ヴォルフィード
(タイトー)
1989年12月27日/アクション/6600円
1981年にタイトーアメリカが開発した「QIX(クイックス)」。
1987年には続編の「スーパークイックス」が開発され、
「ヴォルフィード」は1989年にリリースされたシリーズ3作目である。
アーケード版登場後、わずか3ヶ月で移植されたのが、
本作PCエンジン版「ヴォルフィード」であった。
(のちにメガドライブ版が登場するのは13ヶ月後だ)
ゲームがスタートすると、
母艦から飛び立つ戦闘機が惑星に向かう簡単なオープニングが表示される。
四角で構成されたフィールドのアウトラインを自機が移動。
通常、このラインの上にいる間は無敵。
IIボタンを押しながら領域内に侵入し、アウトラインに戻ると、
そこで囲まれたラインがアウトラインに変化する。
侵入している間に敵の攻撃を受けるとミスになるので、
なんとか敵のすきを突いてラインを囲む事になる。
ステージには巨大なボス敵が一体おり、
囲んだラインの外側にボスがいる場合は内側が、
内側にボスがいる場合は外側が自機の領域に塗り変わる。
このようにして70%以上を自機の領域にするとステージクリア。
セオリーとしては、中央に縦長の壁を構築し、
ボスが左右どちらかの奥に入り込んだとき、壁の中央あたりから横に壁を作り、
ボスの行動範囲を狭めていく。
そして十分にボスを狭い場所に追い込んだら、最後にラインを繋げてクリア。
この瞬間が気持ちイイ。
フィールドにアイテムカプセルが設置されているステージも登場する。
これはラインで囲むと消え、アイテムが出現したら自機が強化される。
L・・ザコが倒せるレーザーをIボタンで発射できる
S・・スピードアップする
C・・全てのザコを消去する
T・・時間が少しの間止まる
☆・・ボスを倒せるショットがIボタンで発射できる
この強化アイテムは、次のステージではリセットされるので、
危険を冒してまで取る必要は無い。
また、このアイテムカプセルは障害物としての側面があり、
カプセルは壁扱いなため、ラインを引くのに邪魔である。
全40ステージでクリア。
アーケード版は全16ステージなので、大幅に増加している事になるが、
アーケード版はステージごとに異なるボスキャラを用意した事で、
攻略に変化を出していたが、PCエンジン版は同じボスが何度も登場するので、
ステージを水増ししただけに思えるだけでなく、
ステージ攻略も単調に感じてダレる。
ステージ途中で何回か思い出したように自機の発進デモが挿入されている。
だが、色がちょっと違うだけで同じものが流れる。(^^;
なお、このゲームにコンティニューは無く、
残機が無くなるとゲームオーバーとなって最初からやり直しなので、
40ステージというのは地獄感がある(^^;
全40ステージをクリアするとエンディングへ。
画面にコックピットのパイロットが映し出され・・
実はパイロットは美少女でした・・という定番のオチ。
このゲームはステージも敵キャラクターもデザインが無機質で淡白。
最後ぐらいは華やかな絵をご褒美に見せてやろうという仏心だろうか?(^^;
STAFF
K.HIZA
M.FUKAZAWA
H.ICHISUMI
K.DEKUNE
Y.TAKASU
K.SASAKI
S.TAJIMA
T.KASUYA
H.KATO
M.MIZUNO
T.NARITA
H.TAKAHASHI
M.YAMADA
K.KUSATU
前述したように、本作は面白いシステムなのだが、
華やかさに欠ける事でプレイ意欲があまり沸かないのが最大の欠点となっている。
そして決定的な存在として
カネコがアーケードでリリースした「ギャルズパニック」がある。
「ギャルズパニック」は本作とほぼ同じシステムが採用されたゲームなのであるが、
画面には女の子が表示されており、ラインで自機の領域を増やすと、
その箇所の絵が服を脱いだ女の子に変わる・・という脱衣ゲームだった。
「ヴォルフィード」で足りなかった“プレイ意欲”を、
“脱衣”という的確な要素で保管した
「ギャルズパニック」こそ、このゲームの完成形に思えた。
なので「ギャルズパニック」を知ってしまった後だと、
「ヴォルフィード」は余計に物足りないのだ。