88ゲーム回想録(42)「The Old Village Story」


発売元:エニックス
発売時期:1988年12月
定価:8200円
対応機種::PC-8801mkIISR以降

ディスク4枚組

 


遥か昔、それはまだグリフォン達怪物が世界の大半を支配していた頃、
西の彼方にファ・ラールという国がありました。
肥沃な大地に恵まれたこの国はとっても豊かな国でした。


ファ・ラール国王、カイザー様は3年前に前国王のマイト様より王位を継承しました。
カイザー様にはリーザ姫という娘がいました。
カイザー様はリーザ姫を目の中に入れても痛くないほどのかわいがりようでした。


しかし、リーザ姫は10才になったばかりの秋に重い病気にかかりました。
カイザー様は国中から医者という医者を城に呼びましたが、
その病気は悪くなる一方でした。
そして、翌年の3月。春を待たずにリーザ姫はお亡くなりになりました。


6年後、お姫様が再び子供を身籠りました。
しかしカイザー様は、リーザ姫の時のように生まれてくる子が
無事に大人になれるか心配でしょうがありません。
先のリーザ姫の病死を気に病んでいたのでした。
そこで、カイザー様はお城の占い師を呼び、将来国王になる者を占わせました。
なぜって、この子が無事に大人になれば
当然自分の後を継いでファ・ラールの国王となるはずだからです。
ところが占い師の水晶玉に浮かんできたのはテップル村のシオンという少年でした。
さてそうなると王様はいてもたってもいられません。
王様は、幾晩も考えた末にシオンを城に呼び出す事にしました。

 


舞台はシオンの住むテップル村から始まる。
シオンは母親や幼馴染の少女リサリサらとの平凡な暮らしを営んでいた。


村の人々とオートで会話をするシーンが終わるとフリー操作に切り替わる。


画面はトップビューで構成されており、
テンキーで4方向に移動できる。(斜め移動は無い)
他の人物に接触すると会話をする。
探索も反応のある場所にぶつかるだけで良い。
手に入れたアイテムは画面下にアイコンとして表示される。
Iキーを押すと持っているアイテムを装備する事が出来る。
できる事はそれだけだ。
パソコンゲームでここまでシンプルにシステムをまとめたゲームも珍しい。

 


ガタガタ‥‥あれ、動いてないはずの時計から音がするぞ!
時計の中に誰かいるのかな。


あーぁ、見つかっちゃった!おいら、妹のユーイを泣かしちゃったんだ。
それで、母さんに怒られるのが怖くって、ここに隠れてたんだ。


ねぇ、この人形をユーイに返しといてよ。
僕が返すとまたケンカになっちゃうからさぁ。ねっ!おねがい!!

と、このように、時おりイラストが表示される展開もある。

家に帰るとなんとシオンのもとに王様から書状が届いていた。


私はカイザー王の使いの者である。これより、王様からのお言葉を伝える。
『テップル村のシオン。お前は、日頃から親孝行でよく働いていると聞く。
よってお前に褒美を取らせる事にした。
この書状を持ち5日以内にお城に来るように。』

親孝行ぐらいで王様が褒美?
胡散臭さ120%だが、無視するわけにもいかない。
明日はリサリサの誕生日だったが、
パーティは中止し、王様に会いにカーズの町まで森を抜ける。


森は余計なルートに入り込むと迷いやすいので注意。
だからと行って森を移動中にモンスターが出てきて戦闘になるような事は一切無い。
RPGっぽいビジュアルだから、戦闘アクションぐらいありそうだが、
このゲームでの移動は、ただただ道に迷うだけだw


そうしてカーズの町へ到着。


町の中はこんな感じ。
「道具屋」とか「宿屋」とかあるが、
それらの施設も会話が出来るだけで、アイテムの売買とか体力の回復とか、
そういうたぐいの建付けは一切無いw

 


町の北に城があり、王様に会いに行ったが不在だった。

町のはずれに物乞いがいる。


そ、そこのお方…。私はもう3日も食事をしておりません。どうか、おめぐみを。
>パンを装備
こっこのパンを私に頂けるのですか。あっ、ありがとうございます。


あなたは、もうお城には行きましたか?
>まだ行ってない
それだったら一度行ってみてください。
そして、お城の預言者のサイアという方に、
『ミルフは、元気でしたよ。』と伝えてもらえませんか?

サイアに会いに行く。


なに、お前さんミルフに会ったのか。
あの子はもともと私の弟子でな。
だが、3年前に城のコックだった男と駆け落ちしてしまってな。
ところがその男が去年森に出かけてから行方知れずになってしまった。
あの子もかわいそうな子だよ。
あの子は元気にしてるかい?
わしはもうあの子が駆け落ちしてしまった事などどうでもいいのに。
ミルフの夫はルイスという名前のコックだ。
もし、見かけたらミルフに知らせてやっとくれ。」

再びミルフの元へ。


そうですか、サイア様に会われましたか。
私はもう、ルイスの事はあきらめています。
ルイスは、森で事故か何かにあったんだと思います。

 


ねぇねぇ、さっきのお城の『おふれ』を聞いた?
マイト様がもう三日もお帰りになってない事は知ってるでしょ。
それで、お城の人達が探してたんだけど、どうしても見つからないんですって。
それで、森に行ってマイト様を無事に見つけてきた人にはカイザー様がご褒美に
何でも一つだけその人の願いを叶えてくれるんですって。

マイト様を探すために宿屋で勇者の登録をし、探検を貰う。

森の北西にある砂漠を歩いていると、砂の中に飲み込まれた!


しまった!!蟻地獄だ!!


このゲームでは数少ないゲームオーバーポイント。

蟻地獄に落ちたら何とか流れに逆らって横道にそれる。


お前もあの蟻地獄にひっかかったのか。
あいつは、ああやって砂の中に人間を引きずり込んで食べちまうんだ。


俺かい?俺の名前はルイス、お城のコックさ。
王様の夕食に使うキノコを探しに来たときに
お前と同じようにここに落ちて奴らに食べられそうになったんだ。
だけどそのとき、俺は奴らに向かってこう言ったんだ。
『おい、お前ら。
俺はお前たちが今までに食べた事の無い様な旨いもの作れるんだぞ。』ってな。
それから、俺は手に持っていたキノコでおいしいスープを作ってやったんだ。
それ以来、奴らが俺の命を保証する代わりに俺が料理を作る事になったんだ。
ほら、そこの壁に小さい穴があるだろ。
俺は太ってるから入れないけど、お前なら入れるだろ。
そこからなら、外に出られると思うよ。
えっ、あんた、俺の名前を知っているって?
ひょっとしてカーズの町でミルフっていう女性に会わなかったか?
>会ったよ
俺はミルフの夫なんだ。
なんてこった、ミルフの奴、俺のせいで食べるものさえも苦労しているのか。
そうだ、シオン、この銀のスプーンをミルフに渡してやってくれないか。
俺は当分ここから出られそうにないみたいだからな。

 


ミルフに銀のスプーンを渡す前に、森の中をもう少し探索してみよう。

 


この大きな木が『ラル』の木だ。この辺にはマイト様はいないみたいだ。
僕はここから南西の川岸にうちがあるんで今度はそっちの方を探してみるよ。
僕の家の近くには人に幻を見せる妖精が住んでいるんだ。
君もあの辺を歩く時は惑わされないように気を付けろよ。

 


なぁ、ちょっとでいいんだ。こいつを外すのを手伝ってくれないか?
>ああ、いいよ
そうかい、そいつはすまねえな。
俺がこっちを引っ張るから、あんたは反対に引っ張ってくれ。
いいか?いくぞ!せーの!
もう少しだ!‥‥‥
だめだ。

罠の仕組みを知っている人の話を聞いて再び男のもとへ戻る。


やっと外れた。
まったく一時はどうなるかと思ったぜ。
それにしても、あんたって物知りだねぇ。こんな事を知ってるなんてさ。
これはさ、ほんのお礼のつもりなんだけどさ、取っておいてくれよな。
貝殻を貰った。

 


えっ、ルイスにあったんですか。彼は生きてたんですか?
そうですか。アリジゴクに捕まって‥‥。
えっ、このスプーンを私に届けてくれたのですか。
この、スプーンはお鍋の中のただの水をスープにかえてしまう
不思議なスプーンなんです。
私がサイア様から頂いた宝物です。
本当にどうもありがとうございました。

サイアにも報告しておこう。


そうか、ルイスが見つかったのか。よかった、よかった。
なんにしてもよかった。
そうそう、ミルフのかわりにワシがお前さんにお礼をしよう。
この眼鏡を持って行くといい。
これをかけて見ると真実の姿がみえるのじゃ。

 


ドラゴンの形をした沼みたいなところで眼鏡をかけると、
沼が透明になって銀の矢を見つけた。

 


こいつは代々、王家に伝わっていたという幻の銀の矢じゃないか。
こいつは銀の弓と一緒に使うとどんな怪物でも倒せるんだ。
でも、その弓がどこにあるのかは‥‥
もし、暇があったら森の南の川沿いの小屋に住んでいる
トペスという男に聞いてみるといい。
なにか知ってるかも知れないよ。

 


やぁ、君か。俺もあれからマイト様を捜していたんだが東の方にはいなかったよ。
そっ、その矢はどこで見つけたんだい?
それは王家に伝わる銀の矢じゃないか。
そうか、銀の弓矢の伝説はただの作り話かと思っていたよ。
君は西の湖には行ったことがあるのか?
>いいえ
そうか、ここから西に進んでいけば僕が『光の湖』って呼んでるその湖に行けるよ。
湖に着いたら向こう岸をよく見てごらん。
その湖の向こう岸は古い城が見えるはずだ。
そこにはシルフという怪物が住んでいるんだ。
これだけ探してもマイト様が見つからないとなると、
マイト様はシルフにさらわれたんじゃないかな?
そうだ、君が光の湖に行ったとき、大きな魚を見なかったかい?
>みない
その魚は『ナム』と言って、もともとは光の湖の主だったんだ。
あいつは凄い寂しがり屋で、誰かが湖の近くに来ると決まって顔を出すんだ。
俺も何度あいつと話し込んだ事か。
でも、あんな寂しがり屋が姿を見せないなんて何かあったんだろうか。
そうだ、この鹿の干し肉を君にあげるよ。
今度、光の湖に行ったらこいつを半分水中に沈めてやってくれないか。
ナムはこいつが大好物なんだ。

 


干し肉を装備するとナムが現れた。


ワシを呼んだのはお前か?
ワシに何のようだ。
>マイト様を知らないか?
この湖の石はみんな宝石で出来ているんだ。
この宝石には命があってな。
その中の1つが母親で、あとはみんなその子供だった。
ところがこの前、心の無い人間が現れ、
この湖にあったその宝石の母親をどこかに持っていってしまったんだ。
そいつは宝石を守ろうとしたワシの鱗も一緒に持っていっちまった。
次の日から宝石達は輝きを失くし、この湖から光が消えたんだ。
ワシの生き甲斐だったこのきれいな湖が死んでしまった。
お前の悩みなどワシの悩みに比べれば‥‥‥
貝殻を装備して再び話し掛けてみる。
それはワシの鱗じゃ。その鱗を持った奴がこの湖から宝石の母親を持っていった奴だ。
ワシはこの通り水辺から離れられん!どうか、この宝石達の母親を取り返してくれ。

 


わかったよ。あの湖から宝石を取って逃げたのはこの俺さ。
返すよ。返せばいいんだろ。ほらよ。もってけよ。
まったく、こんな所で狼の罠にかかったおかげで災難ばっかりだぜ。

 


おおっ、これじゃ。これが宝石の母親じゃ。
これでこの湖も生き返る。本当にありがとう。
この湖を救ってもらったお礼にお前達が今一番知りたい事を教えてやろう。
お前達が探していた男は、シルフにさらわれ向こう岸の古城の中にいる。
たぶん、森をさ迷っているところをシルフに見つかったんだろう。
お前が望むのならワシがあの古城までお前を連れて行ってやろう。
だが、その前にこの弓を受け取るがいい。
百数十年前のある日、突然この湖に空からこの弓が落ちてきたのじゃ。
それからというもの湖の石が命を持った宝石となり、
ここが光の湖と呼ばれるようになった。
この弓を持つ不思議な力は、きっとお前の役に立つはずだ。
お前はワシの命の恩人じゃ。
お前の望みとあればワシはお前を向こう岸のシルフの古城まで連れて行くがどうする?
>いく
よし、それではしばらく目を閉じているんじゃ。
いいか、絶対に目を開けてはならんぞ。


古城の奥に進むとシルフと遭遇。


んっ?お前はだーれだぁー。
俺様の食事を邪魔する奴はお前か!
こいつと一緒にお前も食べてやる。
>銀の矢を射る


ギャー!
タスケテ!タスケテ!
タ・ス・ケ・テ・・・・


おおっ、よく来てくれた。今日がワシがシルフに食べられる日だったんじゃ。
何はともあれ早くここを出ようではないか。


マイト様、森の道の途中にトペスという者の家がありますから、
今日はとりあえずそこに泊めてもらいましょう。


シオンよ。
わしの命を救ってくれた君の勇気を見込んで頼みがある。
ワシのまご娘を探してはくれぬか。


6年前、不幸にも10才で死んでしまったリーザ姫は、
本当は双子で生まれてきたのじゃ。
しかし、預言者のお告げで、
二人の姫が一緒に城の中で育つとファ・ラールの国に災いが起こる事がわかった。
そして、カイザー王とパーム姫は、
二人のうちの1人を見捨てざるを得なかったのじゃ。
カイザー王に選ばれなかった子には、ただ死があるのみじゃった。
わしはその子を不憫に思い、秘かに私の部下にその子を託し、
城の者の手の届かないところへ行かせたのじゃ。
二度と会う事はあるまいと思ったのじゃが、リーザ姫が死んでからというもの、
ワシはあの時の子供の事ばかり思い出す。
森で迷ったのも、もしかしたら人目につかない森の奥で
ヨハネスクがその子といるんじゃないかと、そればっかり考えていたからじゃ。
その部下の名前はヨハネスク。手がかりはそれしかないのじゃ。
シオンよ。どうか、お前の力でこの年寄りの願いを叶えてやってくれ。
………
もうすぐ夜が明ける。城に帰ろう。


よくぞ父上を助けてくれた。
今日は疲れただろう。
褒美は後日決める事にして今日は村に戻って休むがいい。

もともとは「褒美をやるから城に来い」と王様に呼び出されたはずだが、
今度は褒美を決めるから村に戻れと言う。
なんなんだこの王様は。

 


村に戻ると、川向こうの井戸の脇からルビーのネックレスを発見。
この川は一見すると渡れないように見えるが、
実は川に飛び込んでから流れに逆らうように移動すると渡る事ができる。


あら、シオン。そのネックレス、
川の向こうの井戸の側に埋めてあったやつじゃない。
そんなの拾ってきてどうしたの?
ねぇ、覚えてる?
そのネックレスって私達が小さいときに
おじいちゃんの大時計の中から見つけて
あの井戸の側に隠したやつじゃない。懐かしいわね。


おい、シオン!
お前、そのネックレスをなんでお前が持ってるんじゃ。
これは、リサリサが・・・・・・
シオン。そのネックレスを持ってわしの家に来い。


リサリサ、お前ももう16歳。
そろそろお前にお前の両親の事を話しておかなければならないようじゃ。


えっ!おじいちゃん、それどういう事?
私の両親は私が生まれてすぐに森の狼に襲われたんじゃなかったの?
それでおじいちゃんは、それまで私達が住んでいた森の家を捨てて
この村にやって来たんだって、私が子供の頃から何度も言ってたじゃない。


お前達、6年前お城でリーザ姫が亡くなったのは覚えているな。
そのリーザ姫が生まれた頃、
ワシはお城の親衛隊長としてマイト様に仕えておったのじゃ。
リーザ姫が生まれた翌日、マイト様はなぜかご気分がすぐれぬようじゃった。
夕方になってワシはその理由を知ったのじゃ。
あの日、生まれた子供はリーザ姫1人ではなかったのじゃ。
そう、生まれてきたのは双子の赤ん坊じゃった。
ところが、お城の預言者により二人の子供のどちらかを選ばなくては、
この国に災いがふりかかると予言された。
カイザー様は仕方なく1人を選んだ。それがリーザ姫じゃ。
もう1人の子はそのまま殺される運命にあった。
しかし、それを不憫に思ったマイト様はその子をお城の大時計の中に隠し、
私にその子を育てて欲しいと言われたのじゃ。
その時マイト様は
『もし、この子が身の証を立てなくてはならなくなったとき、これを見せるがいい』
と言って渡されたのがこのペンダントじゃ。
それから16年、その時の赤ん坊がお前じゃ。


私が?私がリーザ姫と姉妹!?それじゃあ私の両親は‥‥‥


我々はカイザー様の使いの者である。
先程お城でカイザー様ご愛用の短剣が盗まれた。
お前の持っている短剣がそうだ!
言い逃れは出来んぞ。大人しく我々と共に来てもらおう。

兵士は止めるおじいさんを突き飛ばし、
シオンを連行する。
だが道中でマイト様に救われる。


シオンよ、許しておくれ。先日、カイザーにまた子供が生まれる事がわかっての。
その時にこいつは次の王が誰であるか占わせたのじゃ。
普通なら自分の子が次の王位につくはずじゃが、占いに出たのはお前じゃった。
一度、自分の子を亡くしているカイザーは、
今度生まれる子供が自分の後を継げず不幸になるのを恐れたのじゃ。
そして、お前にあらぬ罪を着せようとした‥‥


シオン!おじいちゃんが…。おじいちゃんが大変なの!
さっき、兵隊さんに突き飛ばされてからフラフラして……


おや!この女の子のしているネックレスは……
間違いない、あの時わしがヨハネスクに渡したペンダントだ!
という事は、そのおじいちゃんというのはヨハネスクなのか!?
はやく、ヨハネスクの所に案内してくれ!


マイト「おお、ヨハネスクよ。わしが解るか?マイトじゃ、マイトじゃよ。」
ヨハネスク「マイト様、お久しゅうございます。
この子が、あの時の子でございます。」

マイト「ヨハネスクよ。よくぞここまでこの子を育ててくれた。礼を言うぞ。」


カイザー「ヨハネスク殿。私の浅はかな考えが
結果的に娘を育ててくれた恩人に対して

恩を仇で返すような事になってしまった事をお許し下さい。」


ヨハネスク「カイザー様、頭を上げて下さいませ。
これは紙の思し召し、わたしの寿命だったのです。
あなた様のせいではございません。」
リサリサ「おじいちゃん、そんなこと言わないで。
おじいちゃんはもっともっと長生きしなきゃいけないんだから!」
ヨハネスク「ほらリサリサ、泣くでない。お前に涙は似合わんよ…。
そこにおられるカイザー様こそお前の本当の父上なのじゃ。
そんな泣き顔ではせっかくの親子の再会が…。」
リサリサ「いやっ!!」
ヨハネスク「シオンよ。リサリサの事を頼むぞ。
この子は気丈そうに見えるが本当は泣き虫なんじゃ。
それにお前の事を好いておる。
幸せになるんじゃぞ…幸せに‥‥。」
リサリサ「おじいちゃん!おじいちゃんっ!!」

そのとき大時計が鳴る。


リサリサ「この時計、今までずっと壊れてたままだったのに・・」
マイト「そっそれはあの大時計ではないか‥‥。
そうか…ヨハネスクに最後の別れを言うために10数年の沈黙を破ったのだ‥‥。」


カイザー「シオン、そして我が娘リサリサよ。この私の愚かな行為を許してくれ。」


リサリサ「‥おじいちゃん‥」
シオン「リサリサ、しっかりして。」


リサリサ「おじいちゃん・・・・・・」


こうしてヨハンじいさんはこの世を去りました。
カイザー王はシオンとリサリサを城に迎い入れようとしましたが、
二人はそれを丁重に断わり、
一緒にカーズの町で新しい生活を始める事にしたのでした。

そんなある日、シオンはお母さんに会いにテップルの村に出かけて行きました。
リサリサはシオンが帰って来るのをパンを焼いて待つ事にしました。
しかし、パンが焼けてもシオンは帰ってきません。

それから数日後………


シオンが村に出かけてからもう3日も経つのに・・
シオンに何もなければ良いけど・・
そうだ、テップルの村までシオンを迎えに行ってみよう!

 


ここから主人公がシオンからリサリサに切り替わり、
リサリサを操作して物語を進めていく事になる。

村で聞き込みをすると、
ラルの大木にしかならないトナイトの実を取りに行ったのだという。

森の中にあったあの大木の場所まで行ってみよう。


わしはこの木の精ラル。
お前の探している者は昨日ここに来た。
しかし、ここから帰ろうとした時、突然黒い雲がここを覆い、
その者を山の向こうにさらって行ってしまった。
お前はその者を探しに行くつもりであろう。
それならこのイヤリングを持って行くがいい。
これをしている間、お前は動物と話をする事が出来るのじゃ。
山の向こうに行くにはこの森の西にある洞窟を抜けていかなくてはならん。
くれぐれも気を付けてな。


その洞窟がコチラ。


洞窟の中はなぜか流砂のようになっており、
流れに逆らって進まないと堂々巡りになるようになっている。


なんとか洞窟を抜けられた。


あんなところにお城があるわ。
あそこに見える町まで行けばシオンの手がかりが掴めるかも知れないわ。


城下町を探索。
羊がいたのでイヤリングを装備して話しかけた。


なんと言う事じゃ。お嬢さんはワシの話がわかるのか。
ワシの名はヒャダ。このフームの町の長じゃ。
数ヶ月前に突然この町のフーム城に悪の魔導師ダンテが住み着いてしまったのじゃ。
ワシらはその魔導師ダンテを追い払おうとしたんじゃが、
反対に魔法をかけられてしまったんじゃ。
何人かはワシと同じように羊にされたままでいる。
それ以来、多くの人々がこの町を捨て、安住の地を求めて旅立ってしまった。
あいつさえいなくなれば、きっと町の人々も戻ってきて
元の活気ある素晴らしい町になるというのに・・。
なんとかあいつをやっつけてくれる人はいないもんじゃろうか?
わしにかけられた魔法は、『リアナニジッヒ』と言って、
魔法をかけた本人に解いてもらうか、
魔法をかけた本人を殺すしか方法は無いそうじゃ。

あの魔導師が勝ち誇ってそんな事を言っておったんじゃ。

 


はっはっはっはっ、小娘よ。こんな所に何の様だ。
>お願いがある
なんだ、このダンテ様がわざわざ羊にしてやったあの男の魔法を解いてくれだと。
あの男は俺様の言う事を聞かなかったから羊にしてやったんだぞ!
さっさと俺様の城から出て行かないとお前も羊にしてやるぞ!
そうだな、お前にぴったりの魔法がある。
これをお前にかけてやろう。
『レクツオジッヒ』

 

城を出るとリサリサの話しかけた町の人が次々と羊になっていった。


はっはっは、驚いたか。
俺様がさっきお前にかけた魔法『レクツオジッヒ』は
触った奴を全部羊に変えちまう魔法なのさ。
俺様に少しでもたてついた罰だ!しばらくそうしているがいい。
そうか、その魔法がそんなに嫌か。
せっかくかわいい羊を作れるようにしてやったのにな。
お前の魔法を解いて町の者どもを元に戻してやってもいいが
それには条件があるぞ。
この町を出て東に行くと、『バルド』という名前の洞窟がある。
実はその洞窟には魔女が住んでいて、その名前をエンドラという。
その魔女の持つ水晶を取ってくれば全ての魔法を解いてやろう。
おや?お前はなかなかいいネックレスを持っているな。
そうだな、後でそれも水晶と一緒に俺様に渡してもらおうか。

 

ジャイアンみたいな態度の
魔導師ダンテの言う通りバルドの洞窟へ向かう。


洞窟の最右下にある出口に到着すれば良いのだが、
洞窟に点在する階段は一方通行になっていて、
正しいルートを見つけ出さないとなかなか辿り着けない。
オマケに流れに逆らわないと自動的に階段を降りてしまう流砂地帯もある(^^;
あとでもう一度通るのでちゃんとマッピングしよう。

洞窟を抜けると魔法陣の描いてある場所に出た。


こんな所に水晶が置いてあるわ。
たぶんこれね、あいつが取って来いっていった水晶は。
リサリサは魔女エンドラの水晶を手に入れた。
早く!早く町に戻らなきゃ!
魔女に見つからないうちに早く!

 

ダンテ「おおっ、まさしくこれはあの魔女エンドラの水晶だ。
その水晶とお前のネックレスを俺様によこせばお前の魔法を解いてやろう。」


ほら、早くその水晶とネックレスを俺様によこさんか!


ふっふっふっふっ。
この水晶さえあれば俺様は、世界一の魔導師になれるぞ!
俺様が世界の王になるのだ!


んっ?なんだ!


うわぁーーー。こいつは・・魔女エンドラ!
バッ、バカな!?
エンドラ「相変わらずバカな奴よ。
その娘からネックレスを奪わなければあたしはお前達に手が出せなかったものを・・
このあたしから水晶を盗もうとした者がどうなるかわかってるんだろうね。
あんたは、蝋人形になっておしまい!ダムド・ディムド・ドゥロ」


エンドラ「リサリサよ。お前の探しているシオンをさらったのはこのあたしさ。
この男を返して欲しけりゃバルドの洞窟までもう一度来るんだね。
ひゃっひゃっひやっ」

もう一度洞窟を通って魔法陣まで行く。


エンドラ「ひゃっひゃっひゃっ。お前の大事な人はそこさ!
ひゃっひゃっひゃっ。」
リサリサ「シオン!シオンを返して!」
エンドラ「ひゃっひゃっひゃ!こいつはただのおとりさ。
そう、あんたをここに連れて来るためのね!
そうだねぇ、用が無くなったこいつはこうしてやろう。」


エンドラ「世界の果てまで流れて行っておしまい!」
リサリサ「シオンー!!」
エンドラ「あたしはあんたの体に用があるのさ。
さぁ、あたしのかわいい手下達よ。そこの娘を捕まえておしまい!」


手下に囲まれたリサリサ。
右側の川へダイブ!


えーっ、ここはどこかしら?
どこかの洞窟かしら…


シオン、シオンだわ。
ねぇシオンわたしよ。わかる!?
リサリサよ!


シオン「んっ!リサリサ?ここはどこだい?」
リサリサ「それが、わたしにもわからないの。
エンドラの手下から逃げるときに海に流されちゃって気が付いたらここにいたの。
それよりも、シオン。なぜ、魔女エンドラはあなたをさらったの?」
シオン「リサリサ。エンドラが本当に欲しがっていたのは君の体なんだ。
魔女エンドラは数百年ごとに16歳の若い女の子を1人生贄にして若返るんだ。
でもその為には、生贄になる女の子が生まれるちょっと前に
ある魔法をかけなくっちゃならなかった。
エンドラは君がお腹の中にいるときにその魔法をかけたんだ。
お城の習わしで生まれた子供はリーザ姫だけだとみんな思っていた。
もちろん、エンドラも。
エンドラはリーザ姫が16歳になるのを待っていたんだ。
でも、リーザ姫は病気で死んでしまった。
そのおかげでエンドラは若返る事が出来ず死んだも同然だった。
そんなとき僕が森でマイト様を助け、君がリーザ姫と双子の姉妹である事がわかった。
もちろんエンドラはこれを見逃さなかったんだ。
だって、君を生贄にすればエンドラは若返る事が出来るんだから。
君はマイト様に貰ったネックレスをいつも身につけていただろ。
あのネックレスは、魔女が一番嫌う宝石で出来てるんだ。
そこでエンドラは僕をさらい、
君をおびき出す途中でネックレスを奪ってやろうと考えたんだ。
でも、本当に無事で良かった。」
リサリサ「シオン、ごめんなさい。わたしのせいでこんな目にあって・・」


リサリサ「あらっ、こんな所に剣が刺さっているわ。
この剣の紋章はファ・ラールの王家の物。
だとするとこの剣は昔伝説の魔女を封印したという剣なのかしら?」
シオン「ねぇリサリサ、もしそこに刺さっている剣が昔、
伝説の魔女を封印した剣だったらエンドラを倒せるかも知れない。
ちょっとその剣を取ってみてくれないか?
リサリサ「これならわたしにも抜けそうね。
きゃー、急に強い風が・・・・飛ばされちゃう・・」

二人は別の場所に吹き飛ばされる。


シオンー、どこにいるの?シオンー。


シオン「ねぇ、リサリサ見てごらんよ。
僕達がいたのはこの大きなクジラのお腹の中だったんだ。」
リサリサ「このクジラは私達の命の恩人ね。」
僕は『ルー』。世界で一番大きなクジラさ。
僕のノドに刺さってたトゲを抜いてくれたのは君達だろ?
>僕達だよ
そうか、どうもありがとう。
どうも、この前からノドの辺りがチクチクして食欲がなかったんだよ。
君達のおかげですっきりしたよ。
お礼に何かしてあげようと思うんだけど・・・・
こんな海の中じゃあげるものはないな・・。
よし!君達を岸まで連れて行ってあげよう。
明日の夜明けまでには岸に着くよ。行くぞ!

 


リサリサ、君はここで待っていてくれ。
魔女を倒し君を守るのが俺の仕事だ。
必ず魔女エンドラを倒して来るよ。


ん!誰か人の気配がするぞ!!
臭うぞ臭うぞ!人間の臭いじゃ!!
お、お前は・・・・
お前は生きていたのか!
さてはさっきの復讐に来たんじゃな!!
返り討ちにしてくれるわい!!


げっ!そっその剣は伝説の・・・・
シオン「エンドラ!覚悟!」
ギャ・・・・・・!!

このゲームは戦闘が無いゲームであるが、
剣を装備しているだけであっさりボスが倒されるのはやはり肩透かし感が強い。
そしてリサリサの元へ戻る。


リサリサ「あぁ、シオン!無事に帰ってきてくれたのね。わたし、わたし・・・・
わたし、またシオンが帰って来なくなっちゃうんじゃないかって心配だった・・・・」
シオン「ははは!僕はもう何処にもいかないよ。ずーっと君のそばにいるよ。」


リサリサ「わぁ、きれい!陽が昇ってきたわ!!」
シオン「さぁリサリサ。フームの町に戻ろう!
もう、君が心配する事は何にも無くなったんだから・・

 


「シオン君、リサリサさん!おかえりなさい!」
「私達の魔法も解けたわ!ありがとう!」
「魔女エンドラを倒してくれたんだね!これでフームの町も蘇るぞ!!」
「リサリサさん!人間の姿で会うのは始めてじゃな!ワシがこの町の長ヒャダじゃ!
わしも人間の姿に戻れてとっても嬉しいんじゃ!ありがとう!
あなたがシオン君ですな!なるほど、りりしい顔じゃ!
出来る事なら、この国の王となってリサリサさんと城で暮らしてくださらんか!
これは町の者みんなの願いなんじゃ!」
「俺たちからも頼みます!ぜひ、ここに残って王様になって下さい!!」
「お願いします!この町にいつまでもいてください!」
「やったー!新しい王様とお妃様の誕生だ!」

 


シオン「リサリサ、魔導師のいなくなったこの城に入ろう。
僕達で新しい国を作るんだ。」

リサリサ「ええ!これから忙しくなるわね!」
シオンとリサリサは古くなったフーム城を町の人々が修理している間に
カイザー王に会うためにファ・ラールに戻りました。
話を聞いたカイザー王は大変喜び
シオンとリサリサの新しい国造りに協力する事を約束しました。
シオンはテップル村のお母さんをフームの町に呼び
リサリサと共にいつまでも幸せに暮らしました。

--- STORY ---
伊藤 誉英
塩 哲

--- GRAPHIC ---
原画
白浜 徳彦
デジタイズ
塩 哲
マップデザイン
伊藤 誉英

SPECIAL THANKS
ジュリア リー
川口 貴雄
望月 敬三
狩野 健二郎
菊本 裕智
矢作 貞雄
鎌田 敏明
栗本 和博
げん さん

PRODUCE
松野 光成
曽根 康征

(株)ジェー・エルシステム
アトロシアス
(株)エニックス

THE END

 


俺様が88本体を購入して一番最初に買ったのは
イース」と「信長の野望」。
イース」及び「イースⅡ」に感動し、
何度も何度もイースをクリアしているうちに思った。
他にイースみたいなゲームは無いものか・・と。
イースが発売された翌年、イースⅡが発売された同年に本作はリリース。
画面構成もドット絵の感じもイースそっくりだった!
しかもパソコンゲーム会社の中でも多くの名作をリリースしていたエニックス
これは有望株だと発売日に購入した。
まさかRPG要素もアクション要素も無いゲームだとは思わなかったのである。(^^;
イースの移動とフラグ立てだけを抜き出したような本作。
プレイ時間を長引かせるためなのか、
ストーリー進行に必要なフラグ立てが複雑で、
先に進めずに煮詰まるシーンが多い。
(例えばストーリー進行と関係無い人の会話を聞かなければならない等)
これがアクションRPGなら煮詰まっても戦闘やレベルアップで間が持つが、
本作はひたすら先に進むためにウロウロしなければならないので
煮詰まったら単調で退屈である。
アクションも成長要素も無いとなると、
イース以上にストーリーの完成度が求められるわけだが、
全体的に童話っぽくてこじんまりとしている。
また、濁点のつける位置など誤字脱字が多いのが目立つ。
(この記事では読みづらい誤字は修正しています)
おそらくはそれほど文章の得意ではない人がまとめたのでは無いだろうか?
簡易的でもバトルと成長要素は入れておいた方が
ゲームとしてのまとまりが良かったように思うぜ。

スタッフロールから察するに、
このゲームを開発したのはジェー・エルシステムという会社みたいなのだが、
ネットで検索しても何も情報は引っ掛からなかった。
詳細を知っている方がいれば情報求む。