アレックスキッド 天空魔城
セガ
1989年2月10日/アクション/5500円
セガのマスコットキャラクターとして
セガ・マークIII向けタイトル
「アレックスキッドのミラクルワールド」で誕生したアレックスキッド。
マリオというマスコットキャラクターがファミコンを牽引したように、
メガドライブでも早い時期にアレックスキッドが登場してくる事は必然であった。
ロンチタイトルには間に合わなかったが、
本体発売から約3ヵ月半後に本作は登場している。
これまでアレックスキッドシリーズは
海外のみのタイトルも含めて5タイトルも作られており、
本作はシリーズ6作目となる。
2作目から5作目まではキャラクターのみ共有した別ゲームだったが、
本作は原点回帰で
「アレックスキッドのミラクルワールド」のリメイク的な内容となっている。
いきなりのダメ出しになってしまうが、
パッケージとタイトル画面のアレックスキッド。
絵が改悪過ぎる(^_^;
曲りなりにもセガのマスコットキャラクターではないのか?
キャラクターの顔が会社のイメージに直結してるんだぜ?
これが初登場のタイトルであれば「こういう味のデザイン」と納得も出来るが、
なぜこの絵が・・
こういう絵に変わるんだ・・
ギョロ目で小太り・・。
マークIIIの頃からアレックスキッドが好きだった俺様に与えたショックは大きかった。
僕の名前はアレックス・キッド・オサール。
僕の故郷アリエス星は、僕の兄イグル王のもとに平和な毎日です。
そんなある日、行方不明だった僕の父サンダー王が
ジャンバリク星で生きているという噂が流れてきました。
ジャンバリク星と言えばジャンケンの本場。
ジャンケンの弱いものは生きてゆけないという恐ろしいところです。
オサール星のみんなは僕がジャンバリク星へ行く事に反対しました。
でも僕は噂が本当かどうか確かめるために旅立ったのです。
ゲームがスタートすると、等身が少し高くなったアレックスキッドだが、
相変わらずかわいくドットが描かれていたので一安心。
(だとするとパッケージの足の引っ張り方は余計に悔しい・・)
操作設計はミラクルワールドに近い。
左右移動、しゃがみ、ジャンプボタン、パンチボタンという構成。
このジャンプの仕様にクセがある。
ジャンプすると勝手にジャンプキックをするのだ。
ジャンプキックを当てるタイミングが難しいな~って思ってたけど、
このジャンプキックには変わった特性があった。
ジャンプボタンを押しっぱなしにするとキックが出ないのだ。
そしてボタンを離したタイミングで蹴りが出る。
つまり、当てたいときにボタンを離すという仕様だった!
(なぜ素直にジャンプ中に攻撃ボタンにしなかった?)
敵を倒すとお金を落とす。
これを集めてどこで使うのか?
それがジャンケンハウスだ!
ミラクルワールドではボス戦がジャンケンだったが、
本作では買い物でもジャンケンをするw
ステージに点在するジャンケンハウスに入ると、
ゴリラがジャンケン勝負に待ち構えている。
ハウスによって賞品が設定されているので、
欲しい賞品だった場合は賭け金を払ってチャレンジだ。
ジャンケンに勝てば中央の賞品が貰える。
負ければ貰えないが、掛け金さえ払えば何度でも挑戦できる。
(一度成功した賞品は掛け金が上がる)
なお、アクションステージはスクロールさせると敵が無限に湧き出すので、
RPGのように足りなくなったお金を貯め直す事は可能である。
なのでクリアに必要なアイテムはどれなのかを考えて、
欲しいアイテムに貯めたお金を注ぎ込んで勝つまでやる・・
というのがプレイスタイルとなる。
頑張って貯めたお金がジャンケンに次々と負け続けて減っていくのは
正直言って相当のストレスなのだが(^_^;
ちなみにこのジャンケンハウスは脱衣ジャンケンにもなっていて、
負けた方は服を引っ剥がされる(爆)
フルチンの辱めを受ける主人公。
入手したアイテムはポーズ画面で装備できる。
使用時間に制限があるもの以外はずっと使えるが、
装備した状態でミスをすると装備していたものは失ってしまう。
ジャンケンハウスに並ぶアイテムは以下の通り。
パワーブレスレット
パンチから波動が出るようになる。
通常パンチは敵に急接近しないと当たらないので危険。
基本はこれを装備しっぱなしで進めて、無くなったら補充するのが良い。
スパスコサイクル
凄いスピードで駆け抜ける事ができるお馴染みのバイク。
操作が難しく、障害物にぶつかってすぐ失ってしまう。
プチコプター
ジャンプボタン連打で上昇、パンチボタンで弾を発射。
空に障害物が無いところでは一気にショートカットできるスグレモノ。
徒歩ではいけないところにある隠しルートを見つけるのにも使える。
ホッパー
高くジャンプできる。
これを使わないと取れない宝箱がある。
仙人の杖
一定時間空中浮遊できる。時間が過ぎるとアイテムを失う。
フラードマント
一定時間無敵になる。時間が過ぎるとアイテムを失う。
アミュレット
ジャンケンで相手の出す手が分かる。
ちなみに自機が0になるとゲームオーバーとなり、
コンティニューするには1000円必要になる。高いぞ(^^;
宝箱の中にはお金や1UPなどがある。
黒い宝箱には良いものが入っているが、
たまに爆弾がばらまかれる事もある。
ステージのゴール地点にはオニギリがあり、
それに触れるとステージクリア。
ステージ5のピラミッドに一人目のボスであるピターニャ登場。
ボス戦もやはり脱衣ジャンケンだ。
てことは・・
相手が女子でも遠慮なしのセガ。
確実に勝ちたければアミュレットを使おう。
ステージ6にはジェイソンぽいやつがいるw
そして早くも二人目のボス、プータロー。
ボス戦といってもこのゲームの場合、
毎回ジャンケン一本勝負なので同じ事の繰り返し。
相手の全裸姿を見る事ぐらいしか楽しみの変化は無い(爆)
ステージ8は仙人みたいな人とジャンケン対決。
悪い人には見えないけど・・。
何が合格なんだろう・・。
フンドシ脱がないのはズルいぞ!
悪い人だ。
ステージ9は上へ上へと登っていく。
ここは買い溜めた「仙人の杖」で一気に浮遊して行くとラク。
なんなら「フラードマント」で無敵になって飛んでも良し。
ステージ10はプチコプターで進む。
敵のあまり出ないルートを開拓すればそれほど辛くない。
ここを抜けるといよいよ天空魔城なのだが・・。
画面切り替わったら、
凄く端に立っているアレックスキッド(^_^;;
天空魔城は画面が切り替わるたびにトラップっぽいルート構成になっている。
切り抜けて進む方法を瞬時に考えて次のフロアへ移動していくのは楽しい。
いよいよ最終ボス「ジャン・アシュレー」との勝負!
こいつとのジャンケンは3本勝負。
勝つと逆ギレして襲ってくる。
卑怯者め!
タイマン勝負でこらしめると、律儀に服を脱ぐ。
正直者め!
よお、お前がアレックスか。大きくなったのう。
わしがお前の父、サンダーじゃ。
どうじゃ、ジャンバリク星はいいところじゃろう。
ゆっくりしていくがよい。
こらアシュレー。お前また悪いことをしておったな。
サンダーさま、アレクさま。
もう悪い事はしません。ぐっすん。
なんと、アレクの父サンバーは
ジャンバリク星で捕虜になってはいなかったのです。
それどころか、この星の支配者ジャン・アシュレーを召使いにして、
自由で気ままな生活をしていたのでした。
心配していたアレクは唖然としてしまいました。
でもアレクは父にあえた嬉しさで
思わずサンダー王の胸に飛び込んだのでした。
サンダー王の事は故郷ラダクシャンへも伝えられ、
オサール家の人々は大喜びしました。
こうしてアレクの故郷アリエス星とジャンバリク星は
兄弟星として末永く栄えたそうです。
スタッフロールは無し。
俺様は当時、このゲームをすぐにプレイ放棄し、
失敗作の烙印を押してしまった。
その理由は3つで、
(1)アレックスキッドのキャラデザが改悪していた
(2)操作設計が一般的ではなく不用意に難易度を上げていた
(3)ジャンケンというランダム要素での足止めが我慢ならなかった
というもの。
だが33年という時を経て、大人になった俺様が改めてプレイしてみると、
その判断は決して正しいものでは無かった。
まずキャラデザだが、ひどいのはパッケージとタイトル画面だけで、
ゲーム内のアレックスキッドはよく描けていた。
また独特な操作設計もジャンケンによるランダムも、
ちゃんとお金を貯めてアイテムを蓄積していけば回避できる事がわかった。
ジャンケンならばアミュレットを使えば必ず勝てるし、
制御が難しいアタリ判定も、
パワーブレスレットで遠くから攻撃したり、
仙人の杖で空中を飛んでやり過ごしたりすれば良い。
当時はこのゲームの構成を理解しないまま、
間違った判断をしてしまった事を懺悔したい。
だって、この絵がーw