やっぱりセガが好き第82回「パノラマコットン」


パノラマコットン
サンソフト
1994年8月12日/シューティング/9500円

 


「コットン」は1991年3月にアーケード向けにリリースした
横スクロールシューティングで、
ほうきに乗った魔法少女が主人公のカワイイ世界観、
それらを魅力的に表現したビジュアルが人気となった。
開発はサクセスで販売はセガが行った。
本作はそんな「コットン」の派生作品で、
アーケード版「コットン」の移植ではなく、
画面の奥面に進む疑似3Dシューティングとして制作された。
ちなみにアーケード版「コットン」は
1993年2月にPCエンジンへと移植されているが、
メガドライブには登場していない。
また、販売もセガではなくサンソフトである。
(開発はアーケード版と同じくサクセス)

 

昔々の事、この世の全ての世界を照らす7色のウイローが、
悪い黒天使ウールによって持ち去られてしまいました。
やがて光は失われ、闇から現われた魔物達が、
次々と世界を荒らし始めてしまいました。
たいそう心配された妖精の国のベルベット女王は、
それはそれは大変美しい妖精のシルクに、
奪われた7色のウイローを取り戻してくるように言い渡されました。
とても美しいシルクは、
ウイローの好きなコットンという魔法使いに話を打ち明け、
力になってくれるよう頼みました。
美しいシルクの願いをこころよく引き受けたコットンは、
美しいシルクと力を合わせ次々に闇の魔物をうち倒していきました。
長い戦いの末、黒天使ウールを倒し、
7色のウイローを再び女王様に返す事ができたそうです。
こうして世界に暖かな光が降り注ぎ、
元の光あふれる美しい世界が蘇りました。
そして魔法使いコットンは、新たな冒険に向け旅立っていきました。
美しいシルクは、女王様に大変ほめられ、
後々の世まで[妖精シルク]の名は、人々の間で語りつがれてい

「お姉ちゃ~ん!大変!!女王様が…ベルベット女王様がーっ!!」


「女王様の様子がなんだかおかしいの。
大聖堂にみんなを集めて、変なことを言ってるの~っ!」


「エーーッ!どういうこと?」
「今ちょうどノってるところなんだけどなぁ~。」
「も~~とにかく早くお城に来てよ~っ。」


「けさ私は、城の庭園で大変な物を発見してしまいました。」
「256枚有るはずのポコペン草のハブビラが255枚しかないのです。」


「これはまさしく、世の中がひずんできている証拠です。」
「このままにしておくと、やがて必ず恐ろしい事が、起こるはずです。
この国のみならず、災いは全ての世界に降り注ぐ事でしょう。」


「残念な事に、この災いを食い止められる物は、
私をおいて他におりません!!!」


「さあ、今こそ旅立ちの時です。」


「私を待っている世界の人達の為、ハイヨーー!ピンキー!!」


「世界の平和は必ず私が守ってみせます。」


「女王様~!!待って下さ~い。」
「何処へいかれるんですかーー。」
「お姉ちゃんどうしよう。あのピンキーは国の宝獣、
ああ見えてもフィラメント1の速さなの。
私達のスピードじゃ~とても追いつけないよーー。」


「あっ!!たいへ~ん。」
「イリュージョンドライブで次元の壁を突き抜けちゃった~。」


「あの壁を越えちゃうと、もうどの次元に行ったのかわからないわ。」
「ねえニット、女王様のおかしくなった原因に何か心当たりない?」
「う~ん。そういえば城のはずれに焦げたウイローが落ちてるんだけど
そのウイロー、変なニオイがするの。
近づくと気分が悪くなる子もいて、私もなんだか今ちょっと、頭が重いの。」
「えっ!ほんと?別にそんなニオイしないけどなぁ~~~。」
「今ちょっと、鼻づまり気味だから、よくわかんないゃぁ~。」


「なんでも、最近北の方から来た魔物達がウイローと見ると無差別に、
次々と焼き払っているらしいの。」
「もしかしたら、あそこに有るのにその一つかもしれない。」


「女王様、大丈夫かなぁ~~~。」
「とっても、心配。」
「とにかく、どうも焦げてるウイローが原因らしいわね~。」


「何とかしなくちゃ!」

 


「ウ~ッ、ウイローゥ~~~ッ。」
「どこどこどこに…ブツブツブツ」


「★★・あっ!・・・・・・・★・・・・・・あれは・★!!!!!」


「うううっ。これ案外重た~い!この焦げたウイロー、
何処に捨ててこようかな~~。」


「無闇な所へは捨てられないし、もう少しいったらポッカリ山脈があるから、
その火口にでも投げこんじゃおうかなぁ~。」
「ヘッ??」


「いただきーーーーモグモグモグ、デハハハハハ、モグモグモグ…
アングモグ・モグ・モグ…モグモグ………モグ………モグ
………………………………………★…グ!!」


「ダーーーーーーーーーーーッ!!」


「だんてぼのだべざずのよ~~。
ごんなべんてごなぼの、よくもだべざじダ、ババチーーーッ!!」


「あーーーっ!!またアンタね!!」
「どうして毎回毎回、こんなことするのよ~~~~っ。
さては何かあたいに恨みでもあるんでしょ~~っ。
さあ、白状しなさい。」
「ムニ~~。違いまムニョ~~。」


「北の方から来たマムニョ達が、
ウィローを焼いて大変なムニニになってたりスルムニョ~ン。」


「なっ・なんですって!!あたいの大事な大事なウイローちゃんを、
食べずに焼いているですって!!」


「絶対、絶対、絶対、絶~対に、許せないプ~~~~~~~~ン!!」
「魔物だかなんだか知らないけど、こらしめにイクポ~~~~ン!!」


かくして、でこぼこコンビ★シルクとコットンのくた新たな旅の始まり始まり!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どうなることやら・・・・・・・?????

 

4分ほどある長いオープニングだが、
たいした事伝えてないw

 

 


画面は自動的に奥面へと進む。
方向ボタンでほうきにのったコットンを8方向に移動。
Aボタンはスピード調整で3段階変化。
どういうタイミングでどのスピードにすれば良いのかはわかりにくい。
Bボタンでショット。
押しっぱなしで連射になっている。
また、しばらくBボタンを押していると妖精シルキーを振り回すので、
ボタンを離すとシルキーを敵側へ飛ばして攻撃させる事ができる。
Cボタンはストックされた魔法を使う。
ステージ中で出現する赤・青・緑のクリスタルを取るとストックが増える。
魔法は2種類の使い方があり、Cボタンを押すだけのものと、
シルキーを振り回しながらCボタンを押す場合とで内容が変化する。
クリスタルは取り続けると経験値が溜まり、
通常ショットの威力を5段階まで上げる事ができる。

 


このゲームはライフ制で、ダメージを受けるたびにライフが減る。
ライフが無くなるとゲームオーバー。
クリスタル以外の登場アイテムは全てスコア加算するだけで、
なぜかライフ回復のアイテムは無い。
また、ステージをクリアしてもライフは回復せず、
減ったままで続ける事になる。
コンティニューすると体力の回復した状態で
ステージの最初から再開できるが5回までの限定。
つまりこのゲームは先に進むほどに消耗していく厳しい設計なのである。

 

先に進むほど敵は自機に向かって積極的に攻撃を狙ってくるので、
避けるに避けられないず。
ステージ3のボスで全てのクレジットを使い果たした。
どうやら全5ステージあるらしいが、俺様には無理そうだ。

ちなみにだけど、オプションでレベルを「EASY」にして、
さらにライフを6に増やしての結果だからね。(^^;

 

言ってしまうと、俺様はこの手の疑似3Dシューティングが好きではない。
その理由は「大味さ」「理不尽さ」だ。
まず「大味さ」だが、シューティングなのだから、
敵の攻撃を避け、敵に攻撃を当てる必要がある。
しかしながら距離感が曖昧なために
当たっているのか当たっていなのかハッキリしない。
(疑似3Dは目の錯覚で奥に空間があるようにしているので曖昧さは避けられない)
スペースハリアー」ではなるべく敵を大きくし、
積極的に自機を狙う敵は極力少なく設定している。

また、奥面に向かって撃つという事は、
自機のグラフィックで撃つべき相手を隠してしまう事になる。
つまり敵を狙うときは、敵の攻撃は見えないし、敵にぶつかりやすくもなる。
アフターバーナー」ではロックオン攻撃という発明でこれを見事に克服している。

以上のように“疑似3Dシューティング”というジャンルは、
気を使わないといけない点の多い最適解の狭いジャンルで、
上手く設計しないと大味で理不尽な高難易度ゲームになってしまう。
スペースハリアー」や「アフターバーナー」を模倣したゲームは多いが、
それらを越えたゲームが思い当たらないのはそういった理由だ。
(それだけAM2研の残した偉業が凄かったのだが)

本作「パノラマコットン」も上記の問題を解決できてはいない。
曖昧な距離感で敵は積極的に自機の座標を狙ってくる。
結果、理不尽な高難度ゲームになってしまったわけだ。

9500円という高額な値段も相まって、
本作の難易度設定はイメージが良くない。
せっかく高いビジュアルレベルで構築し、
ステージもスクロール方向を変えたりと工夫を凝らして魅力的なのだから、
誰もがエンディングまで到達できる難度にすれば良かったのにと思う。
せめてステージクリア時に体力が全開まで回復するとか。
コンティニュー無限とか。

ライフ回復要素を入れなかったのは、
「ゲームを早くクリアされてしまうとソフトを中古で売られてしまう」
という悪しき思い込みから来ているのだろうか?
ビジュアルはめちゃめちゃレベル高いのに勿体無いなぁ。