EGRETⅡ mini収録タイトルレビュー(6)「スクランブルフォーメーション」

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スクランブルフォーメーション
1986年リリース

 

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19XX年。
謎の飛行物体に突然襲撃された東京を舞台に、
最新鋭戦闘機「バイプレーン」を操縦し、
反撃を試みる縦スクロールシューティングゲーム

 

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ショットボタンとフォーメーションチェンジボタンの構成。
赤い味方機体は敵に捕獲されているので、
そこに撃ち込むと自機の編隊に加わってくれる。
最大4機まで隊列を組む事が出来る。

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フォーメーションは3種類でボタンを押すたびに変わる。
対空と対地の両方を発射するが、連射ができず、攻撃幅も狭いタイプ、
対空のみのタイプ、対地のみのタイプ。
両方対応したタイプは弱いので、
実質的に状況に合わせて対空と対地を切り替えていくゲームなわけだが、
フォーメーション組み換えはタイムラグがあり、
激しい攻撃のときに的確なフォーメーションに切り替えるのは難しい。

2つのボタンを同時に押すと僚機がミサイルがわりに敵に体当たりしていく。

 

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このゲームにはステージという概念は無く、
地続きで東京の各地を巡っていく構成になっている。
眼下に広がる東京の大地は、航空写真を元に再現されており、とても美しい。

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よく知っている風景にゲームの中で出会うというのは、
のちの「電車でGo!」などと似た楽しさがあるよね。
このゲームのモチベーションはこれらを巡る事で間違い無いだろう。
国会議事堂からスタートし、赤坂のビル群、後楽園球場とルートを巡り、
最後は東京ディズニーランド上空を通過するという構成で締まる。

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ところが、ディズニー側からクレームがあったか、またはタイトーの自主規制か、
後期バージョンではディズニーランドは丸々カットされており、
いつの間にかステージがループしているというぼんやりとしたゲームになっている。
また、エンディングなども用意されておらず、
東京を襲撃した謎の飛行物体も謎のままだし、
そもそもプレイヤーが何を目指して戦っているのかもわからない。
(ループ前の最終ボスのようなものもいない)

本作はコンティニューが存在しておらず、
ゲームオーバーになったら最初からやり直しなのだが、
全体構成に締まりの無い本作においてはある意味正解だったのかも知れない。

 


さて、このゲームは長年、幻のゲームだった。
家庭用にはMSX向けにしか移植されていなかった。
東京の町並みが美しく再現された事が魅力のゲームなので、
MSXでそれを補完するのは荷が重かった。
またアーケードからも早々に消えていったので、
スクランブルフォーメーションの東京巡り良かったよね」
という記憶だけが残っていた。

家庭用で復活したのはPS2の「タイトーメモリーズII 上巻」。
そしてEGRETⅡ miniで2回目の家庭用復刻となるが、
MSX版含みディズニーランドは削除されたバージョンになっている。
ま、どっちみち実力でそこまで行けそうも無いけど。(^^;