雀偵物語
日本テレネット
1991年3月29日／麻雀／8400円
ストーリー展開に合わせて麻雀対決をするゲーム。
7ヵ月前にPCエンジンでリリースされた同タイトルの移植。
ライセンス表示にアトラスの名前が入っているので、
アトラスが開発して販売を日本テレネットが担当したのかも知れない。
(PCエンジンでリリースされた続編からはアトラス販売になっている)
探偵：で、依頼ってなにかな？
舞：実は姉の優がいなくなったんです。
それで姉を連れ戻して欲しいんです。これ、姉の写真です。
探偵：かわいい子だね。お姉さん、家出か何かしたの？
舞：いいえ、誘拐です。カギと引き換えに姉を渡すって電話がかかってきて…
探偵：誘拐だァ？そりゃダメだ。僕の仕事じゃないって！それにカギってなに？
舞：私もなんのカギか知らないんですけど…
探偵：警察には届けたかい？
舞：それは出来ないんです。
探偵：どうして？
舞：父が病気で…命が危ないんです。いま、姉の事を知ったら、きっと‥
探偵：それで、か。わかったよ。なにか出掛かりはある？
舞：姉は新聞部にいて、
特ダネがあるとかでカメラを持って家を出たのが最後なんです。
探偵：ふんふん
舞：姉がそのとき持っていたカメラを友達が拾って届けてくれたのですが、
1枚写っていた写真があります。
探偵：なにが写っていたの？
舞：５人の女の子が麻雀をしている写真です。
探偵：かわいい子ばかりだね。あれ？でも一人が顔がわからないな。
舞：はい、その人だけは。でも、他の人の名前とかはわかりました。
探偵：この手紙に書いてあるわけね。なるほど…
舞：その手がかりと姉の顔写真は探偵さんにお渡しします。
お願いです。姉を探して下さい。
探偵：勝呂小織ちゃん、榊 弥生ちゃん…それから天城真理子‥
おや？この森沢 静っていう子、転校したんだね？
探偵：わかったよ。女の子の頼みは1度だって断った事は無いんだ。
探偵：写真の彼女達は、聖白河学園にいるんだね。
舞：はい。
探偵：入稿許可証ももらったし、やるか。立派な時計塔だね。
舞：100年以上も昔に作られたそうです。
言い伝えだと幸福と不幸の天秤と言われています。
探偵：ふーん、今はどっちに傾いているのかな・・・
こんな感じで写真の女の子だけを頼りに学園に潜入して調査していく。
まず最初に「万子派」「筒子派」「索子派」から選択する。
選択した牌をツモると技ポイントと経験値を得られる。
何をツモるのかは当然ランダムなので好みで選べば良い。
画面からのイメージで、
アドベンチャーゲームと麻雀ゲームを合わせたタイトルに思われるかも知れないが、
麻雀以外の場面では移動先をたまに選択するだけで、
ほとんどセリフ送りするだけで進む。
厳密には“アドベンチャーゲーム要素”(謎解きなど)は存在しない。
麻雀の間にストーリー紙芝居があるってだけだ。
女の子と出会うたびに麻雀で勝負するハメになる。(^^;
この強引さはアーケードの脱衣麻雀のようだ。
麻雀は二人打ち。
半荘終わるまでに相手より高い点数を獲得していれば勝ちでストーリーが進む。
負けてもまた挑戦できる。
経験値が一定に達するとレベルが上がる。
配牌前に技を選択できる。
技は蓄積したポイントを消費する。
使える技はレベルが上がると増えるようだ。
１人との勝負が終わるたびに事務所に連絡を入れるのだが、
そのときに再開するためのパスワードが確認できる。
(PCエンジン版はバッテリーバックアップに保存できる)
それにしても電話機の描き込みスゴーイ。
女の子の絵はみんなカワイイ。
そして何か頼むたびに「麻雀に買ったらいいわよ」と言ってくる。
負けた相手が服を脱がないのがとても不自然だ。(^^;
懐かしい！当時人気だったアナミラーズの制服だ！
この店ではウエイトレスと麻雀をして勝つとタバコを貰えるらしい。
そんな喫茶店あるかい！ｗ
いよいよ校長の屋敷へ向かうのだが、
遠いのでバイクを借りる事にした。
学園のバイク部が貸してくれるらしい。
バイク部？
バイクの描き込みが実に見事。
たぶんこれ描いた人はバイク好きなんだろうなぁ。
バイクの絵、多いって！(^^;
エンジンがかからないからと言って、
おもむろに目の前の扉を開ける。
無理矢理なエロシーン挿入・・ｗ
誘拐されていた優ちゃんをついに発見。
探偵：あっ、優ちゃん！
優：～～～！！
探偵：君が麗ちゃんか！
麗：そうです。そして優ちゃんをさらったのも私です。
探偵：なんで君みたいな子がこんなこと…
麗：探偵さん、父と理事長の話は知っていますか？
探偵：校長が理事長に負けた話かい？
麗：はい。日本一の雀士であった父が初めて負けたのです。
麗：それから父は何度も理事長に勝負を申し込んだのですが、
理事長は断り続け相手にしてくれなかったのです。
探偵：それで娘をさらって無理矢理勝負に引き込もうとしたと…
だがそれだけじゃない。
校長は学園に眠る財宝も欲しがっている。
その宝を手に入れるのに必要なカギもね。図星だろ？
麗：そこまでよく調べましたね。今度の勝負はそのカギをかけているんです。
探偵：今度のって？
麗：勝負はもう始まっているはずです。
自分の娘のために理事長は父との勝負に応じました。
探偵：ばかな！重病人なんだぞ！なんでそんなムチャを！
麗：二人とも命と一番大切なものを賭けているのです。雀士の名誉のために…
探偵：二人はどこにいる！
早く止めさせないと理事長は死んでしまうかもしれないんだ！
麗：探偵さん。私も雀士の娘です。勝負をしましょう。
探偵：なんだって？
麗：私が負けたら優ちゃんを渡し、二人の居所をお教えします。
あなたが負けたらこの事件から手を引いて下さい。
探偵：勝負の方法は麻雀だな。
麗：そう。あと、あなたが私に勝つか、諦めるまで勝負を続けます。
でも理事長の体の具合もあるしのんびりはしてられませんよ。
探偵：わかった…！その前に優ちゃんと話をさせてくれ。
麗：どうぞ。
優：探偵さん！父を助けて！おねがい…
探偵：任せておけ。必ず助けてあげる。君もね。
麗：もういいかしら？
探偵：待たせたな、いくぜ！
麗：気をつけて。わたし、強くってよ！
探偵：やったぜ！さ、約束を守ってくれ。
麗：はい、優ちゃんのカギです。それと、父は今、学園の時計塔にいます。
優：探偵さん！
探偵：優ちゃん！大丈夫かい？
優：はい！探偵さん！これを持っていって下さい！
探偵：これは、あのカギなのか？
優：そうです。先祖代々、私の家にはこのカギが、
校長先生のところにはもう1つのカギが受け継がれてきたんです。
探偵：そうか。でもなぜ今までこのカギを使わなかったんだ？
麗：父がもう宝は手に入れているって…校長先生も自分も二人で…
探偵：？
麗：なんですって？
優：もう‥もうカギは使っちゃいけないのよ！今が１番幸せなときなのに…
探偵：もしかして…水門のカギなのか！
麗：そうです。いま、水門を開けたら…探偵さん！校長先生を止めて！
そして最終決戦の時計塔へ。
探偵：ついにきた！この扉の向こうに校長がいる。
探偵：校長ォ！
校長：おお、来ると思っていたよ。探偵くん。理事長はここにいる。
しかし、もうすぐお迎えが来そうだがね。はっはっはっ。
探偵：理事長！大丈夫ですか!?
理事長：むすめ、優‥は‥
探偵：安心して下さい、無事です！
聞け！校長！お前の欲しがっているカギはここにある。
理事長と引き換えだ。さあ！
校長：いやいや、それはできないな。
探偵：なんだと！
校長：私はかつて無敵の雀士と言われていた。
だがこいつのおかげで今じゃナンバー２だ。
しかしこいつが死ねば再び1番だ！そして宝も手に入れられるというわけだ。
クックックッ、素晴らしい事じゃないかね。
カギを持ってきてくれてありがとう。
礼を言うよ。探偵くん、私の富と栄光のため、死んでもらおう。
探偵：待て！その前に俺とこいつで勝負してくれ。
冥土の土産に最高の雀士と打ってからにしたいからな。
校長：よかろう。お前の気の済むまで付き合ってやる。
探偵：どうした？校長？
校長：ふっふっふ！
探偵：あぶないっ！うわっ！
校長：ククク！残念だ。最強の雀士を1度に二人も失うとはな。
おっと、動くな！ククク！
カギはもらった。これで宝は私のものだ。
探偵：卑怯者め！
校長：けっこう、けっこう。私は卑怯者でもかまわんよ。
では、宝を拝見するとしようかな。
探偵：まて！校長！
校長：君は待ったが多いな。なんだ？
探偵：カギをさすな。それだけだ。
校長：何を言っておる。バカめ！
校長：さて、最後にこいつをさして…
なっなんだ！どうしたんだ!!
探偵：欲張りものは必ず痛い目をみるのさ！
この時計塔が２つの盆地に水を送るのを止めていた水門とは気づかなかったのか？
理事長：そうだ校長！我々の先祖が命を賭けて水を塞き止め…
生活を築いてきたというのに…！
校長：あ、あの古文書はその事を言っていたのか！
探偵：宝はもう手に入れていたのさ！
探偵：時計塔と２つの盆地で作られた天秤は、欲の重さで不幸に傾いてしまった。
だがあれから水門は閉じられ、カギは湖の中へ沈められた…
そしてこの水門はただの時計塔に戻り、幸福な時を刻むことだろう。
理事長：ありがとう…君には迷惑をかけた。
舞：探偵さん、姉を助けてくれてありがとう…
優：あなたが来てくれなかったら、今頃、わたし…
探偵：いや、そんな。困っちゃうな。
理事長：そうだ。遅れて申し訳ない。これを…
探偵：あ、いや。いいですよ。
舞：だけど…
探偵：俺は女の子の頼みは断った事は無いって言ったろ。
これは依頼じゃなくて、舞ちゃんとの約束だからね。そういう事さ！
舞：でも、それじゃ…困ります…
そうだ、それなら探偵さん、なにか欲しいものありますか？教えて下さい！
探偵：ボート!!
スタッフロールは無し。
ありそうなゲームなんだけどね・・。
本作の魅力はやはり女の子がカワイク描けている事と、
描き込まれたビジュアルにあると言って良いだろう。
対戦麻雀を繋げるための無理矢理なシナリオは、
最後にカリオストロの城のパロディという好き勝手なオチで終わる。
校長と理事長で先祖代々守ってきた学園て、
どこの国の話だよｗ
やっぱり本作は脱衣があって初めて成り立つような建付けなんだよ。
このゲームのオリジナルであるPCエンジン版はCD-ROMのゲームである。
比較プレイはしていないので、シナリオに変更があるのかどうかは不明。
PCエンジン版は当然ながら
ボイスがふんだんに使われたビジュアルが売りとなっている。
そのゲームをメガドライブに移植する意義はなんだったのか？
当然ボイスは鳴らないし、容量だってROMの方が少ないから
アニメーションなどもカットされている。
いわば劣化移植のメガドライブ版なのに、
ＰＣエンジン版の6780円より1620円も高い。
これ、新品で買った人いたのかなぁ～。
せめて7ヵ月後に出るメガCDに移植した方が良かったんちゃう？
