カレー番長への道 ~望郷編~ 第311回「カリー・ザ・ハードコア」

日曜に雑司が谷にある「カリー・ザ・ハードコア」へカレー修行に行ってきた。
「カリー・ザ・ハードコア」は、かつて大久保で営業していた間借りカレーで、
雑司が谷の地で晴れて2021年4月に実店舗をオープンしたという。
雑司が谷副都心線の駅だが、池袋からたいした距離じゃないので歩いていく。
高速道路の下を潜り、雑司が谷方面に歩いていくと、雑司が谷霊園に差し掛かる。
霊園の中を突き進んでいく。

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このあたりは江戸時代中期以降、幕府の御鷹部屋があった。
鷹狩りに用いる鷹の飼育や訓練などをしていたのだ。
また、将軍が立ち寄って休息したり、食事をとったりしたこともあったのだとか。
御鷹部屋敷地内には松の木があったとの事で、
もしかしたらこの松はそうかも知れない。

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霊園を抜けて坂を少し降りたところにこの店はあった。

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土日の開店時間は12時からなのだが、12時前に着いてしまった。
雨の中、店の前でジッと待つ。
まわりは閑静な住宅街で、人の通りは少なく物静かだ。
やがて開店時間となり店内へ案内される。
中はカウンター5席ぐらいの小さな店だ。

カレーはレギュラーカレーと日により変わる限定カレーの2種類らしい。
今日の限定はマーラー豚もつ」
限定の単品というのは無く、レギュラーカレーとのあいがけとなる。
ならばと俺様はあいがけを選択。
サイドメニューから「ナスのベンガル風マッシュ」を追加、
ライスを大盛りでお願いした。
やがてカレーがやってくる。

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もの凄く肉肉しいワンプレート!
まずは豚モツがゴロゴロ入った方のカレーを食べてみる。
んん!?
これカレー???
まるでこれは・・、そう、中華。
中華のモツ炒めだ!
店主によれば、最近流行り始めているインド中華をヒントに作ったという。
なんという異端!美味いけど!
ソースとよくかき混ぜて食べるとほんのりカレー感も出てきた。
これがインド中華かー。
そしてもう一方のレギュラーカレー。
こちらはちゃんとカレーになっているが、
やはりオーソドックスなカレーとは違う。
ドイツのシチュー料理「グヤーシュ」をベースに
スパイスを加えてカレーにしているそうだ。
凄いな~。カレーは体験料理である事を思い出させてくれる店だ。素敵。
具はドイツで「フリカデレ」と呼ばれる煮込みハンバーグ3つ、手羽先1本、
そしてパッと見はイカの軟骨かな?と思ったら、
「シュマルツ」という背脂で作るバターのようなものだった。
凄い。この一皿でドイツとインドと中華が踊っている~。
これだけ肉系をぶっこむとクドい味を想像するだろうけど、
実際にはここのカレーはあっさり系。
スプーンが止まる要素は何一つ無かったぜ!!
おっと「ナスのベンガル風マッシュ」について書き忘れるところだったぜ。

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これ説明が難しいんだけどさ。
誤解を恐れずに言うと「ナスの煮浸し」みたいな味。
凄くあっさりしているのに旨味が凝縮されていて、酒のツマミとして食べたいぐらい。
これをレギュラーカレーに絡めて食べると、
まるで違う顔色になって口の中を喜ばせてくれる。
奥が深けぇ~。

 

ここは常に進化する創作カレー研究所みたいな店
次回訪れたら、
また違う研究成果が限定カレーやサイドメニューに登場しているだろう。
早くも次回来るのが楽しみになったぜ。
ちなみにこの日、サイドメニューには「チャーシュー」もあった。
食べてみたかったが、さすがにカロリー過多になりそうだったので、
次回またあったらという事で記憶に留めておくぜ。

 

この店は曜日によって営業時間が違うので、
行くときは調べてから行った方がいいぜ。