集中攻略『グラディウス』


発売元:コナミ
発売時期:1986年8月
定価:6800円

 


1985年5月にリリースされたアーケード版「グラディウス」。
そのセンセーショナルな存在感は、
横スクロールシューティングの代名詞となり、
家で遊びたいタイトルの一つとして憧れを集めていた。
まず最初に移植されたのはファミコン版。
アーケード登場から1年後の1986年4月25日。
100万本以上となる売り上げ本数となった。
それから3ヶ月後にMSX版が登場。
さらに3ヶ月後に登場したのがPC-8801mkIISR版であり、
コナミの88参入第一弾であった。
(88版から1ヶ月後にX1版が登場するが、マニュアルなどは共通のものだった)

 


まず何よりスプライト機能を持たない88で
横スクロールシューティングの代名詞が遊べる事自体が驚きだった。
画面が青い枠で囲まれているのはそういった
パソコンでシューティングを遊ばせるには仕方の無いカラクなのであった。

ファミコン版やMSX版がそうであったように、
88版もアーケード版の完全再現ではもちろん無い。
例えばオプションが2つまでしか装備出来なかったり、
上下にスクロールしなかったり、火山が噴火しなかったり・・。
当時の俺様やまわりの88ユーザーはそれにガックリと来たわけだが、
今プレイすると、ちゃんとグラディウスの雰囲気を再現している事に驚く。
FM音源に対応したBGMもそれを後押ししている。


ビッグコアもこの通り再現されている。

 


このステージは、アーケード版では上下にもスクロールするが、88版では固定。

 


最初に88版はオプションが2つまでしか装備できないと書いたが、
この画像では4つついているだろう。
この当時、「テクノポリス」などのパソコンゲーム雑誌には
市販ゲームを改造するプログラムが掲載されていた。
俺様が所持していたグラディウスも、
当時その改造プログラムを利用していたようだ。
それによってオプションは4つ装備できるようになっている。
また、今回のプレイはジョイスティックで行ったのだが、
ジョイスティックの対応も改造プログラムによるものかも知れない。

 


モアイもこの通り再現。


たぶん88版(X1版)だけの隠しアイテム出現。
モアイみたいなコレを撃つと牛乳瓶のようなものに変わり、
それを取ると1UPとなる。

 

 

さて、88版最大の欠点がコチラだ。


こちらはステージ6の細胞ステージなのだが、
細胞が暗すぎて見えないのだ。
ディスプレイの「明るさ」設定を上げてみると・・。


見えなかった細胞が見えてきた(^^;
つまり88版グラディウスは、
“細胞ステージに入ったらディスプレイの明るさを上げないと遊べない”
という最大の欠点があったのである(爆)
こんなもん、テストプレイですぐ判明しそうなもんだけど、
どうしてこうなった?


無理にそのまま遊ぶと見えない細胞に激突してすぐ死ぬ。
ボス戦もこの通り。
(目を凝らすと形状が見えてくるゾw)

 


88版のエンディングはこんな感じ。
スタッフロールは無く、すぐにステージ1から2周目になる。

 


さて、そんな「グラディウス」であるが、
X1版発売から約4ヶ月後にX68000
アーケード版がそのまま再現されたかのような移植が実現する。
しかも68本体を買うとそのグラディウスが付属されているという。
まさにグラディウスやりたいやつは68を買え」と言わんばかり。
これにより88版やX1版のグラディウスはさらに評価を下げ、
見向きされない存在となっていったのである。
(1991年11月に発売されたPCエンジン版によりそれは決定的なものになる)

 

余談だが、この当時はRPGがゲームの最新トレンドであり、
パソコンゲームの花形ジャンルになりつつあった。
ファミコンでも「頭脳戦艦ガル」というシューティングゲーム
“スクロール・ロールプレイングゲーム”と自称していた事が有名だが、
88版グラディウスもパッケージに
「究極のロールプレイング・シューティング」
と記されていた。
“ロールプレイング”という言葉がいかにパワーワードだったかがわかる。