RPGの面白さの中核を成すのは“効率化”の遊びであると思っている。
少なくとも俺様の場合はそういう思想だ。
コマンドで「たたかう」を選ぶ。
そうすると通常は10回叩かないと相手を倒せないとする。
そこで「攻撃力アップ」の魔法を自分にかけてみる。
1ターン分の行動を消費するが、それで5回叩くだけで倒せるならば、
4ターン分の効率化が成功した事になる。
または「敵の防御力ダウン」の魔法を使った方が効率が良いかも・・。
とかとか、様々な可能性を模索しつつ、最も効率的な方法を編み出す。
レベルアップの要素もまさにそれで、
レベルアップによってパラメータが強化され、特殊能力も増え、
より効率的に戦闘を行えるようになる。
このように、前回よりもより効率的になる事で快感を得る(成長を感じる)事が
RPGの楽しさの本質であると思う。
であるので、この「効率化の楽しさ」をスポイルしてしまう要素は
RPGとしてマイナス要因となる。
逆に言うとここのバランス調整が上手くいっているRPGほど
良く出来ている事になる。
「通常攻撃コマンドを連打しているのが最も効率が良い」
なんてRPGはデザインの敗北である。
近年のドラゴンクエストで疑問なのはメタルスライムの存在である。
シリーズを全てクリアしているわけではないので明確ではないが、
いつの頃からかドラゴンクエストは
「メタルスライムがたくさん出るダンジョンで経験値稼ぎするのが最も効率が良い」
というゲームになってしまった。
そうするとプレイヤーはメタルスライム以外の戦闘で経験値を稼ぐ事が悪手となり、
試行錯誤の幅を狭めてしまっているように思う。
また、育成すべきキャラクターが離脱するのも禁じ手に近い。
古くはMEGA-CDの「ルナ エターナルブルー」。
最近ではSwitchの「ファイヤーエムブレム 風花雪月」でも見られた、
育成していたキャラクターが敵側に寝返る設計。
その時点でそのキャラクターに注いでいた時間は無駄となり、
非効率的な要素となってしまう。
また、ネタバレしなければそれを避ける手段は無いため、
ゲーム設計としても疑問しかない。
意味があるとすれば
「プレイヤーの労力を無にする事でショックを与える」というぐらいか。
近年、このように真面目に効率化の楽しさを落とし込んでいるRPGは少ない。
RPGと呼んでいるタイトルは
スマホのソーシャルゲームの方が多くなってしまったが、
「大量に課金するのが最も効率が良い」になってしまっているので、
ここで定義するRPGには含めたくないところ。