遊遊人生
(ハドソン)
1988年4月22日/ボードゲーム/4500円
誰でも一度は遊んだ事があると思われるタカラのボードゲーム「人生ゲーム」。
本作はその「人生ゲーム」を家庭用ゲーム機に落とし込んだタイトルである。
初期のPCエンジンで出来るだけ多くのジャンルを用意し、
幅広くユーザーを集めたかったハドソンの戦略商品だ。
最初に名前、顔、車の色を選択する。
顔の中にメル・ギブスンや高橋名人がいるw
進行ルートやレベルデザインはアナログ版を忠実に移植。
グラフィックも癖の無い良い落としどころでまとめられている。
ゲーム機にみんなで遊ぶパーティゲームというのはあまり存在しなっかた当時、
人が集まったときにPCエンジンを活躍させる貴重な一本だった。
だが、本作は所詮「人生ゲーム」。
一人で遊んでも何一つ面白くない。
また忠実な再現であるため、プレイレビューをしても面白味に欠ける。
安心して欲しい。
今回はボードゲームのプレイレビューではない。
今回紹介するのは、
このゲームに収録された隠しゲーム「キャノンボール」である。
「キャノンボール」とは1983年頃にハドソンが販売していたパソコンゲーム。
(PC-8001mkII、MZ-700、FM-7、MSX、PC-6001など向けに作られていた)
その「キャノンボール」がどういう経緯かわからないが、
隠しゲームとして「遊遊人生」に収録されている。
持ち金表示画面で、
IボタンとIIボタンとランボタンを押したままセレクトボタンを押すと始まる。
画面構成はほぼパソコン版そのまま。
画面内をバウンドする丸い玉。
プレイヤーは左右に移動し、上空に向かってモリのようなものを射出。
モリが玉に当たると玉は半分に分裂。さらに当てるとまた分裂。
一番小さい状態でモリを当てると玉は消える。
玉にプレイヤー自身が当たるとミス。
モリの連射は出来ないので、玉の軌道を読んで命中される必要がある。
このようにして画面内の玉を全て消すとステージクリア。
ステージが進むと玉の数とスピードが上がっていく。
闇雲に玉を分裂させてしまうと、画面内の玉の数が増えて、
避ける隙間を失ってしまう。
なるべく数を増やさないように、狙った玉を一つずつ片付けていくのが正攻法だ。
パソコン版にはスコアがあったが、本作にはスコアはなく、
ただ先のステージへ進む事が目的となる。
ミスしてもステージの最初から始まるだけでゲームオーバーは無い。
今回、ステージ23まで進んでみたが、
このゲームに果たして終わりはあるのだろうか?
「遊遊人生」は一人で遊んでも楽しくないし、
多人数が集まってもこのソフトが選ばれる事は少なくなってきたので、
しばらくすると本作は「キャノンボール専用ソフト」となっていた。
ちょっとした空いた時間にPCエンジンで遊ぶショートゲームとして最適だった。
熱中度も高い。
ところで本作のゲーム内容を見てカプコンが販売した
「ポンピングワールド」を思い出した方もいるだろう。
「キャノンボール」を開発したのはミッチェルという会社らしく、
そのミッチェルが「キャノンボール」をリメイクしてカプコンに持ち込んだらしい。
その「ポンピングワールド」も一周まわって
PCエンジンへ移植され、ハドソンから販売されているんだから面白いね。
まったくの余談だが、
今回短時間集中でキャノンボールを遊びまくっていたら、
プレイヤーキャラがだんだん野生爆弾のクッキーに見えてきたw