『黄金の墓』シナリオログ


黄金の墓
(マジカルズゥ)
1983年8月/AVG/5800円

 

ゲームは動詞+名詞を日本語で入力して進める方式。
さて、今回のシナリオログでは、読みやすさを優先し、
入力したコマンドは必要なときにしか記載しないものとする。

 

<<< 旅の心得 >>>

その1.
移動したいとき。「イク」、「キタニイク」というように入れてください。

その2.
何かを見たいとき。「ミル」「サバクヲミル」というふうに.........

その3.
そのほか、「トル」「ハナス」「ハイ」などのように、場面ごとに色々あります。
文字を間違ったときはDELまたはCLRキーを押して下さい。

その4.
ゲームを始めるときに次のものを持っています。
150のパワー、150の水、100のお金。
パワーと水は1回の場所移動ごとに5ずつ減っていき、
どちらかが20以下になるとゲームを続ける事が出来なくなります。
また60以下になると両脇のフレームが点滅します。

Mystery of Egypt
私はクフ王を知っている....
真夜中、こう書かれた手紙が届いた。
「実はクフ王は生きていたのだ、そして私に宝の在り処を教えてくれた。
しかしそれは今、心無き者の手に渡ろうとしている。」
「君なら守れるはずだ..!!.」
さてその宝の在り処やいずこ!!!




あなたは今、灼熱の砂漠にいる。


なんのテントだろう。


占ってやろうかい?
宝物を探しているんだろう......
お前の捜し物の在り処を教えてやろうか?
お前に必要なものはなんだと思う?
>パワー
そのとおりだ......


この剣を持ってくがよい。きっと役に立つはずだ。


何かを売っているようだ。


鷹を買わんかね?
80の水と交換だ・・
きっと役に立ちますよ、ヒッヒッヒッ


川が流れている。
あなたは80の水を手に入れた。


あなたはピラミットの前にいる。
誰かがいる!


助けてくれ!
オロチがいる、君に倒せるか?
オレの名はロイド、よろしく頼むぜ!!


突然オロチが襲いかかってきた。
>つるぎ たたかう
よくやった、お礼にこのkeyをあげよう。


なにかが動いた、サソリだ!!


誰かの小舟だ!


船員が手を振っているよ!
お金を$50払わなきゃ乗せてくんないよ。
>はらう
どうぞ、お乗り下さい。


水でも飲んで休んで下さい。
しばらく休んだら出発だ。


むこうに洞窟が見える!
ヤバイ!盗賊に見つかったようだ!


みーたぁーなぁー!
>たたかう
勝ったぞ!奴らの逃げたあとには宝が残った。
ついでに食べ物も頂いてしまえ!


たくさんの宝物が残された。
この水晶には何かがありそうな気がする。


スフィンクスの瞳はまだ閉じている。


彼は死んだような目をしている。
目が何者かにえぐり取られている。
>水晶 はめる
スフィンクスの目が光った!!


おお!聖なるスフィンクスが目を開いた。
褒美に空と大地の力をやろう。
私がお前を守ってあげよう。


突然、追い剥ぎに囲まれてしまった。
俺様の子分になれ!
>はい
ほっほんとに!!………
それでは2、3日後に係の者から連絡いたしますので。


おぉーオアシスだ!
なにかと交換でなければ入れません。
>つるぎ わたす
どうぞお入り下さい。


女子「クフ王の宝を探しにきたの・・」
女子「かわいい子ね、キスしてくれたら教えてあげるわ。」
>キス する
女子「ありがとう、それじゃ教えてあげるわ。」


女子「あの森が怪しいの。」
女子「私が連れていってあげましょうか。」
女子「それじゃもう一度キスして。」
女子「明日の朝、森まで連れて行ってあげるわ。」


森の奥に沼が見えるぞ。
暑いな、泳ぎたいな。
>泳ぐ
女子「気持ちよさそうだね,,,…あっおや!」


わ、わ、わわわわわわわわわにだ!!!
女子「そこに石があるわ。」
>いし とる
女子「そうよ。」
>いし なげる
女子「やったね、ワニは逃げていったわ。」


さ、さ、さささささささささるだ!!!
わかった、通してあげよう。


キャンプをしたあとだ。
あっライフルがあるぞ。
やったライフルが手に入ったぜ!


崖の向こうに怪しい建物がある。
>鷹 のる


やった、空に飛び上がったぜ!
女子「さよなら、頑張ってね」


これは!...何かの基地だ。


き、君は...
よォひさしぶりだなァ。
まともに行っちゃやられるぜ、ほんとの入り口を探そう。
探そうぜ、タイムマシンのほんとの入り口を!


ヘェー、相当守りは堅いなァ。
よし!やったぞ!


とまれ!何者だ!!
>ライフル たたかう
ヨシ!仕留めた。そこが入り口だぞ!
やっと侵入できたぞ。


バキューン。
「ロッロイドー!」
「う、撃たれちまったぜ‥」
「あともう一歩ってところなのにな」
「俺のかわりに、財宝を見つけてくれ、、」
「楽しかったぜ、相棒」
「どうやらお別れのようだ…」


メインルームだ!
エンジンが止まっている!早く動かさないと敵が来るぞ。
スフィンクスに貰った力を使うんだ!
>大地の力 動かす
うっ動き出した!


タイムマシンは過去へと…宝を求めて。
ロイドの助けで浮上したマシンは、時間の隙間を過去へ飛んでゆく。


‥‥やがてマシンは凄まじい音をたてて、時間の壁にぶつかった。
そして、ただ乾ききった砂の上に辿り着いた。


頭が割れそうに痛い。ここはどこだろう?


ここまで来ればもうすぐだ。
よくやった、褒めてやろう。
私が最後の関門だ‥戦うか?
>たたかう
お前がこの旅で失った一番大きいものは?
>ロイド
そうだ。その彼から貰ったものは?
>友情
よし!宝をやろう。


宝とはこれだったのか…
いま秘密が暴かれる…


エジプトの宝とは、ユートピアの事だったのだ。
黄金よりも遥かに価値のある理想郷。
誰もが夢とロマンを求めて辿り着けずに死んでいった幻の街ユートピアだった。
そしていま、砂に包まれ、砂漠の下に眠る。

ROMAN AGAIN
1983.5.19
END


------ PRODUCTION STAFF ------
PRODUCER
TOKUJI FUJITA

EXECUTIVE PLANNER
TOKUJI FUJITA

PRODUCTION MANAGER
GEN FUKUI

PRODUCTION CONTROLLER
JUNICHI OKUSE

PROGRAMMER
JUN INOUE

ART DIRECTOR
YOSHITAKA OURA

TECNICAL ADVISOR
JUN YAMANAKA

SUPERVISOR
YOJI OKAYAMA

PRINTING MANAGER
KEIKO YOKOTA

CHIEF EDITOR
TAKESHI ITO

SCREEN PLAY
JUN INOUE&YOSHITAKA OURA

DIALOG COACH
TAKAKO OBAYASHI

SALES MANAGER
EIZO FUJITA

UNIT PUBLICIST
TAKANOBU ITO

PACKAGE DESIGNER
HIRONOBU SAITO

PACKAGE ILLUSTRATION
SHIGERU YADA

PROGRAMMER
TOMOHISA KATOH

ML ADVISER
HIROSHI TAKAHASHI

DEBUGGER A
MITSUYUKI ARAI

DEBUGGER B
HARUO KOMOOKA

DEBUGGER C
TAKESHI TAWARA

DEBUGGER D
KATSUYA SOFUE

FILM
STRATFORD COMPUTER.CORP.


------ CAST ------
FORTUNETELLER
URANAISHI

HAWK SALLER
TAKA URI

LEADER OF THIEF
OJISAN

FOLLOWER A
JUGENT

FOLLOWER B
JUGENT

STICKUP MAN A
THIS MAN

STICKUP MAN B
THAT MAN

STICKUP MAN C
THE MAN

SOLDIER A
A MAN

SOLDIER B
NO MAN

SOLDIER C
UNKNOWN

CREW
THESE MEN

OROCHI
YAMATA NO OROCHI

SPHINX
LION

SCORPION
XX KURAGE

CROCODILE
WANISAN

GORILLA A
GORI

GORILLA B
RAA

GORILLA C
HIS LOVER

TARANTULA
ZIGUMO SAN

HAWK
NAIKI

SHARK
JAWS

HORSE
HIGH-SEIKOH

STARRING
YOU AS THE HERO
TOUR FRIEND AS ROIDO
YOUR LOVER AS NEITO

HER FATHER
DOKOKA NO OJISAN

SATSUZIN
GEKIDAN ZOO

GAME DESIGNER・JUN INOUE&YOSHITAKA OURA

Presented by MAGICAL ZOO
'83 7 23

THE END

 

 

埼玉にあった家庭教師派遣会社「学習館」は、
早い段階で子供達の学習にパソコンを導入。
教育用ソフトの開発会社ストラットフォード・コンピューターセンターに転身。
教育ソフトの傍らでミニマムなアクションゲームなども開発していたが、
1983年、パソコンゲームの花形はアドベンチャーゲームだった。
国産初のグラフィックアドベンチャーゲーム
マイクロキャビンの「ミステリーハウス」が登場したのは前年の1982年。
この全く新しいゲーム表現に金脈ありと各社がイロメキだった。
ストラットフォードは、「第一回アドベンチャーゲームコンテスト」を開催する。
その募集要項が風変わりだった。


4枚のイラストを雑誌広告に掲載。
それぞれに「ツタンカーメンの謎」「ピラミッドの謎」
ムー大陸の謎」「インカ帝国の謎」と記されており、
「これらのイラストは入選作品のパッケージデザインになります。」
「応募作品はこれらをテーマに制作して下さい。」
としたのである。
最優秀賞、1名、30万円。
優秀賞、2名、10万円。
佳作、5名、2万円。
まさかこの賞金だけで応募作品を買い取ったわけではないだろうが、
とにかく「黄金の墓」(最優秀賞)と「ムー大陸の謎」(優秀賞)の2本が商品化された。
そのとき「マジカルズゥ」というブランド名を採用した。
つまり「黄金の墓」(と「ムー大陸の謎」)は、
「マジカル・ズゥ」ブランドの1作目という事になる。

応募された「黄金の墓」はPC-6001で開発されていた。
まずPC-6001版がリリースされ、88版はその移植であった。
88では珍しい(黒色が使われていない)淡い彩色の画面なのは、
PC-6001版のデザインを再現したためである。
(60から88へ移植されたゲームで60版そのままのグラフィックだったソフトは珍しい)

 

迷いやすいマップ、クセのある正解コマンド探しなど、
ただでさえ難解なのだが、
序盤で説明される3つのパラメータがさらに高難度なゲームにしている。
正しい行動で進めていても、パラメータが下がると行動不能になってしまう。
そうならないためには数値を回復できるポイントを探し出し、
常にパラメータの消耗に気を使わなければならない。
パラメータの値は画面に表示されているわけではないので、
減るたびにメモしておくのも忘れずに。

このシナリオログを見て、
「なんて支離滅裂なでたらめなシナリオなんだろう」と思った人もいるだろう。
だが当時のアドベンチャーゲーム
シナリオやストーリーを楽しむためのものでは無かった。
“何が飛び出すかわからないパンドラボックス”的な建付けであり、
プレイヤーがそこに広がる世界に好奇心の羽を広げ、
挑戦的な難易度に頭を悩ませながら、先の展開を紐解いていく・・
そんな存在のジャンルだったのだ。
そういう意味では、本作は好奇心を刺激されるに充分な題材であり、
グラフィックであった。
募集要項でテーマを絞ったのは正解だったと言える。

それにしても最後のオチを「ロイドとの友情」でつけるなら、
ロイドと友情が芽生えるシーンも欲しかったとは思う。(^^;
勝手に合流してきて、数シーンで勝手に射殺されたロイドに
友情を感じるのは無理があるw

 

本作は先にフロッピーディスク版がリリースされたが、
まだまだフロッピーディスクドライブは普及していなかったため、
後からテープ版を作った経緯があり、
容量を削らなければならなかった関係で、
テープ版はディスク版と内容が異なるらしい。
今回ログを残したのはディスク版である。