わが青春のPCエンジン(20)「ニュートピア」


ニュートピア
(ハドソン)
1989年11月17日/探索型アクション/5800円


当時ハドソンは、
PCエンジンに様々な人気ジャンルのゲームを集めようとしていた。
ファミコンにはあるのにPCエンジンには無いね」
なんていう声を払拭したかったんだろう。
パワーシリーズで色々なスポーツゲームを出したのもしかり。
そんな中でゼルダファンのスタッフが
「PCエンジンにもゼルダの伝説を!」
という思いで作ったのが本作らしい。
なのでシステム設計はかなりのゼルダ寄りである。
武器ボタンと道具ボタンに分かれており、武器ボタンを押すと剣を突き出す。
道具ボタンはスロットにセットした道具を使う。
(消費するものと何度も使えるものがある)
他にも画面が切り替え式だったり、
アイテムを入手したときに頭上に掲げたりと、あえてゼルダに寄せている。
ただ俺様自身はあまり熱心に『ゼルダの伝説』を遊ばなかった口なので、
プレイ感覚は『チャレンジャー』とか
『ボルフェスと5人の悪魔』なんかを思い出す。
 
アクションRPGと紹介される事も多いが、
ゼルダの伝説』同様に経験値を貯めて成長するような要素は無いので、
探索型アクションゲームといった方がいいだろう。
探索するのは4つのワールドで、それぞれダンジョンが2つずつ隠されている。
それぞれのダンジョンに目的のメダリオンというアイテムがあり、
8つ集めると最終ボスと戦えるというわけ。
ただし、体力上限UPイベント、持てる爆弾数UPイベント、
さらには新たな装備品や道具などが隠されているので見逃すと酷い目にあう。
 
迷宮探索で隠し通路は「壁に爆弾を設置」する事で開くんだけど、
この作業がとても面倒だ。
というのも爆弾は持てる数が決まっており、
補充は敵が落とすのを拾うか爆弾屋で買うしかない。
シラミ潰しに爆弾を仕掛けると補充と探索の往復がハンパない。
 
地下迷宮内で体力回復要素がアイテムの回復薬しかないのもツライ。
瀕死になったら凄く遠い地上の“回復ポイント”まで戻らなければならない。
せめて迷宮の入り口にでも回復ポイントを設けてくれたら良かった。
(ただでさえ迷宮は体力消耗しやすいし、ボスとの戦いは消耗した状態では無理だし)

ちなみにこのゲームでは体力が0になると所持金が半分になり、
スタート地点に戻される。
地味にツライ。

 
序盤で手に入る「炎の杖」が最強。
ライフ上限が上がると炎の威力がアップ。(体力が減るとパワーダウンする)
火柱を拭き上げながら壁を貫通しつつ遠くまで飛ぶ。
跳ねまわる敵にも有効。
むしろこれが主武器なんじゃないかって思える。
(爆弾みたいに回数制限無いし)
ボスには効かない事が多いので、そのときだけ通常剣で戦う。

4つの世界でメダリオンを集め、
最終ボスはゲームスタート地点のすぐ後ろにいるw
「最強の剣でヤツを倒せ」って言われるんだけど、
いま自分が持ってる剣が最強かどうかよくわからない(^^;
試しにボスと戦ってみたけど、
全然ダメージ与えられないからきっと違うんだろう。
またあのダンジョン探索するのかー、面倒臭いぜ・・。
で、最後のダンジョンに戻って探索し直すと、
最強の剣のかわりに「天空の鐘」なる道具をゲット。
で、これをダンジョンの外のとある場所で鳴らすと
「最強の剣」が手に入るんだけど、
これがわかるまで凄く時間がかかったぜ。

 
そして再びラスボスへ。
今度はちゃんとダメージを与えられるようだ。
回復薬を2つ使ってギリギリで勝利。危なかった。
 
総括。
アクションがシンプルで小気味よく、操作自体が気持ち良い。
ゼルダの模倣とは言え、システムがシンプルにまとまっていて良好。
BGMがキレッキレ。
グラフィックもファミコンより高性能なハードである事が活かされている。
PCエンジンユーザーに的確な“ゼルダ的ゲーム”を提供した秀作である。
 
ちなみに本作はパスワード式であるが、
バックアップRAMにも対応しており、
PCエンジン初期のRPGなどで苦労した
「長すぎるパスワードをメモすること」から解放された一本である。
 

 
「やっとラファエルの闇の世界から解放されました。
私はその闇の中で世界の行く末を案じておりました。
しかしあなたのおかげでメダリオンも全て戻り、ラファエルも消えました。
ほんとにお礼の言いようもありません。
さあ、みんなの待つ神殿へ戻り、ともにメダリオンの導きのもと、
人の優しい心に包まれた新たなる楽園を築きましょう。
さあ、まいりましょう。勇者フレイよ!」

 
かくして勇者フレイの冒険は終わり、
世界に再び平和が訪れた。
そして始まるのだ。
新しき人々の心の楽園、
そう、ニュートピアの物語が。


DTRECTED BY

ISAMU IZUMI

CHIEF PROGRAMMER

KOUJI KANETA

ASSISTANT PROGRAMMER

MASATO TOBISAWA
TOSHIRO KONDO


CHIEF DESIGNER

AKINOBU SEKIGUCHI

GRAPHIC DESIGNER

AKIHIKO AZUMA
YASUE OIKAWA


MUSIC BY

TOMOTSUNE MAENO

SOUND EFFECTS

TOSHIAKI TAKIMOTO

GAME DESIGNER #1

KEIGO YASUDA

GAME DESIGNER #2

HIROKI SHIMADA

GAME DESIGNER #3

TOSHIYUKI TAKATSU

SCENARIO ADVISER

KOUJI ARAI & TADATUKI KAWADA

THANKS TO

TOSHIHARU URA & HECTER OYAMA

SPECIAL THANKS TO

HIDETOSHI ENDO