MSXとはMSXの事である 第14回「スペースマンボウ」

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スペースマンボウ
(コナミ)
1989年/MSX2/シューティング/6800円

 

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当時、コナミのシューティングは一目置かれていた。
その卓越した表現力とスペックを超える技術力。
シューティングの最前線を体感するにはコナミのシューティングをプレイせよ。
特にサイドビューのシューティングでは目指すべき頂点に君臨していた時期があった。
そんなコナミはMSXタイトルに力を入れており、
MSXでしか遊べないコナミシューティングが存在するのが
MSXユーザーにとって大きなメリットだった。
(MSXコナミシューティングが遊びたくてMSXを購入した知人も何人か知っている)
本作はそんなコナミが集大成的にリリースした
MSX完全オリジナルのシューティングである。

 

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星歴189年、繁栄を続ける銀河宇宙に危機が迫っていた。
謎の巨大宇宙船が、
強力な兵器で全ての物を破壊しつつ太陽系へと向かっていったのだ!
事件の発端は数ヶ月前に起こった。
銀河辺境星域、
アルファード4”で惑星全土をおおう大規模な古代超文明の遺跡が発見された。
が、その時、惑星全土に設置されていた兵器遺跡群がいっせいに動き始めた。
数万年の時を経て滅び耐えたと思われていた古代文明だったが、
その自動防衛機能は生きていたのだ!
そして調査団を敵とみなした惑星の防衛システムは調査団の故郷“太陽系”へ、
最終兵器“巨大宇宙船”を向かわせた。
その宇宙船は、表面を超高密度物質ニュートロニュームでおおい、
半径100kmに及ぶバリアは、全ての外敵の進入を許さなかった。
そしてその巨大なノズルから発射される反陽子エネルギーは、
星間連合の艦隊はおそか、
恒星をも完全に破壊し尽くした。
その宇宙船は、その独特の形態と、
太陽をも恐れない破壊力から“SUN-FISH”(マンボウ)と命名された。
このままでは、太陽系は、マンボウによって滅びてしまう。
異星考古学者でもあり、元星間連合軍エースパイロット、クリーバー・ミューは、
遺跡調査団の残した古文書を解読。
太陽系に向かって来るマンボウに近づく唯一の道は、
アルファード4の遺跡地下深くにあるというワープゲートを使って、
マンボウのバリア内へ進入するしかないと断定した。
クリーバーは、自らがその任務に当たることを決意した。
彼が乗り込む宇宙船は、アルファード4の遺跡から発掘された超文明の産物であり、
小型ながらマンボウと同じ力を持っている。
果たしてマンボウの太陽系破壊を食い止めることができるのだろうか?!

 

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ゲームはサイドビューのシューティングだ。
ショットボタンでメインウェポンとサブウェポンが同時に発射する。
サブウェポンは切り替えボタンで前、後、上下に発射する向きを変更できる。
敵を倒すと出現するカプセルを取る事でパワーアップしていく。
赤いカプセルを取り続けるとショットの威力が増大する。
このショットレベルは時間とともに減少していくので、
赤いカプセルは積極的に取っていこう。
青いカプセルはボム。このゲームのボムは蓄積タイプではなく、
取るとすぐに使う。
その他にはメインショットのタイプが変わるニードル、ワイド。
追加装備のスピードアップ、ミサイル、オプションがある。
残機を全て失うとゲームオーバーだが、回数制限無しでコンティニュー可能。

 

本作でもコナミは技術でハードの限界を超える技術をアピール。
その一つがスムーズなスクロール。
画像表示位置を補正する機能と
画面書き換えによる8ドットスクロールを併用する方法で実現。
また、このゲーム用に「スプライト・ドライバー」を開発。
マニュアルに以下のような説明が書かれていた。

MSX2のグラフィック機能はMSXよりはるかに強力なものになっていますが、
スプライトの枚数では32枚でMSXと全く変わりません。
コナミのスタッフがこれからのMSX2のグラフィックのスプライト表示を考えて、
ソフトウェア的にスプライトを操作し
最大表示64枚(2倍)のスプライト表示機能を実現させました。
それが“コナミ・スプライト・ドライバー”です。
このゲームはそのスプライト・ドライバー機能を加え、
今までより数多くのスプライトを表示しゲームをよりエキサイティングにしています。

こういうのをマニュアルに書いてしまうあたり、
いかにコナミが技術力を売りにしていたかの現れだろう。

 

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ステージ1から展開はド派手だ。
陸上戦艦のコアを破壊すると、爪を振り下ろしてくるボスとの対決。

 

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縦スクロールや斜めスクロールのステージを通過しながら、
敵は水生生物をモデルにしたメカが多い。
あとステージデザインはギーガーの影響を受けていると思う。
このゲームはコナミシューティングの中では珍しく、
レーザー系の貫通する攻撃が無い。
なのでボスのようなコアを攻撃しないとダメージを与えられない敵は
総じて攻略に時間がかかる印象である。

 

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いよいよマンボウとの直接対決。
極太レーザーを放ってくる。

 

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ダメージを与えるとマンボウ内部へ突入。
コアを倒すとゲームクリアだ。
全8ステージ。

 

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STAFF

-PROGRAM-
T.ADACHI
R.SAGISAKA

-CHARACTER-
H.MAKITANI
T.KINOSHITA
T.EGUCHI

-SOUND-
T.SEKITO

K.UEHARA
Y.MANNO

-PD STAFF-
N.SATOH
H.SUMIDA

-SPECIAL THAMKS-
R.SHOGAKI
N.MATSUI

 

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このゲームはもともと
アーケードゲーム「サンダークロス」の移植として進行していたが、
完成したものがどうにも面白くなかった。
そんなとき大阪ガスのCMで出ていたマンボウがヒントとなり、
1週間の突貫工事でキャラクターを入れ替えて生まれたのが本作だった。
そのときのタイトルは「エグザート」だったが、のちに「スペースマンボウ」となる。