RPGプレイレポート「リザード」


リザード
(リバーヒルソフト(オリジナル開発:クリスタルソフト))
1984年12月/RPG/6800円

 


リザード」は俺様がプレイした正真正銘RPG初体験作品である。
最初に遊んだのはPC-6001mkⅡ版
パソコン雑誌で紹介されていたRPGなる謎のゲーム。
いくつかの候補の中から選択したのが「リザード」だった。


伝説のリザードの塔にあるという魔法の経典を求めて
幾層にも重なった広大な迷宮と
そこに仕掛けられた数々の罠に
そして教典の守護者大リザード
たったひとりの若者が立ち向かった。
はたしてあなたはリザードが姫にかけた
呪いを解くための魔法の奥義が
記されているという「真実の書」を
手に入れることができるか!

 

ゲームをスタートしたら、まずキャラクターを作る。
名前を決めたら、タイプを「戦士」「泥棒」「商人」から選択。
パラメータの違いは以下の通り。

戦士 POW 70 AGI 50 DEX 50 GOLD 200
泥棒 POW 50 AGI 70 DEX 60 GOLD 200
商人 POW 50 AGI 50 DEX 70 GOLD 300

POWは攻撃力、AGIは回避、DEXは命中率に影響する。
このゲームに魔法などの特別な要素は無く、
バトルは真っ向勝負で殴り合うだけなので
こういうタイプ分けになっているのだろう。

リザードの塔」の前にはいくつかの施設がある。

1-塔に入る
2-病院
3-宿屋
4-寺院
5-商店


【病院】
1.傷の治療
金貨100枚で体力を全回復

2.毒を抜いてもらう
金貨30枚で毒化の回復

3.薬を買う
傷薬(金貨100枚)体力回復アイテム
解毒剤(金貨100枚)毒回復アイテム
腕の薬(金貨100枚)使用している間だけPOW強化
足の薬(金貨100枚)使用している間だけAGI強化
頭の薬(金貨100枚)使用している間だけINT強化

4.LIMを増やす
HPの最大値を上げる(1回目が金貨220枚で、利用ごとに値段が上がる)

【宿屋】
1.大部屋(金貨5枚)HP5回復
2.個室(金貨10枚)HP15回復
3.特等室(金貨15枚)HP35回復

【寺院】
経験値をレベルに還元、及びセーブ

【商店】
1.武器を買う
短剣(金貨20枚)
銀の短剣(金貨40枚)
棍棒(金貨50枚)
槍(金貨80枚)
斧(金貨100枚)
戦闘斧(金貨150枚)
剣(金貨200枚)
星の剣(金貨300枚)
月の剣(金貨500枚)
太陽の剣(金貨1000枚)

2.防具を買う
革のローブ(金貨50枚)
鎖かたびら(金貨100枚)
鉄のよろい(金貨300枚)
銅のよろい(金貨200枚)
ロックプレート(金貨250枚)
ハードロックス(金貨400枚)
木の盾(金貨50枚)
銅の盾(金貨100枚)
鉄の盾(金貨200枚)
ミュウの盾(金貨1000枚)

3.持ち物を売る
売値の半額で買い取ってもらえる

 

このゲームでは冒険中に成長する事は無い。
塔での探索を終え帰還してから
寺院でレベルアップしたり、
病院で体力の強化、
集めた金で武器と防具の買い替え・・
などをしてキャラクターを強くしていく。


塔の北西の角にある錆びた鉄の扉を開いて
古い塔の中に入りました。
壁は青白く光り、生温い風が微かに吹いています。

 

操作はテンキーでダンジョン内を移動する事と、
スペースキーで道具を使う事・・というシンプルさ。
まずは購入した武器、よろい、盾を装備しよう。

 


ウロウロしていると敵が出現した。
コマンドは「たたかう」「話をする」「逃げる」の3つ。
「話をする」はたいがい「話が通じない!」と言われて強制的に先制攻撃を食らう。
体力に自信が無い場合は「逃げる」をしても良いが、
このゲームはなんと「逃げる」をすると経験値が減るというペナルティがある!
つまり敵と遭遇したら「たたかう」一択だ。
体力に余裕のあるうちに街に戻っとけって事だ。


戦いが始まるとカワイイ絵でキャラクターが対峙。
コマンドは「アタック」「にげる」「どうぐ」
こちらも基本アタックで殴り合い続ける事になる。


HPが0になると死んでしまう。

死ぬとゲームオーバー。
寺院でセーブしたデータからやり直す事になる。

 

経験値と金貨を取得するためにひたすらバトルをし続けていたら、
最初に買った武器、よろい、盾が全て壊れた。
このゲームは全てのアイテムが消耗品。
最強の剣すら壊れる。(^^;

効率を考えたら、キャラクターを成長させている間は
最低限の装備で経験値と金貨を貯め、
寺院でのレベルアップと病院での「LIMを増やす」に費やそう。
そして塔の探索を進める準備が整ったら装備をちゃんと揃えて進めるのが良い。

 

1階のモンスターだと、
オークが「短剣」を、ウィザードが「水晶玉」をたまに落とす。
試しに水晶玉を使ってみよう。
画面が光り、
「あなたはいま入り口より南に1、西に2離れた場所にする」
と表示された。
これは自分の場所を教えてくれるアイテムだった。
リザードの塔は最上階まで
全て20×20のマス目内で設計されている。
方眼紙を買ってきて、
鉛筆でマッピングするのが当時のダンジョンRPGの基本プレイスタイルだ。
一歩ずつ進みながら、壁や扉を方眼紙に記入していく。

リザードは1フロアが狭いので、
マッピングも入門編として適している。

 


しばらく探索していると「精霊」と遭遇。
こいつは味方なので話しかけてみよう。

あなたが探している物は真実の書ですね。
1階ごとに慎重にいけば必ず手にする事ができます。
あきらめてはいけませんよ。
正しき心を持つ者は祈りを忘れてはいけません。
何度も寺院へ行って祈りなさい。
そうすれば神はあなたを導いて下さいます。

 


しばらく進むと宝箱を発見。
一度で開かなくても何度かチャレンジすると開く。
このゲームの宝箱だが、中のアイテムを入手しても、
部屋を出て入り直すと復活している。
試しにスタート地点から一番近い宝箱部屋で乱獲してみた。
収穫は以下の通り。
にげるブーツ×1
影の指輪×1
炎の剣×2
降りる靴×2
光る指輪×1
消えるブーツ×1
持ち物は最大10個までしか持てないので、
限界まで獲ったら街に戻っていらないものを売るなりすると良いだろう。
また、お気づきかも知れないが、このゲームには
「上の階の宝箱ほど良いものが入っている」といった事はない。
全ての宝箱の中身はランダムで決まる。
なので1階の宝箱を往復していれば、
最終決戦に必要なアイテムは揃える事ができる。
特に一瞬で入り口まで戻れる「もどるブーツ」(または「ひばりの舌」)と、
1フロア上がれる「のぼるブーツ」は重要なので集めておこう。
塔内で手に入る装備品は壊れやすいので注意。

 

1階には一方通行の扉毒ガスが吹き出す場所などがある。
迷わないようにマッピングしつつ、2階へのハシゴを探す。


2階へのハシゴはレベル2以上でないと登れない。
また、一気に5階まで上がれるエレベーターは、レベル11以上で利用できる。
つまりこのゲームはフロアごとに達成レベル条件が設けられており、
低レベルクリアを目指す事は不可能である。

 


2階にいる精霊からは「アルムのけん」というイベントアイテムが貰える。
これは三剣の一つであり、三本の剣を集めるのが当面の目的である。
ところがこの剣を手に入れるには経験値の半分を寄越せという。
無茶言うなや~。
低いレベルでここまで来たのならいいけど、
それだけ半死半生で苦労するし、
高いレベルで来た場合、次のレベルに到達する経験値を貯めるには、
これまでのプレイと同じ時間は少なくともバトルをする必要がある。
なんという非情な設計だ・・。
無駄なプレイ時間を生み出さない方法はただ一つ。
このゲームのレベル上限である20まで上げてから来ること。

 

3階は「上の階に吸い込まれるトラップ」と、
「画面が真っ暗になるゾーン」がある。
どちらもマッピング泣かせ。
下手すりゃ迷子になって帰り道が分からなくなる。
HPを回復してくれる精霊がいるので拠点にすると良い。

 

4階では「落とし穴」が登場。
下の階に落ちたらマッピングした図を見て座標を確認しよう。
精霊からは三剣のひとつ「ウルムのけん」が貰える。

 

6階はレベル16以上だと、一気に9階に上がれるエレベーターがある。
また、体力を回復してくれる精霊がいる。

 

7階には三剣最後の一本である「ノーザの剣」が精霊から貰える。

 

9階では精霊から「勇者の剣」が入手できるが、
三剣を集めているのが条件。

 

10階が最上階。
最終ボスのリザードに合うには「勇者の剣」が必要。

 

このゲームは確かにRPG入門編であるが、
10階攻略はやはり厳しい。
パラメータ的に限界まで到達していても容易にクリアさせてくれない。
ここに俺様がクリアした方法を記しておこう。

まずレベルは20にしておく。
そして病院でLIMを限界の2000まで上げる。
そして最強装備を2セット用意しておく。
リザードのもとに辿り着く前に壊れてしまうからスペアを持っておくわけだ。
最後の武器は「勇者の剣」で良いが、
リザードに出会うまでは宝箱で手に入る「炎の剣」。
よろいは「ヘヴィメタル」、盾は「ヒドラの盾」が良い。(いずれも宝箱入手)
強化アイテムはお好みで良いが、
POWを上げたいなら「腕の薬」(病院入手)か「コラットアーム」(宝箱入手)、
AGIを上げたいなら「消えるブーツ」(宝箱入手)、
INTを上げたいなら「頭の薬」(病院入手)。
ちなみに三剣は邪魔なので売却だ(^^;
そしてあらかじめ「のぼるブーツ」も2つ集めておく。
かくして俺様の最終決戦への装備は以下のようになった。

1:勇者の剣
2:炎の剣
3:ヘヴィメタル
4:ヘヴィメタル
5:ヒドラの盾
6:ヒドラの盾
7:消えるブーツ
8:コラットアーム
9:のぼるブーツ
10:のぼるブーツ

「のぼるブーツ」は9階から10階へは使えないので、
まずは9階まで「のぼるブーツ」で一気に移動する。
10階へのハシゴ手前に出る位置で使うのが良い。
「のぼるブーツ」が2つ必要なのは9階に辿り着く前にブーツは壊れるから。
この方法なら体力が満タンのまま10階へ突入できる。
ハシゴから10階に入ったら、武器、よろい、盾、強化アイテムを装備。
このとき「勇者の剣」を装備してはならない。
途中で壊れちゃうから。
ここから大リザードまでのルートはもの凄く長い。
そして10階には体力を全回復する手段が無い。
つまりなるべく体力温存して辿り着く必要がある。
ちなみに病院で買う「傷薬」は5しか回復しないので持っていくだけ無駄だ。
また、戦闘で毎回「にげる」というのも試したが、
「にげる」の成功率はめちゃめちゃ低いので効率は良くない。


そしていよいよ最終決戦。


リザードはタイトルにもなっている最終ボスなのだが、
前口上も何も無く、油断してると普通のザコ敵じゃないかと思ってしまう。(^^;
何はともあれ、HPを1352残してリザード討伐に成功。

 


そのキレイに飾られた箱の中には一冊の本が入っていました。
そうです。
あなたが探し求めていた真実の書は
今やっとあなたのものになったのです。


CONGRATULATION!!
今こそ真実の書は
正しき心を持つ者のもとへと返されたのです。
邪悪な心を持つリザードは滅び、
姫にかけられた恐ろしい呪いは解かれました。
あなたは勝利の若者。
さあ、急いで姫のもとへ....
THE END

当時はRPGというジャンルの出始めであり、試行錯誤の最中。
とかく複雑で難解なシステムになってしまうものが多かった中で、
本作は極力要素をシンプルにされており、
「経験値やお金を貯めてキャラクターを強くすると、先に進めるようになる」
というRPGの根本的な面白さを気づかせる入門ソフトとしては最適な一本であった。

同時期に発売されていたRPGには
ドラゴンスレイヤー」「夢幻の心臓」「カレイジアスペルセウス」などがあったが、
もし最初に遊んでいたのがそれらであったら、
ゲームの難解さに遮られてRPGの面白さに気づくのが遅くなったかも知れない。
リザード」を選んだのは正解だった。

 

本作のオリジナル版を開発したのは藤岡千尋さん
この方はクリスタルソフトからスクウェアへの移籍を経て、
開発会社のアルファドリームを設立。
スーパーマリオRPG」シリーズなどを生み出している。
コマンド選択式の戦闘シーンでコミカルなアクションが演出されるあたりは、
リザードでの戦闘シーンが原点になっているのではないかと思わせる。


クリスタルソフトは「無幻の心臓」など88ソフトの開発もしていた会社だが、
リザード」88版の開発と販売はなぜかリバーヒルソフトからになっていた。
(MSX版やFM-7版はマイクロキャビン)
なぜ自社開発しなかったのか不明だが、
そのためか続編の「アスピック」は88版が登場しなかった。
いつか88版が出るだろうと思っていたのでPC-6001mkⅡ版は購入せず未プレイ。
結局、「アスピック」が移植されたのはFM77AV版とX1版、
そしてファミコン版のみとなっている。
プレイできないまま現在に至っている心残りの一つだ。