エレメンタルマスター
(テクノソフト)
1996年12月14日/縦シューティング/6800円
「サンダーフォースIIMD」「ヘルツォークツヴァイ」「サンダーフォースIII」に続き、
テクノソフトのメガドライブタイトル第4弾である。
ラディン「骸羅王!」
ラディン「お前の悪行、ここで終わらせてやる!!」
骸羅王「ふふふふふふ・・威勢がよいな・・だが、
お前に私を殺すことが出来るのかな?」
ラディン「なに!?」
骸羅王「私の顔を見るがいい・・」
ラディン「まさか、そんな・・」
骸羅王「久しぶりだな、ラディン。」
ラディン「ロキ兄さん・・ち、違う!!
ロキ兄さんは、お前のように非道を平気で行うような人間じゃない!!」
骸羅王「しかし、これは現実だ。
お前の兄ロキは魔道に落ち、魔族の王、骸羅王として生まれ変わったのだよ。」
ラディン「ばかな・・!!」
骸羅王「お前も、我々の仲間にならぬか?兄弟で助け合い、
世界を手に入れようではないか。」
ラディン「く・・狂ってる!!」
骸羅王「ふふふふ・・そうかもしれぬな。
だが狂っていた方が、楽しいことは多いぞ、ラディン。ふははははは・・・」
ラディン「兄さん・・」
骸羅王「来たか・・グラス、サロメ。」
グラス「骸羅王様。ローライル王を捕まえる準備整いました。」
サロメ「骸羅王様。大精霊を封印する準備整いましたわ。」
骸羅王「予定どおりだな、よし行け。しくじるのではないぞ!!」
グラス「は!」
サロメ「は!」
骸羅王「お前と遊んでいる、暇は無くなったようだ。弟よ、また会おう。
もっともお前が生きのび、私の所に来ることが出来たらだがな。」
ラディン「待ってくれ、兄さん!!」
骸羅王「ふはははははははは・・・・・・・・・」
ラディン「兄さん、なぜだああ!!」
本作は西洋ファンタジーを世界観とした縦スクロールシューティングだ。
このタイプのゲームとしては
「キングスナイト」「アンデッドライン」「フレイ」などを思い出す。
RPG的なファンタジー世界を
シューティングのシンプルなシステムで楽しめるのが魅力だ。
前方攻撃ボタン、後方攻撃ボタン、魔法変更ボタンという構成。
魔法はステージクリアごとに1つずつ増えていく。
後半に行くほど状況に合わせて魔法を切り替える楽しさが広がる仕組み。
魔法は後半になるとボタン溜め押しで大魔法を放つ事が出来る。
これを使わないと倒せない(?)ボスもいる。
ゲームはライフ制でライフが無くなるとゲームオーバー。
コンティニューするとステージの最初からやり直し。
(コンティニューは5回まで)
ライフは途中に宝箱を壊すとアイテムで回復できる。
ステージクリアで満タンに戻る。
宝箱からは他にバリア、オプション装備、ライフ上限UPといったものが出てくる。
全7ステージ。
最初の4ステージは順番を自分で選べる。
最初のボスを倒すと妖精が登場。
ニーネ「助けてくれて、ありがとう!精霊使い様!!」
ラディン「君は?」
ニーネ「私は、大精霊に仕える妖精族のニールよ。
大精霊と一緒に魔族軍に捕まっていたの。」
ラディン「そうか、ここはもう大丈夫だから、君は仲間のもとに帰りなさい。」
ニーネ「いやよ!私、あなたが気にいっちゃった!一緒に連れてってよ。」
ラディン「危険だ!来るんじゃない!」
ニーネ「大丈夫!私、これでも役にたつのよ。さあいきましょ!」
ラディン「そんな問題じゃ・・・おい、まて・・・・まてったら!!」
以降、妖精ニーネはラディンのそばに飛び続け、
敵が近づくと体当たりで攻撃を支援してくれるようになる。
ニーネ「ラディン、あなたこそ私の探していた勇者です。」
ラディン「ニーネ・・君はいったい?」
ニーネ「私は、天空に住まう神々の力を得ることの出来る伝説の品、
精霊の指輪の化身。あなたが私を得る資格のある人物かどうか、試していました。」
ラディン「君があの伝説の指輪の化身だったのか!?」
ニーネ「骸羅王とサロメは、強大な闇の力に護られていて、
普通の攻撃では倒す事は出来ません。
唯一その闇の力に対抗出来るのは、神々の持つ光の力のみなのです。」
ニーネ「ラディン、受け取りなさい。
天空の神々が私を通し、あなたに骸羅王とサロメを倒す力を与えるでしょう。」
ラディン「ニーネ・・」
最終ステージはボスラッシュ。
最後は当然、骸羅王が待ち構えている。
何段階か変化する骸羅王を撃破するとエンディングへ。
ラディン「兄さーん!!」
ロキ「強くなったな・・ラディン」
ラディン「どうしてこんな事に・・」
ロキ「すまない・・ラディン・・私が愚かだったのだよ・・
周りからもってうまれた力をもてはやされ・・
この世に自分より強い者はいなような錯覚をしていたのだ・・
都の地下に魔族が封印されていると知ったとき・・
私はむしょうに力試しをしたくなり、愚かにもその封印を破ってしまったのだ。
その封印から出てきたのが骸羅王だった・・
私はやつと戦ったが、あっけなく破れ、体もやつに乗っ取られてしまったのだ・・
馬鹿な話だな・・」
ラディン「・・・・・」
ロキ「今思えば・・骸羅王とは私の心を映し出す鏡だったのかも知れない・・
私の醜い心が・・あの化物を生んだのだ・・」
ラディン「そんな事ないよ!!」
ロキ「ラディン・・・」
ラディン「うう・・・・」
ロキ「目がかすむ・・ふふふふ・・もう、おむかえが来たのか・・
さらば、我がすばらしき弟よ・・・・・」
ラディン「ロ・・ロキ兄さん!!!」
王は解放され、統率者を失った魔族は、いずこかへさっていった。
都には活気が戻り、昔の平和なローライルへと戻っていった・・
ラディンは・・・・・
敵移動プログラム
まいぺ~すがんちゃん
美術(背景)
ヘビーメタル・アーミー
美術(敵&デモ)
パンクス・ムートン
音響効果大佐
ゆんけるマタイ
音響効果工兵
ふぁんきい素浪人
影の監督
T.O
その他
ETC.
オーソドックスな作りであるが、
爽快感はあるし、バランス調整も丁寧、
ROMゲームにしては会話シーンでのストーリーフォローも厚い。
メガドライブ全体を見渡しても完成度の高いシューティングだと思う。
だが、テクノソフト前作が「サンダーフォースIII」だったのが悪かった。
「サンダーフォースIII」があまりにメガドライブのスペックを超えた傑作だったため、
本作にかかるユーザーの期待が大きくなり過ぎた。
理想と現実の落差によって、
メガドライブユーザーからは本作を正当に評価がされなかった。
発売前からとてつもなく大きな十字架を背負ったタイトルだったのである。