88ゲーム回想録(57)「プロ野球ファン テレネットスタジアム」


プロ野球ファン テレネットスタジアム
発売元:日本テレネット
発売時期:1987年12月
定価:7800円
対応機種::PC-8801mkIISR以降

 


1986年12月10日に発売されたファミコンの「ファミリースタジアム」。
その存在は野球ゲームを次のレベルへと昇華させた。
その頃、88でアクションタイプの野球ゲームを遊ぼうと思ったら
「野球狂」「ビクトリアスナイン」といった古い建付けのタイトルしかなく、
ファミスタライクなゲームをパソコンソフトとして投入すれば
オンリーワンなタイトルになるのではないか?と考えるのは自然であった。
そしてそれをいち早く実行したのは日本テレネットだった。

 

1人で他球団と連続して試合をする「トーナメント」、
2人で1試合の対戦をする「VSゲーム」、
10球で何回ホームランを打てるかの「ホームランコンペ」が用意されている。


モードを選んだら次はチーム選択。
当時のプロ野球12球団が揃っている。
ちなみにこのゲームが参考にしたであろう1987年のプロ野球チーム成績は以下の通り。

セ・リーグ
優勝:読売ジャイアンツ
2位:中日ドラゴンズ
3位:広島東洋カープ
4位:ヤクルトスワローズ
5位:横浜大洋ホエールズ
6位:阪神タイガース

パ・リーグ
優勝:西武ライオンズ
2位:阪急ブレーブス
3位:日本ハムファイターズ
4位:南海ホークス
5位:ロッテオリオンズ
6位:近鉄バファロー

日本シリーズ優勝:西武ライオンズ(2年連続7回目の優勝)


今回もいつものように伝統の巨人vs阪神で遊んで見る。

 


先発投手を決める。
防御率と体調を参考に決めよう。
今回は「桑之田」で行くぜ。
(ちなみに選手名が漢字なのはパソコンゲームならではだ)

 


ゲームはジョイスティックに対応している。
攻撃時はテンキーで立ち位置調整。
Zキーでバットを振る。短くキーを入れるとバントの構えになる。
Aキーと塁の方向で走る。
守備の時はテンキーでピッチャーの立ち位置調整。
Zキーで投げる。投げるときにテンキーでスピード変化やカーブを操作できる。


守備側が打たれたら、球の影の下にテンキーで野手を移動させて捕球。
Zキーとテンキーで塁へと送球する。

 

F5キーで投手交代などができる。


疲れてくるとカーブが投げられなくなってくるので、
頃合いを見て交代させよう。

攻守交代時に電光掲示板が縦に流れるのだが、
これがこのゲーム最大の演出となっている。


明日の天気、テレネットの宣伝、ショートコメディなど、
試合には役に立たないが色々と用意されていて楽しい。
しかし演出らしい演出はこれぐらい。


ホームランを打っても「ホームラン」と表示されるだけ。


試合が終わっても結果画面でバニーガールがウインクするだけで、
画面を送るとすぐに次の試合が始まる。味気ない。

 

そんな本作だが、作りがけっこうユルイ。
例えば内角ギリギリに投げたらバッターはほとんど空振りしてくれたりとか、
グランドで転がってきた球をわざと取らないでいると、
走者は次の塁へ走ってくれるので、それを利用してアウトにしたりとかw
そういったプログラムの穴を見つけてCOM相手に勝つのが正しい本作の楽しみ方だ(爆)
他にも塁手はその場を動かない仕様だったり、
盗塁自体が存在しなかったり、
ファミスタ登場から1年後の野球ゲームとしては厳しい。
スクロールも滑らかではなく、勝っているところと言えば途中セーブが出来る事と、
選手名に漢字が使われている事ぐらいだ。
とは言え、以後も88でアクション野球ゲームが作られる事は無く、
88で限定すれば最も遊べるアクション野球ゲームと言えるだろう。
BGMが軽快でゲームの雰囲気を盛り上げている。

 

本作発売から4ヶ月後。
本作の機能を追加するユーティリティソフトが発売される。

 


プロ野球ファン テレネットスタジアム 要請ギブス
発売元:日本テレネット
発売時期:1988年3月
定価:3900円
対応機種::PC-8801mkIISR以降

 


本作単体では遊べない。
プロ野球ファン テレネットスタジアム」を所持している必要がある。

 


本作で出来るのは、「COMvsCOMの観戦」「選手データの表示/複製/編集」
「新リーグ作成」「選手トレード」である。
要するにチームエディット機能が追加になったわけだ。
(サンプルとしてテレネットチームも収録されていた)
まあしかし、最初から入っててもおかしくない機能を追加するのに
3900円かかるというのも微妙であった。(買ったけど)