天使たちの午後Ⅱ -美奈子-
発売元:ジャスト
発売時期:1987年8月
定価:7800円
対応機種::PC-8801
※ジャストサウンド対応
このゲームはとても思い入れ深い。
なぜなら、俺様が初めて買ったエロゲーだからだ(爆)
エロゲーの存在を初めて知ったのは、おそらく雑誌「テクノポリス」だ。
俺様が小学生の頃から定期購読していた「マイコンBASICマガジン」には
普通のゲームの中にお色気シーンがあるようなソフトを
「ムフフ」などと言って紹介していたが、
全編エロ描写を目的としたソフトは紹介していなかった。
「テクノポリス」はそんなエロゲーを最初期に紹介した雑誌である。
たしかそういったゲームを「美少女ソフト」と呼称したのもテクノポリスだった。
そのとき俺様は中学生だ。
エロビデオですらレンタルした事がない純朴少年。
ショップに行って「天使達の午後Ⅱ」を購入するというのは大冒険だった。
レジにソフトを持っていったらその場で
「君は未成年だよね、通報したから警察署に行こうか」
という展開すらも頭によぎった。
「何か言われたらお父さんに頼まれたって言おうか」
などの作戦を練っていざレジへ。
何も言われずあっさり購入が出来た。
だが冒険はこれで終わるわけではない。
家に帰っても緊張は続いた。
親に決して見つかってはならない。
親はパソコンゲームにエロいジャンルがある事を知らない。
もしそれが知れてしまったら、パソコンごと没収されかねない。
まず俺様はパッケージを公園のゴミ箱に捨てた。
パッケージ表面にはスカートを脱いだ制服の美奈子が描かれており、
裏面は画面写真が数点載っている。
こんなもん見つかったら一発退場だ。
そしてプレイしているときに親が部屋に入ってきても、
すぐに電源が落とせるレイアウトを工夫した。
エロゲーを遊ぶのは大変だったのだ・・。
そんな厳しい環境だったので、
本作が対応している
「ジャストサウンド」(特定のシーンでボイスが再生される)の導入などは
ハードルが高過ぎた。
あたし柏木美奈子(かしわぎ・みなこ)、十七歳、女子高の二年生です。
あたし達の週末は、いつもキケンがいっぱい。
アナタとあたしで、青春しましょ!
前作同様に本作はコマンド入力式のアドベンチャーゲームであるが、
必要なコマンドはだいたいファンクションキーに登録されている。
正解のコマンドを少し入力するだけで次々とエロい場面が現れる。
全裸で起床する主人公、そして自慰行為から始まり、
部屋を出てリビングに向かおうとすると、母親が男とまぐわっている(^^;
前作はまだ「アダルトな描写があるアドベンチャーゲーム」であり、
謎解きによるストーリー進行がメインだったと思うが、
本作はエロ紙芝居を繋ぐためだけのシステムであり、
そこにはポルノ映画からAVに移行したぐらいの革新があったように思う。
つまり本作はエロ漫画やエロアニメと同列に並んだ
「アダルトコンテンツとしてのゲームを目指した最初期のタイトル」だったのである。
(このあたりは感覚の問題なので何が元祖なのかは決められないが)
そしてグラフィックもよりアニメに近い洗練されたものになり、
エロい指づかいがアニメーションで演出されていたり、
女性器が絵として描写されていたりと、
ゲームというメディアならではのエロ描写を模索した最先端であった。
ストーリーらしいストーリーもほぼ無く、
色々とエロい事の起こる女子高生の一日を追う形でゲームは終わる。
主人公が女性である事から、百合描写がほとんど。
朝に迎えに来る杏子とはレズの恋人同士。
通学路の途中でイタしたり、
登校後、女教師・瞳や憧れの先輩・梢とイタしたりする。
途中、気分が悪くなった美奈子は保健室で休む事になるのだが・・。
保健室でも全裸で寝るのかよ(^_^;
放課後は杏子とデート。
ナンパされて杏子とともについていく事になる。
そこから男にホテルに連れ込まれイタすのだが、
杏子が普段から男達と遊んでいる事を知らされて複雑な気持ちになる美奈子。
夜の街で一人歩いていると、梢とバッタリ。
梢も梢で、義理の兄との恋に思い悩んでいた。
二人はホテルへ。
めでたしめでたしw
なお、この梢は次回作「天使たちの午後Ⅱ番外編」の主人公となる。
そんなわけでエロゲーデビューを果たした俺様であるが、
その後、エロゲーにハマり込む事は無かった。
前述したようにプレイ環境が厳しすぎたのだ。
高校を卒業して一人暮らしを始めるようになり、
あわてて88で気になっていたアダルトソフトを
(中古ショップなどで)探し出したというのが実情であった。