同人ソフトに音楽ディスクあり

ときおり無性にサウンドボードIIの音色が恋しくなる事がある。
だがCDやスマートフォンのように気軽に再生というわけにはいかない。
目的のゲームを起動させてもすぐにはその曲には辿り着かないし、
全てのゲームにミュージックモードがあるわけじゃない。
そんなときに俺様は同人ソフトの音楽ディスクを手に取る。

音楽ディスクとは何か?

同人ソフトは即売会などで配布されている
個人やサークルが自作したプログラムである。
その中の一ジャンルに音楽ディスクというものがあった。
パソコンで音楽を演奏させる事だけに特化させたプログラムの事である。

ここでは「音楽ディスク」としているが、
固定した名称はなく「音楽集」「MusicDisk」などとも呼ばれていた。

主な構成としては、
曲が鳴るごとに曲名や作者名などを表示、
それと同時に作者やサークル代表者のコメントが表示される・・
というスタイルが一般的だった。
コメントに書かれているのは曲に関する補足のみならず、
雑談、近況報告、まったく関係無い話など様々。
そのコメントからサークルの性格や空気感を推し量る事が出来た。
曲を聴きながらサークル活動が身近に感じられる音楽ディスクは、
同人ソフトという媒体を最も上手く活用した方法
だったように思える。
値段も100円~200円という低価格で配布しているものが多く、
即売会に行くたびに音楽ディスクを買い漁るのが楽しみの一つであった。
音楽ディスクの場合、サークル間の交流が盛んに行われており、
1枚のディスクにサークルの異なる複数の作者がコラボしている事も珍しくなかった。
また有名サークルになると、
その音楽ディスクに収録される事が一つのステータスのようになり、
サークル宛に音楽プログラムが投稿という形で集まるケースもあった。
もはや音楽ディスクはパソコンソフトという枠を飛び越えて
コミュニケーションの手段としての役割も担っていたようである。

そんな音楽ディスクであるから、市販ソフトにはほとんど登場しなかった。
俺様が把握しているものだと、
『テレネットミュージックボックス(日本テレネット)』ぐらいしか思い当たらない。

f:id:g16:20141015161635j:plain

こちらは日本テレネット初期(アメリカントラック)から
最新タイトル(デスブリンガー)までのBGMを収録した気合の入りよう。
実に150曲以上が収録されている。(2980円)

他にはミュージックテープが付属した光栄の“fromサウンドウェア”シリーズぐらいか。
市販ソフト化となると値段もそれなりになるし、
メーカーも商売になるとは思わなかったのだろう。
(オマケとしてサウンドモードが隠されているゲームは多々ある)

ちなみに珍しいところでは
エメラルドドラゴン スペシャルディスク』というものがある。

f:id:g16:20141015161202j:plain

これはパソコンゲーム雑誌コンプティーク』の懸賞品として製作されたものだ。
こちらの内容は、本編内で使用されたBGMとともに
未使用ビジュアルが表示されるという貴重なもの。
演奏している曲名が表示されないのが残念。

最後に情報がまったく無いので知っている方がいれば教えて欲しいのだが、
人から頂いたディスクの中に紛れ込んでいた
クリスタルソフト『Digital Juke Box』なるソフト。

f:id:g16:20200129003606j:plain

『Jehard』『クリムゾン』『Mr.プロ野球』『バトルゴリラ』、
といった4タイトルのBGMを聴く事が出来る音楽ディスク。

クリムゾン未使用曲「はるかなる旅立ち」、
バトルゴリラ未使用曲「REST SOLDIER」が収録されているのが貴重!

非売品らしいけど、どんな経緯でどこに出展されたものなのか?