集中攻略『スペースハリアー』


発売元:電波新聞社
発売時期:1988年7月
定価:7800円
対応機種:PC-8801mkIISR以降

 


1985年に登場し、
そのセンセーショナルな商品構成によって
多くのゲーマーを魅了したスペースハリアー
巨大なキャラクターがハイスピードで画面に迫るその内容は、
家庭で楽しむにはとてもスペックが足りないように思えた。

1986年12月。
セガマークIIIに家庭用に移植された「スペースハリアー」が登場。


セガマークIII版の画面

ビジュアルは頑張っていたものの、動きがカクカクでタイニー感が強かった。
予想できていたものの、やはり
「アーケード版スペースハリアーを家でも遊べる」
というのは無茶な願いであった。

そんな中で電波新聞社は1987年から1988年にかけて
パソコン向けに次々とスペースハリアーの移植ソフトをリリースした。
その第一弾は1987年3月。
既に過去のハードとなっていたPC-6001mkII版
俺様はこのソフトをプレイしてビックリした。
冷蔵庫の塊が画面の奥から飛んでくる・・。


▲PC-6001mkII版の画面

これを「スペースハリアー」と言って良いのか?
同人ソフトならまだしも、市販ソフトで移植としてリリースしたんだぜ?
だがプレイしているうちに「おや?」と思った。
このPC-6001mkII版のスペースハリアー
マークIII版より敵の動きが滑らかで気持ちいい。
見た目に反してゲームとしてのプレイ感が良かった。
「完全移植を目指さない移植は悪」という固定概念を覆す強烈なアンチテーゼ。
はたまたスペースハリアー実験というパフォーマンスなのか!?

1987年9月にはX68000版、1987年12月にPC-6601版が登場。
この3作は「タイニーゼビウス」の作者であった松島徹さん
1987年12月にはFM-77AV版も登場している。
こちらの作者は松島さんではなく、
FM-7で「マッピー」や「ドルアーガの塔」を移植した林俊彦さん

そして1988年7月25日に88版とX1版がリリースされた。
88版の作者は石田和久さん。X1版はコミヤマケンジさん
どちらも呉ソフトウェア社長の呉英二さんの紹介みたいだ。
石田さんは呉さんが中学教師だった頃の教え子とのこと。

 


さて88版をプレイしてみよう。


PC-6001mkII版ほどでは無いが、
かなり割り切ったビジュアルになっている。
が、そのかわりスピード感がもの凄い。キビキビと動く。
ジョイスティックにも対応している。

 


こちらはTESTモードの画面。
ディスプレイのアナログとデジタル切り替え、
ミュージックモードのほか、
ゲームのスピードが変えられるのが凄い。(1から99まで!)
最大速度でやると物凄い速さで物体が通過していく。
ゲームにはなっていないが笑ってしまう。
ソフトというより公開実験。もしくは芸術。

電波新聞社スペースハリアー実験はこれで完結したが、
1988年10月にMZ-700版というのも存在する。
それは雑誌「Oh!X」の掲載プログラムという形の公開だった。