堀井ミステリーの集大成「軽井沢誘拐案内」プレビュー

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軽井沢誘拐案内
(エニックス)
1985年5月/AVG/5800円

 

堀井雄二さんが制作したアドベンチャーゲームの集大成である。
一般的には「堀井ミステリー三部作」と呼ばれているが、
2作目の「オホーツクに消ゆ」はエニックスではなく
ログインソフトからリリースされたもので、
シリーズとしては「ポートピア連続殺人事件」に続く
堀井アドベンチャー第2弾という事になる。
堀井雄二さんは本作完成後に「ドラゴンクエスト」を制作するわけだが、
以後、堀井さんはアドベンチャーゲームを再び作る事は無かった。
(AVGの表現に限界を感じていたという話)

 

本作は88版がオリジナルで、1985年8月にFM-7、9月にX1、
翌年8月にPC-6001mkII、12月にMSXへと移植されている。

俺様が初めて購入したパソコンはPC-6001mkIIで、
軽井沢誘拐案内」もPC-6001mkII版をプレイした。
ミステリーとユーモアが融合したようなエンターテイメント作品に魅了され、
俺様の堀井ワールド初体験となった。

今回はそんな思い出深い「軽井沢誘拐案内」をプレビューという形で残したいと思う。
本当は「シナリオログ」として残したかったのだが、
このゲームは行動の自由度が高く、ゲームプレイのテキストをそのまま載せると
とても読みにくい(フラグを立てるために何度も同じ場所に行ったり)ので、
物語の筋の部分だけをまとめてみた次第である。
ちなみにプレイしたのは88版だ。
なお、当然ネタバレを含むので、
未プレイの方はまずはゲームを先にプレイする事をオススメする。


プレイ開始時、プレイヤーの名字と名前をカナ入力で求められる。
以後、テキストではプレイヤーがその名前で表示される。
本文では「○○」と記載するので、自分の名前だと思って読んでくれ。

 

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その夜、○○は恋人クミコが待つ、彼女の別荘へ車を飛ばしていた。
○○「急がなきゃ‥。そういえば彼女、妹と二人で来てるって言ってたっけな。
きっと妹がカレでも呼んだものだから、
自分も寂しくなってボクに電話をしてきたんだろ。
あっ、あの別荘かな……?」

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クミコ「ワッ、○○!!やっと来てくれたのね。うれしいー。
いまちょうど妹のなぎさは買い物に行ってるのよ。」

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しばらくクミコとイチャイチャしていたが、なぎさの帰りが遅い。
心配になったクミコは「誘拐されたかも知れないから警察に連絡しよう」と言い出す。

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刑事が来るが、真剣には取り合ってくれない。

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ここまでがアバンタイトルになっている。
プレイヤーは「いなくなったなぎさをクミコと探す話だな」って事がわかる。

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クミコの誘惑的なポーズがやたら多いのと、
このタイトル画面でのパンチラを見てもおわかりのように、
本作はかなりアダルト寄りな建て付けがされている。

 

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○○「やあ、小鳥が鳴いてるね。」
クミコ「おはよう。きのうはよく眠れた?」
○○「君こそどうなの?なぎさちゃんまだ帰ってないみたいだね。」

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クミコ「ほんとになぎさどこにいったのかしら…
確かに出歩いてばっかの妹だけど、
買い物にいったまま帰らないなんて不自然よね。
それにあの電話、気になるわ……。」

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ここからフリー行動となる。
妹の足取りを探して軽井沢を探索するわけだが、
まるでRPGのようなフィールドを移動して行う。

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通常のアドベンチャーゲームのように静止画のみで構成する事も出来たはずだが、
こういう遊び感が変わる仕掛けは単調さも緩和されて上手い設計だ。

とりあえず行けるところに行ってみる。

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亡くなったクミコの父親の後を継いで社長をやっている花山という男にあったり、
裏山で野生の大麻を見つけたり、山道でなぎさのサイフを見つけたりした。

なぎさの部屋にあったアドレス帳を調べ、
あさみという女子に会う事に。

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あさみ、いきなりパンチラ。
なんてサービスの良い・・いや、けしからん娘だ!

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あさみの情報をもとに、なぎさのカレだという篠田に会う。

 

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再びあさみの家へ。
毎回、あさみはサービスがいい・・w

 

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地蔵ヶ原の別荘で開かれているパーティに潜入。
石田という男が関わりがあるようだ・・。

 

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一度、クミコの別荘に戻るが、
そこで受けた電話によってクミコの態度が変わる。
仕方ない、色仕掛けでクミコから真相を話させよう。

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クミコ「わかったわ、言うわ。私には妹なんていなかった。
ううん、いなかったって言うのはウソね。いたわよ。
でもずっと前に死んだの。あの子が12歳のときだったわね。
もともと病気がちな子でママはいつも妹の心配ばかりしてたの覚えてる。
妹が死んだ時、ママはその事実を受け入れなかったみたい。
それでノイローゼになっちゃって……
それからね。私が妹との二役をやるようになったのは。ママを治すために‥
でももうそれもおしまい。私は私だけに戻るわ。
あなたに付き合ってもらったのは、妹がいなくなった事をみんなにわからせるため。
騙してて本当にごめんなさいね。」

 

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翌日からはクミコと離れて単独行動をする事になる。

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スコップやイニシャルの入ったライターを拾う。

 

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関谷「こんな事を言っていいのか…
実はお父上は花山という部下と対立する事が多くて。しかし、まさかそのような事が‥

 

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西村「ええ、なんでもブレーキ・ミッションのボルトが緩んでたのか、
はずれて無くなっていたそうで。人間なんてあっけないものですね。」

どうやら花山が怪しい感じになってきた。

 

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神父「待ちなされ。いま神のお告げがあった。エィチのキーを押す事じゃ。
持っているスコップで一度だけ好きなところを掘る事ができよう。」

一度だけとか言われると緊張するぜ・・。
でも花山が怪しいから、花山の家の庭を掘る事にした。

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○○「やっぱりだ。青い紫陽花の根本から何か出てきたぞ。
こ、これはボルトのようだが…
これのため紫陽花が色を変えたんだな。」

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花山に問いただすと・・

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花山「わーはっはっは。またどこかでお会いしましょう。さらばじゃ!!」
○○「まて!!汚いぞ。
行ってしまった………
しかしシリアスな話だと思ったのになんてことだっ。
おや、花瓶の後ろに手紙がある。差出人は高木正雄
クミの親父が花山に出したものだな。
消印は去年の秋。亡くなる前に出したものか。
えーなになに……
私に万一の事があったらくれぐれも娘達の事を頼む。
こ、この手紙は一体!!」

 

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あさみに会いに行くとレオタード姿で股を開いていた。
○○「なぎさちゃんの事を教えて欲しいんだけど」
あさみ「いーわ、教えてあげる。あの子、両親の事故の事で何か調べてたみたい。
詳しくは知らないけど、地蔵ヶ原のクラブにはそのために行っていたみたいよ。
あっ、そうそう、クミお姉さんの友達とかいう女の人に頼まれて
植物図鑑をクミお姉さんに届けたんだよ。
わかったわ。あたしも探すの手伝ってあげる。
ねっ、これから地蔵ヶ原に行ってみようよ。
大丈夫。道はあたしが知ってるから。」
○○「じゃあ、行くかっ!!」

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問題の別荘へは窓を破壊して侵入w

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部屋の中を調べるときは、ハートマークのカーソルで調べる場所を指定する。
反応がある場所を探す事になるので一気に難易度が上がる仕組みだ。
40歳ぐらいのおじさんと子供が写っている写真。
そして古新聞を発見した。
あさみ「なにこれ?古い新聞があるわ。
なになに?業務上横領で会社をクビになり自殺。やだー、暗いなー。
あれ?この人、なぎさの会社の人だったのね。
ほら、高木産業元係長、広田かつおって出てるもん。
でもなんでこんなとこに、こんな新聞あるのかなー?」

2階へ侵入するにはハシゴが必要みたいだ。
近くのペンションを訪ねてみる。

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ペンションの前には美人のふみえさんがいた。
あさみ「あそこの大きな別荘のことを話して欲しいな。」
ふみえ「ちょくちょく神父さんがあそこに入っていくのを見た事があります。」
○○「このライターに心当たりは?」
ふみえ「ああ、それドライブインのマスターのでしょ。
わたしあの店にはよく行くから、
マスターがそのライター持っていたの見たことあります。」

 

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ペンションのオーナーである織田にも聞いてみる。
あさみ「ほら、この写真だけどさ。」
織田「思い出した。この子供は広田だ。
15年ほど前、俺がまだ中学生のとき
俺のクラスに転校してきた広田正勝だ!!」
それ以上聞こうとするとオーナーは条件を言い出した。
織田「あさみちゃんのパ、パンチィを、み、見せてくれたらな。」
あさみ「えっ?やだー!!」
おまわりさん、変態です。

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あさみ「はいっ、これでいい?」
織田「うぷっ!!」
○○「織田さん、鼻血が…。」
織田「よ、良かった!!生きてて良かった。
あいつ、卒業と同時に東京に行ったから、それ以来会ってないけど、
もういい年になったろうな。
ほら、隣にいるのがあいつの妹の、えーと、洋子ちゃんとか言ったな。」

ここで余談。
本作発売の前年に「ドラゴンボール」が連載開始。
序盤のエピソードの中で亀仙人が頼みを聞く条件として
「ブルマのパンティを見たい」と頼むシーンがある。
そのプチエロ展開に全国の少年は興奮したわけだが、
このシーンもそれに影響されたものと思われる。

 

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東からハシゴを使うと2階の部屋へと入れた。
この部屋から色々な部屋に行けるようになる。
東西南北の繋がりを把握しておかないと迷いやすい。

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「1番下3番目」と書かれたメモ。自家製のタバコ。クラブの名簿。
・・といったものを手に入れる。

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本棚の後ろに隠し部屋が!
何かの葉っぱを入手。

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そしてさらに壁の奥にも穴が空いて進めるぞ!

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その先には広い洞窟。
ここもちゃんとマッピングしないと迷う。
洞窟をさまようと、地上からは行く事が出来ない2つの場所に出る。

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○○「あさみちゃん、額縁を調べてみようよ…」
あさみ「額縁の裏が戸棚になってて、何か入ってたよ。なんだろ、これ?
書類みたいね。もらっとこうっと。」
名簿で石田を調べてみよう。
あさみ「あったよ。石田銀次。えっと、ここからずーっと南の方だわ。
でも、南に行く道なんかあったかなあ。どうやっていくんだろ。」

 

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湖の畔には“ひなたぼっこ”が好きなおじいさんがいた。

 

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ところでペンションの前にいた美人のふみえさん。
彼女の正体が判明する。
○○「文江さんとか言いましたね。あなたのお兄さんは、もしや真野康彦。
通称ヤスさんではっ!!?」
文江「えっ、兄を知ってるんですか?
○○「ええ。でも文江さんにこんなところで会えるとは‥
ポートピア連続殺人事件。たしかこんな名前のついた事件でしたね。」
文江「……」

なんとこの美人は堀江ミステリー第1弾「ポートピア連続殺人事件」での
事件第一発見者である沢木文江だった!

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フミエさん、美人に成長したなァ・・。

 

ペンションのオーナーからも追加情報。

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あさみ「あのね、このタバコおかしいと思わない?」
織田「おっ、ちょうど切らせてたんだ。悪いけど一本もらうよ。
スパー。うん?変わった味のタバコだな。」

あさみ「ねー、これ何の葉っぱだと思う?」
織田「ああ、野生の大麻の葉っぱだね。どこで見つけたんだい?」
あさみ「この書類わかる?」
織田「おっ、これはヴィラホテルの株券だな。名義は高木正雄
こりゃ、相当の金額になるはずだ。」

あさみ「あのね、なぎさって子の事だけど。」
織田「いやー、さっきはごめん。思い出したよ。
いつだったか、あさみちゃんと同い年位の子が、
やっぱりあの別荘の事を聞きに来て、

まあ、たいした事は教えてあげられなかったんだけど……
あの子たしか、なぎさって名前だったなあ。」

ここでしばらく行き詰まっていたのだが、
道を切り開いてくれたのは湖の畔にいるおじいさんだった。

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老人「ところでわしは神様なんじゃよ。」
○○「神様!!?なんだこれは?話がめちゃくちゃになってきたぜ。」
あさみ「面白いじゃん。こういう方が退屈しなくてさ。」
老人「湖の南、山道の崖を叩きなされ。さきの道が開かれるであろう。」
あさみ「きゃー、ほんと?ありがと。チュッ」
老人「ファッファッファッ。」

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崖を叩くと道が出来る。
うむ。エンターテイメントミステリー。

 

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道の先にはゆう坊(堀井雄二)の家がある。
ゆう坊は
「ここまで来たらあともう少しです。頑張って下さいね。」
「解けたらまた感想などを聞かせて下さいね。」
「こんなところで油を売ってる暇はありませんよ。早く行きなさい。」
など大した事を言ってくれない。

 

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石田の家に到着。
○○「なぎさをどうした?さあ、言うんだ!!」
石田「うぐぐ‥俺はそんな子知らないぜ。」
○○「ウソをつくな。お前がなぎさといたのを見たものがいるんだ。」
石田「しねえったら、しらねえ。」
あさみ「ねっ、あたしに変わって!!」
○○「…?」
石田「な、なんだこのアマ?」
あさみ「じゃけんじゃねえよ!!このあたいをなめるとこうだよ!!」
ビシッ!!ガスッ!!パン!!パン!!パン!!
石田「ひー、やめてくれ!!わかった。言うよ。言うよ。
あの子かわいいから、俺はちょいと油断しちまってさ。
その隙にあの子、地下のマリファナ作りを見つけてしまったんだ。
あの子がなんのためにあの別荘を嗅ぎ回っていたかなんて知らねえけどよお。
俺はミスター・ドラゴンにそのことを報告しただけだ。
そのあとどうしたかは知らねえ。ほんとだ。」

○○「ミスター・ドラゴン?」
石田「あの別荘の持ち主でクラブのボスさ。
いつも覆面をしてて誰もボスのほんとの名前を知らないんだ。」

○○「ドラゴンねえ‥‥しかし話はどんどん変な方向へ進みだしたなあ。
どうなるんだろ?」

再び問題の別荘へ侵入すると、廊下から男の声が聞こえてくる。
男の声「ではあの事は?」
男の声「クミの恋人とかいうのが嗅ぎ回っているみたいですが、
なーに、クミもなぎさももう始末させたし、あの男だけじゃ何もわかりますまい。」
男の声「しかし、突然お邪魔して悪かったですな。」
男の声「なーに、構わんですよ。こんな別荘で良ければいつでも来てください。
では、行きますかな。」

あさみ「今の男達、もういちゃったみたいね。」
○○「しかし、あの喋り方は…?」
あさみ「えっ?なにかわかったの?」
○○「…………。
ミスター・ドラゴンか。なにやら話がとんでもない事になってきたな。
とりあえず駅前まで戻ろう。心当たりがあるんだ。」
あさみ「わかったわ。」

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あさみ「ねえ、軽井沢駅前に着いてわよ。
あの別荘で何か掴んだみたいだけど、これからどこに行けばいいの?
ねっ、黙ってないで何か言ってよー。」
○○「待ってくれ。いま頭の中でこれまでの事を整理しているんだ。」
あさみ「わっかたわ。じゃ待ってあげる。」
○○「どうやら今回の事はクミの両親の事故と関係あるらしいが、
それだけでも無いらしい。よーく考えるんだ、○○。
では、今までわかっている事を整理してみよう。
なぎさが40歳ぐらいの男と会っていたこと。
マスターと洋子が一緒に歩いていたこと。
なぎさのサイフと同じ場所からライターが見つかったこと。
いくらクミが目が悪くてもスコップのような大きなものを見落とすわけがないし、
あとから置かれたものかも知れないこと。
クミの親父が花山にあてた手紙は何を意味するのか。
もしかして花山は犯人じゃなくて誰かが花山を犯人に見せかけたがっているとか。
誰かがあのスコップをあそこに置いた。
あのときレイクタウンに行かせるような証言をしたのは誰だったか。
男の声で手を引けという脅しの電話があったこと。
妹なんていなかったと言い出したクミ。
たぶんクミは誰かに脅されてそんな事を言ったのだろう。
たしかあのとき電話があった。
クミは間違い電話と言ったけど、あのとき脅されたのか。
さらにクミの別荘の裏山に野生の大麻らしい草があったこと。
あとで調べたときはまるで証拠を消すかのように誰かが抜いてしまっていたこと。
地蔵ヶ原の別荘のパーティ。あそこの地下ではマリファナたばこを作っていた。
その昔、クミの会社をクビになって自殺した男がいたこと。
その男の名は広田勝男。
別荘で見つけた写真。男の子の名前は広田正勝。イニシャルにするとエィチ。
さらにライターを見せたときの文江さんのセリフ。
-あら、これはマスターのじゃないかしら。-
広田正勝には洋子という妹がいた。
さらにクミの親父、高木正勝名義の莫大な株券が見つかったこと。
それはヴィラホテルの株券だった。
ミスタードラゴンと呼ばれる謎の男。
あの別荘はたぶん彼のものだろう。
そしてあの2階の応接間で聞いた、あの特徴あるしゃべり方。
-なーに構わんですよ。こんな別荘で良ければいつでも来て下さい。-
さらに文江さんの話。
-神父さんがあの別荘に入ってゆくのを見た事がてあります。-
以上の事から推理すると………

写真の子供、広田正勝とは?>マスター
そして広田の妹とは?>よーこ
なぎさがお金をもらっていた男は?>はなやま
命令を受けなぎさをさらったのは?>マスター
さらに二人の子供と写真に写ってる男が正勝や洋子の育ての親であろう。
その育ての親とは?>せきや

そして己の欲望のため、クミの親父を恨みに思ってる正勝達を利用し、
クミの両親を事故死させた人物は?>せきや

それはミスタードラゴンこと、この人物だ!!
ヴィラホテルの株券を奪い取るためか。
或いは裏山の大麻栽培が発覚しそうになったためか。

たぶんこの2つの理由のため、関谷ことミスタードラゴンはクミの両親を事故死させ、
さらに事故を不審に思って調べ始めたなぎさの存在が疎ましくなり、
正勝、つまりマスターになぎさを誘拐させた。そしてなぎさに協力していたのが花山。
ドラゴンは正勝や洋子、マリファナパーティーの常連客の神父まで使い、
全ての罪を花山に押し付けようとした。
花山の家の垣根にボルトを埋めさせ、
わざとらしくスコップを落としておいたのも
花山を犯人にみせるためだろう。
さらに見つけやすくするため、クミに植物図鑑を届けさせた。
あさみにこれを頼んだ女とはたぶん洋子だろう。
事件の黒幕は関谷ことドラゴン。
そして直接手を下していたのはマスター。
彼は父親が自殺し、クミの会社を恨みに思っていたはずだ。
マスターの妹洋子もこれに協力し、
神父までが加担したのはきっとマリファナ欲しさだろう。

よーしわかったぞ。これで全てに納得がいく。」
あさみ「ねえ、さっきからなにぶつぶつ独り言いってんのよ。
これからどうするわけー?」

○○「早くしないとなぎさが危ない。もしかしてクミまでがドラゴンの手に‥‥」
あさみ「ねー、どうするの?」

 

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あさみ「男の人がいるよ。お客さんかな。」
○○「うん?どこかで見たような。そうだ刑事さんだ。
ミスタードラゴンの事知ってますか?」

刑事「その昔、ドラゴンと呼ばれる犯罪組織があった。
しかしもう、ン10年も前の話です。たしかもう壊滅しているはず。
この治安国家日本でそのような犯罪組織が長続きするはずは無いのです。
探偵ごっこもけっこうですが、おたくたち警察をからかってはいけませんな。
私は買い物で忙しいのです。」
○○「いや、からかっているのじゃなくてホントに」
あさみ「もう、いいよ。警察なんてアテに出来ないよ。」
刑事「さて、今夜のオカズは……」

 

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○○「さあ、いえっ!!ドラゴンはどこだっ!!
あんたが地蔵ヶ原の別荘に行ってるのは知ってるんだぜ。」
神父「うぐぐ、言います言います。だからその手を…
私は確かに神に仕える身でありながら、あのパーティーの常連でした。
その弱みをつつかれドラゴンに協力したこともあります。
しかし、いつもちょっとした事で大きな事はやっておりません。
あの人もあまり私を信用していないみたいで。
だから私はほとんど何も知らされていないのです。
彼が何者でどこにいるのか、本当に私は知らないのです。
おお神よ。罪深きこの私を救いたまえ。」

 

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クミコが合流する。
クミコ「あなた、わたしよ!!」
○○「クミ!!一体今までどこにっ?」
クミコ「詳しい話はあと。この写真を見て。
(ここでゲームパッケージに同封された写真を見ます)
クミコ「わたし、実を言うとあれから襲われそうになって、
花山さんにかくまってもらっていたのね。
あなたに知らせなかったのは、これ以上巻き込みたくなかったから。
話は花山さんから聞いたわ。
彼、なぎさと一緒にパパ達を事故死させた犯人を探していたんですって。
でも、なぎさがさらわれたりして‥‥
その写真はね、花山さんに手を引かせるため、
犯人が花山さんに送ったものなの。
なぎさは預かった、これ以上歯向かうとこの子の命は無い‥とか言ってきて。
でも、その写真、手掛かりになると思わない?
問題はなぎさのうしろに写っている風景。
たぶん、なぎさはそこだわ。どこだと思う?
-カナで入力-
あさみ「そうよ、これ。だって左に教会の十字架が。右に牧場が見えるもん。
こんなふうに見えるには、あの場所だけだわ。」
○○「でも、あそこには何回かいったぜ。」
クミコ「バカね。きっと森の中か何かだわ。とにかく浅間山に行ってみましょう!!」
○○「そうだな。」

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ここからRPG風のモードになる。
画面にはスタミナ、ストレングス、ディフェンスというパラメータが表示されている。

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道を塞ぐように悪漢が立っている。
「たたかう」と実行すると戦闘になる。
クミコ、なぎさ、○○の行動を決める。
クミコは「一緒にたたかう」「自分を守る」「投げキスをする」
なぎさは「一緒にたたかう」「自分を守る」「パンティーを男に見せる」
○○は「たたかう」「自分を守る」
クミコとなぎさの「一緒に戦う」と「自分も守る」はほぼ役に立たない。
「投げキスをする」は相手のやる気を奪い、
「パンティーを男に見せる」は相手のディフェンスを下げる。
相手を倒すと成長してパラメータが上昇する。

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途中落ちている宝を拾ってもパラメータは上昇する。

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体力が回復する泉は何度も利用できる。
毎戦闘後に利用しよう。

最終的に敵のアジトに侵入するのが目的なのだが、
入り口を守っている悪漢は強いので、
強くしてから向かわないとゲームオーバーになってしまう。
(RPGモードのスタート状態から再スタート)
何度も失敗しながら、戦う悪漢の正しい順番を編み出していく。
順番が正しくても乱数の結果次第ではゲームオーバーが避けられない事もあるので、
このモードはけっこう理不尽に思える。
「このモードがドラゴンクエストの基礎になった」とよく言われているが、
RPGというより潜入SLGといった感じで、
ドラゴンクエストとの共通点はそんなにない。

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とある場所で恥ずかしいぐらいセクシーなパンティが見つかる。
あさみがこれを履くと「パンティーを男に見せる」が強化される。
落ちてるパンティを履くあさみ・・。

 

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あさみのパンティパワーでなんとか最後の悪漢を撃破!

 

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関谷「おや、みなさんお揃いで。」
○○「やっぱりお前がそうだったのか?」
クミコ「なぎさはどこ!!」
関谷「しかもクミ様までおいでとはね。とっくに始末させたと思っていたのに。」
クミコ「お生憎様、私はこの通りピンピンしてるわ。」
関谷「ところでそちらのお相撲さんは?」
クミコ「あなた、いつまでそんなヌイグルミ着てるの。」
○○「おっと、そうだったな。よいしょっと。」
関谷「おや、○○さんでしたか。」
○○「さあ、言え!!なぎさはどこだ!!」
関谷「残念ですが遅かったようですな。あの子はもう深い水の中です。」
クミコ「えっ!!」
関谷「さて、もうおわりにしましょう。正勝、やっておしまいなさい!!」
○○「そうか、やっぱりマスターが正勝なのか。」
関谷「どうしたのです。正勝、早くこの連中を!!」
マスター「………………親父さん、もうやめましょう。俺は俺は。」
関谷「まさかっお前!!」
マスター「確かにクミさんの親父さんを俺はずっと憎んでいた。
だからあんたの言う通りに…しかしもういい。
親父さん諦め゛か肝心だ。俺と一緒に…。」

関谷「正勝、何をする。正勝!!」
マスター「さあ、行くんだ!!なぎさは死んでいない。そこのドアを入ったところに。」
関谷「正勝、お前!!」
マスター「迷惑をかけたな。さっ、早くなぎさちゃんを!!」
○○「わかった。ここのドアだな。」
クミコ「あなた、なぎさをやっと連れて帰れるのね。」
関谷「まて!!それはそせるか!!このピストルが見えないかっ!!」
○○「うっ……」
マスター「親父さん!!いつの間に…」
関谷「わはははは!!みんな死んでもらおう。」

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刑事「よーし、そこまでだ!!」
関谷「だ、誰だ!!」
クミコ「け、刑事さん!!」
刑事「あんな事を言いましたが、気になってつけてきたのです。
ドラゴン!!今度こそこれまでだな。この村は完全に包囲されているぞ。」
関谷「な、なんとっ‥‥」
刑事「さっ、あとは警官隊に任せて、早く妹さんを助けてあげなさい。」
クミコ「そ、そうだわ、あなた。」
○○「うん!!」

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クミコ「なぎさ!!」
なぎさ「お、お姉ちゃん!!」
あけみ「良かったね。なぎさが無事で。」
○○「うん、とにかくめでたしめでたしだ。」

-というわけで、4人は無事にクミの別荘に帰ったのでした。-

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あさみ「でも、なぎさ凄いよね。
今度の事でドラゴンとかいう組織が壊滅したらしいけど
もともとはなぎさのおかげだもんね。」
なぎさ「そ、そんな--。○○さんのおかげよ!!」
あさみ「ただ一つだけ気になるんだけど、
ドラゴンはどうしてマスター達の面倒を見たのかなあ‥?」

なぎさ「よくわからないけど、人に恨みを持つ子を育てれば
その復讐心を利用して後々悪い事をさせられるとか思ったんじゃないかしら。」
あさみ「なるほどなあ……ねえ、なぎさ、お醤油はどこ?」
なぎさ「ほら、さっきスーパーで買ったじゃない。」
あさみ「あっそうか。よーし、味付けオッケー。あれ、クミお姉さんは?」
なぎさ「あら?さっき○○さんとそっちの部屋に行ったと思ったけど。」
あさみ「呼んじゃおっと。食事できましたよー。ドア開けますよー。カシャ」

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○○「…………」
クミコ「…………」
あさみ「いやーー、うそみたい!!」
なぎさ「えっ、なになに? キヤッ」

-それから数日後…………-

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クミコ「あなた、大変!!なぎさがこんなメモをおいてっ!!」
-「あたしもお姉さんみたいにステキなカレを見つけに旅に出ます。
今度は探さないでね。なぎさ」-
○○「じょ、じょーだんっっ!!」

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~編集後記~

本作は堀井雄二さんが自分でプログラムして、
自分で絵を描いて・・と、ほぼ全て一人で完成させたゲームで、
ドラゴンクエスト以上に作家性の強い高純度な堀井ワールドを体験できる作品である。
ジャンルをミステリーとしながらも、ギャグ、ちょいエロ、とんでも展開など、
ゲームとしての楽しませる事を手段を選ばず詰め込んだ感じだった。
軽井沢をウロウロしている間もクミコが機嫌悪くなったり、
まるでデートしながら歩き回っているような感覚もあり、
多角的な雰囲気作りも上手いなぁ~と思った。
本作で主人公がしゃべるゲームにしたのも
女の子とのコミュニケーションを立てるためだったらしい。
舞台を軽井沢にしたのも同じ理由だ。

歴史に名を残す本作であるが、
堀井さんにその気がないのか、エニックスが過去PCタイトルにネガティブなのか、
携帯電話向けアプリとしてリメイクされたのみ。
堀井ミステリー三部作は「イース」みたいに
その時代ごとにリメイクされても良かったタイトルだと思うんだけどね。
(時代に合わせてシステム変えてもいいから)