ふしぎの海のナディア
(ナムコ)
1991年3月19日/アドベンチャーゲーム/6500円
PCエンジンでは花形タイトルを次々とリリースしていたナムコだが、
メガドライブでは斜め上のタイトルばかりを取り揃えていた。
ファミスタではなく「球界道中記」だったり、
AC版スプラッターハウスを移植せずにいきなり続編出したり・・。
本作もアニメ原作のアドベンチャーゲームというナムコらしからぬ仕事。
(ナムコ販売でこのパターンはちょっと思い出せない)
ゲームが始まるとアニメのオープニングと同じ「ブルーウォーター」が流れる。
ビジュアルはアニメーション再現とまではいかないが、雰囲気は出ている。
ゲームはイースのようなトップビューでマップを探索する。
ジャンを操作して色々なところを調べたり、人に話しかけたり。
拾ったアイテムを使うときはコマンドの「どうぐ」で指定する。
それ以外は特に複雑な操作のないシンプルさ。
パリの万国博覧会場からスタート。
ジャンはグランディス一味に追われている少女ナディアを見つけて、
彼女を助けるためにパリを奔走する。
飛行機でパリからの脱出に成功するが、墜落して見知らぬ島へ。
そこの島ではマリーという孤児の少女と出会う。
ジャンとナディアはマリーとともに島から謎の船に乗り込むが、
島は爆破されて消滅してしまう・・。
謎の船は潜水艦ノーチラス号だった。
このあたりから似たような景色の部屋がいくつもある広いマップを移動する事になり、
迷子になりやすい。
このゲームは謎解き自体は全然難しくないのだが、
目的地を探してマップをさ迷い歩く事がゲーム難度の中心軸となっている。
世界征服を企むネオ・アトランティスに攻撃されるノーチラス号。
そしてネオ・アトランティスに拉致されるナディア。
ジャン達は部隊とともにバベルの塔に侵入するが、
部隊は壊滅してしまう。
ネオ・アトランティスのガーゴイルに待ち伏せられ、
危機一髪のところをグランディス一味に救われる。
ナディアは自分の出生の秘密を知る。
そしてジャンも人類の秘密を知るのだった。
最後の部隊はネオ・アトランティスの空中要塞。
その砲撃によってパリは火の海に・・。
(ジャンのおじさんは死んだんじゃ・・)
最後はガーゴイルの前へ。
エレクトラはネモ船長の盾になり銃弾に死す。
続いてジャンが撃たれ、ネモ船長も・・
主要人物3人の死体に囲まれるナディア。
わりとショッキングな光景だ。
ガーゴイルも空中要塞とともに大爆死。
ブルーウォーターの力で守られたナディアとジャン。
そしてジャンはブルーウォーターに命を与えられる。
ブルーウォーターは最後にエジプトへ最後の秘宝を取りに行くように言われる。
最後の秘宝とは世界樹の種だった。
種を植えると砂漠が緑に変わり、大きな世界樹の木がのびた。
『ジャン…ナディア…聞くがいい。
わがアトランティスは、世界をその手に収めるほどの科学力を持ちながら滅び去った。
それは、科学を盲信し、生命を弄んだ当然の報いだったのだ。
今の人類は我らがかつて歩んだ道を辿ろうとしている。
確かに科学は素晴らしい。だが決して万能では無いのだ。
大きすぎる力というものは、使いみちを誤れば、自らを滅ぼす事になる。
ガーゴイルやバンデルガルド王国のように…。
そうだ。だが、科学を否定する事もない。…わかるかね、ナディア。』
ナディア「はい。」
『ふたりとも、忘れてはならぬ。どんなに科学が進歩しようと、
人間もまた自然の一部分であることを』
ジャン「はい!」
『愛すべきアトラスの子らに、最後の秘宝を授けよう。
人間が自然の一部である事を忘れぬ限り、この世界樹が枯れる事はない。
私は人間を信じよう。』
ナディア「ブルーウォーター…。」
『…さらばだ。ジャン、ナディア。
いつの日か、あうこともあるだろう。私の役目は終わった。
多くのアトラスのための魂とともに、私は眠ろう。…さらばだ!』
ジャン「…いっちゃったね。」
ナディア「うん。わたし、感じたわ…。お父さんも、お母さんも、エレクトラさんも…
それに、ガーゴイルも…みんな、ブルーウォーターと一緒だった。」
ジャン「うん。僕も感じた。」
ナディア「…いつか、あえるかな…。」
ジャン「みんなに…?」
ナディア「うん。」
ジャン「きっと、あえるよ。ブルーウォーターだって、そう言ってたもの。」
ナディア「うん、そうだね。…ねぇ、ジャン?」
ジャン「うん?」
ナディア「…好きよ…世界中で一番。」
ジャン「僕もさ!宇宙中で一番!」
ナディア「ふふ。」
ジャン「あははは。」
「おーい!ジャーン、ナディアー。」
ジャン「あ、グランディスさん達だ!いこう!ナディア!!」
ナディア「うん!!」
ジャン「おおーい!!」
STAFF
DIRECTOR
RIN YU-KI
SCENARIO WRITER
RIN YU-KI
MAP DESIGN
RIN YU-KI
CHIEF PROGRAMMER
TEN-TEN
CHIEF DESIGNER
WAGACHAN
ORIGINAL MECHANICAL DESIGN
YASUHISA KATO
PUPPET DESIGN
SHALONG
MECHANICAL PAINTER
WAGACHAN
PORTRAIT PAINTER
SONAUTO TANAKA
GRAPHIC STAFF
HODOCHIN
NIN-NIN ORIGUCHI
SONAUTO TANAKA
WAGACHAN
SHALONG
MIULER
SHIGEMARO
BACK GROUND MUSIC DESIGN
SHIBA
GAME DESIGN
RIN YU-KI
SPECIAL THANKS TO
YASUHISA KATO
SATOKO SUZUKI
TERACHAN
PRODUCED BY
E-SAN
PRESENTED BY
namco
スタッフロールに何度も同じ人物が登場しており、
おそらく少人数のチームで開発したんだろう事がわかる。
たぶんRIN YU-KIという人が中心になって作り上げたんだろうね。
このゲームが発売した頃はアニメ放送終盤。
おそらくはアニメの結末を知らずに制作しているんだと思う。
中盤以降からはアニメとは異なる展開になっている。
登場人物が大量に死んでいく展開は凄惨だが、
まとまりの良いシナリオになっていると感じた。
1991年から1993年にかけて、
「ふしぎの海のナディア」を原作としたアドベンチャーゲームが、
メガトライブ版も含めて、パソコン版、PCエンジン版と3本出ている。
パソコン版はガイナックスが開発、
ノーチラス号艦内をメインの舞台にしたアナザーストーリー。
PCエンジン版はとある島に漂着したジャンやナディアの
サバイバル生活を描いたアナザーストーリー。
上記2作はビジュアルやアニメーションを売りにした
オーソドックスな紙芝居タイプのアドベンチャーゲームだったのに対して、
メガドライブ版はROMでの開発だった事から
(容量的な制約で)ビジュアルに頼らないドットキャラで展開するゲームに。
当時、3作ともプレイをしていたが、三者三様で面白かったね。