88ゲーム回想録(48)「プロジェクトA子」


プロジェクトA子
発売元:辰巳出版
発売時期:1987年4月
定価:2800円
対応機種::PC-8801

辰巳出版「アソコン」という
パソコンゲームソフトを紹介したムック本を出していた。
そんなアソコンの関連商品として「ディスク文庫」というソフトを生み出した。
書籍形態のパッケージにパソコンソフトが同梱される形のディスク文庫シリーズは、
4タイトルまでリリースした。
1作目は「素子姫アドベンチャー」、
2作目は「プロジェクトA子」、
3作目は「とらわれペンギン」、
4作目は「プロジェクトA子2」。
いずれも2800円という低価格で売られていた。

「プロジェクトA子」は1986年6月21日に公開された劇場アニメだ。
美少女キャラ達が登場するバイオレンスギャグアニメ。
もともとは「くりいむレモン」というアダルトアニメシリーズとして企画されていた。
(同時上映はシリーズの19作目「旅立ち~亜美・終章~」であった)
美少女キャラ好きをターゲットとした最初期のアニメという事になる。

 


1人か2人で遊べる。
1人で遊ぶ場合、プレイヤーはA子となり、ライバルのB子とすごろくで競い合う。
スペースキーでサイコロを投げる。


サイコロの目だけ進む。
止まったところでアイテムを手に入れたり、
イベントが起こってマスを戻されたり、1回休みになったりする。
進むマスは一本道でまっすぐ進むだけ。
アイテムはF2キーで入手、F1キーで入手したものを使う。
アイテムには相手を1回休みにしたり、自分の出目を操作したり、
様々な効果がある。


A子とB子が同じマスに止まると殴り合う。
ケンカに負けた方はマスを戻される。


イベントの数は多いが、
説明不足過ぎて映画を見ていないと何のシーンかすら理解不能

 


A子が先にゴールすると強制的にフリ出しに戻される。
たぶん1人プレイで簡単にクリアされないための設計なんだろうけど、
納得はいかないよね。

 


10回ほどプレイしたが1度も勝てず。
難しいとか言う前にゲームになっているかすら疑問である。
パッケージには「これは本か!?ゲームか!?」と書かれているが、
どちらかと言えば本なのかも知れないw


パッケージには「新人類型のアドベンチャーゲームとも書かれている。
このサイコロ振るだけのゲームを
アドベンチャーゲーム」と言い張るのは無理があるぜ。

 

本作のように「パソコンゲームショップ以外の販路で新しい市場を築こう」と
書籍扱いでゲームソフトの販売に挑戦した例は他にもあった。
パソコンゲームショップは田舎に行くほど店舗は少ないので、
本屋だったら大抵の町にあるからユーザーも買いやすくなるというわけだ。
しかしながら、全国のパソコン少年が買い求めたいのは、
ゲーム雑誌で攻略記事を組まれるような面白いゲームであって、
本作のように「安いから内容の薄さは勘弁してね」といったタイトルは、
本屋に置いてあっても嬉しくないのであった。(^^;