『アステカ』シナリオログ


アステカ
(日本ファルコム)
1985年2月/AVG/7200円

 


多くの謎に包まれた古代文明
その一つに「マヤ・インカ・アステカ文明」がある。
古の時代に、巨石を操り神殿を築くほどの文明を持ち、
近隣諸国に圧倒的な支配力を持っていた。
最盛期には500万人以上の人民を従えるほどになったと言われ、
当時世界最大級の都市であった。
だが、スペインの植民地政策により、多くの謎を残したまま滅亡する。

現代。
メキシコのパレンケで、遺跡の発掘作業が開始された。
その噂を耳にした主人公は、滅亡した文明の謎を解明するため一路中南米へと向かう。

 


日本ファルコムパソコンゲーム業界のトップランナーであると認識されたのは
ザナドゥ」の大ヒット以降だろうか?
それ以前の日本ファルコムは、ウォーゲーム、ゴルフゲーム、アダルトゲーム、
そしてコマンド入力式のアドベンチャーゲームなど、様々なジャンルを作って
自社のアイデンティティを模索していた。
1984年3月に発売された「デーモンズリング」はオカルトアドベンチャーゲームで、
雑誌広告では「瞬間画面表示」を売り文句にアピールされていた。
その当時のAVGでは、場面が変わるたびに、
まずラインが描かれ、そこに色が順番に塗られるという手順で
画面が完成していくという建付けのものがほとんどだった。
ところが「デーモンズリング」は瞬時に完成した画面がパッと表示される。
そこには確かにゲームの進化が感じられた。
本作はさらに瞬間画面表示を高速化したタイトルだが、
結果的には日本ファルコム最後のコマンド入力式アドベンチャーゲームとなった。
本作が発売された8ヶ月後に「ザナドゥ」が登場する。
本作の作者は宮本恒之さん


さて、今回のシナリオログでは、読みやすさを優先し、
入力したコマンドは必要なときにしか記載しないものとする。
一部展開がわかりやすいように
ゲーム中には表示されていない補足テキストを追記している。
また、通過するだけの場所は省略して掲載しているので、
これから遊ぶ人はちゃんとマッピングして移動しよう。

 

Welcome ! Adventure world of [ ASTEKA ]
パレンケの町の北側に立っています。

 

南に歩いて行きました。
あなたは空港から町に通じる道にいます。
南に町があるようです。

 


ここはパレンケのメインストリートです。
ホテルなどが立ち並んでいます。


あなたはホテルのフロントにいます。
支配人「いらっしゃいませ。お部屋は空いておりますが、当ホテルにお泊りですか?」
あなたは5000ペソ払いました。
支配人「ありがとうございます。」
あなたは部屋に案内されました。

>新聞 見る

遺跡の発掘についての記事が書かれています。
あなたはその新聞をテーブルの上に戻しました。

 

あなたは町の大通りにいます。

 

あなたは大通りの南のはずれにいます。

 

あなたは道具屋に来ました。
女の子「いらっしゃいませ。
当店にはコンパス、ナイフ、ランプ、ロープ、薬、お守り、などがあります。」
>像 買う
あなたは500ペソ払いました。
お買い上げありがとうございました。
>ランプ 買う
あなたは5000ペソ払いました。
お買い上げありがとうございました。

 

建物の間の細い路地にあなたはいます。
右の方から陽気な声が聞こえます。

あなたは大きな酒場の前にいます。
かなり賑やかなようです。
酔っ払いがいます。
酔っ払い「まったく酔っちまった、ハッハッハッー。
セニョール、この町にはいい女がいっぱいいっぱい。」
>酒 もらう
男はあなたの持っているランプへアルコール度85%の酒を入れてくれました。

あなたは汚い酒場にいます。

あなたは酒場のカウンターの前に立っています。
バーテン「いま俺は忙しいんだ、あんたと話をしている暇は無いんだよっ」
>ワイロ 渡す
あなたは1000ペソ払いました。
バーテン「おっ、すまないねぇ。奥にいい席がありますよ。」

先程のバーテンが「ご注文は?」と叫んでいます。
>ビール

あなたは200ペソ払いました。
「お待たせ致しました」とバーテンがビールを持ってきてくれました。
>ビール 飲む

酒を飲んでいると
「ダンナ!ちょっと座っていいかい。」
と言いながら男が現れました。

男はあなたに何か言いたそうですが言えないようです。
さて何か待ってるのでは…

>銃

男「だんな、このハジキはいらねぇかい?安くしとくぜ!20000ペソでどうだい」
>値切る
男「しょうがねぇなぁ、それじゃ特別に10000ペソにしとくよ。ブツ、ブツ、、、」
男「あんがとーよ!」
男はテーブルに銃を置きどこかに行ってしまいました。

 

>店を出てとある建物に入りました。

薄暗い部屋の中には占い師があなたの方を見ながら座っています。
占い師「光輝く何かを持ったあなたの姿が、この玉の中に浮かんで見えます。」
男は服の中から小さな「水晶の玉」を取り出し、あなたにくれました。

 

>建物を出て路地に入りました。

建物の間の裏通りみたいです。薄暗くて何か不気味です。
>ホテルに入ります。

あなたは薄汚いホテルの中にいます。
「この宿に泊まりたいなら先にお金を払って下さい。」と女将が言ってます。
あなたは3000ペソ払いました。
料金を貰ったばぁさんは嬉しそうな顔をしています。
南側に部屋があります。

かなりケバケバしい趣味の悪い部屋にあなたはいます。
あまりキレイな壁ではありませんが、かけてある写真が目立ちます。

>写真 取る
どこかで見たことあるような写真です。
あなたは写真を取りました。
>雑誌 取る

週刊誌のようですが……
>ページ めくる

うっ、うーむ…うむ、うーん‥‥
>ページ めくる

うっ、うーむ…うむ、うーん‥‥なっ、なんだこれは!
18歳未満の人は目を閉じて下さい。
>ページ めくる

週刊誌の裏に何か走り書きがしてあります。
何か文字が見えます。「NO.4121」と書いています。

 

>ホテルを出ました。

小さな酒場の入口にいます。バーテンが暇そうな顔して立っています。
バーテン「いらっしゃいませ。当店は会員制になっております。会員番号をどうぞ?」
>雑誌に書いてあった番号を伝えた
バーテン「会員の方ですね。どうぞ…。」
>マッチ もらう
あなたはバーテンからお店のマッチを貰いました。
あなたの座ったカウンターの隣でキレイな女性が一人で座っています。

>女性 はなす
女性「わたしの事ですか?知らないお方とはあまりお話をしたくないわ。」
とあっさりかわされました。
>アニー はなす

アニーは突然自分の名前を呼ばれ、怪訝そうにこちらを振り向きました。
>ウィルソン
アニーはあなたの言っている事にかなり興味を持っているようです。
>パレンケ
アニーはあなたの言っている事にかなり興味を持っているようです。
アニーは突然、堰を切ったように話を始めました。
アニー「私はあなたとともに冒険に出かける決心をしたわ。
この町の南の遺跡のどこかに翡翠の玉があります。
私はどうしてもそれが必要なのです。
お願いです。ぜひ私と一緒にその翡翠を探して下さい。」
アニーはあなたに全てを託したようです。

 

あなたは遺跡の入り口にいます。
警備員「アニーさんもご一緒ですか!どうぞ通ってもいいですよ。」
と言っています。
>写真 渡す
警備員「いい絵だね。お礼に何か欲しいものがあったら俺に言ってくれ。」
>弾 もらう
女の写真を貰ったガードマンは、お礼にピストルの弾をくれました。
ガードマンはアニーがいると知ると、一緒に遺跡の中へ入れてくれました。

あなたは遺跡の前にいます。

ここは遺跡の東側です。

あなたは遺跡のはずれの広場にいます。
ジープがおいてあります。
メタルトップのウイルスジープです。
かなり使い込んであるようです。

グレーの塗装がされている頑丈そうなバンパーです。
バンパーの後ろにはこのジープのカギが隠されています。
あなたはバンパーの後ろからカギを取りました。
ジープ 乗る

あなたは車の中にいます。
>ボックス 開ける
グローブボックスを開けると中から何か紙が出てきました。
>紙を取ってジープを出て南へ進みました。

あなたは遺跡の入り口の東にいます。

あなたは遺跡の中にさ迷っています。

古代アステカの太陽の石が目の前にあります。
>左目の水晶をはめました
どこかで「ゴッゴッゴッ」と重たいものが動いた音がしました。

あなたは新しく発見された遺跡の前にいます。

「あら!下に穴が開いているわよ」とアニーが言っています。
床に穴が開いています。下の方に降りて行けそうです。

遺跡の中です。

あなたは遺跡の中の地下通路にいます。

あなたは地下の通路を進んでいきます。

あなたは遺跡の中の通路の角に立っています。

あなたは遺跡の中の細い通路にいます。

あなたは遺跡の中の小さな部屋にいます。
「これはククルカンの像よ!」とアニーがびっくりして言っています。
>像 取り替える

像を交換しました。
「あらっ、像交換するの?」とアニーが言っています。

あなたは遺跡の中をさ迷っています。
古代アステカの太陽の石が目の前にあります。
>水晶 取る
とこかで「ゴッゴッゴッ」と重たいものが動いた音がしました。

>最初の太陽の石に戻り、右目をはめました

水晶を入れた途端、太陽の石が移動しました。
「まぁ凄いわ!」とアニーが言っています。
>像 はめる

>水晶 取る
「ゴッゴッゴッ」と深いところから音が聞こえ、微かに地面が揺れているようです。

あなたは遺跡の中の通路の角に立っています。

あなたは湿っぽい部屋に入りました。
石棺が見えます。
>銃 撃つ
ピューマはあなたの撃ったピストルの音に驚いてどこかに行ってしまいました。

石棺の中に骸骨が横たわっています。
頭蓋骨を動かすとその下から翡翠の玉が出てきました。
アニー「あったわ!ついに見つけた。これが探していた翡翠なのよ。」
とアニーが言っています。
あなたはそーっと翡翠を取り、頭蓋骨をそーっと元に戻しました。
「ついに私達、翡翠を手に入れたのよ。」とアニーは喜んでいます。

 

おめでとう!
ついにあなたはこの冒険を終わらせ、アニーとかたく結ばれたのです。
なかには楽しみも驚きも苦しみも、そしてお怒りもご不満もあった事と推察します…
これまでお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました。
スタッフ一同厚くお礼申し上げます。

アニーと結ばれたあなたは、
マヤ、アステカの文明のカギを握るアニーの父ウィルソンに会うため
新たなる旅に出かけようとしています…………。
You are Winner !
please continue next Adventure Asteka II.

 


実写取り込みの画像が取り入れられていたり、
エロティックな画像が表示されたり。
最後はヒロインとベッドインして終わる構成しかりで、
意識的にアダルト路線のゲームに仕上げようとしている事はわかるが、
ゲームの展開は行き当たりばったりで、
シンキングラビット作品のように大人が「なるほどな」と思えるような内容ではない。
マニュアルによれば
「滅亡したアステカ文明の謎を解明する」といった大風呂敷を広げているが、
アニーが欲しいといった翡翠を見つけただけ。
それが文明の謎解明とどう繋がるのかはまったく触れられていない。

ではゲーム構成としてはどうなのか?
本作は高難易度なゲームの部類に入るのだが、
本作の難易度を設定しているのはアイテムの入手。
ゲーム中に必要なアイテムを持ち金の範囲内で手に入れないとクリア不可能。
どのアイテムが必要で、いくらで手に入れればOKなのかは、
何度も行き詰まって学習していくしかない構造になっている。
ゲームに悩ませ、長く遊ばせるために、
プレイヤーに膨大な繰り返し作業を強いる。
チャレンジを前提としたゲームだからこそ成り立っていた時代の産物だ。

 

本作の次にリリースされた「ザナドゥ」の大ヒットにより、
日本ファルコムは、静的なゲームから動的なゲームへと舵を切っていく。
それは本作の続編である「太陽の神殿 アステカ2」の大きな変化にも表れていた。

 

※明日の88ゲーム回想録は「太陽の神殿 アステカII」をお届けします。