集中攻略『ニュートロン』

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発売元:エニックス
発売時期:1984年5月
定価:4800円
機種:PC8801
(そのほかX1、FM-7/FM-NEW7/FM-77)

 


~紹介~

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ドアドア』で第1回エニックスプログラムコンテスト優秀賞を獲得した
中村光一さんの2本目の作品となる。
画面内に枝を伸ばす大木が舞台だ。
主人公のロン君を操作してこの木に生える果物を収穫するのが目的である。
ただし、イモムシや毛ムシなどが邪魔してくるので
彼らに触れないようにしなければならない!

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このゲームは画像からもわかるように、大木を真横から見た構成になっている。
プレイヤーの放つ攻撃は、放物線を描いて投げられ、落ちていく。
また、収穫すべきリンゴも早く取らずにいると落ちてしまう。
このようにゲームのメインとなるアイデアには万有引力の法則”が応用されている。
タイトルが『ニュートロン』なのもそこから来ているのだろう。
ちなみにこのゲームのアイデアは、
当時高校生だった中村さんが
授業中に眺めていたイチョウの木から思いついたそうである。

 


~ストーリー~

働き者のロン君は朝から果物採り。
だが、ケムシやイモムシに追いかけられ、やっと逃げ出したらハチのひとさし。
「あっ痛い!!」。
夜はギョロギョロ目玉に追いかけられ、いじわる怪物グツに木を蹴られ、悪戦苦闘。
雨が降り出し踏んだり蹴ったり。
あなたの頭脳とテクニックを使って敵をやっつけろ!!

 


~解体~

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テンキーの4と6で左右に移動。2と8で上下に移動。
Xキーを押すとボールを垂直に投げる。
頭上に放り投げられたボールはやがてまっすぐ落ちてくる。
移動中にボールを投げると斜め上空にボールが飛んでいく。
いずれにしても(頭上にいる敵以外には)ダイレクトに
ボールをぶつける事ができないので、
軌道を計算して上手く当てなければならない。
時間が経過すると、木のいずれかに花が咲き、それがやがて実になる。
実が落ちてしまう前にその下にいってZボタンで収穫しなければならない。
規定数収穫すると次のステージになる。全20ステージ。

 


~攻略研究~

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結論から言うと、この『ニュートロン』はとても難しいゲームだ。
イデア自体は素晴らしいのだが、
ゲームの難易度を高騰させている要素がいくつもある。
これらの問題点を一つずつ(自分の腕で)解消していく事が攻略への近道となるだろう。
まず最大の問題が“移動ルートのわかりにくさ”だ。
真ん中の太い幹から左右に分かれる枝に移動できるのだが、
縦の軸が少しでもズレていると移動できない。
しかもその位置は絵的に曖昧なので、
プレイヤー自身が探って覚えていかなければならない。
このゲームは一瞬でも行動に迷ったりすると敵に追い詰められる。
移動ルートを完璧に頭に叩き込んでおかないとゲームにならない。(^_^;
最初のうちは何度も死んで枝の移動ラインを細胞に覚えさせよう(爆)。

次に唯一の攻撃であるボールだが、
よせばいいのにこのボール、自分に当たっても死ぬ(泣)。
頭上に投げたものの、移動ラインを間違えて戻ってきたボールに殺される…
なんてのは日常茶飯事である(号泣)。
敵もステージ1から全力でロン君を倒しにかかる。
倒しても倒してもすぐに中央の穴から出現してくる。
左右に挟まれたら逃れる術はない…。(鬱)
また、これだけでも厳しいゲームなのに、果物が地面に落ちてもミスとなる。
上記のどれか一つでもユーザーフレンドリーに作られていれば、
この作品の評価ももっと高いものになっていたのではないだろうか?
(移動するときにラインの自動補正がかかるだけで全然違ったと思う)

まあ、その反面このゲームには光る部分も多い。
前述の『ドアドア』は改良版(『ドアドアmkII』)が発売されたが、
このゲームはこれっきりだったなぁ。
今回のプレイでは何とかステージ2までは辿り着いたが、
さらにスピードの早いシャクトリ虫と規定収穫数の増加で心が折れた(T_T)。
果物が出来るまで敵の入り口近くで待機し、
出現と同時にボールで消すようにするといいかも。

 


~MEMO~

・『ファンタスティック思考型反射ゲーム』らしい。
・タイトルに『WELCOME TO CHUN'S WORLD !!!!!!』とある。