『はーりぃふぉっくす』シナリオログ


はーりぃふぉっくす
(マイクロキャビン)
1984年12月/AVG/7800円

国産初のグラフィックアドベンチャー「ミステリーハウス」を
世に送り出したマイクロキャビン。
そんなマイクロキャビンから、
ファンシーでかわいらしい絵柄のアドベンチャーゲームが登場。
それが本作「はーりぃふぉっくす」である。
これまでのマイクロキャビン作品とはまるで作風の違う本作が生まれたのは、
1983年10月にマイクロキャビンが開催したアドベンチャーゲームコンテスト」
ちなみに賞金は30万円。
コンテストのストーリー部門に入賞したのが本作なのである。
オリジナルはPC-6001mkII版。
今回プレイした88版は移植版で、グラフィックなどは全て描き変えられている。
(スペックが全然違うので、当時はそれが普通だった)

 

ゲームは動詞+名詞を日本語で入力して進める方式。
今回のシナリオログでは、読みやすさを優先し、
入力したコマンドは必要なときにしか記載しないものとする。
また一部展開がわかりやすいように
ゲーム中には表示されていない補足テキストを追記している。

 


昔、ロムスの森というところに、大変仲のいい親子ギツネがいました。


あるとき、子ギツネは、ロムス病という大変恐ろしい病気にかかってしまいました。


母ギツネは昔、おばあさんギツネに聞いた話を思い出しました。
ロムス病は、リール神社に隠されているという「油揚げ」を食べさせれば治る。



 


ここはロムスの森です。かわいいリスがいます。
リス「シビルの村にリール神社があるょ。気をつけてね!」


>木に貼られていたお札を取りました。

 


イノシシがいますねー。
イノシシ「ウルサイ!向こうへ行け!」

 


お地蔵さんがあります。

 


ウサギさんがいるよ。
「クストの山で迷わないようにね!」

 


前に赤い沼があって進めません。
>木にお札を貼りました。


あれ?
不思議な事に橋が出来た。

 


たぬき君がいますねー。
「やーキツネさん。お急ぎですか?」
「この道をまっすぐ行くと危険だよ。」

 


お地蔵さんがあります。

 


ここからはクストの山です。
ここは分かれ道です。

 


人間がいて前へ進めません。
>人間を叩きました。


タヌキ「イターーーィ。」
「アッ!お前はロムスの森の嘘つきたぬき!あのときはよくも…」
タヌキ「ご、ごめんなさい。二度と悪さをしないから、許してぇーー。」
タヌキはどこかへ行ってしまいました。

 


お地蔵さんがあります。

 


変わったお猿さんがいますねー。
猿「おっ、お前はロムスの森のキツネでねえか。まぁ、こっち来て一服しねーか?」

 


洞穴があります。

 


大きなクマがいます。
>クマに化けたら通過する事が出来ましたよ。

 


ここよりリエジの林です。
キツネに戻りました。
骨が落ちています。
>骨を取りました。

 


>先へ進みます。

 


お地蔵さんがあります。

 


恐ろしい犬がいて進めません。
>骨をあげました。
犬「あっ、骨だ!久しぶりの好物だ。」
犬はどこかへ行ってしまった。

 


蛇がいます。
>蛇を叩きました。
ポンポン。


あれ?不思議な事に仏像になりました。
>仏像を取りました。

 


シビルの村の入口です。

 


鉄砲を持った人間がいます。気をつけて!
>人間に化けたら通過する事が出来ましたよ。

 


キツネに戻りました。
馬がいます。綱で繋がれています。
>綱を切りました。
馬「ありがとう。あんたはいい人だ。
あんたキツネだろ。いいこと教えてやろー。
鐘を2回鳴らすと扉が開くそーだぞ。」

 


お地蔵さんがあります。

 


>先へ進みます。

 


ここが油揚げのあるリール神社のようです。
>鐘を2回鳴らすと神社の扉が開きました。

 


>中へと入ります。


>仏像を置いたら床が開きました。
地下室への入り口のようです。


>地下へと降りました。
変わった箱があります。
ダイヤルロック式のようです。


>数字を入力し箱を開けました。
箱が開きます。


何かいるようです。


おばあさんギツネ「私を覚えてますか?
私は長い間、この箱の中に閉じ込められておったのじゃ。
この油揚げを持って子ギツネのところへ行きなさい。
子ギツネはシタンの街のジーク病院にいる。
子ギツネは医者のヘーグじいさんに連れて行かれたのじゃ。
さあ、急ぐのじゃ、バース峠を通っていくがいい。」
>長い間箱の中に閉じ込められていた割にやたら事情に詳しいな・・。

 


洞窟の向こうがバース峠のようです。

 


大木が邪魔で前へ進めません。


>大木を何度も叩いたら穴が開きました。

 


>先へ進みます。


滝が前にあって進めません。
>鳥に化けて飛び上がりました。


>ここ、いきなり画面がスクロールするサプライズあります。


キツネに戻りした。
フクロウがいます。
フクロウ「ヘルプ」
>会話になっていません(^^;

 


ここよりシタンの街です。

 


ここはモール街です。

 


ここは子ギツネのいる病院です。

 


ジーク病院の入り口です。
>ドアを開けようとすると・・
暗号を行って下さいよ。
>暗号を入力すると病室へと進みました。




子ギツネがいます。


>油揚げを食べさせます。
子ギツネはみるみるうちに元気になりました。


親子ギツネは仲良くクロムスの森へ帰って行きました。


(C)1984 MICRO CABIN
ARROW SOFT
by I.Harada,H.Gokyu & K.Ito
Story T.Urata
Graphic M.Kato

 

 

ストーリー部門の入賞作品であるが、
ゲームのメインはマップの探索だった。
方角を方向キーを入力するだけで移動できるし、
移動できる方角が画面で示されているので便利だった。
マップの様々な場所に意味深に地蔵があるのは、迷いやすいマップの目印なのだろう。

なおMSXでリリースされた「はーりぃふぉっくす MSXスペシャル」は、
このマップ移動がトップビューのフィールド移動になっており、
他の動物とエンカウントすると戦闘シーンもあるというRPG要素が追加されていた。


MSX版のマップ探索シーン

 

【タイトルについて】
このゲームについて書かれているWebページや掲載雑誌には
「は~りぃふぉっくす」と記載されている場合も多いが、
パッケージでは「はーりぃふぉっくす」と書かれているので、
当ページではこちらを採用している。

 


病気の子ギツネを救うために油揚げを探す旅に出るシンプルなストーリーであるが、
おばあさんギツネがなぜ閉じ込められていたのか?
最期まで登場しなかった黒幕らしいヘーグじいさんは何者なのか?
解明されないまま物語は幕を閉じた。


最初に書いたように、本作のようなファンシーな絵柄のゲームは大変珍しく、
雑誌などで目立っていた。
女子向けのゲームか?と言うと、そういう意図はまったく無いと思う。
当時、女子がライトな感覚で遊ぶにはパソコンはハードルが高すぎたし、
何よりゲーム内容は全然ライトじゃない。(^^;
こういう雰囲気のゲームが世に出てきたのも、
アドベンチャーゲームコンテスト」でセンスの掘り起こしが行われていたからで、
マジカルズゥやエニックスなど、この頃頻繁に開催されていたゲームコンテストが、
ゲームの可能性を格段に広げた重要な役割を持っていた事がわかるだろう。