やっぱりセガが好き第37回「マージャンCOP竜 白狼の野望」

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マージャンCOP竜 白狼の野望
(セガ)
1989年12月14日/麻雀/5500円

 

ゲーム機の売り上げを後押しするゲームソフトと言えば、
みんなが知っている超有名タイトルの続編が出るかどうか。
いわゆるキラータイトルと呼ばれる存在が大きい。
ドラゴンクエスト」だとか。「ゼルダの伝説」だとか。
だが80年代当時のゲーム機には、そもそもそこまで牽引するタイトルは少ない。
アーケードの人気ゲームが移植されるかどうかは重要だったが、
スペック的に完全再現は期待できない時代。
そんな時代の中で、売り上げに貢献すると思われていたのは、
いわゆる「定番ジャンル」と呼ばれるものだった。
麻雀、野球、ゴルフ・・といったすでにファンを多く持つジャンルである。
例えば麻雀ゲーム。
ファミコンでは、本体発売から1ヶ月後に「麻雀」をリリース。
PCエンジンでは、本体発売から8ヶ月後に「戦国麻雀」
セガマークIIIは、少し遅れて本体発売から2年後に「麻雀戦国時代」
ゲーム機を欲しがる一番のターゲットは子供だが、
お父さん世代も興味を持ってくれるかも知れない・・
といった思惑もあった。
(雀荘に通うような子供は少ないしな)

そんな中、メガドライブでも本体発売から1年2ヶ月後に麻雀ゲームが登場した。
その麻雀ゲームは、
お父さん世代をガン無視した麻雀ゲームだった。
それが本作「マージャンCOP竜 白狼の野望」である。
(あれ?なんか最近、似たような文章書いた気が・・)


1989年1月
雀狼会は滅んだ・・・
しかし・・・新たな恐怖が今 始まろうとしていた・・・

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と、いきなり後日談的なオープニングから始まる本作。
実は本作は1988年にアーケードでセガがリリースした
「スケバン雀士竜子」の続編なのである。
(開発は「サントス」(旧社名「ホワイトボード」))
ドラマ「スケバン刑事」をパロディにした脱衣麻雀ゲームで、
セガが最後にリリースした脱衣麻雀タイトルとなっている。
まあ、それは良いんだけど、
「スケバン雀士竜子」自体がそれほどメジャーなタイトルじゃ無かったのに、
いきなりみんな知ってる前提の続編だし、
脱衣麻雀だったのに、主人公を男に変えて脱衣要素廃止だし、
色気ゼロの渋いパッケージだし・・(「哭きの竜」みたいw)、
一体誰に対して売ろうとしているのかよくわからない存在であった。

 

主人公・竜は、警視庁麻雀特捜部のエージェントである。
暗躍する麻雀シンジケート「白狼」に囚われた竜子を救うため、
白狼のメンバー達と麻雀で戦っていく。

 

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雀荘にいたのはコマンド・ビネガーというゴツい男。
「はなす」「おどす」などのアドベンチャーゲーム風のコマンドで会話をする。
会話が一通り終わると「麻雀で勝負だ!」という事になる。

 

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対局は二人打ち。
で、このゲーム。普通に麻雀を打ってたらすぐに勝てなくなる。
自分の点数が0を下回ったらゲームオーバーになるわけだが、
スタート時のプレイヤーの持ち点が1500点しかなく、
何を上がられても一撃でゲームオーバーになるし、
相手もノーテンで終わる事はほとんどなく、
早めのリーチから数手で上がるように設計されている。
もともとが脱衣麻雀なので、設計思想も継承しているのだろう。
実は本作はまともに対局を楽しむゲームでは無いのだ。
相手に勝つためにはイカサマ技を使う必要がある。

 

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まず対局前にツミコミ技を選択する。
ツミコミとは、最初の配牌で狙った役に最初から近い配列にすること。
交換したい牌を選択できる「パイコウカン」以外は、
役を直接指定できる技になっている。
相手に勝ち続けていくとレベルの高い技も使えるようになる。
使ったからといって何かが消費されるわけじゃないので、
高い役を狙っていこう。
(相手に負けると逆にレベルが下がって使える技が減っていく)

ツミコミをするとかなり揃った状態で始まるので、
選択した役が揃うように狙っていこう。
牌をツモっていくとたまに「イカリ」「ESP」というパワーが蓄積される。
リーチまで行ったらイカリパワー」を使おう。
これは牌をツモる前に使用し、
Cボタン連打でゲージを貯めてからAボタンでツモると、
狙った牌が来やすくなる技だ。
06
この流れで上手く上がると、とんでもなく高い役であっという間に上がれる。
そして一撃で相手を倒す事ができる。
他の麻雀ゲームではありえない圧倒的速攻勝利は爽快感がある。
ちなみに「ESPパワー」は相手の手を透視できる能力だが、
相手の手を見て振り込み牌を考える暇は無いのでほとんど使わない。

 

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運が悪いと上記の流れでも相手に先に上がられて即ゲームオーバーだが、
「つづきを遊ぶ」を選べば進行したところからやり直せるので安心だ。
パスワードで後日再開する事も可能。

 

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二人目の相手は「カメンへんだ~」
木梨憲武がコントで演じた「仮面ノリダー」のパロディだ。
ちなみに「仮面ノリダー」も「仮面ライダー」のパロディである。(^^;

 

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三人目の相手は「さんば てつお」
丹波哲郎のパロディ。
勝利すると竜子があっさり救出される。

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竜子の情報を元に白狼のボスであるジャレイジの元へ。

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だがジャレイジはニセモノだったのでボコボコにした。
ニセモノの情報を元にヨコハマのウーロンビルへ入る。

 

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五人目の相手は「しらき かおる」
全然似てないが、モデルはAV女優だった黒木香
(白木みのるは関係ないよね?w )

 

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ビルの階を上がるとそこには「デビルおおぐれ」が。
デーモン小暮のバロディだろう。
だが、おおぐれの前になぜかこの場所に似つかわしくない女子と対局。

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六人目の相手は「こんどう しすか」
どうやら工藤静香のパロディらしいが、まったく似ていない。
パロディするならちゃんとして欲しい。(^^;

 

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「しすか」のあとに「デビルおおぐれ」を倒して、
八人目の相手は「ロボジャンシ」
たぶんロボコップのパロディ。

 

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九人目で本物の「ジャレイシ」を倒すと、
竜子が登場し「私が白狼の真の支配者!」と告白。
ロボットのようにこきつかわれるエージェント生活に疲れたらしい・・。
仲間にならないかと誘われたので「はい」を選択してみた。

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思った通りのバッドエンドでゲームオーバー(^^;;

気を取り直して竜子と対局。
竜子は主人公と同じくイカリパワーを使ってくるので苦戦するが、
なんとか勝利。

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1989年・冬

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その後・・・・・
竜子を見たものは誰もいない・・

そして 竜は

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チーフ プランナー
カナヤマ58000

ゲーム プランナー
こまづかい オオツ

グラフィック デザイナー
アノ しみず ドライ
ヒノーイ とりうみ スペシャ
ジャイアン かなやま

プログラマー
ピ~ンチ すずき
マンドラゴラ まるやま

サウンド
アルアル なかやま
ヒャー まるやま
アダルトビデオ かめい

スペシャル サンクス
ヒロシマン やまもと
カメ いじろ~
ヒューヒュー しばた

 

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とまあ、こんな感じで麻雀対局をベースとして
イカサマ技を使って素早く高い役を上がりながら
パロディキャラとの勝負に勝ってストーリーを進めていくゲームだ。
この構成って前回紹介した「バトルゴルファー唯」そっくりではないか?
「バトルゴルファー唯」もゴルフゲームをベースにした
ゴルフとは違う何かだったし(^^;
それもそのはずだった。
「バトルゴルファー唯」のディレクター「きんちゃん68000」さんと
「カナヤマ58000」さんは同一人物だったw
そう言えばエンディングの思わせぶりな雰囲気も似てるね。

キャラクターデザインを担当したのも
「バトルゴルファー唯」と同じくANO清水さん。
どうやら本作の構成を継承したのが「バトルゴルファー唯」と言えそうだ。