やっぱりセガが好き第46回「忍者武雷伝説」

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忍者武雷伝説
(セガ)
1991年12月5日/シミュレーション/8700円

 

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忍者を題材にした激シブなシミュレーションゲームが突発的にセガから登場した。
それが本作「忍者武雷伝説」だ。

 

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時は戦国、権力者信長は重税と戦乱で民衆を苦しめていた。

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ある日、羽尾の国の海岸に1隻の難破した南蛮船が漂着した。
その船の中に負傷した乗組員ジョンと3歳の男の子が生き残っていた。

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忍者『影刃』は2人を助けたが、
ジョンは『信長におそわれた。』と言い残し死んだ。
それから12年、影刃は子供を忍者『武雷』として育てた。

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影刃は年をとり、死を悟り武雷を呼んで言った。
『武雷よ、民を苦しめている信長を倒してくれ。』
『そのために協力してくれる3人の若者を集めた。』
紹介しよう。
 f:id:g16:20211014092228p:plain槍の達人、権平

 f:id:g16:20211014092240p:plain弓の達人、玄番

 f:id:g16:20211014092249p:plain武者、右近

みんなで力をあわせ『風の軍団』となり信長を倒すのだ。

 

・・とまあ、こんな感じで、
15歳の少年忍者が、軍団を結成して
親の仇でもある信長打倒を目指すゲームである。
これ書いてて気づいたけど、光栄の「伊忍道 打倒信長」にも雰囲気が似ているな。

 

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最初のステージは4人パーティ。
忍者、槍兵、武者、弓兵である。
敵にも同じユニットがいる。
忍者は槍兵に強く、槍兵は武者に強く、武者は忍者に強いという三すくみ
弓に相性は無いが、攻撃時に反撃を食らわないという特徴がある。
このゲームは相性が絶対のゲームで、
先制攻撃を受けない間合いを保ちながら、
相性の良い相手に先制攻撃を狙う・・というのが基本的プレイである。
(つまりファイアーエムブレムと一緒であるw)
忍者は回数制限付きで忍術も使える。(魔法みたいなもの)

 

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隣接すると戦闘を仕掛ける事ができる。
戦闘はサイドビューのドットキャラアニメーションで表現されている。
先制攻撃で倒せないと反撃ダメージを受けてしまう。
(相性が良くても反撃は受けちゃうので消耗戦になりがち)

 

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マップ中に点在する村に「入る」すると画面がサイドビューに切り替わる。
左右で移動し、上ボタンで建物の中に入る事ができる。

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村には
体力が回復する「宿屋」、
防具や武器が買える「武器屋」、
傷薬などの消費アイテムが買える「道具屋」、
経験値が得られる「道場」がある。

 

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また、ストーリー上の会話が聞ける「民家」もある。

 

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クリア条件を達すると会話イベントが発生する。
これは重要なのだが、このゲームではこういうイベント時にしかお金が増えない。
つまり最大の収入額は決まっている。
そしてその額では仲間全員の最強装備を買い揃える事は出来ない。
つまり、誰をどのタイミングで強化するのか計画的にお金を使わないと
行き詰まるように設計されている。
(「宿屋」や「消費アイテム」にお金を使うなんでとんでもない!)

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経験値についても同様だ。
限りある戦闘で誰を強くしたいか計画的に経験値を得ていく必要がある。
経験値が一定に達すると段が上がり、有利に進められるようになる。
ステージ攻略には制限ターンがあり、
それを過ぎてしまうとゲームオーバーとなるため、
無制限に経験値を稼ぐ事は出来ない。
ステージを進めると敵側も回復したりするため、
わざと回復ユニットを倒さずにいたりして、
制限ターンギリギリまで経験値を稼ぐ事をしないとクリアは難しい・・。

 

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特定のステージをクリアすると
回復できる「僧侶」、移動力と防御力に長けた「騎馬兵」、
弓兵の強化バージョン「鉄砲兵」という仲間が加入していく。

なお、主人公「武雷」が死ぬと即ゲームオーバー。
「武雷」以外の仲間が死んでもゲームは続けられるが、
以降、そのユニットが欠けた状態でクリアしなければならなくなるので、
実質、ゲームオーバーと同等と言って良いだろう。
(ファイヤーエムブレムのように代役になれるキャラも存在しない)

 

こんな感じで10ステージをクリアするとエンディング到達。
10ステージしか無いと聞くと凄く短いように思えるが、
前述したように、本作はユニット強化の方針を間違えるとクリア不可となり、
何度も最初のステージからやり直して正解を導き出さなければならない
パズルに近い高難度なゲームである。
今回プレイを改めてしてみたのだが、途中何度か最初からやり直してみても、
とうとうエンディングまでは到達できなかった。
このゲームを当時実機で苦なくクリアしていたのだから、
ゲーム一本に対する熱量とかける時間が圧倒的に違っている事を思い知らされる。
ザ・スーパー忍」を思わせる和風劇画調のカッコイイ世界観に
心底シビレてたってのも大きいけど。

今だったらこういう難度設計のゲームは受け入れられないだろうな。
リメイクするなら
「ゲームオーバーになっても装備と経験値は継続したままニューゲーム」
ぐらいはやらないとダメだろう。


スタッフクレジット

仕事人
煩馬亜

絵師
琢磨

音師
比呂


このゲームって3人で作ったの?(^_^;
これだけではセガの内作なのか外注なのかすらわからないが、
音師の「比呂」さんは、セガサウンドクリエイターで、
スペースハリアー」や「ファンタジーゾーン」で有名な
川口博史さん(Hiro師匠)では無いかと言われている。
事実、この地味なゲームをサウンドが盛り上げまくっている事を追記しておきたい。


余談であるが、このゲームのイベントシーンでは、
たびたび実写の静止画が挿入される。

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この低予算で作られたようなゲームで
わざわざ時代劇風のスチール撮影をしているとは思えない。
おそらくは何かの映画のシーンを拝借しちゃっているのだと思う。(^^;
勝新太郎らしき人の映像も・・。
おおらかな時代である(爆)