MSXとはMSXの事である 第5回「ボルフェスと5人の悪魔」

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ボルフェスと5人の悪魔
(クリスタルソフト)
1987年/MSX1/アクションパズル/5800円

 

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夢幻の心臓」を生み出した富一成さん
ゲームデザインとプログラムを手掛けた唯一のMSXタイトルが本作だ。
 

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魔法使いのボルフェスを操作し、トップビューの切り替え式マップを探索。
プレイヤーは右手と左手に武器を装備し、
2つのボタンでそれらを使い分けて出現する敵を倒していく。
アクションが軽快でノックバックするリアクションが気持ち良い。
 

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一見すると『ハイドライド』や『ゼルダの伝説』のようなアクションRPGなのだが、
実際にはRPGとは真逆のアクションパズルになっている。
敵を倒し続けると経験値が貯まり、
レベルアップによって体力の最大値が増えたりするのだが、
このゲームの特殊なところは体力の回復方法にある。
本作で失った体力を回復するためには、
敵を倒したときに落とすハートを拾うしかない。
で、そのハートだが、レベルが一定値に達すると弱い敵からは落ちなくなる。
あとは体力が減る一方で、ボスなどに挑まなければならない。
つまりこのゲームは無闇に成長させてはないけないジリ貧ゲームだったのだ!
プレイヤーは攻略ルートを探り当て、
どこでどれだけ敵を倒して次に進むかを計算して進む。
計算があっていてもアクションが上手くいかないとゲームオーバー。
そういうパズル+アクションで構成されているのが本作の正体なのである。
敵を倒したときにハートやコインを落とすかどうかは完全に乱数次第であり、
いつまでたっても回復出来ずにレベルが上がってしまったりもする。
 
2種類目のボス(バッタみたいなやつ)を倒すと悪魔の壺が手に入る。
ゲームのタイトルにもある“5人の悪魔”はこのゲーム最大の特徴にもなっている。
壺を左右どちらかの手に装備し、使用すると悪魔に変身出来る。
ここで前述した「体力回復問題」がちょっとだけ解決する。
悪魔は体力が無くなっても死なず、ボルフェスに戻るだけだ。
そして敵を倒すと悪魔に変身するエネルギーが再びチャージされ、再び変身出来る。
つまり悪魔で行動する限りはハートは必要無いというわけである。
悪魔はそれぞれ強力な技を持っているが、使うたびに体力を消費する。
また、どう使えばいいのかよくわからない不親切なものも多い。


悪魔の出現演出がそれぞれ凝っていて楽しげだ。
例えば一体目のディギンなどは呼び出すたびに合体シーンがあるw
二体目のマーゴが登場すると軽快なBGMに切り替わったりとかも。

悪魔が手に入ったからといって乱数地獄から脱せれるわけではない。
例えば少し進むとクリアには必須と思われる
「ブーメラン」がコイン50枚で売っている。
ボルフェスで戦い、50枚に達するまで稼ぎ続けなければならない。
(ちなみに敵がコインを落とすのは感覚的には15体に1体ぐらいのペースだ)
さらに進むと同じように別のアイテムがコイン50枚で売っている。
おわかりだろうか?
レベルを上げ過ぎるとハマる。
だが敵を倒してコインを集めないとハマる。
そして運が悪いと敵がなかなかコインを落とさずにやがてハマる。
このゲームはそういうゲームなのである。
救済処置はある。
序盤で「水晶玉」というアイテムを買っておくと、
どこでもパスワードが発行出来るようになる。
これを使って定期的にパスワードを残しておけば、
最初からやり直さずに済むというわけだ。
なんならコイン集めを始める前にパスワードを発行し、
乱数の出目が悪かったらやり直せばいい。
超面倒臭いけどね。(^^;
中盤ぐらいで、必須アイテム(たぶん)が金貨50枚で売っていたので、
敵を倒し続けていたらまたしてもレベルストップ。
心が折れて無期限プレイ中断(-_-;

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