MSXとはMSXの事である 第25回「王家の谷 エルギーザの封印」

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王家の谷 エルギーザの封印
(コナミ)
1988年8月27日/MSX2(MSX1)/アクションパズル/5800円

 

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ロードランナー」などガチでパズル頭を使わないと
攻略困難なアクションパズルゲームの中で、
MSXでしか遊べないコナミタイトルが「王家の谷 エルギーザの封印」だ。

本作はMSX1用とMSX2用で別々にパッケージがリリースされており、
MSX2を持っているのにMSX1用を買ってしまう事故には気をつけて頂きたい。
(主にグラフィックが異なる)

 

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ゲームをスタートさせると、
主人公のビック13世がピラミッドに入っていくところから始まる。
一見するとファミコンゲームのようなグラフィックで洗練させている。

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こちらステージ1。
画面中央の上にある扉を開いて入るのが目的だ。
扉には4つの封印がされており、黄色い玉を取るたびに封印が1つずつ解除される。
アクションは左右移動、はしごの昇降、ボタンによるジャンプという構成。

玉の他にアイテムがあるのもお気づきだろう。

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画面左にあるツルハシを取ってみる。
この瞬間からプレイヤーはジャンプが出来なくなる。
ジャンプボタンが「ツルハシを使うボタン」に切り替わるからだ。

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ツルハシは前方の足元を掘るアイテム。
このステージだとここを掘るのが正解。

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そのあと下にあるドリルを入手。
ドリルは横方向のブロックを削れるので、
ここに脱出口を開ける。

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ちなみにナイフを入手すると、投げて敵を倒す事ができるが、
敵は棺からすぐに復活する。
敵が邪魔で思ったルートが進めないときなどに使う。
敵に触れると残機を消費し、残機が無くなるとゲームオーバー。
敵の動きはパターンがわかりやすいので、
パターンを読んで攻略ルートを編み出す。

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こうして扉を開いたら次のステージへと進む。

ここまでの説明でわかるように、
このゲームはステージの攻略ルートがガチガチに決まっている。
アイテムの使う場所を間違えたら即手詰まり。
見た目のポップさに反してアドリブを許さない固いパズルである。
「ステージの構成を見て攻略ルートを思いつく」
という点に重点が置かれている。

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ステージ3からは画面切り替えで左右にステージが広がる。(^^;
ここまで来ると俺様の脳では処理範囲を超えてくるw
全ステージ1画面で完結してくれた方が遊びやすかったなぁ。
(最大で6画面連なったステージがあるらしい(ムリ))
全60ステージ。

 

アイテムはこのあと、掘れる範囲が変わるハンマーやスコップが増え、
トラップも消えるハシゴや床、一方通行の扉などが出てくるので一筋縄ではいかない。
パズル好きには挑戦し甲斐がある一本と言えるだろう。
BGMやSEもエキゾチックで素晴らしく、さすがコナミと言わざる得ない。
そんな本作がMSXユーザーにしか体験できなかったというのが贅沢だ。

本作にはステージエディットモードがあり、自分でパズルを組む事ができる。
また、ユーザーから自作ステージ投稿を募集するコンテストが開かれていた。
MSX・FAN、コンプティークBeepMSXマガジンという専門誌が
5本ずつ入賞作を選び、
賞品として「選ばれた20作品が遊べるROM」がプレゼントされた。


そんな本作だが、MSX1でリリースされた
「王家の谷」というタイトルのリメイクである。

 

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王家の谷 KING'S VALLEY
(コナミ)
1985年3月18日/MSX1/アクションパズル/4800円

 

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せっかくだからこちらもプレイして比較してみる。

 

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ハシゴが斜め移動の階段だった。
ちょっとだけ昇りにくい。
グラフィックはいかにも昔のパソコンゲームといった感じで、
ポップさはまったく無いばかりでなく、
ツルハシなどのアイテムを使ったときに、どの範囲で掘れるかなどもわかりにくい。
敵の動きもパターンがわかりにくく、単純にゲームが難しい。
本作をプレイすると、「エルギーサの封印」が原作の旨味を抽出し、
的確に遊びやすく作り変えた卓越したリメイクであった事がわかる。