わが青春のPCエンジン(155)「ゼロウィング」


ゼロウィング
(ナグザット)
1992年9月18日/横シューティング/7800円
CD-ROM2用ソフト

 


「ゼロウィング」は1989年9月に稼働した東亜プランのアーケードタイトル。
1991年にメガドライブへと移植され、さらに翌年にPCエンジンCD-ROMROM版が
同じく東亜プランの開発でリリースされた。
他のPCエンジンCD作品同様に、
ゲーム中にボイス入のビジュアルシーンを盛り込む内容に改修されている。

 

「ルードヴィッヒ様、敵最終防衛基地ナトリスを制圧しました」


「アビゴールの科学力を持ってすれば地球連邦軍など恐るるに足らぬ。
地球侵略など時間の問題であろう。」


「はっ、連合艦隊の奇襲準備も整っております。
必ずや撃破してご覧に入れましょう。」


「よし、任せたぞセイレーン。」
「大変だわ・・早くこのことを報告しなきゃ!」

 


「こちら地球連邦本部、連合艦隊、応答願います。」
「こちら艦隊司令ワイルダー大佐」
「アビゴール基地から届いた情報によると、
敵艦隊が我軍に対して奇襲を企てている模様。」

「なんだって!?」

 


「奇襲だ!」
「アビゴールの奇襲攻撃を受けた。全戦闘態勢に入れ。チーム01発進準備!」
「アビゴールのヤツめ、もうこんなところまで来たか!」


「兵器オールグリーン。ホバーブースト点火。出力最大。スクランブル発進OK。」
タチバナ少佐、これより我艦の指揮を離れ、地球連邦からの指揮を仰げ。」


「生きていたら地球で会おう。」
「はい!アビゴール、貴様らの野望は俺が打ち砕いてやる!」

 

このオープニングからもわかるように、
宇宙海賊「CATS」の襲撃から始まるメガドライブ版とは
まったく別のストーリーに載せ替えられている。

 


ゲームの基本仕様は変わらず。
ショットと捕獲ビームで進める。
UIはシンプルにスコアのみ。

 


ステージ1クリア時にはビジュアルシーン無し。

 

ステージ2




「こちら地球連邦本部。タチバナ少佐、応答願います。」
「はい、こちらタチバナ。」
「どうやらレグロスを突破したようね。
アイレンからの情報によると敵はプレアデスに退却中。今がチャンスよ。」
「え!?アイレン?」
「アビゴールの要塞本部に侵入してるのよ。」
「なんだってー!ギョクラン、それでアイレンは無事なんだろうな!」
「もちろんよ。妹が命がけで集めた情報、無駄にしないでね。」
「当たり前だ。アイレン、辛いだろうが頑張ってくれ。俺が必ず迎えに行くからな。」

 

ステージ3




「えぇーい、忌々しいやつらめ。
このままではルードヴィッヒ様に合わせる顔が無いではないか。
これ以上、やつの好きにさせてたまるか。」

 

ステージ4




「こちらアイレンです。応答願います。」
「はい、こちら地球連邦本部です。アイレン、無事だったようね。」
「ええ、こっちは大丈夫。なんとか上手くやってるわ。」
「無事で良かったわ。そうそう、タチバナ少佐がアクオスを無事突破。
そっちに向かってるわ。」

「え!マサトがこっちへ向かってるですって?
じゃあ、あのZIG-01のパイロットは・・」

 

ステージ5
このステージはPCエンジンオリジナル。




「ルードヴィッヒ総帥。セイレーン総司令官からです。」
「よし繋げ」


「ルードヴィッヒ様、申し訳ございません。」
「セイレーン、お前ともあろうものが・・」
「お言葉ながら、我軍の情報が地球連邦軍に流れているのでは?」
「どういうことだ?」
「はい、あの戦闘機ですが・・正確にそちらに向かっております。」


「やはりそうか。よし、要塞内部に侵入したスパイを何としても見つけ出せ。」
「はっ!」

 

ステージ6

ステージ6クリア時にはビジュアルシーン無し。

 

ステージ7




タチバナ少佐、応答願います。」
「こちらタチバナ
アイレンからの連絡が途絶えてしまったわ!」
「まさか!敵に発見されたんじゃ!」
「そうだとしたら殺されてしまう。お願い妹を助けて!」
「わかった!俺が必ず助け出してやる!」

 

ステージ8




「さぁ、こっちへ来なさい。」
「キャーーーッ」
「ルードヴィッヒ様、地球連邦軍のスパイを捕らえました。」


「お前のその勇気ある行動を褒めてやる。しかし、見逃すわけにはいかん。」


連邦軍はもうそこまで来ているわ。あなた達もこれまでね。」
「えーい、生意気な!」
「報告します。地球連邦軍の戦闘機が接近中です。」


「よし、連邦軍の戦闘機を片付けてから、お前の処分を考えるとしよう。
セイレーン、それまでこの娘を監禁しておけ。」


「マサト・・、助けて。」

 

ステージ9




「よくここまで来られたな。この娘の力があったとはいえ大したものだ。
褒めてやろう。」

「マサト!助けて!」


「くっそぉ~、アイリンを返せ!」


「ほう。あのパイロットとはまんざら知らぬ仲でも無いとみえる。
よし、もし私を倒す事が出来たら、娘を貴様に返してやろう。
いまこそ真の恐怖を味わわせてやる。さあ!かかってこい!」


「勝負だーっ!」

 

FINAL STAGE
このステージもPCエンジンオリジナルだが、
始まってすぐにボス戦が始まるミニマムなものだ。




「この私が貴様ごときに敗れるとは、しかし、敵ながら見事だ。」


「アビゴールもここまでだな。さあ、約束どおりにアイレンを返してもらおう。」


「そうだったな・・さぁ、受け取るがいい!」


「ア・・アイレン!」
「マサト!マサト~」


「完全なる敗北だが、しかしこれ以上生き恥をさらすわけにはいかない。
フンッ、失うものとて、もう何も無いのだから!」
ズドーーーーン!


「ルードヴィッヒ!!」

 


「これで本当に地球に平和が訪れるのね。」
「ああ!俺たちが平和な世界を築いて行くんだ。」
「えへっ」
「さぁ、みんなが待ってる地球へ帰ろう。」
「ええ」

このあとエンドロールが流れると自然な流れなのだが、
「THE END」表示すらなくタイトル画面へと戻る。
プロの声優さんも起用しているCDタイトルでスタッフロール無しは珍しい。


アーケード版、メガドライブ版、PCエンジン版と連続してプレイしてみたが、
PCエンジン版が一番難しかったように感じた。
俺様はホーミングショットを好んで使っていたが、
同じホーミングレベル3でもPCエンジン版が一番火力が低い気がする。
もしくは敵がオリジナル版より硬いのか?

ゲーム内容はメガドライブ版をさらにチープにしたような感じだが、
オリジナルステージが追加されていたり、
展開を盛り上げるビジュアルシーンが挟まっている事で、
アーケード版では感じられなかった世界観を楽しむ事が出来た。
アーケード版完全移植史上主義の方達には不評だった本作であるが、
存在価値は十分にあったと思う。

 

それにしてもルードヴィッヒ様、美形だなw