちょっと見て!」

「大変!ひとりでに動いている。」
シュウ達は幽霊船によって部隊を引き裂かれてしまった。
この先、シュウ達を待つものは、シュウ達の運命は…

第2章 イ・オムの策略
-終-

 

第3章 アルカム砦の死闘

部隊を引き裂かれたシュウ達は、船の上で途方に暮れていた。

「あーあ、まいったなあ。この船は一体どうなっているんだ…。」

「ほんとにまいったなあ!ナターシャ達とも別れてしまったし…。
あいつらは一体どうしているだろうか?」

「仲間の事よりも取り敢えず僕らの事さ。
ひょっとして…これはイ・オム軍の罠かも知れない!」

「えっ!だったら大変よ!どうにかしてこの船を止められないかしら…」
「無駄な事はしない事だ!」


「ヒャヒャヒャ、愚かな奴らだ!確かにその通りだぜ!
この船が動き出したのは、お前達を引き離すためさ!
しかし気づくのが遅かったな!おのれの愚かさをあの世で悔やむがいいぜ!」

 

*** BATTLE ***

 


「ふう…追いついたか!ランドルフに頼まれて慌てて追いかけてきたんだぜ!」

「まあ、あなたはバリー!
そう、ランドルフがあなたの事を応援に寄こしてくれたの…

ポルトベリヨに残ったみんなは大丈夫なんでしょうね?」

「ああ、心配いらないよ。今頃きっと彼らもイ・オムに向かっているはずさ。
僕らもイ・オムに向かおう。僕は君達と行動をともにするとしよう。」
バードラーのバリーが仲間になった。

「幸いにもこの船は目的地に向かっている。
この先のデミスの港からアルカム砦はすぐ近くさ。

あそこで装備を整えて先を急ぐとしよう!」

 


「この平原を抜けるとアルカム砦に着くのね。
でも…この辺りは随分地盤がゆるいみたい。」

「ああ、そう言えばこの辺りは火山地帯なんだよ。気をつけて進んでくれ。」
「おい!サイプレス軍!」


「やはり…そのようだな!密かに近づいたつもりか?バカめ!
お前達の行動はヒンデル様がお見通しよ!まとめて引導を渡してやる!」

 

*** BATTLE ***

 


「な、なんという事だ。オレ様がやられるとは…
しかしお前達をこれより先には行かせんぞ。思い知れ、ヒッヒッヒッ、ウグッ。」


一方その頃ナターシャ達一行は…
僧侶のサラを軍師とし、ニック王子を助けるために、アルカム砦へ急いでいた。


「サラ!このあたりだったよな」

「ええ…間違いないわ!あの村が見えるもの!
あの村の向こう側に隠し砦があるはずよ!さあ行きましょう!」

「えっ!なんですって!このガケを登るんですか?
とんでもないですよ!ランドルフさん、見て下さい。
敵があんなにいるのに、こんなガケを登ったら、奴らの思うつぼだ!」

「みんな聞いてちょうだい!
我々の軍がやられたのは、アルカム平原の真ん中で挟み撃ちにあったからなの。
ナターシャ達の一行がアルカム平原に着く前に隠し砦を叩きましょう。」

「そう!みんなに追いつくためにも、
ここを登らなければならないってわけなのさ!」

 

*** BATTLE ***

 


「イ・オムの兵士達がいなくなってるぞ?」

「あなた方がイ・オム軍を倒して下さったのですね!

「えっ?ええ、そうですわ。」

「おかげで助かりました…もう少しで村人全員が葬られるところだったのです。
私達はこの向こうに“ある砦”を作るために借り出されたのですが、
それがいけなかったのでしょう。

隠し砦の弱点をサイプレスに知られるのを恐れて、皆殺しにしようとしたのです。」

「まあ、そうだったの…
あの…お願いがあるの!その隠し砦の弱点を私達に教えてくれない?」

「…」

「私達はサイプレス軍!イ・オムを討伐に来たのよ。
そのためには隠し砦をどうしても叩いておきたいのよ!」

「やはりそうだったのですね!喜んでお教え致しましょう。
私もイ・オム軍には返したい借りがあります。どうか仲間に加えて下さい。」
ウォーリアーのガメスが仲間になった。

「村で疲れを癒やしたらさっそくまいりましょう。」


「イ・オムの隠し砦は正面は強いのですが、上からは脆いのです。
この人数でもここから攻めれば必ず破れるはずです。」

「しーっ!静かに…誰か来るわ…」


「…ここだけの話だが…ワードラー王の事だけれども、残酷な方だと思わないか?
色んな国を征服するのは、その国の王族の人達をイ・オムの生贄にするためで、
ワードラー王はそれによってイ・オムに近づくのだそうだ。」
「ハハ…それでか!なんでもサイプレスの王子もイ・オムの生贄にするってよ。」

「なんですって!」
「なんだ!お前ら?くそっ、サイプレス軍か!敵だっ!敵襲!」

 

*** BATTLE ***

 

「ソ、ソロ…様、て、敵…が…グフッ」

「ソロ?きっと砦のボスね。この中にいるに違いないわ。
みんなソロを探しましょう。」


「まっ、まあ…なんなのここは!先がまるで見えないわ!
ソロは一体どこ?出口はどっちなの!」

「困っているようだな?サイプレス軍!」

「誰?誰なの!どこ?どこにいるの!
わかったわ!ソロね!卑怯者ーっ!姿を見せなさい!」
「ソロ?フフフフ…ソロ様が出向くまでもない!お前達の相手など我らで十分だ!
どうしてもソロ様に会いたいのなら、まず我らを倒してからにしてもらおう。
もっともそれはできまい!ソロ様の結界で守られたこの砦で貴様らは死ぬのだ!」

「ソロの結界?」
「フフフ…お前達には見えない。
我らの姿が!しかし我らは見える!お前達の死に行く様がな!

隠し砦はソロ様の力そのものなのだ!その恐ろしさを思い知らせてやる。」

 

*** BATTLE ***

 

「こんな奴らにまさか俺様がやられるとは、ソロ様…ウグッ」

「フウ…なんて恐ろしい砦だったんでしょう…
さあ、みんな!出口だわ!アルカム平原へ急ぎましょう!
ナターシャ達に追いつかないと!」

 

同じ頃、シュウ達は地下の火山洞窟の中を北に向かって急いでいた!
偶然の事ながらも…アルカム砦の方角に近づいて行くのだった。


「本当に…アルカム砦はこっちの方角なんでしょうね。
それに洞窟の出口がどうしても見つからないわ。

待って…奥の方で人の話す声がする!」


「いいか!お前ら!サイプレス軍はこの洞窟を必ず北上してくる。
ここで食い止めるんだ!」

ホークマン様!向こうに人影が!」
「なに!ややっ!あれこそはサイプレス軍だ!
かかれ、かかれ!奴らをここより先に行かせてはならんぞ!」

 

*** BATTLE ***


「…まいったわねぇ…ここで行き止まりだわ。
イ・オム軍が待ち伏せしていたし、どこかに出口があるはずよ。
でも…見つからないし…。

あっ!あそこを見て!光がさしているわ。」
「サイプレス軍よ、よくぞここまでやってきた!」

「その声はあの時の…」
「フフフ…その通りだ。いまロープを降ろしてやる!
それを使って登ってくるがいい。」

「一体あなたは誰?どうして助けてくれるの?
誰でもいい…そらっ、ロープを降ろすぞ!それで登れるな!いずれ相見えようぞ!」

「行ってしまったようね。とにかく登りましょう。シュウが最初に登って!」

 


「あっ、あれは!シュウ達だわ!」

「あいてっ!」(駆け寄ろうとしてコケる)

「あなた達がどうしたか心配していたのよ。みんな一緒ね!
ひとまずキャンプを張って態勢を整えましょう。」

 

「サイプレス軍はこの平原でイ・オムに負けたのだわ…
でも…サラ達のおかげで挟み撃ちになる事は無いわ。
自分達の力を信じて行きましょう。アルカム砦へ!」


「クックックッ…バカものが!
ニック王子達のように挟み撃ちにしてくれる!」
「大変です!隠し砦が潰されて挟み撃ちに出来ません!」
「なんだって!くそっ!我らの手の内を読まれていたのか…
バーバラ様とソロ様にこのことを知らせるのだ!」

「わかりました!」
「奴らを食い止めろ。
アルカム砦で奴らを迎え撃つための準備を整える時間を稼げ!」

 

*** BATTLE ***

 

「…隠し砦さえ潰されていなければ、我らが勝っていたものを…
だが我らの無念は砦のバルーンが晴らしてくれるぞ!ぐふっ!」

「…砦のバルーン?一体何の事かしら…。気をつけて行きましょう。
アルカム砦の中には罠が潜んでいそうよ!」


「サイプレスもやゆるわね。ソロの自慢だった結界の砦を破るとは!
それとも…ソロのちからが落ちたのかしら?ホーッホッホッ」

「なっ、何を言うのだ!
私の力を疑うのなら、お前自身で試してみるがいい。」

(戦う二人)

「やめんか!ばかものどもが、仲間割れしてなんとする!」

「フン!あまりにもソロが不甲斐ないせいですわ。

「口が過ぎるぞバーバラ!ソロとて歴戦の勇士だ。
このままで終わるはずがなかろう。」

「・・・」

「ところでワードラー王!
エルミド王で試された復活の実験の成果はいかがだったのでしょうか?」

「フフフ…大成功だ!奴は見事に蘇りおった。
それよりヒンデルよ…。ひとつ気がかりな事があるのだ。」

「は?気がかり…と言いますと。」

「イ・オム軍の幹部の中にサイプレスに内通している裏切り者がいるのだ。」

「そっ、それは…一体誰ですか!」

「いや、確証はない。余のカンなのだが…」

「ややっ!奴らです!サイプレス軍が来ました!」

「ソロよ!サイプレスの者共をもてなす準備は良いな?」

「キヒヒ…ご安心めされよ。もはや整ってございます。」

「うむ、この場はソロに任せた!他の者は神殿へ。余についてまいれ!」

「あっ、あれは…?あの一番奥にいるのがきっとイ・オム王に違いないわ。
早くアルカム砦を落とし、奴らのあとを追いましょう!」

「キヒヒ…そうはさせんぞ。
お前らサイプレスなどバルーンで木っ端微塵じゃ。」

 

*** BATTLE ***

 

「気をつけろ!サイプレス軍!その先にはデスバルーンが隠されているのだ!
デスパルーンとは機雷の事だ。無闇に近づかなければ突破できるはずだ!」

「誰だ?お前は!ワードラー王の言われたわが軍の裏切り者だな!
姿を!姿を見せよ!

ちっ、逃げられたか!まあよい、サイプレス軍には空中機雷は破れまいて。」


デスバルーンが現れた!

 

*** BATTLE ***

 

「ふっ、不覚…。こうなれば一人でも道連れにしてやる…
おおおーっ!きっ、貴様は…」

「・・・・」

「そうか、そうだったのか!それでわかったぞ!裏切り者は奴か!
裏切り者の名は…」
(爆発するソロ)

「アルカム砦を落としたわ!みんな早くイ・オム王の後を追ってちょうだい!」
(シュウを残して去っていく仲間)

「みんなは気づかなかったみたいね。
だけど私には聞こえたわ。…どうしてなの?

ソロはシュウの事を知っているみたいだった…。
シュウ!教えて!イ・オム軍の裏切り者って一体誰の事なの!」

敵将ソロだけを残し去っていったワードラー王達。
アルカム砦を落とし、イ・オムの王ワードラーを追いかけるサイプレス軍。
生贄にされるというニック王子の運命は!また、イ・オムの裏切り者とは?
ここに最後の決戦を迎えようとしていた。

第3章 アルカム砦の死闘
-終-

 

第4章 イ・オム覚醒める


「いそげ!急がんか!サイプレス軍が来る前にニック王子を運び出せ!
先に行かれたワードラー王が神殿でお待ちかねだぞ!」
「あっ、あれはサイプレス軍!
ヒンデル様に申し上げます!遥か彼方にサイプレス軍が進軍してきております!」

「そうか…わかった。
バーバラよ!聞いた通りだ!お前はニック王子を連れて先に神殿に向かってくれ!
俺はここでサイプレス軍を迎え撃つ!」

「それは出来ないわ!」

「なんだって!」

「私はワードラー王からじきじきに命令されているのよ。
あなたから目を離すなと!」

「なっ、なんだと!・・・・・それは・・・一体どういう事だ!」

「さあ?どういう意味かしら?
おかしな行動を取ったら殺せって事かしらね!」

「・・・・・」

「でもニック王子の護送にはついて行けって言われているし、
困ったわねぇヒンデル!」

「一体どうしろと?…そうか、わかった!
俺も一緒に行けばいいんだろう?バーバラ。」

「あーら。聞き分けが良くってよ。そう言ってくれて助かったわ。
敵や部下の見ている前であなたと争わずに済んだわ。
ヒンデルと私はニック王子を連れて神殿に向かう!
お前達はサイプレス軍を力の限り食い止めるのよ!」

「ねぇ、一体…メイフェアと何があったの?
それに…メイフィアもあんなにシュウを頼りにしていたのに…
お互いに口も聞かず、絶対におかしいわ!」

「あっ!イ・オム軍がニック王子を連れて行く!みんな後を追うのよ!」

 

*** BATTLE ***

 

「おーい!メイフェアー!」

「あっ!テディ!あなた生きていたのね!」

「誰がやられるものか!この通りピンピンしてるよ。」

「実はニック王子が生贄に連れて行かれたの。」

「うむ…わかっている…」

「それならば、早く行きましょう。ニック王子を救い出すのよ!」

「まあ、待てって!
みんなを見てみろよ。戦いの連続で疲れ切ってるじゃないか!
町で一息入れて英気を養うんだ。」

「そんな場合じゃないわ!」

「護送軍は本道を行ったが、それよりも速い道があるんだ。
その道を使えば先回り出来るさ!」

「テディには負けたわ。
みんな町に行きましょう。」

 


「近道を急いで来たが、こんな谷を通るとは!
こんな場所で待ち伏せされたら苦戦を強いられるだろうな。」

「でも進むしかないわ!引き返していたら奴らに追いつけないもの。」
「おい!サイプレス軍!何を戸惑っている?」


「そこで迷っているうちにニック王子は生贄だ!」

「なんだと!クソーッ!そこで待っていろよ!
その首をへし折ってやる!」
「おい!お前達!我々の命に代えても奴らを石像に連れ込め!
サイプレス軍を一網打尽だ!」

 

*** BATTLE ***

 


「石像までもが破れるとは!もはやイ・オムもこれまでか!
いや、そんな事はない…あの方がいたではないか!復活を果たしたウォル、グフッ」
(爆発するデーモンマスター)

「…奴は一体…何を言おうとしていたの…復活を果たしたって?
いいえ、どうでもいいわ。急ぎましょう、みんな!ニック王子が先だわ!」


「ニック王子はまだか!」

「むむ、イ・オムの神が生贄を待ち切れぬと怒っておられるぞ!
おお、イ・オムの神よ!今しばらくお待ちあれ!
サイプレスの王子の体を生贄に捧げますぞーっ!」
「ワードラー王!ご覧ください!ヒンデル様を先頭に護送軍がやってきます!」

「ワードラー様!お待たせしました!」

「待ちかねたぞ!バーバラ!」

「…サイプレス軍に手を焼いていたものですから…」

「なに!サイプレスだと!」

「しかし、ご安心下さい!
今頃は古代の谷でイ・オム像の餌食となっておりましょうほどに…」

「そうか!古代の谷か!あそこに誘い出したか!でかしたぞ!バーバラ!」

「そう簡単にはいかないわ!」

「な、何者だ!」

「ゲッ、サイプレス軍か!谷を無事に通過したのか!」

「ニック王子を迎えに来たわ。さあ、返してちょうだい!」

「バカな!誰が返すものか!」

「ワードラー様!この上は私が奴らを叩きます。ワードラー様は神殿に!」

「うむ、わかった。
ヒンデルネはニック王子と一緒にまいるのだ!バーバラ!後は頼むぞ!」
(神殿の奥へ去るワードラー達)

「おいでサイプレス軍!イ・オムの将軍、バーバラの力を思い知るがいい!」

 

*** BATTLE ***

 

「私の負けね…
でもワードラー様の持つイ・オムの力を使えば、サイプレスなどものの数ではない。
ニック王子を取り戻すなど、所詮できはしないのよ…
イ・オムの前にひれ伏すがいいわ。」
(爆発するバーバラ)

「さあシュウ急いで!ワードラー達の後を追うのよ!」
「待て!」

「あっ!シュウ、うしろに敵兵が!」
「お前達を神殿に行かせるわけにはいかん。
ここで勝負をつけてやる!サイプレス軍かかって来い!」

「ちょっと待った!お前の相手はガーディアナだ!」
「なんだと!」

「あっ!あれは…ガーディアナのルースだわ!」

「よお!メイフェア!なんとか間に合ったろ!」
「ガーディアナ軍が…ですぎた真似を!」

「サイプレスのニック王子は今や俺の親友だ。
親友の一大事に黙っていられるかっての!

メイフェア!急げ!ニック王子を救い出せ!」

「ルース!ありがとう!恩に着るわ!
さあ、ここはルースに任せて先を急ぎましょう。」

「ハアハア…なんて広い神殿なの!ここにもいないみたい。
ほかを当たりましょう。」

「待って!あれを見て!きっとあの奥にいるに違いないわ。
みんな行ってみましょう!」

「グフ、グフ、グフフフフ、ここまでやってきたか!サイプレスの精鋭たち。」

「…?この声は聞き覚えがあるわ?この恐ろしい響きは…」
「グフフフフ…私か?」

「私は元サイプレスの大神官ウォルドルだ!」

「まさか…うそよ!ウォルドルは死んだわ。」

「その通りだ!お前達に敗れてから、私の魂が泣いている!
つらい!苦しい!とな!

それを晴らすために地獄から蘇ったのだ。その苦しさを味あわせてやる!」

 

*** BATTLE ***

 

「私が負けたのか…力で劣るわけがないのに、

一度ならず二度までも負けたのか?
グォォォォォーッ、溶ける!体が溶けていくぞ!ワードラー様!おだずげを
がらだがどげで…」

「…ゴクン…邪神を崇拝した者の末路だわ…恐ろしい。
さあ時間が無いわ。中に突っ込むわよ。」

 


「やはり貴様だったのか!
幼い時に拾ってから、ここまで育ててやったのにヒンデルめ!この恩知らずが!」

「危なくニック王子を逃されるところでした。
ここはひと思いにヒンデルにトドメを刺しておいた方が!」

「いいや!それはならんぞ!
ひと思いに楽になったのでは、余の気持ちがおさまらんわ!
まずニック王子を生贄に!」

「待って、そうはさせないわ!」

「うぬぬ…サイプレス軍、
バーバラどころかウォルドルまで敗れ去ったというのか!

ヒンデルのおかげで余の計画が全て狂ってしまったわ!」

「…そうだったんだわ。
あのヒンデルという人がイ・オムの裏切り者だったのね。

でも…どうして?なぜサイプレス軍に手を貸してくれたのかしら?」

「!!」

「どうしたの?シュウ!もしかしてあなたヒンデルを知っているのね!」

「ええい!しゃらくさい!そんな茶番劇など付き合っていられるか!
こうなったら余が自ら貴様らサイプレス軍を成敗してくれるわ!」

「シュウ!話はあと!ワードラーを倒しましょう!」

 

*** BATTLE ***

 

「グオオッ、サイプレスめ!
イ・オムの王である余をやぶりおったな…。しかし…見ておれよ!」

「あっ、ワードラーが消えたわ!どこに?どこに行ったの!」

「余はここだ!ニックを生贄にして、
いまいちど力を増やし、サイプレスを成敗してくれるわ!」

「わが王!ワードラー様!」

「むう…。貴様…ヒンデル!またしても余の邪魔をするというのだな…」
164
「・・・・・」
ニック王子は戒めを解かれた。

「ヒンデル…ありがとう!君のおかげで助かったよ。
それに…君の言った通りだ。僕の右手を見てくれ!」

ニック王子の右手が動くようになった。

「サイプレスの方々がデスウォルドルを倒したので、
ヤツの呪いが解けたのです。

さあ、早くみんなのもとへ。破邪の剣を受け取るのです。
イ・オムの力に守られたワードラー王を倒すにはあのつるぎしかありません!
あれで早く!早くとどめを!」

「よし!わかった!」

「ニック王子…よくぞご無事で…」

「メイフェア…みんな…苦労をかけたね…。
でもヒンデルのおかげで辛い思いはしなかったよ。」

「ひょっとして…?テディはこのことを?」

「もちろん知っていたとも!でも敵を欺くにはまず味方からというだろう。
だから言わなかったのさ。

シュウとは君だね?やっぱり思った通りだ。ヒンデルにそっくりだ!」

「・・・」

「えっ?シュウはヒンデルと?」

「彼はヒンデルの弟さ。
ワードラー思いのヒンデルはイ・オムを裏切れなかった。

しかしイ・オムの行いも許せなくて弟をサイプレスに送り込んだんだ。」

「死ねーっ!ヒンデル!」

「しまった!ヒンデルが!」

「もはや勝ち目はない!ならばヒンデルと余を最後の生贄としようぞ!
そしてイ・オムを呼び出し、サイプレスを倒すのだ!」

「ヒンデル!ヒンデルーッ!」

「ニック…王子…シュウを…弟を、た…の…む…」
(ヒンデルをマグマに落としたあとに自分も飛び込むワードラー)

 

*** BATTLE ***

 


「イ・オムの力が消えて行く。体の力が抜けて行く。
寒い…寒い…。死ぬのか?余が死ぬのか?

はっ!呼ぶのは誰だ。余を呼ぶのは誰だ!
お前はイ・オム!余を魔界へ連れて行く気か?嫌だ!嫌だ!嫌だーっ!」

サイプレス軍は全員蘇った。

「奴は…ワードラーは死んだのだろうか…
イ・オムは魔界に戻ったみたいだし…ワードラーも死んだんだね。
だけど、ヒンデルはもう…戻らない…

「・・・・・」

「やめろよ…シュウ!探したって無駄だよ…
ヒンデルは死んだんだ。」
(地震が起こる)

「なんだ?一体…そうか!きっとそうだ!
イ・オムの力が去った事で、
このイ・オム神殿そのものが力を失ってしまったんだ。

逃げよう!シュウ!神殿が崩れるぞ!」

「・・・・・」

「どうしたんだシュウ!ここで死のうっていうのか!

「ニック王子!どうしたの?ここにいては危ないわ!早く逃げなければ!」

「それが…ダメなんだよ!シュウがシュウが!
あそこを離れようとしないんだ!」

「ああ…シュウ…あなた…あなた…シュウ。
行くのよ!シュウ!ここにいたらヒンデルどころか、あなたまで危ないじゃない!
何よ!この意気地無し!
あなたが死ぬ事で…悲しむ人間はどうなってもイイっていうの!

あたしは、どうなってもイイの!」

「・・・・・」

「わかったろう…シュウ。ナターシャだけじゃないんだよ。
みんな君が心配なんだ。

行こう、シュウ。君の兄さんの分まで…ヒンデルの分まで生きるんだ!」

「・・・・・」

 

 


「みんな!ちゃんと警備についてるわね。関心関心。

「メイフィア様!シュウはどうなるのですか?」

「メイフィェア様!アローンだけじゃありません!みんな心配してるんですわ。
どうか教えて下さい!シュウはどこか遠くに行ってしまうのでしょうか?」

「ナターシャ…」

「・・・・・」

「いまニック王子とテディがシュウを説得しているわ。
ここに留まるようにと…

でもダメみたいなの。シュウの決意は固いわ。」

「一体どういう決意ですか!
僕達は今度の戦いで心から解り会える仲間になれたはずなんです…なのに!」

「…行っちゃえばいいじゃない!
心配するみんなの気持ちが解らない奴なんか…どこへでも行けばいいのよ!」

「メイフェア!」

「テディ…どうだったの?」
テディは力なく首を横に振った。

「そう…ダメだったの。

「王子とシュウがいま出てくるよ。」

「やはりどうしても行くのか?みんなの顔を見ても気持ちは変わらないのか?」
シュウは小さく首を縦に振った。

「これ以上引き止めても無駄だったようだね…
仕方無いな…みんな!シュウの旅立ちだ!見送ってやってくれ!」

「寂しくなるな…シュウ。たまには思い出してくれよ。
サイプレスにいた仲間の事を。」

「俺達も決して忘れないぜ!イ・オム育ちの兄弟を!勇敢な剣士の事をな!」


「シュウ!ちょっと待って!
ナターシャ!これでいいの?シュウが行ってしまうわ!
このまま別れてしまったら、あなたは一生後悔する事になるわ!」

「・・・・・」

「ナターシャ、頑張れよ!」

「グスン…ひどいよ…私をおいて行くなんて。あんまりじゃないの…
シュウが嫌だといっても、私、ついて行くわよ。」
シュウは小さく首を縦に振った。

「見せつけやがるぜ!シュウ!
俺達の事も忘れるなよ。俺達はいつでも友達だぜ。」

「ニック様…シュウは上手くやっていかれますかなあ。」

「大丈夫さテディ、きっと逞しいく生きていくよ。
そして…いつか…サイプレスに戻ってくるさ。」

 


こうしてシャイニング・フォースは、壮絶な戦いの末、
イ・オムという悪しき邪教の国を撃ち破り、
ついにサイプレス国には真の平和が訪れたのです。


そしてまた、サイプレスを出発した二人は、
新天地を目指し遥かな旅路に着きました。」


the Another Story of SHINING FORCE part2

G.G. Original Staff

Programmers
HARUKI KODERA
KENJI NUMAYA
YUTAKA YAMAMOTO
AKIRA TAKASAKI
YASUHIRO TAGUCHI

Subscript
SHUGO TAKAHASHI
HIROYUKI TAKAHASHI

Map Design
SHUJI SHIMIZU
TATSUYA NIIKURA

Character Design
HIROSHI KAJIYAMA

Graphics
KENSUKE SUZUKI
MASANORI KANEKO
MIYUKI MATSUMOTO

Music Composer
MOTOAKI TAKENOUCHI

Sound Effects
DOGEN SHIBUYA

Manual
NAOKO OKADA
AKIO NAKAJIMA

Directed by
SHUGO TAKAHASHI

Produced by
HIROYUKI TAKAHASHI

Special Thanks to
MASAYUKI HASHIMOTO
KOKI TAMAI
R.I.S. CO., LTD.
RIT'S

Created by
SONIC CO., LTD.

やっぱりセガが好き第108回「シャイニング・フォースCD(シナリオ1:遠征・邪神の国へ)」


シャイニング・フォースCD
セガ
1994年7月22日
7800円
メガCD専用

 


シャイニング・フォースCD」というタイトルだが、
1992年にメガドライブでリリースされた
シャイニング・フォース 神々の遺産」のCD-ROMでの焼き直しではない。
ゲームギア向けに1992年12月25日リリースされた
シャイニング・フォース外伝 遠征・邪神の国へ
シャイニング・フォース外伝Ⅱ 邪神の覚醒」をカップリングしたものである。
シミュレーションRPGとして生み出された「シャイニング・フォース」のシステムを
携帯ゲーム機向けにコンパクトに上手くカスタムされており、
ゲームギアタイトルの中でも傑作の部類に入る。
これらをテレビの大きな画面で遊べるだけでも価値があるのだが、
この2作から続くオリジナルの追加シナリオも収録されており、
まさに決定盤となっている。
今回はプレイしながらシナリオログという形で残しておきたいと思う。

 

 


ルーンファウスト軍侵攻に端を発したダークドラゴンとの壮絶なる戦い。


マックスを始めとしたシャイニング・フォースの偉大な働きによって、
幾多の困難を打ち破り、ダークドラゴンとの戦いは終焉を迎えました。
勝利したフォースのメンバーは新たなる平和を誓って元の生活へ戻りました。
ある者は行方を絶ち、またある者は修行の旅を続け、
そしてまたある者はそれぞれの故郷へと戻って行きました。


そしてアンリはガーディアナ国へ戻り、
女王となってケン、ダグ、ロウ達とともに

祖国の再建に力を注いだのでした。


このお話は、それから20年後の物語です。

 


アンリ王女の眠りを覚ますために・・・
ラグを隊長とした遠征軍を差し向けた・・・
わー!これからどうなるのかな?


あっ、お客様ね!
このご本を読みに来たんでしょ。
じゃっ、一緒に読みましょう!

じゃあ持ってくるからちょっと待っててね。

お待たせーっ
ねえねえ、この主人公は何ていうお名前なの?


ニックさんて言うのね。
かっこいいんだーっ!
どのぐらい難しいのかなー。
【普通/ほどほど/難しい/極悪!!】
わかった、いつものね。
それじゃ早く読んで!
早く早くーっ!

 


「アンリ女王に申し上げます!
ただいまルーン大陸の南、
サイプレス国よりの使者がご挨拶にと参っております。」

「なんと、サイプレスよりの使者?
アンリ様、どういたしましょうか?
アイプレスは未開拓の場所、
好戦的な土地と聞きますぞ。」
その時、表の方から争う物音がした。


「お待ち下さい!
ただいまお取次ぎをしているところです。」

「うるさい!こんなところでおめおめと待っていられるか!
お前らこそ黙るがいい!
くらえ!スパークレベル3!」
「ばかめ!大人しくしていれば手荒な真似をせずに済んだものを。
さてアンリ女王に会うとするか。」

「控えろ!狼藉者め!わがガーディアナ王の前で
勝手な振る舞いは許さんぞ!」
ケンはヤリを持って身構えた。
「グフッ、グフッ、グフフフッ。
噂では…ガーディアナはみな礼節をわきまえるとか…
しかし噂はアテにならぬな。ダントム!フレーベル!」

「ウォォォーッ!
グシュー…グシュー…
我らに歯向かうとはバカなやつ!
さあ来るがいい、遠慮はいらぬ。」

「その騎士はあたしのもんだよ。さあおいでシャイニング・フォース
光の力を見せておくれ。」

「待って!みんなおどきなさい!
私がこの国を統治する者、ガーディアナの王アンリです。
南方よりのご使者に対しての数々の無礼お許し下さい。」

「これはこれはご丁寧な…
わたくしはサイプレス国の使者。そして大神官のウォルドル。
控えるのは精鋭達です。
我々が本日参ったのは、アンリ女王にサイプレス国王の贈り物をお届けするため。
わが国の友好の証として、さあどうかお受け取り下さい。
そしてどうかお確かめ下さい。」
アンリは小箱を開いた…。
小箱から黒いガスが吹き出した。
「あっ!アンリ様ーっ!」
「グフッ、グフッ、グフフフッ。
ガーディアナの者どもーっ、心して聞くがよいぞ!
アンリ女王は永遠の眠りについた。
しかしながらわが神の力で再び目を覚ます事もできる。
そのためにはわがサイプレスに服従を誓わなければならぬ。
それともわが国に攻め込むか?
いずれにしろ、よく考える事だ。
アンリ女王を助けるためにはサイプレスまでやって来ることだ。」
かくしてガーディアナ国は邪悪なるものとの戦いに巻き込まれていくのだった。

アンリ女王にかけられた永遠の眠りを覚ますため、
ガーディアナはサイプレスによりすぐりの精鋭達を差し向けたのだった…が…

 

「おそい!…遅すぎるぞ!
ロウ殿!そう思いませんか?」

「ふーむ…確かに…あれから一月、何の連絡もありませんね。
精鋭軍が敗れたとしたら、我らの力の及ばぬ話だ。
ケン殿、どうなさるつもりですか?」

「このままむざむざとサイプレスに服従を誓えと言われるか!
しかし我らは留守を守る身、おっしゃる通りかも知れません…
ほかに派遣できる者もいない。」

「待って下さい!どうか私たちに行かせて下さい」

「お前はラグの一人息子の戦士見習いのルースではないか。
私たちにとはどういう事だ。」

「はい、それはこういう事です。」
ルースは指笛を吹いた。

「おお、なんと、お前達は…」
「久しぶりだな、エルフのシェイド、お父上のハンスはお元気か?」

オフコース、エルフの森にて父の命令で参りました。
父からもくれぐれもよろしくと。」

「君は巨人族のモンクだね。
僕の知っている光の戦士によくにているような気がするが?」

「ゴングおじさんの事ですか?
あなたのお噂は聞いています。とても勇敢な方だったと。
おじさんの代わりに役に立とうと、この悪巧みに参加しました。
シグと言います。どうぞよろしく。」

「君たちにはいつも驚かされる。美人姉妹の末っ子だったね。
ウエンディ、君までどうしたんだ?」

「タオ達がいつも自慢するの。
もちろん光の戦士の事よ。今度のことはいいチャンスよね。」

「騎士アピス…わが息子よ。お前…本当に良いのだな。
危険な遠征になるぞ。」

「はい、父上!あっ、いえっ、ケン騎士長!覚悟の上です。
どうか我々にお任せ下さい。」

「そして君は…父親を、
遠征指揮官のラグ隊長を助けに行くと、そういうわけだな。

ルース!リーダーは誰なんだ。
お前達だけの悪巧みではない事ぐらいはお見通しだ。」

「それが…」
「おーいっ、ちょっと頼むよ。ばれちまった、出てきてくれよ」

「きっ、君は!あなたはマックス?」
「いや‥似ているが‥違うようだ。」

「ふう…驚かさないで下さいよ。
彼が伝説の光の戦士のリーダーだった人なのかと思った。

彼はプロンプトのニック!古代人の国から諸国に修行の旅をしているそうです。
僕らが話し合いをしている時、口添えしてくれたのが彼でした。
おかげで決心がつきました!
どうかお願いします。僕らに行かせて下さい。」

「彼らがこれほどまでに言うのだ。行かせてやろうではないですか?」
「そのかわり私もまいります。
そしてサイプレス国の奴等に一泡吹かせてやりましょうぞ!」

ニック達は港からサイプレスに向かって旅立った。
このさき、彼らを待ち受ける‥
辛く長い旅の始まりだった。

 

【第1章 2軍部隊の遠征】

ニック達が旅立ってから、すでに1週間が過ぎていた。
このままあと数日の間、無事な旅が続くのならば、サイプレスに上陸できるはず。
しかし、彼らの淡い期待は裏切られることになるのだった。


「あーあ、なんて退屈なんだろう。身体がなまって仕方ないなー。

「まったくだ!船の旅なんて金輪際お断りだよ…」
「ちょっとみんな、あそこを見てみろ!光の玉が近づいてくるぞ!」


「ムヒョヒョヒョ…どうした?何をびっくりしているんだ!
ははー、俺様に驚いていたのか?」
「ガーディアナ軍が来るというんで、そのマヌケ面を拝みに来てみたが、
ケッ、ガキばかりとは情けねえ!
俺達だけで十分だ!さあ死んでもらおうじゃねえか!」

「やつらは我々を甘く見てます。この隙に返り討ちましょうぞ!」


ここからいよいよゲームが始まる。
ユニットごとに順番がまわってきたら行動させていく。
まず移動できる範囲が示されるので、移動する場所を決める。


次に「たたかう」「まほう」「たいき」「もちろの」からコマンドを選択。
攻撃範囲に敵がいない場合は待機で行動を終了するしかない。

移動後に敵が射程範囲に入ったら
「こうげき」か「まほう」でダメージを与える事ができる。


相手のHPが0になると消滅。
魔法は使うとMPを消費し、MPが無くなると魔法が使えなくなる。
仲間のHPが0になると撤退してしまう。
本陣で生き返らせる事は出来るが、お金がかかるので出来るだけ避けたい。
主人公は死んでもお金がかからないので、主人公を最前線で戦わせて鍛えるのが良い。


「ニック、無理をし過ぎましたね。
ここは落ち着いて作戦を練ってみてはどうですか?」

主人公が死ぬか、リターンの魔法を使うと本陣に移動する。
本陣では死んだ仲間を生き返らせたり、毒や呪いを回復させたり、
仲間のスタータスを確認したり装備を変更したりできる。
セーブもここで行う。

敵軍のリーダーを倒すとステージクリアとなる。

メガドライブシャイニング・フォースシリーズのように
自由にフィールドを歩いて探索するシーンは無い。
それにより、テンポの良いゲームになっている。

 


「ガーディアナの見習い部隊を甘く見過ぎていたようだぜ…
しかし俺様もタダでは死なねぇ。この船も道連れだ!あばよ。」


「おおっ、なんという事でしょう!
奴は自爆する力を使い船に穴を空けていきましたぞ。
こうなったらあそこに見える島にどうにか泳ぎ着くしかありません。
さあ、早く飛び込むのです…」

「ニック!しっかりして!ニック!目を覚まして…」


「よかった!気がつきましたね。
しかし船から飛び込んだ時に、みんな装備品を無くしました。
いま敵にあったら大変ですよ。」

「やめて!どうかお許し下さい。」


「ダメだ!もう観念するんだな。お前の頼りの強いアニキも
ここにはいないんだからな、ワハハ。
こんな退屈なミニヨム島でお前のような美しい娘に会えるとは思わなかったぞ!」

「いやーっ!いやーっ!」

「やめんか!サイプレスのウジ虫め!

「いやーっ!いやーっ!」
逃げ出す娘。
「なんだ!きっ貴様らは誰だ!邪魔する奴らは容赦しねえぞ。
やろうども!皆殺しだ!」

「みんな!手近な物を武器にして迎え撃たなければなりません。
さぁ、あたりを調べるのです。」

 

*** BATTLE ***

 


「そっ、そうか…わかったぞ…お前らはガーディアナ軍だな。
サイプレスの主力のいないこの島に上陸するとは…
思ってもいなかった…グフッ」


「大丈夫か!ケガは無いか?
サイプレスの奴らが妹を連れて行ったと聞いて慌てたぞ。」

「もう!ほんとに危なかったのよ。
でもガーディアナの皆さんに助けて頂いて良かった。

さもなければ…今頃…ああ考えただけでゾッとする。」

「なに!ガーディアナ軍だと!
お待ちしてました。あなたがたを!
サイプレス軍はガーディアナが攻めてくると警戒していました。
しかしまさか、この島に来るとは。
お願いです。どうかサイプレスを、神官ウォルドル達を倒し、
国の平和を取り戻して下さい。
ガーディアナの光の軍団の名は、我々にも鳴り響いています。
私もお供させて下さい。」
モンクのクレイが仲間になった。

「兄さん…気持ちはわかったわ。もう何もいわない…倒してね。
そして平和を取り戻してね。」
「みなさん!村においで下さい。この先、補給できませんから、
装備などを整えて下さい。」

 


ここで本陣にお店がオープン。
集めたお金で装備品を買う事ができる。
とにかく装備できるものは全て買おう。
お金が足りなければ戦闘シーンを何度も繰り返してお金を貯めよう。

ショートソード(100G)
スピア(120G)
ショートアックス(120G)
レザークラブ(180G)
ブロンズロッド(140G)
てつのや(110G)
やくそう(10G)
かいふくのみ(200G)
どくけしそう(20G)
てんしのはね(40G)

ちなみにこのゲームでは消費アイテムも4つの装備枠を埋める。
消費アイテムをたくさん抱えると武器や防具が装備出来なくなる。
マップ攻略中にアイテムを見つけても、枠が埋まっていると入手できない。
枠を空けて次のバトルに出発しよう。

 


「サイプレス本土に行くためには、まず船を手に入れなければ!
ミニヨム砦に参りましょう!」
「探したぞ!ガーディアナ軍!」


「ゴブリン達が帰って来ないので、まさかとは思ったが、やはりそうか!
貴様らに倒されていたのだな!
しかし奴らを倒したくらいでいい気になるのもこれまでだ!
我らの軍門に下るがいい。」

 

*** BATTLE ***

 


「くっ、事もあろうに俺達が‥こんな小僧どもに負けるとは…
グググッ、不覚だっ…グフッ」

「ついに我々の所在がサイプレスに知れましたね。さあ先を急ぎましょう。」

「あれがサイプレス軍の砦ですね。
しかし…跳ね橋を下ろさなければ中に入る事が出来ません…」

「ボクはあそこにいた事があるので、ここはボクに任せて下さい。」


「実は砦の司令官にガーディアナ軍についての情報を持ってまいりました!」
「おお、お前はクレイではないか!ガーディアナ軍の情報だと!
わかった、いま跳ね橋を下ろそう。」
「ありがとう…が、お生憎だな、ボクもガーディアナ軍なのさ!」
クレイは攻撃した!
「きっ貴様!はかったな…死ぬ前にこのことだけでも…」
ドワーフは呼び子を吹いた。

「みんな!敵が現れますぞ!全員戦闘配備をとって一気に砦に入るのです。」

 

*** BATTLE ***

 

「さあ、砦に入りましょう…ただし油断は禁物ですよ。」


「ここがサイプレスの砦。薄気味悪いですな…」
「ふふふ、薄気味が悪いか?」

「だっ誰だ!」
「誰だ?とはご挨拶だな!ガーディアナの新米軍め!
まったく向こう見ずなものだな。大胆にもサイプレス軍の砦に押し入るとは。
その向こう見ずさが命取りだ!もう誰も生きては帰さぬぞ。」

 

*** BATTLE ***

 


「私はレジスタンスのバリー!
あなたがたガーディアナ軍の方と会うためにこの島に来たのですが
こんなふうにお会いできるとは…
我々レジスタンスの者達は、
ガーディアナ軍に合流してサイプレス軍を倒すつもりです。」

鳥人のバリーが仲間になった。


バリーはボタンを押した。

「この先に私の船があります。
それでサイプレスの前線基地アスリート島に渡りましょう。

私の仲間達も皆さんを大歓迎する事でしょう。」
ミニヨム砦を壊滅したニック達が次へ向かうのはレジスタンスのいる島アスリート。
同じ志を持つ者達が目指すサイプレスの本拠地は、まだ遥か彼方にあるのだった。

第1章 2軍部隊の遠征
-終-

 

第2章 サイプレスの秘密

アスリート島はサイプレスの前線基地というだけあって、
島の警備も厳重だった。
しかし、バリーの助言によって守備の薄い場所を見つけて
無事に上陸したのだが…
そこはサイプレスにたてつく者、
レジスタンスを根絶やしにするための狩りが行われていたのだった。

「ややっ、アスリート村のまわりをサイプレス軍が囲んでいるぞ。
もしや!我々レジスタンスの拠点である事がバレたのか!」


「みんな!よーく見はっていろよ。
猫の子一匹たりとも逃げ出させるんじゃねえぞ!

魔道士バズー様からの司令だ!
なんとしてもあの方を見つけ、闇のもとに葬り去るんだ!」

「奴の話を聞きましたか?
サイプレス軍にはなにやら探している人物がいるようです。

しかも葬ろうとしている…。
その人があの村にいるのならば、我々が先に見つけましょう。」

 

*** BATTLE ***

 

「みんな!村の中から争う物音がします!さあ早く村の中に!」


本陣でレベル10を超えたキャラクターは天職する事が出来る。
例えば主人公ニックは剣士だが、転職して勇者になる。
パラメータが上がる他、ドットキャラの絵が変化する。

 


「くっそー!一体なぜだ!どうして村の者を殺す!我々が何をしたというのだ。」
「我らの秘かなる使命を知っただけで死に値する、サイプレス王子を恨むがいい。」
焼き殺される男。
「おかしい…これだけしかいない?そんな馬鹿な事があるか…。
少なくとも司祭の娘のメイフェアぐらいはいるはずだ。草の根わけても探し出せ!」
「プリースト様ーっ!」


「プリースト様ーっ!ここにある岩が動きます!
あっ、しかもその下に階段がありました!」

「くそー!ついに見つかったか!
しかし、この階段の先には一歩も行かせるものか!」

「フハハハーッ、バカな奴め!貴様一人に何が出来る!皆の者ーっ」


「おおっ、なんだ??貴様ら!」
「しまった、ガーディアナ軍か!ならば貴様らから血祭りだ!」

「ニック!間に合いましたね!さあ、奴らを迎え撃ちましょう。」

 

*** BATTLE ***

 

「あちらに村の人がいます。話を聞きに行きましょう。」

「もはやダメかと思いましたが、
バリーが皆さんを連れてきてくれたおかげで助かりました。

私はレンジャーのストック。そしてメイフェア!出ておいで!」

「私は僧侶のメイフェアです。
サイプレスの王宮神官の娘でございました…でも」

「彼女の父親はウォルドルに殺され彼女も危ないところでした。
その戦いで彼女は視力までも失ったのです。この村さえ滅びかけたのです。
どうか仲間にして下さい…憎っくきウォルドルを倒すために」
レンジャーのストック、そして僧侶のメイフェアが仲間になった。

「さあ、先を急ぐ前にこの村で装備の補給をして下さい。」

 

「あそこに見える巨大な塔はウォルドルの四天王の一人、
魔導士バズーが守っています。」

「ウォルドルと彼ら四天王がサイプレス反乱の始まりでした。
それに乗せられて王の弟エドモンド様が手を組んだのです。」

「ニック!塔に入りましょう。
そして彼らの探す人物をバズーから聞き出しましょう!」

 

*** BATTLE ***

 

「塔の守りは無くなりました。
さあ魔導士バズーとやらと対決と行きましょう。」


「フハハハーッ、ガーディアナ軍よ!このアスリート塔にようこそ!
心より歓迎させてもらう。
だが果たして…ここまでやってこれるかな!」
バズーは悪しき呪文を唱えた。

「フハハハーッ、上で待ってるぞ!」

「奴がバズー…恐ろしいほどの悪しき魔力を持っていました。
目指すはあの階段です。」

 

*** BATTLE ***

 

「その階段を登ればバズーが待っているはず。
サイプレスの前線基地を任されているバズーの力と対決する時です。」


「なんと!あの防衛戦を越えてきたか!ガーディアナ!」

「バズー、貴様らの探している人物とは一体誰だ!」


「知りたいか!知りたければ私を倒す事だな。
しかしお前らのその力でこのバズーを倒せるかな?
さあ、試してみるが良い!」

*** BATTLE ***

「ぐぐぐ…まっ負けた…約束だ…教えてやろう。我々の探していたのは…」
「…………」
「貴様だ!ニック見つけたぞ!どれだけ我らが探していた事か!
ガーディアナ軍にいたとは…こうなれば…このバズーは死にはしないぞ!
ウォルドル様!このバズーを救いたまえーっ!」
「ワハハハッ!ニックよ、サイプレス本土で会おうぞ!」
光に包まれて消えるバズー。

「…ニック…あれは。バズーの言った言葉の意味は一体どういう事です!」

「私は魔術師のイーシャ!バズーが遠ざかった事で結界の力が弱まって
逃げ出してくる事が出来ました。
私も連れて行って下さい。きっとお役に立ちます。」
魔術師のイーシャが仲間になった。

「おや?もしやあなたは…ひょっとしてニック様?
ニック様ではありませんか!」

「イーシャ、そなたは知っているのか?ニックが誰なのかを!」

「もちろん忘れるものですか!
ニック様は私の仕えたサイプレスの王子なのですから!」

サイプレス王子の身分を隠していたニック。それは衝撃だった!
一体なぜ?どうして?しかしニックは寡黙に多くを語ろうとしないのだった。
全員の疑惑を連れて一行はサイプレス本土決戦の場へと向かった…

第2章 サイプレスの秘密
-終-

 

第3章 サイプレス本土上陸

大型船を手に入れてサイプレス本土に向かったガーディアナ軍の一行。
港を迂回しようとした時、突然サイプレス船団により強引に誘導されてしまった。
いま港は戒厳令によって全ての船が検閲されるため順番を待っているのだった。
そしていま一行の検閲される番となった。


「…で、ガーディアナ軍の魔の手から逃れてました。アスリート島の漁師です。」
「ようしわかった!行ってよし!」

「次はニックの番だな。ばれなければいいが…」

「次の者!前へ!」
エドモンド王様のおつきーっ!」

「やばい!エドモンド王ってニックのおじさんだろ…
これは大変な事になったぞ。」

「ウーム、人間族の小僧か!さあ申告するがいい!」

「・・・・・」

「そいつは私の仲間でして、ちょっと口が不自由ですが、
怪しい者ではありません!」

「そうか…ならばよいか…よーし、行ってよいぞ!次の者!来るがいい!」

「ちょっと待て!そいつ…
どこかで…見たような…
おっ、おおおっ、ニック!
お前!父親の仇討ちにサイプレスに舞い戻ったのだな。
でっ、であえ、であえーっ、ニック王子があらわれた!」

「しまった!ニックがばれた。
みんな漁師の服を脱げ!全員で活路を開くんだ!」

 

*** BATTLE ***

 


「ニック王子様ーっ!約束通りに再びサイプレスに戻られましたな!
しかもガーディアナ軍を連れて!
エドモンドが慌てふためいて逃げて行きましたぞ、ワッハッハッ。
ウム…どうしたのですかな?なぜに静まり返っているのだ!」

「ニックはみんなの信頼を失ってしまったようなのです。」

「それはまた、どんなわけですか!」

「ニックは身分を偽って我々の仲間に加わった…それがまずかったのです。
正直に申し上げますと私もどう考えたらいいか?ニックを信じられない!」

「ばかな!何を言われるのだ!
王子はガーディアナのために自分を偽り旅立った。

それはウォルドル達の目論む
ガーディアナを制覇しようとする悪巧みを知らせるためだった。

本来なら一刻も早く仇を討ちたかったはずです。
どうか…王子を信じてくれ!」

「そうだったのか…ニックよ。疑って申し訳なかったな。
もう一度一緒に戦おう。」

「疑いが晴れたなら良いのです。さあ、サイプレス城は近い。
港町で補給を整え、サイプレス城に参りましょう。」
獣人のテディが仲間になった。

「ぜんたーい!止まれーっ!
どうやらここまでのところサイプレス軍に見つからずにやってきました。しかし…
この先の平原地帯はこれまでのようには行きますまい。」

「こっ、これはまいりましたな…
障害物が何も無い。これではすぐに見つかってしまう。」

「ひとまずここにキャンプを張り、
夜になるのを待って平原を抜ける事にしましょう。

私が見張りに立ちますから、みなさんは休んで下さい。」

 

「さて、そろそろ夜だな…王子様達を起こすとするか。」

「グフグフ…やっと見つけたぞ。王子はテントでお休みかな?」

「そっ、その声はウォルドル!」

「グフフ、お主はテディだな…
安心しろ。これは私の影だ。何の危害も加えられぬわい。
賢いな闇を利用して大平原を抜けようとするか?
しかし、その目論見も崩れたな!
サイプレス兵団が配備され、もはや袋のネズミというものだ。
皆の者!かかれ、踏み潰せ!」

「しっ、しまった、ニック様ーっ。みんなーっ、起きて下さーいっ!
てっ、敵の襲来ですぞーっ!」


「ウォルド様、お任せ下さい。我らがニック王子を倒してご覧に入れます!」

 

*** BATTLE ***

 

「ぐふー…しっ、しくじった…
…だが、お前らにこの先の死の洞窟のキノコが敗れるか?
いゃ、敗れまい…あきらめろ。お前らも俺と同じになるのだ。」

「なんと不吉な言葉でしょう。
…しかし、参りましょう。死の洞窟を抜けるのです。」


「やってきたな!ニック王子!ここは通称“死の洞窟”!
サイプレスの誰もが恐れる城塞ガンドールへ向かう道だ!
ガーディアナの選抜部隊がここで命を落としていったのだ。
お前らもその道連れとなれ!」

「みんな!途中に罠があるぞ!きのこだ!
きのこが仕掛けられてガーディアナ軍もそれにやられた」
「きっ貴様!ガーディアナ!余計な事を!だまらんか!」

「おお、あれは騎士のカッシング!
ニック!気をつけて下さい。何か罠が仕掛けられていますぞ。」

 

*** BATTLE ***


このステージでは、範囲魔法で毒化させるマジカルマッシュが登場する。

 

「くっ…我らの罠が破られた。これもみな…ガーディアナの騎士のせい…むっ、無念。」

「うっ…うーん」

「おお、カッシングが目覚めた!」

「おおっ、みんな無事だったようだな。」

「心配したぞ!他の者はガーディアナの部隊はどこだ!」

「サイプレス軍にやられたか。
捕虜として連れて行かれ…残った者はほんのわずか。

みんなをここで待っていたのも、捕虜として収容された仲間を助けたいがためです。
私を仲間に入れて下さい。そしてガンドール要塞にいる仲間を助けに行って下さい。」
騎士のカッシングが仲間になった。

「ニック、よろしいですな。ガーディアナの仲間達を助けに行きましょう。」


「あの山岳の向こうにあるのがガンドール要塞と言って四天王が守っています。
そして我らの仲間達が捕まっているはずなのです。
いまウォリアーのゲイツ殿がガンドールに向かっていますから
一刻も早く参りましょう。」


「きっ、来たか!ガーディアナ!
バズー様とゲッペル様のお二人が帰るまでの間、絶対ガンドールに入れるものか。
ガーディアナなど恐れるな!我らだけで倒してしまえ!」

 

*** BATTLE ***

 

「バッ、バズー様の言われた通り、前のガーディアナ軍とは違った。
かっ、かつて聞いたガーディアナの
シャイニング・フォース伝説は本当だったのか…グフッ。」

 


「みんな!待っていたぞ!」

「おお!おぬしはゲイツ!そんなあわててどうした?」

「ガンドールの仲間達が…。
お主達が破竹の勢いでサイプレス軍を撃破してくると、
そのたびに血祭りになっている!」

「なんと!それは大変だ!
ニック!一刻も早くガンドールの仲間を救いましょう。」
ウォリアーのゲイツが仲間になった。

 


「グルル、ニック王子、お久しゅうございます。
まさか…国に戻られるとは思いもよりませんでしたぞ!」
「バズーに手傷を負わせたぐらいで、いい気にでもなられたのだろうが、
我々も見損なわれたものだ。」


「そういきり立つな!ダントムよ!
このフレーベルの率いる軍隊があやつらを踏み潰してくれるわ!
フィズル・ボールという罠にも気づいて無いと見える!
飛んで火にいる夏の虫だ。行け!そして葬ってしまえ!」
「ハッ、かしこまりました。」

「奴らがウォルドル四天王!
暗黒のパラディン・フレーベルと魔獣軍団のダントムですぞ。

フレーベルの軍隊が相手ですな。しかし…おかしい、おかしいぞ!
魔法の使い手がどこにもいない。
ニック王子!気をつけて。とてつもない罠がありますぞ!」

 

*** BATTLE ***

 

「まさか!フィルズ・ボールの罠が奴らに破られてしまうとは…。
ダントムよ!お前の兵団を頼む!私にかしておくれ!
私の手で奴らを倒す!」

「グルル…見苦しいぞ!今頃はウォルドル様も嘆いておられるに違いない。」

「その通りだ!フレーベルよ。なんと情けない敗北だ。」

「お聞き下さい。ウォルドル様。」

「いいや!何も聞きたくない。
すぐにサイプレス城に戻り、イ・オムの神にお詫びするものだ。」

「ダントムよ!そなたの力でニック王子とガーディアナ軍を必ずや討ち果たすのだ!」

「聞いた通りだニック王子!
しかしこのまま戦ったのでは卑怯者になってしまう…

私はガンドールの中で待つ。用意が出来たら入って来い!」


「グルル…やってきたのだな。私は先代の王からサイプレスにお使えした者。
王子と戦う事になるとは、だがあなたの気性からして引き返しては頂けまいな。
やむを得ない。さあ、いざいざ!」

 

*** BATTLE ***

 

「グルル…おみごとでした…。
やはり私には王子を手にかける事が出来なかった。

イ・オムに気をつけて下さい。あれは危険な神ですぞ…。
ウォルドルはその手下に過ぎず、
エドモンド様は奴らの力に溺れてしまったのです…ぐふ。」


「イヤッホー!みんなありがとう!おかげで命拾いしたぜ。」

「おお、バードラーのシュリーク!他のみんなはどうしたんだ。」

「…残念ですが…。
私もダンドムに助けられて、こうして生きていられたようなもの。
…気性の良い奴でした…。
そうだ!ラグ殿が生きています!ガンドールの戦いではぐれましたが、
サイプレスに向かったはずです!」

「なんとっ!ラグが生きているとな!あいつめ!悪運の強い奴だ。
そうか…生きているのかラグ!
ニック!参りましょう!
この山岳地帯を越えれば待ちに待ったサイプレスの町です。」

バードラーのシュリークが仲間になった。

要塞ガンドールを解放し、ラグの生存を知った事で活き上がるニック達!
それはこのあとに待ち受ける熾烈な戦いを
ほんのいっとき忘れ去ろうとするかのようだった。

図り知れぬ力のウォルドルや強力なその下僕達…、気を抜く事の出来ぬ旅は続く。

第3章 サイプレス本土上陸
-終-

第4章 決戦!サイプレス城

ガンドール山脈を越えてついにガーディアナ軍一行はサイプレスの首都に辿り着いた。
しかしその行く手を阻むのは、サイプレス王の弟であるエドモンド公爵だった…。

「サイプレスの王たる私が、なぜ?前線で戦うのだ。
これというのもウォルドルが私を王様にするなどという口車に乗ったせいなのか?」
「王様!ガーディアナ軍がすぐそこに迫ってきました。ニック王子も一緒です!」

「ひーっ!奴まで来たというのか?こうなったらやるしかないのだ!
兄の子供に負けてたまるのか!」

 

*** BATTLE ***

 

「ニック…この人でなしめ。
お前の叔父でありサイプレスの王である私を倒しおったな。

お前は反逆者だ…。私を倒し、王になるつもりだ。…俺は不幸だ…ぐふっ。」


「…なんと不憫なエドモンド様。ウォルドルに乗せられたがために
あまりにむごい末路なのでしょう。
おかえりなさい!ニック様。
まさか?このランドルフの事をお忘れではありますまいな!
我が騎士団が敗れてから、どれほどこの日を待ちわびたか!
私もお供させて下さい。」
パラディンランドルフが仲間になった。
「ウォルドルとの決戦の前に長旅の疲れを癒やすのです。
サイプレスの町に入りましょう。」

「あの高台にそびえる城に憎っくきウォルドルがいるはず。
む、む、武者震いがしますな。」

 


「王子達め、進軍する気か?
あと少し時間がかせげれば、あの方達が強化される。
皆の者、少しでも良い!時間を!時間を稼ぐのだ!」

 

*** BATTLE ***

 

「くううっ、やられてしまったのか?
しかし、どう足掻いたところで、やはりお前らに勝ち目は無い!
ウォルドル様には、あのイ・オムの神がついておられる!
一足先に地獄で待っているぞ。」

「ついに!ここまで来ました。
さあ、城に入りましょう。
決戦は間近ですぞ。」


「現れたか!ニック王子、待ちすぎてアクビが止まらんよ。
しかし俺は見直したぞ!
ダントムやエドモンドなどといったツワモノを倒してきたそうだな!
まっ、俺は痛くも痒くもない。
まして倒し甲斐のある奴を残してくれて感謝してるぜ!

さっ、長話が過ぎたようだ。そろそろお楽しみを始めようぜ。」

 

*** BATTLE ***

 

「やっ、やられちまったってわけか。けっ、だらしねえ終わり方だ。
ウォルドル様のお思うツボだぜ。
…良いことを教えてやるぜ。バズーとフレーベルを覚えてるか?
ウォルドル様がやつらの事を強化しているってわけだ…。
十分注意するこったぜ。」

「バズーとフレーベルの強化?
今でさえあれだけ強い奴らが一体どこまで強くなるのだ。

その答えは城の中か…。
さあ、ニック!行きましょう。ウォルドル達は城の中です。」


「グフグフ、やってきたなニック。ゲッペルまで倒すとはな…。
お前を甘く見過ぎたようだ。
残念だがサイプレス国を征服するのはあきらめた!そのかわりこの国を滅ぼす!
これから私は玉座の部屋で悪しき魔人を召喚する。それがこの国の最後となろう!」

「いつぞやは不覚を取ったが、今度はそうはいかんぞ!
ニック、お前を倒す!」

「ホホホーッ、そうはさせないわ。ニックを倒すのは私。
バズーと言えども譲れないよ。」

 

*** BATTLE ***

 

「ぐっ、ぐぐぐ…俺の負けだ。しかし、間に合わなかったようだな。
魔人の鼓動が聞こえてくる。
魔人が動き出してしまえば、もう誰も止める事は出来ん。
サイプレスを破壊するまで…。」

「動き出したら止まらないだって!ニック!チャンスはまだある。
奴の言った事がほんとなら、魔人が動く前に戦えば倒せるかも!
さあ、急ぎましょう。」

 

「グフフフフーッ、遅かったな!
残念ながらこれまでのようだな。闇の魔人は召喚させたぞ。」

「ウォルドルよ!魔人に随分自身があるようだな?
だったら魔人を動かしてみろ。

それとも我々が行こうか?魔人が動き出す前にな!」

「貴様ら、魔人は目覚めたばかりが最大の弱点である事を知っているのだな!
ギリギリギリ。

皆の者!魔人を守るのだ。
動けるようになるまでの間、奴らを近づけてはならん!」

「やはりそうでした!ニック!
魔人が動き出すまでの間にどんな事をしてでも倒すのです。」

 

*** BATTLE ***

 

「ぐっ…お、おのれ…
だがわしは死なんぞ。魔人がいる限りわしは不滅なのだ。
ガーディアナのひよっこども!
魔人の生贄となるがよい。わははははは。」

 

*** BATTLE ***

 

「グオォォォォォォォ…」

「なっ、なんと、魔人がやられた!
こうなったら、あの宝を持って一度退散する事にしよう。」

「そうはさせないぜ!ウォルドル!
ラグ様の目の黒いうちはお前のような奴を逃がしはしない。
お前さんの言っていた宝はこれじゃ無かったのかい?」
ラグは破邪の剣を掲げた。

「貴様はガーディアナのラグ!いつの間にその剣を見つけた!
返してもらおう!返さんか!」

「断る!お前らがこの国に来て謀反を起こした
本当の理由もこの剣が欲しいがため!

これは邪神除けの剣!
これがあるためイ・オムの神はこの国に近寄れないでいたのさ。」

「うぬぬっ、もはやこれまでか…。
お前の言う通り、何もかもその剣を葬るためだった。

しかし、こうなれば話が変わる。
その秘密を知った者全てはイ・オムの生贄としてくれる!」

「ニック!破邪の剣で奴を攻撃しなければ奴を倒す事が出来ない!
僕のところに来てくれっ!そしてこの剣で戦うんだ!」

 

*** BATTLE ***

 

「グオォォォォォォォ…」

「僕たちが勝ったんだね…」

「何を寝ぼけた事言ってるの!間違いなく勝ったのよ」

「ウォルドには驚いたよな!まさかサソリの化け物なんだもの。
ほら見て、まだ足が震えている。」

「それにしても良かったなルース!ラグ隊長が生きててさ!」

「父さん…生きてたんだね。
俺さ…心配だったんだぜ。…だけど仲間達みんなと励まし合ってやってきたんだ。」

「ルース…逞しくなったな。
恐ろしく強いと評判のガーディアナ軍がお前達とは。

しかもその軍を率いているのがサイプレスの王子だったとはな!」


「王子??どうなさいました!」

「ああっ、なんと、王子の右手が!
ニック王子の、みっ、右手が石になっている!」

「ガーディアナとサイプレスの者よ。よくぞ!我が下僕を倒した。
その力!褒めてとらそう。
しかし我らの侵略は始まったばかりなのだ。
ニックよ!そなたの右腕は次の時まで預かっておくぞ。
グハッ、グハッ、グハハハハーッ…」

こうしてニック達は一応平和を取り戻しました。

 


「みんな…本当にご苦労様。そのおかげでもう一度私も元気になる事が出来ました。
…それにしてもニック殿の右腕が気がかりですね…」

「はい…それでサイプレスでも兵力が整いしだい、
あの大陸の奥地に向かって派兵する事になったそうです。

「そうですか…そういう事なら
我々ガーディアナとしても手助けしなくてはなりませんね。」

「もう一度…行くしかありませんな。」

「そうですとも!ニックの右腕を取り戻すためにね。」

「奴への借りを返すためにもう一度行きましょう。」

「サイプレスへ!」


ガーディアナ、サイプレス両国の合同軍によって、
アンリ女王は再び目を覚ます事が出来ました。
そしてサイプレス国には元の平穏が訪れたのです。
しかし、王子の右手が石のままである限り、
みなイ・オムの影から逃れる事は出来ないのでした。

 

the Another Story of SHINING FORCE

G.G. Original Staff

Programmers
Haruki Kodera
Kenji Numaya
Yutaka Yamamoto
Yasuhiro Taguchi

Subscript
Hiroyuki Takahashi

Map Design
Shuji Shimizu
Tatsuya Niikura
Tatsuaki Ikeda

Character Design
Hiroshi Kajiyama

Graphics
Tomonori Shinjou
Kensuke Suzuki

Music Composer
Motoaki Takenouchi

Sound Effects
Dogen Shibuya

Manual
Naoko Okada
Kiyotaka Hibino
Mitsunobu Sato

Directed By
Shugo Takahashi

Produced By
Hiroyuki Takahashi

Special Thanks to
Naoki Akahane
Kouki Tamai
Katsushi Fujii
Masayuki Hashimoto
R.I.S. CO.,LTD.
RIT'S

Created By
SONIC CO.,LTD.

 

ドッツ作品集 #026(再掲)

かつて俺様が作ったドッツ作品をご紹介。

 


【『謎の村雨城』の鷹丸】

ファミコンディスクシステムで1986年4月14日任天堂から発売されたタイトル。
このゲーム、当時は「ゼルダの伝説」と双璧の存在だった気がするんだけど、
その後、任天堂がタイトルを育てたのは「ゼルダの伝説」の方で、
なぜ「謎の村雨城」が全然展開されないのだろうと思っていた。
任天堂的にはこのゲームはヒューマンのタイトルって扱いなのかなあ?
(「謎の村雨城」を開発したのはヒューマン)