自作ゲームセルフレビュー(11)「受験戦争」

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この世には決して終わることのない誰もが体験する戦争がある
受験戦争
いま、この戦争に終止符を打つため一人の受験生が立ち上がった。

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今、信じられない出来事が貴方のごく身近なところで起ころうとしている。


次のSLGは何作ろうかな~と考えていたとき、ふと思った。
そう言えばほぼ全てのユーザーが体験しているのが「受験戦争」だよなぁ。
そんなパイの広い題材なのにゲーム化された実績は無い。
勉強という成長要素、そして受験日までのタイムリミット、
受験する学校は自分で選択し、受かりそうなラインを見定める・・
これってとってもゲームシステムチックな文化だと思うんだ。
これはゲーム化するしかない!と思い立って作ったのが本作だ。

 

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ゲームはまず「修行編」から始まる。
主人公は浪人生活48年のベテランである師匠のもとで山籠りしている。

パラメータはレベル、EXP、体力、下山までの日数。
このときのコマンドは以下の通り。

(1)特訓・・・・・・体力を消耗して経験値3を獲得
(2)休む・・・・・・体力を回復
(3)戦う・・・・・・戦闘に勝つと経験値を獲得
(4)勉強・・・・・・少しだけ体力を消耗して経験値1を獲得
(5)食事・・・・・・体力の最大値UP
(6)トレーニング・・攻撃力が上がる。(隠しパラメータ)

これらのコマンドを駆使して効率良くレベルを上げていこう。

 

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修行が終わったら下山編へ。

 

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下山はアクションゲームになっているw
テンキーの4と6で木を左右に避けて進む。

 

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いよいよ受験編が始まる。
ボーナスポイントを数学力、国語力、英語力、暗記力に振り分ける。
修行編でのレベルによりボーナスポイントが変わる仕組み。
それ以外のパラメータは体力、金、やる気、試験までの日数。

このときのコマンドは以下の通り。

(1)勉強・・・・・・数学、国語、英語のいずれかの学力UP
(2)トレーニング・・攻撃力のUP
(3)アルバイト・・・金の増加
(4)寝る・・・・・・体力を回復
(5)みゆきと会う・・やる気UP
(6)座禅・・・・・・暗記力UP
(7)食事・・・・・・体力の最大値UP
(8)アイテム・・・・参考書や極意書を購入して使うと..


体力に気をつけながら学力をつけていこう。

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途中、刺客が襲ってくる事もあるので、トレーニングも忘れずに。

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受験する大学によって、レベル、必要な科目、受験料などが違う。
目標設定を明確にすれば無駄な行動も減るだろう。
そのへんのデータは極意書を買うと書いてある。

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試験当日。
所持金を使って受ける大学を選ぶ。
5万円しか貯められなかったので「コクシムソウカン大学」一本で勝負。

 

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二流大学に無事合格!
たぶんもっと上の大学に合格すると別のエンディング画面になった気がする。

いままで作ってきたSLGの中で構成は一番良い。
目標設定がハッキリしているし、
修行編、下山編、受験編とゲームが変化するのもバラエティ感があるね。
受ける大学によってマルチエンディングになるのも筋が通っている。
途中にイベントがたくさんあるともっと良くなったと思うよ。

だがこのゲーム、全然ウケなかった。
あとで誰かに言われた事。
「受験戦争って誰にとってもトラウマ級の嫌な事だから、
それをゲーム化されても嬉しくない・・」
うん、確かにそうだよなぁ。
アイドルゲームはいまポピュラーなジャンルになったけど、
受験ゲームはこの長い歴史でも登場していないのはそういう事なんだろうな(^^;

 

 

本作を最後に同人ソフト制作は打ち止めとなった。
今回紹介した11本以外にも次のようなゲームを作っていた。
これらは現存するディスクが見つからず、記憶の中だけの存在となっている。

 

「10円ソフト」
当時「100円ソフト」というのが流行っていた。
そこで俺様も「だったら10円でソフトを作ってやる!」と意地になって出した。
内容はシンプルなレースゲームで、ゴールするとCGが一枚見られるというもの。
CGといっても俺様が描いた超ヘタなドラゴンボールとか聖闘士星矢の絵だけどねw
飛ぶように売れた(^^;
(ただし売れるほど赤字だったけどねw)

 

「天草岳連続殺人事件 探偵・橋ヶ迫孔明登場」
タイトルはうる覚えなので違っていたかも知れない(^^;
N88日本語ベーシックで作ったグラフィックの無いテキストアドベンチャー
分岐まで読み進めて選択肢を選ぶ方式で、ゲームブックのような内容を目指した。

 

「過激派の決断」
他サークルさんが作るオムニバム形式のディスクに収録させて頂いたSLG。
過激派が題材のゲームだったんだけど、内容は全然覚えていないのであった・・。
このソフト、なぜか我が家の88では動かず。
サークル主に交換してもらったけど結果は変わらなかった。
いまだに原因不明。

 

「MAYA」
MAYAと名乗る少女と出逢い、
何者かに追われて逃げる彼女の痕跡を辿り、謎の島を探索するお話。
同人活動最後の一作として
昔ながらのコマンド入力アドベンチャーゲームを制作していた。
仕組みはレトロながら壮大なシナリオで、
ディスク何枚組になってもいいし、
制作期間も気にしないという方針で少しずつ開発を進めていた。
そうこうしているうちに完全に88の時代は終わってしまった。
こちらは未完成のまま時代とともに沈没。

 


俺様の同人活動期間は、
帝王通信最終号を配布し終えた1993年9月までという事になるだろう。
俺様にとって同人活動とは何だったのか?
プログラム知識も乏しい、絵も描けない、一緒になって作る仲間がいるわけでもない。
特に秀でたものが無い“持たざる者”であった俺様でも、
ただ「やってみたい」という情熱だけで何とか形にできた。
一流にはなれなくても“参加”する事はできた。
その後、俺様は仕事にしても趣味にしても、
自分に「能力がある」とか「凄い知識がある」とか思った事は一度も無い。
ただ「やりたい事ならやってみればいい」というチャレンジ精神だけで
これまで突き進んできた。
その生き方が培われたのが、この同人活動だったのではないかと思うのである。

 


<編集後記>
今回このような形で俺様の同人活動記録をまとめる事が出来たのも、
データのサルベージをお手伝いして下さった空中分解一号さんのおかげである。
深く深く感謝。