わが青春のPCエンジン(148)「トイレキッズ」


トイレキッズ
(メディアリング)
1992年3月6日/縦シューティング/6900円

 


メディアリングの偉い人はあるとき思った。
「小学生男子はウンコネタとか大好きだよね!
ウンコの出てくるゲーム作ったら大ヒット間違い無しじゃーん!!」
確かに「まことちゃん」とか「おぼっちゃまくん」とか、
子供向けギャグ漫画にはウンコギャグは鉄板だ。
また開発者も
「ウンコとかタブーな題材をゲームで採用しちゃう俺様尖ってるぜーっ!
ゲームファンのみんなよ、そこにシビれるだろう!あこがれるだろうーっ!!」
と称賛と羨望を求めて本作を作ったのかも知れない。
その経緯は俺様の考える推測だが、
本作はウンコをテーマにした縦スクロールシューティングゲームなのだ。
開発したのはビッツラボラトリーという会社。
この会社は悪名高きファミコン版「テグザー」を開発した会社
PCエンジンでは「ヴェイグス」をPCから移植したのもこの会社だ。
世の中から散々ファミコンテグザークソゲーだ」と言われた同社が、
「糞ゲーと呼ばれても“面白くない”という意味にならないゲーム」を開発すべく
メディアリングを丸め込んで世に出した可能性もあるw

 


オープニングでは主人公の大介君3歳が
便器の中に吸い込まれてゲームが始まる。
ゲームスタート直後にオチンチンを描くというストロングスタイルだ。

 


ゲームの雰囲気はツインビー」に似ている。
自機はオマルに乗った大介君。
対空ショットと対地ショットにボタンが分かれている。ほぼツインビー
対空ショットはボタン押しっぱなしで強力なショットが放てる。
対地ショットはボタンを押さない間、攻撃範囲が広くなる。
また、アイテムを取得するとパワーアップするが、
配置バランスが悪く、めったに出ないため、
基本は初期ショットを連打して進む事になる。
一応、以下にアイテムの内容に記しておく。

セボン・・一定範囲の複数の敵を倒す。
ブルーレットドボン・・画面内の敵を全滅させる。
液体サワデー・・バリアーを張る。
1UP・・残機増える。
ゴールドウンピ・・40個とると残機が増える。
ピコレット・・ホーミング弾を放つ
サンポール・・対空ショットが強化される。(2段階)

なお、アイテムの中に実在する商品名があるが、
これはそれらを販売するメーカーに協力を得て実現しているもの。
ただし、アイテムの名前はゲーム中に登場しないし、
出現するドット絵は元の商品だと判明できるものでもないので、
各社メーカーは一ミリも宣伝効果が無い。(^_^;

 

耐久力制でその値が0になって攻撃を受けるとゲームオーバー。


「ヘタクソ!!」などと、うんこ絡みで罵られる。

 


ステージ1の中ボスは生尻を持つ蜘蛛3匹。
そこまでしてウンコ攻撃させたい執念・・。

 


家庭用ゲーム機でオチンチオン単体が攻撃してくるタイトルは
後にも先にも本作が最初で最後だと思う。

 


ステージ1のボスは鼻くそを飛ばしてくるトンボ。

 


ステージ2は巻きグソが点在。

 


中ボスは生尻のついたヘリコプター。
武器は放屁ガス。
メカと尻を融合させようと考えた人の実行力凄い。

 


ステージ2のボスはゾウ。
頭の上のうんこを対地ショットで撃つ。
どの敵が空中でどの敵が地上なのかがわかりにくいのもこのゲームの特徴。

 


ステージ3のボスは両目にうんこが乗ったクジラ。

 


ステージ4の中ボスは便座の形をしたウナギ。

 


そしてラスボスのウンピ大王との戦い。
最初は雲の上、2段階目で地上に降りて戦う。

 


倒すと絨毯の模様がうんこからパンツに変わる。

 


わしはパンツの神様じゃ。
今までウンピ大王によってウンピの中に
閉じ込められておったのじゃが
よくぞ助けてくれた。
その御礼にオムツの取れる魔法のパンツを授けよう。
これでお前も一人前じゃな。
またどこかで会おう。
さらばじゃ。

 

PRODUCER
YOSHIHIKO MATSUKI

SUB PRODUCER
HISASHI SUGAWARA

DIRECTOR
YASUNORI ISEKI

PLANNING
HIRO SATOH

GRAPHIC
HAGICHAN

MUSIC
T'S MUSIC

PROGRAM
POMOO PETARO

SOUND DRIVER
YODA-P KIKAKU

SPECIAL THANKS
YASUHIKO KOBAYASHI
MIKA NAKIRI
YUKARI KOJIMA
KATSUYUKI ASO
SATORU MIYA

協力
小林製薬 株式会社
アース製薬 株式会社
ライオン 株式会社
第日本除虫菊 株式会社

PRESENTED BY
MEDIA RINGS CORPORATION

 

 

全4ステージととても少ないボリュームだったからなのか、
難易度はけっこう辛口。
コンティニューも3回しか出来ない。
小学生男子がうんこを見て「ギャハハハーッ!」と笑う事が目的のゲームで
難易度が高いってわけわかんねー。
しかもショットがオート連射じゃないから指が疲れるし・・。
なんでこのシモネタ出オチゲームで本気でシューティングさせてんだとw
ウンコを題材にしたわりには、その演出はただただウンコを散りばめただけで、
笑いのセンスは全然感じないというトホホぶり。

うんこ好き小学生男子によって本作が爆発的に売れたという情報は届いていない。
どちらかというと俺様の周囲では“苦笑”される対象であったように思う。
ところが本作発売から25年あまり過ぎた後、
日本では「うんこ漢字ドリル」なるものが大ヒット!
「トイレキッズ」の着想はあまりに早すぎたのだ!
本作を開発したスタッフの面々は、
自分達の時代を先取りしたセンスを理解しなかった1992年の世の中に
苦虫噛み潰す思いだったに違いない。