やっぱりセガが好き第36回「バトルゴルファー唯」

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バトルゴルファー唯
(セガ)
1991年2月15日/ゴルフ/6000円

 

ゲーム機の売り上げを後押しするゲームソフトと言えば、
みんなが知っている超有名タイトルの続編が出るかどうか。
いわゆるキラータイトルと呼ばれる存在が大きい。
ドラゴンクエスト」だとか。「ゼルダの伝説」だとか。
だが80年代当時のゲーム機には、そもそもそこまで牽引するタイトルは少ない。
アーケードの人気ゲームが移植されるかどうかは重要だったが、
スペック的に完全再現は期待できない時代。
そんな時代の中で、売り上げに貢献すると思われていたのは、
いわゆる「定番ジャンル」と呼ばれるものだった。
麻雀、野球、ゴルフ・・といったすでにファンを多く持つジャンルである。
例えばゴルフゲーム。
ファミコンでは、本体発売から10ヶ月後に「ゴルフ」をリリース。
PCエンジンでは、本体発売から1年4ヶ月後に「ウィニングショット」
セガマークIIIでは、本体発売から1年2ヶ月後に「グレートゴルフ」
そしてメガドライブも、本体発売から9ヶ月後に
尾崎直道のスーパーマスターズ」を投入している。
ゲーム機を欲しがる一番のターゲットは子供だが、
お父さん世代も興味を持ってくれるかも知れない・・
といった思惑もあった。
(ゴルフ中継を観るような子供は少ないしな)

そんな中、メガドライブで2本目のゴルフゲームが登場した。
そのゴルフゲームは、
お父さん世代をガン無視したゴルフゲームだった。
それが本作「バトルゴルファー唯」である。

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「偉大なる我が総統プロフェッサーG!」
「これが今回コンピュータが弾き出した2体のリストです。」
「バトルゴルファーの素体としては、最適かと思われます。」
「はじめの素体がミズハラユイです。もう一体はリュウザキランです。」

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「総統のご決断を仰ぎたいのですが?」
「ふむ・・・気に入った。すぐに我がもとへ連れてくるのだ!」

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悪の組織ダークハザード。
彼らはプロフェッサーGを総統と仰ぎ、
バトルゴルファーを使って世界征服を企んでいた。

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「お前は今日からバトルゴルファーに生まれ変わる!」
「そして私の忠実なる下僕ブラックファイアーとなるのだ。」
「いや~!」

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「な、なんだ、なにごとだ!おい!きさま!あっ!ぐぁ!」

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「歩けるか? 出口は向こうだ! 早く行け!」
「あ、あなたは?」
「説明しているヒマはない!」
「ランは?髪の黒い女の子がいたでしょう!」
「あぁ、わかっている。彼女も私が助ける!」
唯は謎の男に助けられ、脱出に成功した。
そして・・・、幾日かが過ぎた・・・。

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「ランからは何も連絡がないし、助けてくれたあの男の人は一体・・・」
『・・・ハザード財団主催のマッチプレートーナメントが、
ギル・カントリークラブにおいて・・・』

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「ハザード!」
「このトーナメントに出れば、何かわかるかも!
ギル・カントリークラブ・・・行くしかない!」
唯は一人、ギル・カントリークラブへ向かった。

 

こんなプロローグで始まるこのゲーム。
ゴルフ特化の改造人間にされた主人公が、
悪の組織からの刺客とゴルフ勝負をしながら、
友達のランを救い出そうとするお話である。

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コースはトップビューで描かれている。
ショット以外は情報コマンド。

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ショットを選ぶとクラブ選択、ボールを打つ位置変更、
ワザ選択、打つ方向・・といったものを決められる。
全て決めたらパワーゲージで打つ強さを決める。
どうやらショットミスの要素は無さそうだ。
システム的には比較的オーソドックスなゴルフゲームだが、
このコースをよく見て欲しい。
これ一番最初に挑戦するコースなのだが、
野球場の形をしており、バンカーが変則的に設置されている。(^^;
何度もプレイして打球の方向や強さを研究しないと、
まず間違いなくバンカーに落ちるだろう・・。
それをサポートするために「ワザ」が存在する。
この「ワザ」はSPというパラメータを消費して使うのだが、
ワザには様々な性能のものがあり、
こちらもそれを熟知しないと上手く活用する事が出来ない。
トライ&エラーで特殊なコースの形状とワザの特性を自分のものにしていくと
はじめてまともな打数でチップインできる。
この時点でゴルフをゲームで楽しもうとしていたお父さん世代
目を丸くしたに違いない。
「これは一体・・ゴルフと呼んでいいのか・・!?」と。
本作はゴルフを元にした変則スポーツゲーム
カービィボール」や「ケロケロキング」の始祖的存在と言っても良いだろう。

 

ゲームが進むと次々と変則的なコースが待ち構えている。
何一つまともにゴルフが出来るコースは無い(爆)

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ダークハザードからの刺客は4人。

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ハガタ ミツル。
巨人の星」に登場する花形満のパロディ。
唯をホシ君だと思っている。

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最初の勝負に勝つとドMの変態である本性をさらけだす。

 

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キタコ。
ゲゲゲの鬼太郎」のパロディで、頭に「目玉のかあさん」が乗っているw
唯を妖怪“ぬるりひょん”だと思っている。
(みんなそんなヤツかw)
どうやら“かわうそオトコ”という妖怪仲間に騙されて
ダークハザードに協力する形になってしまった模様。

 

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ディボット。
なんと怪傑ズバット」のパロディだw
当時もそんなにメジャーなヒーローじゃないからね(^^;

「アスカジロウという男を知っているな!」
「へっ?」
「アスカを殺したのはお前だな!!」
「な、なに言ってんの!?知らないよー!」
「うそをつけ!!」
「え~ん!この人、怖いよ~!」
「ミズハラ ユイ・・・俺の見たところ・・・日本で二番目のゴルファーだ!!」
「じゃ~一番は誰よ!!」

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「ヒューー!チッ・チッ・チッ・・・」

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「お・れ・さ!」

・・というお馴染みのやりとりまで再現。
たぶんズバット観たこと無い人はポカーンだ(^O^;

 

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最後の刺客はシミュレーションマシン・YUI。
唯そっくりに作られたアンドロイド。

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ゴルフ対決に勝ったあと、
唯の強烈な右ストレートで顔面崩壊(ヒエー)

 

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ゴルフ対決に勝利すると経験値が入り、唯のレベルが上がっていく。
SPが上がるとワザもより多く使えるというわけだ。
また、勝利した対戦相手のワザを習得できるので、
ゲームを進めるごとに攻略の幅が広がっていくぜ。

 

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4人との対決を終えると、
書庫の奥の呻き声の正体を探るため、
奥へと進む手がかりを集める。

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ハダカ、キタコ、ディボットと再戦し、
情報を集めたら隠し扉の先へ進めた。

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隠し部屋には唯を助けた男が囚われていた。
そしてバトルゴルファー計画の全貌を知るのだった。

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そしてプロフェッサーGとの対決へ。

 

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プロフェッサーGを倒すと、
バトルゴルファーとなり洗脳されたランが立ち塞がる。
いよいよこれが最後の戦いか!?

 

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唯はGの死体から気味の悪い笛を取り出して戦いの場へ向かう。
ブロフェッサーGの笛・・。
これはランの洗脳を解くカギになるかも知れない。
人造人間キカイダーでもそうだったし。

 

ランとの戦いはフルラウンド戦う。
今まで出てきたコースの使いまわしなのは残念。
さて、ランに勝利するが、まだ洗脳は解けていない。
そうだ!プロフェッサーGの笛だ!
これを「吹く」か「壊す」かの選択を迫られる。
思い切って壊してみる。

「もう、迷ってられない!壊すしかないわ。」
唯はGの笛を壊した。
「キャーッ!・・・・・・」

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「ラン!・・・ラン! しっかりして!ラン!」
「うっううう・・・ここは・・・私はいったい・・・?唯?唯じゃない!」
「よかった!ラン!記憶が戻ったのね!」
「大丈夫?ラン!立てる?」
「えっ?ええ・・・大丈夫! それより私いったい・・・?」
「あとで・・・話すわ・・・あとで・・・
さぁ、ラン!手を出して、私につかまって。」
「ええ! ありがとう唯!」

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それは一瞬の出来事だった。
誰がこの事を予測できたのであろうか?
ドクターTの言葉、炎と雷あわさるとき・・・
それはまさにこのことを示していた。
ダークハザードを葬るため、ドクターTは組織の地下原子炉に密かに爆弾を仕掛けた。
そして爆弾のスイッチを唯とランの体に組み込んだのだ。
炎・・・つまり唯と雷・・・ランが合わさった今!
全ては終わりを告げた。
多くの犠牲と共に・・・。

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「臨時ニュースをお伝えします。
今日、午後2時半頃、マッチプレートーナメントが開催されていた
ギルカントリークラブで原因不明の大爆発があり、多数の死傷者が出た模様です。
爆発の原因についてはまだ分かっておりませんが、
死者の数およそ2万人。負傷者の数・・・」
 


-STAFF-

PLANNER
きんちゃん68000
しゅみれちゃん

SCENARIO
きんちゃん68000

CHARACTER DESIGNER
あの おかた
まっぴらくん
ひとりん.はがいたい

GRAPHIC DESIGNER
まっぴらくん
ひとりん.はがいたい
としちゃん
かんちゃん
たった

PROGRAMMER
キャサリン
つかさちゃん

SOUND
なかちゃん 3さい
けんたくん.やだ!
まるちゃんは おもった
きょぽりらん

SPECIAL THANKS
LAR
B O

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「ねえ・・・」
「なに?」

 

爆発した二人。
そして最後はランと唯らしき後ろ姿。
謎を残したままの終劇。
なんだかモヤモヤする終わり方。
ひょっとしたバッドエンド?

そこでもう一度エンディング前に戻り、
今度はプロフェッサーGの笛を吹いてみた。
すると唯がダークハザードの総統として目覚めてしまってゲームオーバー。(^^;
こっちの方がバッドエンドだったみたい・・。

 


本作の魅力の一つは唯のキャラクターだと思うが、
キャラクターデザインを担当したのはANO清水さん
「銀河任侠伝説」「メルヘンメイズ」「負けるな!魔剣道」など
その絵柄でゲームの魅力に貢献している担当作品も多い人だ。


軽いノリのシナリオとバロディ精神。
大雑把なゲームシステム。
どことなく当時のパソコンゲームを思わせる肩の力が抜けた作風は、
メガドライブならではのカオスな存在感を発揮していたように思う。
みんなが求めるアーケードゲームからの移植だけでなく、
こういうディープな作品も折り混ざる事で
セガセガしさを形成していったのである。