魔城伝説
(コナミ)
1986年3月/MSX1/縦シューティング/4800円
コナミと言えば、MSXに精力的にタイトルを出し続けた会社であり、
時にはファミコンゲームを越えるポテンシャルを魅せるゲームも生み出し、
MSXの価値はコナミによって一段上げられていると言っても良いほどだった。
そんなコナミタイトルでも、
MSXから誕生したオリジナルゲームというのは珍しい。
「魔城伝説」はそんなオリジナルタイトルであり、
以後、他機種への移植もされなかった
MSXでしか楽しめない一本である。
パッケージにはタイトルの「魔城伝説」より目立つ文字で
「Knightmare」と書かれているが、「Knightmare」は英題である。
「Knightmare」は騎士の事で、悪夢をあらわす「Nightmare」とはスペル違いだ。
悪の大魔王ヒュドノスにさらわれたグリーク王国のアフロディテ姫を救うため、
鎧に身を包んだポポロンがヒュドノスの魔城を目指すというお話。
縦スクロールのシューティングゲーム。
8方向移動とショットボタンというシンプル構成。
「?ブロック」にショットを撃ち込むと、
チェスのコマが現れる。
ルーク・・スコア
ナイト・・画面全体の敵全滅
クィーン・・10秒時間が止まる
キング・・1up
また、「?ブロック」はチェスのコマ以外に
破壊すると壁になってしまうもの、
先のステージにワープするもの、
隠された橋を出現させるもの・・
などが存在する。
また、スクロースと一緒に2種類のボールが流れてくる。
これらはショットを当てるたびに内容が変わる。
1つはPと書かれたボールで、
黒・・スコア
青・・スピードアップ(4段階)
水色・・前方に盾装備
白・・一定時間無敵(弾撃てる)
赤・・一定時間無敵(弾撃てない)
もう1つは無地の光るボールで、
こちらはメインショットを変更できる。
ツインアロー・・矢が2本並んだ状態で発射される。2連射。2回取ると3連射になる。
ファイヤー・・3方向に火の玉がでる。2回取ると3列並行に火の玉がでる。連射不可。
ブーメラン・・貫通し手元に戻ってくる。2連射。2回取ると3連射になる。
ソード・・3連射で剣を投げる。2回取ると2本並んだ状態で発射される。
ファイヤーアロー・・矢に火がついて貫通する。2連射。2回取ると3連射になる。
なお、最初の無地の状態で取るとスコアのみとなる。
本作は場面によって攻撃を使い分けるようなゲームでは無いので、
最初にそれぞれの攻撃を試して、自分に合っているものを使い続けるのが良いだろう。
ポポロンは一度でも敵や敵弾に触れるとミスとなる。
残機を減らして少し前から再スタート。
全ての残機が無くなるとゲームオーバー。
コンティニューは無いが、到達したステージまで行けるワープが出現するようになる。
画面の端まで到達するとボスが登場する。
ステージ1はメデューサ。
このゲームは、敵の吐き出す弾の隙間を見抜くのは容易なので、
直前までにパワーアップしていればそれほど苦戦しない。
ステージ2から登場するスケルトンは、
倒しても時間で復活するので無視して通過してもいいかも知れない。
ボスは死神。攻撃を加えていくと顔色が悪くなっていくw
このゲームではボスの共通した仕様で、
残りの体力に乗じてどこかの色が変化していく。
わかりやすい。
ステージ3は砂漠。
この雲みたいな敵はやっかい。
攻撃を加えると凄いスピードで突進してくる。
そして橋のトラップ。
川岸のどこかに橋をかけるブロックが隠されているので、
スクロールに挟まれる前にショットで見つけ出さなければならない。
ボスはサタン。放射状に弾を出すので、
なるべく弾同士の間隔が広い場所をキープすべし。
(正面は危ない)
ステージ4のボスは1つ目の長老。
ステージ5のボスは赤い甲冑の戦士。
両手から斧を投げてくる。
顔が出ていないと攻撃が効かない。
ステージ6のボスはモヒカン男。
なんと地面を割って攻撃してくる!
ステージ7あたりになると橋のトラップも増えて厳しくなってくる。
攻略法はPボールが出るまで耐えて、
Pボールが出たら白か赤に変えて取得し、
無敵の状態でなるべくスクロールを進める事だ。
ボスはプレイヤーと同じ大きさの白い騎士が青い騎士と一緒に登場。
「ここのボスはザコがたくさん出てくるだけ?」と拍子抜けしていたら、
白い騎士がめちゃめちゃカタくて焦る(^^;
ステージ8は最終面の魔城。
ボスは目がいっぱいついている奇怪なやつ。
こいつが大魔王ヒュドノスか。
思ったより人間離れしてたなw
5つの目を全て破壊すると、6つめが開いて、
それも破壊すると撃破となる。
一緒にやっかいな雲も出てくるので、
むやみに撃ちまくると危ない。
そしてやっとクリア。
無事にアフロディテ姫を救出。
ポポロンは永遠の愛を手にするのだった。
残念ながらスタッフロールは無し。
「ステージ9」と表示されてステージ1が開始される。
たぶんここからはループするだけだと思うが、
ツライので確認はしない。(^^;
もし2周目に何か変化があるといった情報をお持ちの方がいたらコメント頼む。
本作は当時のゲームなので、やはり難易度は高いのだが、
シンプルでわかりやすい設計により、
理不尽さを感じないゲームデザインはさすがMSXのコナミである。
(似た構成のゲームであるスクウェアの「キングスナイト」と比較すると歴然だ)
ポポロンの冒険は続き、
サイドビューのアクションRPG「魔城伝説II ガリウスの迷宮」、
トップビューのアクションAVG「シャロム 魔城伝説III 完結編」がリリース。
MSXオリジナルゲームとして三部作まで続いた。
(2作目は「魔城伝説II 大魔司教ガリウス」という名前でファミコンにも移植された。)
また、ポポロンは「パロディウス ~タコは地球を救う~」で
操作キャラクターの一人に選ばれている。
(もっとも「パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~」以降はリストラされたが・・)
さて、1作目であるシューティングの「魔城伝説」であるが、
冒頭で“他機種への移植もされなかったMSXでしか楽しめない一本”と書いた。
だが本作のリメイク作「魔城伝説II ~ポポロン激闘編~」が、
PC88及びX1向けに開発されていた事は有名である。
「魔城伝説」のシステム構成をベースとして、
RPG的要素を追加し、経験値によるレベルアップや武器や防具の装備変更、
縦スクロールの一本道だけではなく左右に分岐ステージがある構成、
リアルタイムに切り替えられる攻撃・・などが明らかにされていた。
雑誌の記事を見る限りではかなり開発が進んでいた様子で、
発売中止となった結末は残念でならない。
「魔城伝説II ガリウスの迷宮」や「シャロム 魔城伝説III 完結編」は
1作目とはゲームジャンルのまったく違う、
世界観のみを受け継いだ作品だったので、
こちらが正統進化系のゲームになったはずである。