RPGプレイレポート「トリトーン」


トリトーン
ザインソフト
1985年10月/アクションRPG/4800円

 


「トリトーン」は俺様が生まれて初めて遊んだアクションRPGである。
時系列的にはまず「リザード」でRPGというゲームの仕組みを知り、
「トリトーン」でRPGの仕組みはアクションゲームにも応用できる事を知った。
そしてそこから「ザ・ブラックオニキス」「ハイドライド」へと手を広げ、
俺様の中のRPGが基礎構築されたのである。
いずれもPC-6001mkII時代のお話だ。
これまで「リザード」「ザ・ブラックオニキス」「ハイドライド」については
過去にまとめた記事がある。
つまり本作「トリトーン」をこうして記事にする事で、
俺様の“RPG原体験の掘り起こし”が完了するわけである。

なお、本作リリース時はまだ“アクションRPG”という名称は定着しておらず、
ハイドライド」は“アクティブPRG”と呼んでいたが、
本作は「リアルタイムロールプレイング」と呼んでいた。

 


不気味なほど静かな海に、深い霧につつまれた孤島、ルワンダ島がある。
かつてそこは平和な島であった。
しかしあまりにも平和であったがゆえ、突如、妖怪ペイ・バルーサが手下を引きつれ、この島に攻め込んできた。
島はあっという間に征服され、人々は地下奥深くに閉じこめられてしまった。
ペイ・バルーサは、妖怪どもをあちこちに放ち、権力をほしいままにした。
「昔より伝わる五色の妙薬を手にすることができるのなら、
あの島に平和をとりもどすことができるのじゃが…」

と、ある老人がつぶやいた。
それを聞いたひとりの勇士が立ち上がった。その名はトリトーン…。

 


本作はサイドビューで世界が構築されている。
「4」と「6」で左右移動。
「8」でジャンプ。
「5」で奥面にある穴に入る。
Xボタンで剣を振る。押しっぱなしにするとブンブンと連続で振る。
Zボタンでファイヤーボールを放つ。
ファイヤーボールを敵に当てると、一定時間動きを止める事が出来るが、
初期残弾数の10発しか撃てない上に、
後半にとある条件を満たさないとこの弾数は回復しない。
なので通常時は使用してはいけない。(^^;
Sボタンでセーブ、Lボタンでロード。
どこでもセーブできるので便利。
このゲームは油断すると(油断しなくても)すぐ死ぬので、
体力回復するたびぐらいでセーブする方が良い。
その他、ゲームを進めると使用できるボタンが増える。

 


マップは1画面ごとの画面切り替えだ。
真横画面なので谷底などに落ちると元の場所に戻るには
ワープ穴などを見つけて戻ってくる必要がある。
谷へ落ちる前にセーブしておいて、少しずつ形状を覚えていこう。

 


まずは開始してすぐのところにある水の中に潜って、
スライムを倒していこう。
隣接して剣を振る。
反撃を受けてダメージを食らったら、敵のいない場所へ逃げてジッと回復。
これを繰り返す。
スライムを8匹倒したら「赤い薬」が手に入った。

スライムを倒すたびにEXPの値が蓄積されていく。
EXPが1000になると、HP(体力)とSTR(攻撃力)が100ずつ増えた。
このゲームは体力と攻撃力しか成長させる事が出来ないので、
防御力はいつまでも紙のように薄い。
後半になっても初期の敵からの攻撃にエグいくらい体力が減る。

継続してスライムを倒し続け、400まで成長させたら、
それ以上EXPが増えなくなったので探索の足を伸ばす事にする。

 


ここに通れなさそうな通路があるが、
ジャンプの着地時に左へキーを入れると通過できる。


その先に宝箱発見。
宝箱はその上に重なって5キーを押すと取れる。


「マーブル色の薬」を入手。
どうやらジャンプ力が上がったらしい。

 


続いてこちらで「緑の薬」をゲット。
剣を振るスピードがアップ。

 


この位置は安全地帯な上にジャンプ斬りで落ちてくるモンスターを安全に倒せる。
ここで1200まで成長させた。
さらにこのモンスターをしばらく倒していると「ダイヤの指輪」ゲット。

 


ジャンプ力が上がっているので最初のここに入れるようになっている。

 


このモンスターを倒していると「十字架」をゲット。

 


この赤いトカゲみたいな奴を倒していると「シールド」をゲットした。
このゲームでは「特定の敵を倒し続けると」という条件で出るアイテムが多い。
シールドを入手しても防御力が上がったように思えないほどすぐ死ぬ(^^;

 


魔法使いを倒していると「魔法の本」をゲット。
どうやら魔法攻撃の防御力が上がったらしい。
あと宝箱から「巻物」をゲット。「MGと書かれた薬」はいつの間にか持ってたw

 


マーブル色のこいつを倒していると「オレンジの薬」をゲット。
どうやら体力回復の速度がアップしたようだ。
これでストーリーで語られている“5つの妙薬”ってのは揃った事になるのか。

 


ここにあった宝箱から「カギ」をゲット。

 


今まで壁だった場所が開いている。
カギの効果かな?


おっと、ここも開いてる。

 

 


この奥に宝箱があり、「杖」をゲット。

 


ナイトを倒していたら「赤い宝石」をゲット。
この左上の穴は、通常は岩で塞がれており、
ドラゴンを数体倒さないと開かない。
また、画面を切り替えてしまうと再び閉じてしまう。

 


この画面の右下の岩はマジックボールを5発当てると壊れる。
なのでマジックボールを消費していると進めないのだ。

 


いよいよペイ・バルーサと対面
このままではダメージは与えられないので一度戻る必要がある。


戻ると宝箱が出現しており、取ると「王冠」が手に入る。

 


これでペイ・バルーサと戦う準備が整った。
と思って戻ろうとすると・・。
あ!また岩が塞がってる!!
マジックボールの残弾数が足りない!!
どこかに残弾数が増える場所やアイテムがあるはず・・。
アイテムも全部揃ってないみたいだし、
道を戻って取りこぼしを探す旅に出る。

 


あーーっ!!
スタート地点の右側のルート、まだ行ってなかった!!(×_×)

 


宝箱から「ろうそく」ゲット。

 


墓石に隠し通路発見。


ここの宝箱に「ソード」発見。

 


何かのアイテムの効果かと思うが、
ここの緑のブヨブヨを倒すたびにマジックボールの残弾数が1増えるようになった!
これで弾切れの心配がいらなくなったぜ!

 


この炎のモンスターを倒していると2つ目の「シールド」をゲット。
これでアイテムはコンプリートかな?
王冠の隣がスペース空いてるけど、たぶん全部だと・・思う。

 


いよいよ最終決戦。
ちなみにこのマップでは自動回復はしてくれなくなる。
この地点までなるべく体力を残して到達したい。
こまめにセーブして、ダメージを食らい過ぎたらやり直そう。

さて、大きな剣をブンブンと振り回すペイ・バルーサ。
おもむろに斜めジャンプでビョーン。


なんとペイ・バルーサ。
移動もしなけりゃ、振り向きもしない。
背中がガラ空きだぜ・・。


伝説級の最弱最終ボス(^_^;

 


THE BATTLE OF LIWANDA-ISLAND IS OVER.
A COURAGEOUS MAN "TRITORN",YOU WIN A VICTORY.
ON THE EARTH AND UNDER GROUND,YOU FIGHT.
AN INSTANT YOU KNOCKED "PAY-VALUSA" DOWN, VARIOUS MONSTERS DIED OUT.
AFTER THIS,IT WALL PRESERVE PEACE IN LUWANDA-ISLAND.
I HAVE A DESIRE TO LAST IT FOR EVER.

P.S. BE CAREFUL!!
THE WORLD OF "SCION" WAIT FOR YOU.

ルワンダ島の戦いは終わりました。
勇敢な男トリトーン、あなたは勝利を勝ち取りました。
地上でも地下でも、あなたは戦いました。
ベイ・バルーサを倒した瞬間、様々なモンスターが消滅しました。
この後、ルワンダ島の平和は守られていくでしょう。
私は永遠にそれが続く事を願っています。

追記
気をつけて下さい!
「シオン」の世界があなたを待っています。


「シオン」は「トリトーン」の続編として製作される予定のタイトルだった。
1988年に発売される実際の続編である「トリトーンII」と
ここで言う「シオン」にどこまで共通したものがあったかは不明で、
「シオン」自体は未発売タイトルという事になっている。

 

さて、ほとんどの人がお気づきかと思うが、
本作は明らかに「ハイドライド」を参考に作られている。
ハイドライド」が発売されたのが1984年12月。
ハイドライド」を研究してから開発しても充分間に合う期間だ。
類似点をあげてみようか。


・画面右にHP、STR、EXPが並んでいる。
・右下に戦っているモンスターの名前と体力が表示される。
・集めたアイテムがアイコンとして画面下に並ぶ。
・画面右上にゲームタイトル。
・成長させても防御力は上がらない。
・一定数まで成長させると弱いモンスターからは経験値が入らなくなる。
・どこでもセーブ可能。

・特定のアイテムを入手しないと無敵の最終ボス。

ザッと思いつくだけでもこれだけ類似点がある。
つまるところ「トリトーン」は、
“「ハイドライド」をサイドビューにしてみた”というコンセプトのゲームである。
そもそも「ハイドライド」も
“「ドルアーガの塔」をオープンフィールドで構築してみた”というゲームなので、
こういう模倣はゲームの発展の上で必要なものだと思っている。
単なるコピーではなく、どこかを変える事で新しい価値を生み出す。
ビデオゲームの歴史はこれの繰り返しで発展してきたのだ。


久しぶりにクリアしたが、やはりアクションは厳しい。
敵に背中から刺されるだけで体力がガン減りするし、
RPGなのにどんなに成長させても即死のリスクは変わらないのはキツイ。
また操作性も悪く、特にジャンプにクセがあり過ぎる。
斜めジャンプは2つのボタンを同時に押さないとすぐ垂直ジャンプになってしまうし、
軌道にクセがある上に、空中の移動補正が出来ないため、
敵の攻撃を避けつつ上の段に上がるのがやたらと難しい。
ジャンプに失敗して敵の上に乗ってしまうと硬直して身動き取れなかったり・・。

良い点はやはりテンポの良さ。
レベルアップはそれほど時間かからず進むし、
謎解きも「ハイドライド」ほど難解ではない。
アイテムを取りこぼしても最終ボスまで辿り着けてしまうユルい作り。
史上最弱のボスも愛すべき存在だ。
どこでもセーブできるのも、アクションの理不尽さをフォローしてくれている。

サイドビューにした事で「ハイドライド」には無い
“敵との位置関係を探る”要素で構成されている。
敵が侵入できない休憩ポイントを見つけたり、
敵から攻撃を受けずに一方的に攻撃ができるポイントを見つけたり。
ジャンプが届くかどうかでルートが構成されているのも
ハイドライド」とはまったくプレイ感の異なる点。
見本にしながらも似て非なるゲームになったのは本作の功績と言えるだろう。

同じメロディを延々と繰り返すBGMも中毒性が強い。
ソフトベンダーTAKERUのCMで起用されていた事を覚えている人もいるだろう。

当時のパソコンゲームは構成が難解なものが多い中で、
シンプルでテンポの良い本作に最初に出会ったのはラッキーだったと思う。

その後、様々なゲームをリリースして(ある意味で)伝説を残していくザインソフト。
まさか「トリトーン」が
ザインソフトの最高傑作だったとは当時思っても見なかった。(^_^;