発売元:ハドソン
発売時期:1984年
定価:3600円
機種:PC8801
(そのほかPC-6001、PC-8001mkII、X1、FM-7、MZ-1500など)
~紹介~
このゲームはファミリーコンピューターにも移植された
任天堂の『マリオブラザーズ』を原作にしている。
画面もほぼ原作と一緒だね。
だがちょっと待ってくれよ・・。
マリオが何やら手に赤いボールをもっているね?
そう、このゲームは『マリオブラザーズ』の移植ではなく、
『パンチボールマリオブラザーズ』というオリジナルマリオゲームなのである。
原作の『マリオブラザーズ』の場合、
床面を下から突いて上を歩く敵キャラを転ばせる事がメインのゲーム性になっている。
“マリオと言えばジャンプアクション”
というコンセプトの上に成り立っているゲームと言えるだろう。
ところがこのゲームは、ジャンプで床面を下からついても何も起こらない!
そのかわり、パンチボールと言われる道具を敵に当てると敵は引っくり返るのだ。
ボールは一度投げたらマリオが取りに行かないと再度使えない。
つまり前者は“考えてジャンプをするゲーム”であり、
後者は“考えてボールを当てるゲーム”なのである。
見た目はソックリなのに、
一つの仕様が違うだけでこれだけ方向性が変わるのは面白いね!
~解体~
テンキーの4と6で左右に移動する。
移動中にスペースキーを押すと斜めジャンプ。
移動していないときにスペースキーを押すとボールを前方に投げ出す。
類似した攻撃に『スーパーマリオブラザーズ』のファイヤーボールがあるが、
パンチボールはあんなに威力のあるものではない。
投げるとボンボンと2回バウンドしただけで止まってしまう。
恐ろしく反発力の弱いボールじゃあないか。
ジャンプと攻撃のボタンが両方ともスペースキーなのも難ありだ。
ジャンプしようとしてボールを投げてしまい、
敵を避けられずに死ぬ事がたびたびある。
しかしながら、敵の倒し方はオリジナルよりも単純。
孤立化した敵を見抜き、
ボールをぶつけてすばやく処理(引っくり返った敵は触れると画面外へ弾く)し、
ついでにボール回収するのである。
なぜ孤立化した敵を狙うのかというと、
近くに敵がいると、ひっくり返す事に成功してもなかなか近づけないからだ。
また、近づけないという事は唯一の攻撃手段であるボールも回収できない事になる。
このように説明するとオリジナルよりも面倒な印象を受けるかも知れないが、
オリジナルは敵の一段下の階から狙うルールであるのに対し、
このゲームはボールの当たる範囲にいれば敵を転ばせられるので単純なのである。
オリジナルでは最下層の敵は倒す事ができるが、このゲームでは可能なのだ。
そのかわりなのか知らないが、
オリジナルでは左右に配置されていた敵用のループ土管が
中央に(縦に)配置されている。
マリオがここに落ちると死んでしまう。
追い詰められないように注意が必要だ。
なお、このゲームは2人プレイも出来るが、
パンチボールは兄弟には反応しないため、
オリジナルにあった“お邪魔プレイ”の楽しさは半減している。
(押す事はできる)
~ストーリー~
いつの頃だろうか、人類が道具を持つようになったのは……。
初めは動物の骨、石のかけらを利用した単純なものであった。
人類は英知をふるい、道具を改良していった。
それが、火を使い、風を利用し、そして今では原子力をも駆使し、
高度な文明を築き始めたのである。
だが、ある一方ではまだ石を利用しているだけの人々もいるのである。
彼らはどのようにして獲物をとり、外敵から身を守るのであろうか。
彼らは強力なジャンプ力と石の玉を持っているだけである。
それをうまく利用し、彼らの身を守って欲しい。
ここに、そういった人々のうちの2人を紹介しよう。
そう、彼らの名前はマリオとルイージ。
彼らが高度な文明を身につけるのはいつになるのだろうか。
~攻略研究~
敵を一体処理すると、最上段にコインが1コ出現する。
このときコインを取らずに次の敵を倒してもコインは増えないので、
「敵倒す→コイン取る→敵倒す→コイン取る→…」
を繰り返す方がスコアが高い事は確実だ。
だがこの最上段のコインを取るのは容易な事ではない。
コインを取るまで次の敵を倒せないという事は、
ジャンプで避けて最上階まで行く必要があるからだ。
歩きながらの斜めジャンプしか出来ないこのゲームではそれが難しい。
また、コインのある最上段に登るとき、そして降りるとき、
そのルートと敵の出現ルートが重なる。
画面上に全ての敵が出現していて、
さらにループしようとしている敵を確認してからでないとかなり危険である。
これらの危険を回避するタイミングを覚えてまで完璧にコインを取るか、
それとも安全プレイで死なずに面を繰り返すか、
ハイスコアの道は2通りあるが、
俺様の場合は後者の方が良い点数が取れるようである。(-_-;
~MEMO~
・同年に『マリオブラザーズスペシャル』(ハドソン)という
さらにオリジナルとは離れた内容のゲームがリリースされている。
・同年に8001用の『マリオブラザーズ』も発売されているが、
そちらの発売元は『ウエストサイド』である。