シャイニング・フォースCD
セガ
1994年7月22日
7800円
メガCD専用
シナリオ1とシナリオ2はゲームギア版の移植であるが、
その2つをクリアすると出現するシナリオ3は、
「シャイニング・フォースCD」のオリジナルシナリオである。
「あーあ…ついてないなあ…警備なんてまいるよ。そうだろ、アーロン!」
「ああ、まったくだよなあ。今日はニック様の即位式だってのに…」
「イ・オム退治の時には、あんなに活躍したってのに…」
「お前達がドジばっかり踏んでいるからさ!」
「なにをーっ!」
「何するんだよ。痛いだろー!」
「こんな時にナターシャがいたりしたら…
『やっぱり3人揃ってる!ビル!アーロン!クレイド!
持ち場を離れるなんて最低よ。』
なーんて言う風に俺達の事をしかるんだろうな。」
「あっ、ナターシャ!それにシュウ!」
「ニック様をお祝いしに来てくれたんだね!」
「そりゃ、そうよ!
ニック様が王様になるというのに私が来ないわけいかないじゃない。
ところでみんな元気だった?」
「うん、元気たったさ。」
「おかえりナターシャ。
積もる話もあるけれど、急いでお城へ行ってちょうだい。
ニック様やガーディアナのお客様がみんなお待ちかねよ。」
「うん、それじゃ、みんなまたあとでね。」
「私が案内するから、あとはよろしくねクレイド。」
「あーあ、アンジェラまで行っちゃったよ。」
「しょうがない。俺達だけで警備に着くか。」
「ケッヒッヒ、即位式はどこでやっているのじゃな?」
「失礼ですが、招待状はお持ちでしょうか?」
「招待などされておらんのに持っとるわけなかろう、ケッヒッヒ。」
「おばあちゃん、今日は招待されたお客様しかお城には入れないんだよ。」
「そうかいそうかい、それじゃ力づくでも通させてもらうぞい。
カアッーーーーー!ホイッ」
(吹き飛ぶビル、アーロン、クレイド)
「まだまだ修行不足じゃのう。通させてもらうよケッヒッヒ。
ほれっ、チューラオや、さっさと行くよ!」
「ハイッ、ただいま。」
「それではこれよりニック様の王位継承の式を執り行うものとする。」
「ちょっと待ってもらおうかのケッヒッヒ。」
「!?」
「誰に断って王位を継承しようっていうんだい、ケッヒッヒ。
邪神を倒したぐらいでいい気になりおって…
その上シャイニング・フォースなどと皆に騒がれて、
浮かれまくっているそうじゃないか。」
「無礼者め、控えるのだ!即位式は既に始まっているのだぞ!」
「無礼者だってぇ?!」
「ここはサイプレス王の間です。慎みなさい!」
「ブルドーよ、お前もやめるのじゃ!」
「・・・」
「あなたは誰なのですか?」
「ワシはダーバという長生きだけが取り柄のばあさんじゃよ、ケッヒッヒ。
ワシが久しぶりに町へ来てみたら、
ニック王子がサイプレスの王になるっていうじゃないか。
本当に相応しいかどうか、ワシがこの目で確かめてやろうと思ってね。シャーッ!」
(アンリ女王とともにダーバ一行が消える)
「アンリ女王ー!」
「アンリ女王を助ける事が出来たなら、お前さんを王として認めようじゃないか。
助ける勇気があるのなら、ワシの屋敷に来るがいい。
歓迎してあげるよ、ケッヒッヒー。」
最終章 新たなる試練
こうしてニック達一行は、アンリ女王をを助け出し、
サイプレス王家の威信を取り戻すため、ダーバの屋敷へと向かった。
「ブルブル、不気味なお屋敷ね。」
「お、お墓だらけだよー」
「う、後ろから押すなよ、クレイド。」
「なに言ってるんだよ、俺はこっちにいるぜ。
お前こそ俺のことを押してふざけるのは寄せよ。」
「えっ、それじゃ…ゾ、ゾンビだぁーっ!」
「ニック様、気を付けて下さい。墓の中からゾンビ達が出て来ましたぞ!」
*** BATTLE ***
この章のバトルはマップごとにそれぞれ特別な仕掛けがされている。
ここではターンごとに墓石に落雷してそこから追加でゾンビが出現するというもの。
「ほほう、ザコを倒すだけの力は持っているようだね、ケーッヒッヒッヒ。
しかしワシに会うには、まず3人の下僕を倒さないとね。
本番はそれからさ。楽しませてもらうとするよ。さあ中へお入りケッヒッヒ。」
「ニック様、心して参りましょうぞ。」
「なんなの、この部屋は?
みんな酔っ払ってるわ。寝ちゃってるのまでいるじゃない。」
「おうっ、きれいなお嬢ちゃんだな。おじさん達にお酌をしてくれないかなぁ。」
「やめてください!」
(酔っ払いを弾き飛ばすメイフェア)
「メイフェア大丈夫…のようだな。彼らの方が心配だ。」
「お主達が来るまでと思ってみんなで酒盛りをしてたのョ。」
「そしたらこの有り様ネ、プハッ。」
「そんな有り様じゃ、あなた達に勝ち目は無いわ。
降参した方がいいんじゃない。」
「侮らない方がいいと思うョ、酒を飲めば飲むほど私達は強くなるネ、プハッ。
…まあ中には修行不足で弱くなるのもいるけどネ…
私と戦わなければこのさきには進めないョ。かかってくるがいいネ、プハッ。」
*** BATTLE ***
このマップでは実際に戦う敵と酔っ払って倒れているだけのキャラが混在しており、
移動時に解りにくくなっている。
「まいったネ、あんた達、思ったよりも強かったョ プハッ。
でも私達の力はこんなものではないョ。仇をとってもらうからネ!」
(消えるチューラオ)
「アンリ女王が心配です。先を急ぎましょう。」
「この部屋は何やら東方の国の様式で作られているようですな。
むっ、何者かがこちらにやってきますぞ。油断なされぬように!」
「ようこそいらっしゃいました。過酷な戦いでご苦労されたと承っております。」
「テディ、何をニヤけてらっしゃるんですか。」
「さっ、どうぞ、こちらでおくつろぎ下さい。
私どもの主が皆様をお待ちしております。」
「き、きれいな方達ですなー、ニック様。」
「ニック様、惑わされてはいけません!
んもうーっ!」
「私はこの間の主、如月でございます。皆様を待ちかねておりました。
皆様お疲れの様子…私どもが疲れを癒やして差し上げましょう。
よろしかったら私どもと“ハレハレ”してみませんこと?」
「ハ、ハレハレ・・・ですと!?」
「そう、ハ・レ・ハ・レ!」
「なんてお下劣な!そんな事は許しません。
みんな骨抜きにされてしまうわよ。」
「堅いことはおっしゃらずにぃー」
「こ、困りましたなー。ニック様、どういたしましょう。
“ハレハレ”をしてまいしりすか?」
(○はい/いいえ)
「それではこの紐を思いっきり引っ張って下さる?」
「おっおう、そんな事をしたらキ、キモノが…」
「あなたに私の本当の姿を見てほ・し・い・の!」
「はっはい、それでは…ウォーッ!」
「ホーッホッホッホッ、これが私の本当の姿よ!
敵地に来てまでのぼせるようでは、私の相手などではなくてよ!」
*** BATTLE ***
「くくっ、む、無念。このような輩に、
ダーバ様、申し訳ありません。覚えておれ!」
「うむっ、あんなところら隠し扉が…
アンリ女王が心配です。さっ、先を急がねば…ささっ。
メイフェア、何をしておるのだ。さあ、先を急ごう。」
「オイッ、おめーら、はええとこ作っちまうんだ。
オラオラ、板を運ぶんだ!」
「へいっ、親分!」
「…あの人達、一体何をしているのかしら…」
「どうやらこの部屋を改築しているようだが…」
「おーっ、もう来やがったか、なんてぇこったい!
おめえらがとろとろしてやがるから奴らが来ちまったじゃねえか。
こうなったらしょうがねえから、近場からやっつけちめえ。」
「へいっ、親分」
(壁を作り上げる子分)
「ゼエゼエ…さあ、かかってきやがれ…ゼエゼエ」
*** BATTLE ***
このステージは子分が壁を作るので、進行ルートが途中で変わるという仕掛け。
「そこまで来やがったか。こうなったらもっと壁を増やすしかねえな…
おいっ、おめえら、みんなしてかかるんだっ!」
「へいっ親分」
(壁を作り上げる子分)
「さあっ、かかってきやがれ!」
*** BATTLE ***
「てやんでえ、負けちまったじゃねえか。べらぼうめえ。
仕方ねえ、扉を開けてやらあ。
これを行きゃあ、ダーバ様のところだ。はええとこ行っちめえな、あばよ!」
「人のいる気配がないぞ。」
「ダーバ、姿を見せなさい!」
「ケッヒッヒッヒーッ」
「お前達のよこしまな心を形にしてあげるよ。
自分達の邪悪な心に打ち勝つ事が出来るか、見てあげようじゃないか。」
「自分自身と戦うんじゃ勝ち目が無いだろうから、特別に強さを選ばせてやるよ。」
(○ほどほど/強い!)
「ずいぶんと弱気じゃな。
シャイニング・フォースんどと宣っていても、所詮はその程度か…
さあ、シャドーよ。ニック王子を一捻りにしてしまうのじゃ!」
*** BATTLE ***
同じ能力のパーティ同士で戦うので、
相性を上手く考慮して侵攻経路を練る必要がある。
「ケッヒッヒ、やるじゃないかい。」
「とうとうワシのところまで辿り着いたってわけだね。
その勇気と努力は褒めてあげようじゃないか。だがそれだけでは勝てんぞ。」
「ダーバ、残るはあなただけよ。
強がりを言ってないで、アンリ女王を返しなさい。」
「吠えてばかりいるんじゃないよ、カァーッ!」
(別の場所にワープ?する)
「さあ、かかってくるがいい。」
「それじゃ一発かましてやろうかね。ウシュルーー、カァーーーッ」
「ダーバビーーム!!」
*** BATTLE ***
「お前達を気持ちよーくしてあげるよ、ほれっほれっ」
ワンダーマッシュが現れた!
(ワンダーマッシュは自爆するときに周囲にいるユニットへ大ダメージを与える)
*** BATTLE ***
しばらくすると、ワンダースマッシュの他にブルドー、如月、チューラオが合流。
「ヒーッ、やめとくれ。」
「おい、こらっ、アンリ女王を返すんだ」
「早く返さないとヒドい目に合わせちゃうぞ!」
「ひーん、やめとくれ、テディ止めとくれ、この子達をやめさせとくれよ。」
「みんな、実はな…」
「テディっ!一体どういうことっ」
「ウッフフ、みんなに詰め寄られて大変そうですね、テディ殿。」
「アンリ女王様!」
「テディ殿、私から話をしましょう。
今回の事は即位式の前に全てテディ殿から伺っていた事なのです。
ダーバ殿はニック王子が王として相応しいか、試されていたのです。
そうですね、ダーバ殿?」
「よくぞこのダーバを破ってみせてくれたのう。」
「そうでしょう、ダーバ殿!ニック様こそサイプレスの王に相応しい!」
「ウム、ウム、父上も強くて立派な方じゃったが、
ホンにあなた様も素晴らしい勇者にお育ちあそばれたのう。」
「全然わからないわよ。テディ!わかるようにちゃんと説明してちょうだい!」
「あっ、ああ…これはサイプレス王家に伝わる王になるための儀式なのだ。
アハハッ…試練の道とでも言ったら良いのかなぁ…
代々サイプレスの王になるにはダーバ様との戦いに打ち勝たなくてはならないんだ。
ニック様はその試練を見事乗り越えられたというわけさ。良かったな、メイフェア!」
「どうもおかしいと思ったら…まったくもうーっ!」
「アッハッハッハッハッ」
こうしてニックはサイプレス国の目付役であったダーバによって認められ、
改めてサイプレス国の王位を継承する事となったのです。
「それではこれよりニック様の王位継承式を執り行うものとする。」
サイプレスに伝わる王家代々の試練に打ち勝った王子は、
これ以降、素晴らしい王様として
サイプレスの国を平和で豊かな国へと築き上げました。
そしてテディは、この一件以来、メイフェアには頭が上がらなくなったそうです。
SHINING FORCE CD FIGHTING STAFF
PROGRAMMERS
YASUHIRO TAGUCHI
KENJI NUMAYA
YUTAKA YAMAMOTO
TSUKASA TANAKA
CHIKAAKI TOKUHIRO
MASASHI MURAMORI
SUBSCRIPT
SHUGO TAKAHASHI
MAP DESIGN
SHUJI SHIMIZU
TATSUYA NIIKURA
AYUMU SHINDO
CHARACTER DESIGN
HIROSHI KAJIYAMA
GRAPHICS
MASAYUKI HASHIMOTO
FUMIHIDE AOKI
SATOMI YOKOSE
KENSUKE SUZUKI
AYUMU SHINDO
JUNKO NAKAMURA
ORM-GAI FUKUDA
NATSUYO SHINZAWA
KANAE YAMADA
MUSIC COMPOSE AND ORCHESTRATION
MOTOAKI TAKENOUCHI
CD RECORDING
TWO FIVE CO.
SOUND EFFECTS
DOGEN SHIBUYA
NARRATION
KOTONO MITSUISHI
MANUAL
NAOKO OKADA
RIKO KUSHIDA
MAGULER DESIGN
DIRECTED BY
YASUHIRO TAGUCHI
PRODUCED BY
SHUGO TAKAHASHI
GENERAL PRODUCED BY
HIROYUKI TAKAHASHI
SPECIAL THANKS TO
RIT'S
R.I.S. CO., LTD.
SERAPHIC CO., LTD.
WINDS CO., LTD.
CREATED BY
SONIC CO., LTD.
今回、発売当初以来、久しぶりにシナリオ3をプレイしてみたが、
こういう内容だったかー。
イ・オムとの真の決着戦のようなものかと思ったら、
実は即位の試練だったと。
思ったよりも小規模なストーリーだったな。
ゲームギアのオリジナル版ではシナリオ2でちゃんと完結させてたわけだし、
こういうオマケシナリオ的になっても仕方無いか。
最初に書いたように、本作ゲームギアでのシャイニング・フォース外伝シリーズは、
ゲームギアにおいてちゃんと遊べるゲームに完成されており、
バトルとストーリー進行のみに特化させた作りにする事で、
より携帯プレイに適したシャイニング・フォースになっていた。
だがそれほどの良作を
ゲームギアの滲んだカラー液晶でしか遊べないのは残念に思っていた。
それだけにメガCD移植という試みを果たした本作は有意義なタイトルであった。
本作はBGMこそCD-DA版に載せ替えられているが、
オリジナルセリフのボイス対応などはされておらず、
良くも悪くもゲームギア版そのままであった。
また、ゲームギアには本作の翌年に
「シャイニング・フォース外伝 ファイナルコンフリクト」
というタイトルがリリースされており、
もう少し本作の発売が遅ければ、
この3作目も収録されたのではないかと残念に思った。
なお、本作でキャラクターデザインを行ったのは梶山浩さん。
「シャイニング&ザ・ダクネス」「シャイニング・フォース 神々の遺産」
の玉木美孝さん。
「シャイニング・フォースII 古えの封印」のSUEZENさんとは
また違ったタッチになっている。
これにより
「シャイニングシリーズはキャラクターデザインが固定化されないシリーズ」
というイメージが定着したのである。