一石にかける青春
(LOG)
1988年6月/テーブル/7800円
このゲームは脱衣テーブルゲームだ。
4種類のゲームが収録されている。
まず最初に対局する女の子と遊ぶゲームを選ぶ。
女の子は4人いる。
ゲームに書かれた数字は難易度だと思う。
数字が高いほど強い。
1つ目のゲームは「チェッカー」。
日本では割とマイナーなゲームで、チェスの黒マスだけを使って駒を移動させ、
相手の駒を飛び越えると盤面から排除できる。
相手を全滅させるか、動けなくさせたら勝利。
脱衣ゲームなので1局勝つごとに画面右の絵が服を脱いでいく。
2つ目のゲームは「連珠」。
これはお馴染みのゲーム。碁盤を使って白と黒の珠を交互に置いていき、
縦、横、斜めに5つ並べた方が勝ち。
対局中に女の子の短いセリフが表示される。
3つ目のゲームは「オセロ」。
これもお馴染み。白と黒の珠を交互におき、
相手の珠を挟むと挟んだ珠が自分の色に変わる。
最後に珠の多い側が勝利。
4つ目のゲームは「立体四目」。
このゲームは聞いた事なかったけど、
検索したらこういうパズル玩具があるみたいだね。
交互に自分の色の珠を落とす位置を決める。
珠は一番下まで落ちる。
縦横斜めに自分の色が4つ並んだら勝利。
全部脱がせたら最初のメニューに戻るだけ。
特にストーリー的な演出などは皆無。
もの凄くシンプルだし、ビジュアルも並以下だ。
ではなぜこのゲームを取り上げたのか?
それは「ボイスボックス」について書いておきたかったからだ。
このゲームは「ボイスボックス」という周辺機器に対応している。
「ボイスボックス」は何かというと、
このゲームを出したLOG社から販売されていた周辺機器で、
パソコンにボイスボックスを接続し、対応ゲームを遊ぶと、
ゲームの展開に合わせてその機械から声が出るというものだ。
ゲームから肉声が流れるというのは当時、最先端の演出であった。
アーケードゲームでは「源平討魔伝」など効果的に音声合成をしたボイスを使い、
よりゲーム体験をリッチなものにしていた。
音声合成の技術はスペック的に劣るパソコンでも試みられ、
ゲームアーツなどは「シルフィード」や「ゼリアード」など、
“何しゃべってるかわかんないけどとにかくインパクトはある”音声合成を
積極的にゲームに取り入れていたw
そんな音声合成をより自然に聞かせる圧縮技術にADPCMというものがある。
この「ボイスボックス」はいわば外部接続のADPCM機器だった。
ではこの「ボイスボックス」は普及したのか?
俺様のまわりで「ボイスボックス」を買った人を見た事が無い。
いや、売っているところを見た事がない(^^;
このゲームを出したLOGという会社は、
88では4本しかゲームを出していない。
そのうちボイスボックス対応のゲームは、
本作と「極楽鳥パラダイス」という2本のみ。
当然、他社のゲームでボイスボックスに対応したものは存在しない。
そしてゲームとは別に「ボイスボックス」を購入しなければならない。
「ボイスボックス」は「極楽鳥パラダイス」の付属ハードであり、
「一石にかける青春」でボイスを鳴らすには、
9800円の「極楽鳥パラダイス」を一緒に買わなければならない。(^^;
まー、売れませんわなー。
ただ、すでに「シルフィード」や「ゼリアード」で音声合成が鳴ってる当時、
どれだけ違いのわかる自然なボイスが聞けたのか、
一度聞いてみたかったなー。
余談ではあるが、「極楽鳥パラダイス」でボイスを担当したのは、
山本百合子、佐藤正治、八奈見乗児、塩屋翼・・という有名声優だった!
ところでボイスボックスとまったく同じ試みをしたメーカーがある。
美少女ソフトメーカーのジャストだ。
「ジャストサウンド」という機器を販売。
同社の人気ゲーム「天使達の午後」でジャストサウンド対応版を販売、
「天使達の午後II」でもジャストサウンドに対応していた。
そちらの方がまだ購入している人が多いようで、
探すとプレイ動画を見つける事ができた。
無音のゲームプレイの中、たまーに「あっあーん」とか「やめて」とかしゃべる。
すごくシュールだw
ゲームアーツの音声合成に比べたら、多少は肉声っぽいけど・・。
これのために専用機器を追加購入するかって言うと難しいな~。
88シリーズでは、PC-8801FA(PC-8801MA)から
拡張音源システムのサウンドボードIIが標準装備されるようになった。
サウンドボードIIはADPCMもサポートしており、
以後、88のゲームでADPCMを利用してボイスを鳴らすゲームが増えた。
(「夢幻戦士ヴァリスII」など)
FM-TOWNSやPCエンジンで採用されたCD-ROMの登場により、
ゲームとボイスの関係はより自然に融合していった歴史はご存知の通りである。