「ビームフラッシュ」のゲーム性を解剖

俺様が子供の頃にやっていた遊びの一つに「ビームフラッシュ」というものがある。
ルールや名称については地域差があると聞いているが、
ここでは俺様が知っているルールで説明させてもらう。
参加者は2人限定。

二人で掛け声をうたう。
「じゃんけんポイポイ♪」
という掛け声で「ポイ」のタイミングで右の手を出し、
2度目の「ポイ」で左の手を出す。
このとき手はジャンケンのグー、チョキ、パーのいずれかを出す。
次に「どっち引くの、こっち引くの♪」
の掛け声で右か左のどちらかを引っ込める。
残った手で勝った方がリーチとなる。(あいこの場合は掛け声を最初から繰り返す)
リーチになった方は
「あんたバカね」とリーチを宣言したあとに
「ビームフラッシュ!」と叫ぶ。
このあとにお互いに3種類のポーズのいずれかを取る。
このポーズというのが
ウルトラマンの「スペシウル光線」

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ウルトラセブンの「エメリウム光線

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ウルトラマンタロウの「ストリウム光線」

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である。
二人が同じポーズになったらリーチした側の勝利。

 

このゲームはジャンケンのバリエーションと考えて良いだろう。
ジャンケンというゲームは原則的には読みや駆け引きは存在しない。
平等な1/3の勝率で勝敗を決する。
そこでそんなジャンケンに3つのシーケンスを設計し、
読みや駆け引きが介入する隙間を含ませている。
まずジャンケンを両手でするとき、
あわてて同じ手を出してしまわないように注意。
次に相手の手を見て、
どの手を引っ込めると勝率が高いのかを瞬時に判断する必要がある。
そして最後のビーム勝負。
これはジャンケンと同じ3種類あるのだが、それは平等な手ではない。
スペシウム光線とストリウム光線は構えが左右逆である。
なので出している手に近い方の光線の方がモーションが短い。
つまりもっとも出しやすい手という事になる。
エメリウム光線は額に手を当てるので、最もモーションが長い。
出しにくいだけでなく、相手に動きを確認されやすい。
だがそれを逆手に取って選択するのも作戦である。
この3工程を熟考できないスピードでやるゲーム。
つまり素早い判断力を競うゲームなのである。
前述したように、ノーマルなジャンケンよりも
技術が介入できるゲームであると言えよう。
そんな「ビームフラッシュ」にも欠点がある。
このゲームが流行っていた時期ほど
ウルトラ兄弟の光線ポーズはメジャーではないという点だ。
もはや誰もが知っているポーズではない。
このゲームを遊ぶときは
いちいちポーズを覚えてもらわなければならなくなってしまっている。