MSXとはMSXの事である 第10回「キング&バルーン」

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キング&バルーン
(ナムコ)
1984年2月/MSX1/シューティング/4500円

 

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1980年にアーケードに登場した「キング&バルーン」は大好きなゲームの一つ。
1997年に「ナムコミュージアムアンコール」にアーケード版が収録されるまで
家で「キング&バルーン」が遊べるのはMSXしかなかった。

 

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上空にバルーンの編隊。
自機は対空砲台。(砲台を二人の人間が動かしている絵柄好き)
砲台の下の段には王様がいる。
砲台を左右に動かしてショットでバルーンを破壊していく。
いわゆるギャラクシアンに代表される固定画面シューティングだ。

 

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ここからがこのゲームの面白いところなのだが、
砲台はバルーンや弾に当たっても少しの時間行動不能になるだけでミスにならない。
バルーンが下の段まで到達すると、王様が上空へ誘拐される。
(王様自ら触れに行ってる気がしないでもないw)
王様が画面外まで飛び去る前にそのバルーンを破壊して救出する。

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このとき傘をパラシュートに降りてくる王様がキュート♪

アーケード版だとこのときに
「ヘルプ!ヘルプ!」とか「せーんきゅ♪」みたいなボイスが再生される。
本作は音声合成が初めて採用されたアーケードゲームと言われている。
MSX版だと音声合成はあきらめて、効果音でそれっぽく表現されている。
MSX1で再現は難しかったのかも知れないが、
アーケード版の大きな特徴の一つだっただけに残念に思った。

さて、本作が何か良いのかって言うと、
「プレイのミスを王様のせいにできる」ところだ(爆)
このミスは自分がヘタだからじゃない、王様がマヌケだからだ!と言い聞かせる事で、
劣等感に苛まれる事が無くプレイを終えられる稀有なゲームなのである。

 

それにしても本作は単調である。
敵にバリエーションは無く、全てバルーンなので、面が進んでも遊びが変わらない。
せいぜい合体して大きなバルーンになるぐらいである。

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スピードがどんどん早くなる事も無い。
なお、本作ではアーケード版には存在しなかったボーナスステージが追加されている。

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単調な本作のリフレッシュ要素にはなっている。
先へ進めば何か変化があるんじゃないかと思って
ステージ26まで頑張ったが心が折れた。

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本作の移植を担当したのは、ファミコン版「ギャラガ」、
「ゾンビハンター」、「いただきストリート」などを手掛けた大森田不可止さん。
大森田不可止さんのデビュー作だったらしい。

 

本作大好きな俺様は、本作の単調さを解消した続編を望んでいたが、
携帯電話アプリとしてアレンジ版が配信されたぐらいに留まっている。
ナムコの中では価値を見い出されてないIPなのかも知れない。