わが青春のPCエンジン(138)「沙羅曼蛇」


沙羅曼蛇
(コナミ)
1991年12月6日/シューティング/6000円

 


1986年7月にアーケード向けに登場したグラディウスの続編「沙羅曼蛇」。
その存在はセンセーショナルだった。
まずこの暴走族のチーム名のような当て漢字のタイトルw
そして「グラディウス」のセンスの良い舞台設定に
生物的なグロテクスさを加えたビジュアル。
さらにステージごとにスクロールの向きが横から縦に切り替わる構成。

だが全てのグラディウスファンが本作を受け入れたわけではなかった。
あまりに高い難易度が本作の魅力を堪能する事を阻害していた。
また、パワーアップがカプセル蓄積による装備システムから、
ステージ上での取得システムに変わった事も
グラディウスらしさ”を薄めていた。
知っての通り、俺様はヌルゲーマーなので、
この「沙羅曼蛇」の高難易度の前に轟沈。
あまり好きなゲームにはならなかった。

そんな「沙羅曼蛇」だが、まず1987年9月25日にファミコンに移植された。
それから三ヵ月後にMSX版が登場。
ファミコン版がアーケード版を原作としつつも、
スペック的にアレンジせざる得なかったタイトルであったのに対して、
MSX版は「沙羅曼蛇」の構成要素を使った
MSXオリジナルのグラディウスシリーズ(3作目)であった。
翌年の1988年10月。
X68000向けにアーケードの完全移植に近い形の「沙羅曼蛇」がリリース。
これでファミコンアレンジ版、MSXオリジナル版、アーケード再現版が出揃った。
そしてアーケード版の登場から5年5ヵ月の時を経て、
PCエンジンに「沙羅曼蛇」が登場する。
コナミは「グラディウス」でPCエンジンに参入しており、
本作はその1ヶ月後にリリースされた参入第2弾である。

 


俺様は当初、PCエンジン版はMSX版「沙羅曼蛇」のリメイクになると思っていた。
なぜなら前作のPCエンジン版「グラディウス」は、
MSX版を下敷きに作られていたからだ。
だが蓋を開けてみると、本作はアーケード版を再現する形のタイトルであった。

アーケードとの大きな類似点はミスしたときの処理。
「その場で復活」から「少し戻って再開」に変わっている。
それだとより難しいように思えるかも知れないが、
本作の場合、一度装備が剥がれると、弱い状態で生き残り続けるのは厳しい。
少し戻って装備を整える余裕があるのは助かった。
(ましてやコンティニュー回数に制限があるわけだし)

...にしても難しい。
出現直後に凄いスピードで殺しに来るやつも多いし。
難易度は「BEGINNER」と「EXPERT」で選べる。
今回は「BEGINNER」でプレイしたけど、
低い難易度のモードでプレイすると
ゲームの途中で終わったりするゲームたまにあるから怖いよね。


ビッグコアラッシュはここが安全地帯。

 


忘れた頃にモアイ。
沙羅曼蛇」にもモアイいたんだな・・。

 


ラスボスのゼロフォース。目からの攻撃はオプションを消滅させてしまう。

 


最後のシャッターを掻い潜っての脱出も、ここが比較的安全。
(完全な安全地帯では無いので注意)

全6ステージでエンディングへ。
カットされたステージなどはないが、PCエンジンならではの追加ステージも無し。
どうやらアーケード版と比べると
敵の配置、攻撃、パターンなどにアレンジが加えられているらしく、
アーケード版の攻略パターンはそのまま使えないらしい。
アーケード版をやり込まなかった俺様には気づかない範疇。

 

 

PROGRAMMER
K.HASHIMOTO
T.TOKUDA
T.KOU

GRAPHIC DESIGNER
R.SHOGAKI
T.MIYOSHI
H.MORII
M.SUENAGA

SOUND DESIGNER
H.MURAOKA

PRODUCER
A.NAGATA

SPECIAL THANKS TO
M.FUKUNAGA
AND
AC SALAMANDER TEAM

 


MSX版のリメイクでなかった事は至極残念だが、
よくよく考えてみれば、「グラディウス」と1ヵ月違いのリリースならば、
それぞれ別チームで開発していたはずで、
商品としてのコンセプトもそれぞれ違っていて当然だったのかも知れない。
(「グラディウス」の方だけにMSX版に関わったメンバーがいた…とかね)

こういうアーケードに近づけたけど、近づけきれなかったというタイトルは、
のちのち評価しづらいものがある。

2人同時プレイを実現させたのはエライ。

プロミネンスや脳みそに触手がついたボス“ゴーレム”など、
今プレイしてもその突出したデザインは鮮烈で、
それらが登場するとテンションが上がるね。