88ゲーム回想録(63)「ホワッツマイケル」


ホワッツマイケル
マイクロキャビン
1988年12月
7800円
フロッピーディスク3枚組

 


国産初のグラフィックアドベンチャーゲーム
「ミステリーハウス」を生み出したマイクロキャビンは、
めぞん一刻」のヒット以降、
うる星やつら 恋のサバイバルバースデイ」「セイレーン」
めぞん一刻 完結編」「きまぐれ★オレンジロード」と、
クオリティの高いグラフィック表現のアドベンチャーゲームを確立してきた。
ところが本作「ホワッツマイケル」を最後に
アドベンチャーゲームの制作から手を引く事になる。
世のブームはアドベンチャーゲームからRPGにシフトしており、
マイクロキャビンも「サーク」のヒットからRPGに乗り換えたわけである。

 


俺様は「小林まこと」という漫画家につくづく縁が無かった。
「1・2の三四郎」や「柔道部物語」が面白いという噂は
高校時代から耳に届いていたが、
ついに今の今までそれらの本を手に取るキッカケは無かった。
そしてネコ漫画の「What's Michael?」もまた、
存在を知っていながらスルーしていた漫画であったし、
その後テレビアニメ化したときも一度も観なかった。
なのでマイクロキャビンからパソコンゲーム化された時も購入対象に入らなかった。
めぞん一刻」や「きまぐれ★オレンジロード」で
原作再現の上手さは実感していたが、
知らない原作でそれをやられても購入動機に繋がらないのは当然であった。
そもそもなぜマイクロキャビンは「What's Michael?」のゲーム化を選択したのか?
それを確かめるために、いまだに原作を読んだ事がない俺様は、
令和の時代になって初めてこのゲームを起動する決意をしたのだったw

 


ゲームは小林家のマンションから始まる。
どうやらマイケルは小林家の飼い猫らしい。
そして猫視点でゲームは進む。

画面上部にコマンドが並んでおり、
そこから選択する。
「爪をとぐ」「猫専用トイレに行く」などの猫らしいコマンドが特徴的だ。


「◯◯◯と話す」といったコマンドがあるが、
マイケルの言葉は「ニャニャニャニャー」としか通じないw


マンションをウロウロしていると、
同じく小林家に飼われるマイケルの妻ポッポが何者かに連れ去られる。


マンションの住人の一人であるデザイナーに頼むと
人間としゃべれるようになる。
意味わかんないけど、漫画もそういう内容なんだろうか?

 


マイケルは行動中、色々なアイテムを入手するわけだけど、
どこに持ってるのか?w

 


壁にトトロの絵w

 




ポッポを見つけるため、マンションから外に出たら、
以降はテンキーの2468でマップを探索する事になる。
(コマンド選択は方向キーだ)

 


木の上にネコバスw
グラフィッカーにジブリ好きがいたのか?(^^;

 

町の中をあっちこっち行きながら
ポッポの行方をひたすら探す。
そして・・

 


ポッポ「あらあなた、お帰りなさい。」
マイケル「フギャーッ!?ポ、ポッポ~!?」
奥さん「あ~ら、マイケル!どこへ行ってたのよ。もう、心配したんだから…。」
ご主人「ほ~ら、マイケル、見てごらん。」
ミニケル「ピキー!」
マイケル「フニャ!?ボクそっくりのネコだニャ。」
ポッポ「あなた…あたし達の赤ちゃんよ。」
ミニケル「ピキー!」
マイケル「ウニャ!?…」
奥さん「ど~お?マイケル、かわいいでしょ。」
ご主人「マイケル、今日からお前はパパなんだぞ!」
ミニケル「ピキー!」
ポッポ「あなた…」
マイケル「ウニャニャ~ン!!」

……あとから聞いた話ですが、マイケルが心配していたポッポは、
実は赤ちゃんを産むために、小林夫妻とともに動物病院へ行っていたのでした。
……ともかく、パパになれてよかったね、マイケル!!
これからも、ポッポ、ミニケルとともに、幸せな家庭を築いていってね。

フニャ~ン!!……

それから1ヵ月後……
小林家(マイケル一家)は、郊外の新築一戸建ての家に引っ越す事になりました。
マイケル「さよなら、みんニャ~ッ!!」




ピュゥゥゥゥゥーッ……ピュゥゥゥゥゥーッ……
ピュゥゥゥゥゥーッ……ピュゥゥゥゥゥーッ……
ある人物「よ~し!!行け~っ!!」
ピュゥゥゥゥゥーッ……ピュゥゥゥゥゥーッ……
ピュゥゥゥゥゥーッ……ピュゥゥゥゥゥーッ……


ゾロゾロゾロ……


ある人物「……」←言葉が出ない
ネコ達「現実は厳しいニャ~」


ピュゥゥゥゥゥーッ……ピュゥゥゥゥゥーッ……
ピュゥゥゥゥゥーッ……ピュゥゥゥゥゥーッ……
マイケル「早く家に帰って、あったかいお風呂に入りたいニャ~」

 

ゲームデザイン
鎌田 公夫(フリー)

プログラム
伊藤 和彦

作画
スタジオシップ

グラフィック
シンキングラビット

アートディレクション
谷口 恵津子

音楽
ささい りゅうじ

プロデュース
大津 正徳

協力
クリアウェイ

 

スタッフクレジットを見ると、
ゲームデザイン、プログラム、アートディレクション
きまぐれオレンジロード 夏のミラージュ」と同じ方が担当している。

猫が主人公なので仕方ないのだが、
ストーリーらしいストーリー展開は無く、
ひたすら町やマンションを徘徊するという
一昔前のアドベンチャーゲームを思わせる内容だった。

しかし、こういうゲームはまず原作ファンが楽しいと思えるかどうかが重要で、
原作を知らない俺様はこのゲームの正しい評価をつけられないと思う。
とはいえ、当時の88ユーザーに「ホワッツマイケル」のファンがどれだけいたのか?
うる星やつら」「めぞん一刻」「きまぐれオレンジロード」は、
美少女ヒロインがキャッチーなので親和性は感じられるが、
本作には美少女どころか人間のキャラクターがみんなモブ的で、
パソコンゲーマーがゲーム化を望む原作のようには思えなかった。