これを読んでいる人で「マジンガーZ」というアニメを知らない人は
いない気がするが、軽く触れておく。
「マジンガーZ」は1972年から1974年までに放送された
永井豪率いるダイナミックプロが原作のロボットアニメ。
「鉄腕アトム」や「鉄人28号」に続く日本のロボットアニメを牽引した代表作で、
このアニメがあったからこそガンダムも誕生したと思っている。
本作は続編の「グレートマジンガー」「UFOロボグレンダイザー」とともに
何度も再放送され、
その人気は日本のみならず、
アジア、中南米、ヨーロッパなどでも人気を博している。
そんな「マジンガーZ」をアーケードゲーム化したのが本作であるが、
その存在は当時鮮烈であった。
まずアニメ作品がアーケードゲームのタイトルとして採用される事自体が珍しい。
ストーリー主体のアニメを1プレイ100円のタイトルとして落とし込むのは難しく、
そういったものは家庭用ゲーム機に向いていた。
事実、マジンガーZ人気を維持していたタイトルは
家庭用ゲーム機で展開された「スーパーロボット大戦」であった。
そんな中でアクションゲームでも格闘ゲームでもなく、
縦スクロールシューティングゲームとしてちゃんと遊べるゲームになっている。
それだけでインパクト十分だった。
まずオープニングだが、
「マジーン、ゴー!パイルダー、オン!」のボイスが響き渡る。
ちゃんと石丸博也さんが吹き込んでいる。
オープニングのみならず、ゲーム中も武器名などを叫びまくる!
当然、剣 鉄也役の野田圭一さん、デュークフリート役の富山敬さんも同様だ。
まず操作する自機をマジンガーZ、グレートマジンガー、グレーンダイザーから選択。
この時点でもサプライズだった事を記しておきたい。
確かに「グレートマジンガー」や「UFOロボグレンダイザー」は続編であるが、
別番組である。
「マジンガーZ」というタイトルでありながら、他番組の主役も使える。
今では当たり前のようになっているクロスオーバーだが、
この当時はまだ特別な事だったのだ。
特にグレンダイザーはシリーズでもスピンオフ的な位置付けだったので
参戦は意外だった。
出撃するシーンは斜め手前から滑空してくる。
カッコいい。
このゲームは縦スクロールシューティングゲームである。
アニメのマジンガーZは基本的に地上で戦う事が多いが、
本作はシューティングである都合上、ずっと空を飛んでいる。
アニメのマジンガーZは様々な武器を使う事も魅力の一つだ。
本作ではそれをシンプルなボタン構成で再現している。
ボタン構成はショット、パンチ、ボムの3つ。
ショットボタンは連打と溜め打ちで武器が切り替わる。
また、ステージ上に出現する赤、青、緑のロケットパンチを取る事で、
ショットボタンで出る武器が切り替わる。
同じ色のロケットパンチを取ると3段階までパワーアップする。
各ロボットの装備としては以下の通り。
マジンガーZ
赤ショット・・・ドリルミサイル
赤溜めショット・・・光子力ビーム
青ショット・・・サザンクロスナイフ
青溜めショット・・・ロケットパンチ
緑ショット・・・ミサイルパンチ
緑溜めショット・・・ルストハリケーン
パンチ・・・正面近距離打撃
ボム・・・ブレストファイアー
グレートマジンガー
赤ショット・・・ブレストバーン
赤溜めショット・・・グレートブーメラン
青ショット・・・アトミックパンチ
青溜めショット・・・ドリルプレッシャーパンチ
緑ショット・・・ネーブルミサイル
緑溜めショット・・・グレートブースター
パンチ・・・正面近距離打撃
ボム・・・サンダーブレーク
グレンダイザー
赤ショット・・・サイクロンビーム
赤溜めショット・・・反重力ストーム
青ショット・・・ダブルカッター
青溜めショット・・・スクリュークラッシャーパンチ
緑ショット・・・スピンドリル
緑溜めショット・・・ダブルハーケン
パンチ・・・正面近距離打撃
ボム・・・スペースサンダー
アイテムはアフロダイAとビューナスAにショットを撃ち込むと出現する。
ロケットパンチ以外にも以下のアイテムがある。
スピードアップ・・・3段階速度が上がる。
ボム・・・ボム追加
ライフアップ・・・最大8個
ボスボロットコイン・・・40枚集めると1UP
ステージ1
ステージ中に登場する敵はドクターヘル軍団という設定だが、
「グレートマジンガー」のミケーネ帝国や、
「UFOロボグレンダイザー」のベガ星連合軍の兵器も混ざっている。
ボスキャラ登場時には名前のテロップが表示される。
目の前を走る新幹線を掴んで振り回すシーンは印象的だった。
クリア時のリザルト画面。
次のステージに行く前にサブキャラがちょっとしたアドバイスw
ステージ2
ちなみにグレンダイザーはスペイサーと合体している状態で登場する。
(すぐに分離するけど)
ステージ2のボス「機械獣リバティF7」はゲームオリジナルキャラ。
しばらく攻撃すると正体を現す。
ステージ3
原作にいそうな雰囲気のエビルマジンガーも実はゲームオリジナルキャラ。
ステージ4
ステージ5
占領された石油コンビナートを積極的に破壊するマジンガーw
ステージ6
この水流発生装置みたいなヤツは近づくと吸い寄せられるので厄介だ。
ステージ7
ステージ8
このあとに2周目スタート。
2周目をクリアしないとエンディングにならない。
PRODUCER
TOSHIFUMI KAWASHIMA
CAST
DUKE FRIED
KEI TOMIYAMA
TETSUYA TSURUGI
KEIICHI NODA
SPECIAL THANKS TO
GO NAGAI
TAKASHI NAGAI
KENJI NAGAI
DYNAMIC PL
(c)DYNAMIC PL・TOEI ANIMATION
PRESENTED BY
BANPRESTO
開発スタッフが誰もクレジットされない謎のスタッフロール。
本作を開発したのはライジングではないかと言われている。
(ライジングは「魔法大作戦」の会社)
原作愛に溢れた構成で感情移入度の高い快作になっている。
ステージ8分の内容は十分ボリュームのあるものだったので、
2周エンドは蛇足だったように思う。
また、ボリュームこそあるものの、
ステージギミックはそこまで印象強いものは少なく、
とにかく原作登場メカを詰め込んだような印象である。
ボス戦もほとんどボム3発ぐらいで決着がついてしまう呆気なさだ。
本作を盛り上げている重要な要素としてBGMがある。
以下は本作でアニメで使われた原曲をアレンジしたものである。
Zのテーマ
空飛ぶ機械獣
マジンガーZ
おれはグレートマジンガー
とべ!グレンダイザー
空飛ぶマジンガーZ
二大軍団の攻略
ドクターヘルのテーマ
勇者はマジンガー
ぼくらのマジンガーZ
実に10曲ものお馴染みのテーマを採用している。
テーマ曲があると無いとではアニメとのシンクロ率が断然違うのは実明。
渡辺宙明先生や菊池俊輔先生のテーマでシューティングが遊べる多幸感が凄い!
これらに対して使用料が発生しているはずで、
作品に対する開発側の情熱の現れとも言えよう。
俺様は本作と同じ流れで「ゲッターロボ」や「超電磁シリーズ」などが
シューティングゲームになったらいいなぁと思っていたが、
この座組は一度きりの花火だったようだ。
バンプレストから登場した版権モノのシューティングとしては、
「超時空要塞マクロス」や「ウルトラ警備隊 空想特撮ゲーム」もあるが、
それらはまた違う座組である。