やっぱりセガが好き第86回「ガイアレス」


ガイアレス
日本テレネット
1990年12月26日/シューティング/8400円

 


日本テレネットはPCエンジンのCD-ROMという大容量メディアを活かし、
アニメのようなビジュアルシーンを中心としたゲームを次々とリリースしていた。
本作はそんな日本テレネットメガドライブに参戦した第一弾ソフトである。

 


ルディアナーサ様!!大変です。
リュアーヌ様がWOZシステムのシークレックファイルを持って地球へ!! 
ルディアナーサ「WOZを!?」


今すぐ部下に後とを追わせましょう!!
ルディアナーサ「落ち着きなさい…。リュアーヌも考えがあってやった事でしょう。」
そうとは思いますが…。
万が一、…万が一それが反乱軍ガルファーの手に渡ったりでもしたら!?

ルディアナーサ「私が責任を持ちます。
今は妹の好きなようにやらせてあげましょう。」

そこまでおっしゃられるなら…。
し、しかしなぜ、滅亡寸前の地球にWOZシステムを…?

ルディアナーサ「それは…、
きっと地球という星の復活を信じているのでしょうね…。」

まさか!?あんな廃棄惑星の復活など!?
ルディアナーサ「信じられないでしょうけど…
地球はかつて青く…それは美しい星だったのですよ…。」


西暦3008年、人類は宇宙にその生存圏を拡大しつつあった。


しかし、すでに地球は自浄作用を遥かに超える大規模な環境破壊、放射能
及び有毒化学物質の大気、海洋汚染によって、全ての生物は死に絶え、


スペースコロニーに逃れた人々も、汚染の影響で現象の一途をたどり、
滅亡の危機に直面していた。


ゼルデュオン様、
レザリュスのスペースアタッカーが地球に送った通信を傍受しました。
ゼルデュオン「私達がここまで来ているとも知らずに油断したね。読み上げろ!」
はっ!“地球人へ、反乱軍ガルファーが地球の汚染物質を軍事利用するべく、
地球へ侵攻している。
それらを阻止する事が不可能であるなら、宇宙の汚染を未然に防ぐため、
太陽を膨張させ、地球を消滅させる。
だが、地球人類が自らこの危機を回避できたなら、その存続を保証する。”…
ゼルデュオン「ふん!!笑止!!今の地球人に何ができる!?ドブネズミどもが!!」
で…ですが、どうやらレザリュス軍は、地球人パイロットに、あのWOZシステムを…。
ゼルデュオン「なに!?あのWOZシステムを地球人に与えたというのか!?」
はい、そのようです。
ゼルデュオン「…フン…、地球人のエースパイロットとWOZシステムか…
面白い、その力がどれほどのものか見届けてやるとしよう。」


武装学習ユニットWOZとは、敵の持つ武装を、その敵にドッキングさせる事で、
その武器を解析、学習、習得する事ができ、同時にその情報を自機に転送、
武器の変更、レベルアップ、複数攻撃を可能とした超進化AI兵器である。


リュアーヌ「ディアス…」


リュアーヌ「…なにを考えているの?」


ディアス「リュアーヌ、俺に地球を守る事など出来るのだろうか…?」


リュアーヌ「自身を持ってディアス、あなたならきっと出来るわ。」


ディアス「…なぜ君は破滅を待つだけのような地球人にWOZシステムを?」


リュアーヌ「わたし、あの青く美しかった頃の地球を見てみたいの…。」


ディアス「青い地球を!?」


リュアーヌ「ええ、それが出来るのはディアス、あなたしかいないの。
あなたが地球人類、そして地球にとって最後の希望なのよ!!」


ディアス「リュアーヌ…よし、やってやる!
やってやるとも!!俺がこの手で地球を守ってやる。」


リュアーヌ「ディアス!」




ディアス「火器系統、燃料系統、すべて異常無し、
WOZの方はどうだい、リュアーヌ?」


リュアーヌ「WOZは正常に作動しています。WOZのナビゲートは任せてちょうだい。
敵よ!!左舷前方から…!!ガルファー軍よ!!」

ディアス「なに、もうこんな近くまで来ているというのか!?」


リュアーヌ「今のガルファー軍にとって、このWOZシステムの存在は驚異よ。
黙って見ているわけにはいかないでしょうね。」


ディアス「ようし!!行こうリュアーヌ!!大地の復活のために!!」


リュアーヌ「はい!!ハッチオープンします!!」




本作はサイドビューの横スクロールシューティングだ。
Aボタンで3段階にスピードチェンジ。
Bボタンでショット。押しっぱなしで連射になる。
そしてCボタンのWOZ射出がこのゲームの特徴。
プレイの最初から自機についてくるオプションみたいなのがWOZ。
これを射出すると、特定の敵にドッキング。
その敵の攻撃方法を吸収し、戻ってくると、その攻撃を使えるようになる。
同じ攻撃を吸収し続けると、レベルが3まで上がる。
このシステムには欠点があって、どの敵から吸収できて、
その敵から吸収するとどの攻撃になるのかわからないこと。
また、レベルが上がっても、別の攻撃に変えるとレベルが1に戻ってしまうので、
一度レベル3に上げたら、そこから変える気がしなくなる。
そうなると、たまたま拾った装備で最後まで遊ぶので、
これといった特徴の無いシンプル過ぎるシューティングに感じてしまう。

 




バ…バカな!!!こんなバカなことが!!ウワアアアーーーーッ!


反乱軍ガルファーも、指導者ゼルディオンを失い、事実上、消滅しました。


ルディアナーサ「ディアス…あなたはこれからどうするのです?
他の地球人はすでに移民船への移動を始めています。それらに合流しますか?」


ディアス「俺は…地球に戻ります。地球を…青く、美しい星に復活させるために。」


リュアーヌ「ディアス…」


リュアーヌ「姉さん!わたし…わたし…!!」

ルディアナーサ「リュアーヌ、行きなさい…。
あなたの好きなように…信じるがままに生きるのです。」


リュアーヌ「姉さん!!」


ルディアナーサ「姉さんも遠くからあなたたちを見守っているわ。ガンバッてね。」


ディアス「いつになるかわからないけど、
移民していった子供達に青い地球をみせてあげたいなあ。」
リュアーヌ「そうね、そしてまたみんなで地球に住みましょうよ。」


ディアス「きっと出来るさ…リュアーヌ、キミがそばにいてくれるなら…。」
リュアーヌ「ディアス…」

 

GAME DESIGN
M.YAMAMOTO
K.YOKOTA

CHARACTER DESIGN
T.IWATA
K.YOKOTA

GRAPHIC DESIGN
K.YOKOTA
T.IWATA
Y.KUZUMOTO

PROGRAM
M.YAMAMOTO

SOUND
S.OGAWA
BUSINESS SUPPORT CO.,LTD.

SPECIAL THANKS
K.FUKUSHIMA
Y.FUKUSHIMA
J.FUKUSHIMA
T.FUKUSHIMA
Y.ABE
T.KINOSHITA
E.KIKUCHI
T.MIURA
T.MATSUZAWA
A.SUZUKI
Y.SHIMIZU
K.OHTA
Y.YAMAUCHI
T.UMEZU

 

全体的にボスキャラに人型のものが多く、画面映えしていたのが印象的。
また、少ないながらもビジュアルシーンの作画が
アニメのセル画のように整ったドット絵でクオリティが高い。

本作がリリースされた頃、まだメガCDは発売されておらず、
日本テレネットが得意とする大容量メディアを活かした
ビジュアル中心の作り方は出来なかった。
5分以上あるオープニングは日本テレネットの芸風を感じさせるものの、
ボイスも無いし、ゲームの魅力を牽引するようなパワーは無い。
結果、日本テレネットメガドライブタイトルは
強味の活かせない佳作的なものが多かった。
日本テレネットメガドライブに14タイトルのゲームをリリースしているが、
そのうちメガCDタイトルは3本だけである。