祝「ALL ABOUT NAMCO」復刊

電波新聞社から35年前の1985年に発売された書籍「ALL ABOUT NAMCO
これはナムコ初期のタイトルを解説したものであり、
アーケードゲームのトップコンテンツを多く排出していた
ナムコを題材とした本だったので、
多くのファンに愛された伝説の書籍となっている。
俺様も当時、その存在に魅力を感じ、細々と貯めていた貯金箱を割り、
この本を購入したのだった。

だがこのあとに事件が起きる。
俺様が学校の休み時間にこの本を読んでいると、
友人Aが「貸して欲しい」と言ってきた。
あんまり貸したくは無かったが、友人Aとは仲が良かったから、
数日で返してくれよ、と快くその本を彼に貸した。
数日後、友人Aに「ALL ABOUT NAMCOを返して欲しい」と告げたところ、
「Bに渡したよ」と彼は全然悪びれずに俺様に言ってきた。
Bは要注意人物だった。
かつて俺様の家にBが遊びに来た際に、
俺様の母親の財布から数万円を盗んだ男だった。
以後、俺様はBを“コソドロ”と呼んで警戒していた。
俺様は「なぜBに渡したのか?」とAに問いただすと、
「Bが借りたいと言っていたから」と、これまた悪びれずに答えた。
つまりAは俺様に返すべき本を、俺様に何の確認もせずに又貸ししたわけだ。
俺様はコソドロに「ALL ABOUT NAMCOを返してくれ」と言いに行った。
するとコソドロは「え?俺は借りてないけど?」とキョトンとした顔で答えた。
Aかコソドロ、どちらかが嘘をついている事になるけど、俺様はコソドロを疑った。
Aとは仲が良かったし、コソドロには前科があったから。
今考えたら、勝手に又貸しして飄々としていたAも罪人確定なのだが、
とにかく俺様の「ALL ABOUT NAMCO」は悪意によって盗まれ、失われた。
以後、「人に物を貸す」という行為は俺様の中で最悪手として刻まれた。
例え最も信頼している人物がそれが無いと破滅するとしても、
俺様は「物を貸す」という行為はしない人間として成長した。

そんな「ALL ABOUT NAMCO」だが2020年8月に復刻版が出るという。
これは絶対に買わなければならない。
これを購入する事によって俺様の魂に刻まれた闇が解放されるからだ。
前置きが長くなったが俺様の家に
35年ぶりに「ALL ABOUT NAMCO」が帰還
した。

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こんなに分厚い本だったっけかな~?
タウンページほどあるぜ。(当時と紙質が違うのかな?)

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復刻本なので内容はほとんど当時そのまま。
それだけに写真などはちょっとボケた感じになってしまっている。
(カラーコピーを繰り返した海賊本みたい(爆))

 

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前半は個々の初期ナムコ作品のレビューと解剖記事が続く。
試行錯誤の時代。攻略記事も決して見やすいとは言えない。
時代を経てゲーム解説も進化してきたんだなぁと感慨深い。

大人の事情でポールポジションなどの記事がカットされた関係か、
ページの左右が逆転している気がする。
例えばこのポスターのページなんかは見開きだった気がする。

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第6章の「パソコンで楽しめるナムコゲーム」がこの本の目玉。

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ファミリーコンピューターFM-7MSX、MZ、PC-6001PC-8001PC-8801
PC-9801、X1・・といった機種のナムコゲームが紹介されており、
まるでこれらが現役機種であるかのような紹介文は、
読み手をタイムスリップした気分にさせてくれる。

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ところでPC-6001版「TINYゼビウスのページに気になる一文が。

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「(PC-6001のTINYゼビウスは)空前の大人気を呼び、
お店では大パニック状態がおきていました」

ホントか!?w
“空前の大人気”とか“大パニック状態”という言葉を聞くと、
ガンプラブームのときのデパート将棋倒し事件とか頭に浮かぶけど、
PC-6001ユーザーが店に殺到してああいう状態になったの?(^^;

後半はナムコ初期ゲームのBGM楽譜や、
キャラクターのドットデータが掲載されている。
このドットデータページを見て欲しい。

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画面のドット絵がそのまま掲載されているわけではなく、
マス目にカラー番号が書かれている。
当時俺様はドット絵の置き方を学ぶために、
このページに直接カラーペンで番号の色を塗っていたのだった。
俺様にとってこの本は「ぬり絵」同然だったw
(つまりコソドロは落書きだらけの本を俺様から盗んだ事になる)

 


実際問題、これだけ分厚くても今の時代に読むべきページは少ない。
だが俺様は記事内容の実用性ではなく、
盗まれた当時の怨念を晴らすために購入したのである。
それによって俺様の魂に巣食っていた何かが天に舞い上がった気がした。