「マデリーン」シナリオログ


マデリーン
ブラザー工業
PC-8801
1987年2月
3200円

世界初のパソコンソフト自動販売ソフトベンダーTAKERU
当初は少し古くなった市販ソフトを低価格で販売していたが、
正直、コピーで入手したそれと変わらぬ状態のソフトを
TAKERUで買う事に抵抗のあるユーザーも多かった。
また、いくら低価格といっても、それを中古ソフトで探した方が安い場合も多く、
理想と現実の壁が大きく立ち塞がっていた。
ユーザーがTAKERUでゲームを買いたくなるにはどうすれば良いか?
TAKERUでしか買えないオリジナルゲームがあれば良い事は明白だ。
本作「マデリーン」はそんなTAKERUオリジナルゲームの第1弾と言われている。
(本作が第1弾である事を確証付けるソースは見つからなかった)
TAKERUのサービス開始が1986年4月。
本作が発売されたのが1987年2月という事を考えると、
当たらずとも遠からずといったところか。
(このあたりのソースをお持ちの方はコメント欄に情報提供して頂けるとありがたい)
本作を開発したのはミステリーアドベンチャーゲームで名を馳せた
シンキングラビット。
新作ソフトでありながら3200円という低価格で販売された。
不良在庫のリスク、流通経費などが抑えられたと言っても、
開発費を相当絞り込んで作られたのではないかと推測する。 


1979年。私はルーマニアハンガリーの国境沿いの小さな町で、その老人に出会った。
小さな古道具屋の奥に座っていた彼は、
石のように動かずにただただ時の過ぎるのを待っているようであった。
古美術の買い付けをしている私は、
その店に価値のあるものを見出せずに去ろうとして

何気なく、反対側のカベを見た途端、思わずその場に立ち尽くしてしまった。
そこに掲げられていた一枚の肖像画
その絵の持つ本物の気品を感じ取り絵に近づいた時、初めて老人が口を開いた。
「いい絵じゃろう。これに描かれている女性はご存知かな?
古きモラビアの王、エスムラント二世の娘、マデリーン妃じゃよ」
彼女の事なら知っていた。
宗教改革のさなか、病床の実父を毒殺しようとして失敗し、
城の搭に幽閉されて一生を終わったという歴代の悪女。
だが、描かれている人物の印象は悪女というよりも、
気立ての優しい娘のようですらあった。

「わしも始めは信じられんかった…。あれは1906年だったか。
この絵をパリで見つけたとき、その崇高さにわしはしばらく動けんかった…。
有り金をはたいてその絵を買ったわしは、
じきに日ごと彼女の夢を見るようになっての。

肖像画の女性に恋をしている事に気がついたのじゃ。
そうなると、誰が書かれてるのか気になっての。
マデリーン妃とわかった時は信じられなかった。

彼女が悪女のはずがない。間違いがあるのならそれは歴史の方だ。
わしはそう思って彼女の過去を探すたびに出たのじゃよ・・・」
貴方は小道具屋の老人の記憶の糸をたぐり、
400年前の事実を明らかにしなければならない。

(マニュアルより)

 


荒れ果てた土地にいます。遠くに小屋が見えます。

 


ここは森です。木立が行く手を遮るように立っています。

 


こんな所にオノがあります。誰かが木を切ろうとしていたようです。
オノを取ります。

歩くとサクサク音がします。
麻の実が一面に落ちています。
麻の実を入れておく革袋が必要です。

 


白骨死体があります。森に迷って行き倒れたのでしょう。
水筒を取ります。

 


小屋の西にいます。

 


小屋の中にいます。
おや?天井にはしごが掛けてあります。
ロープを取ります。
はしごを取ります。

 


正面に城が見えます。手前に木が立っています。

 


木を切りました。

 


城の堀の内側にいます。城の壁が見えています。
>ハシゴ使う


こんな所に鳥の巣がありました。
小さな卵と指輪があります。
指輪を取ります。

 


井戸があります。
はしごを井戸の中に降ろしました。

 


井戸の中にいます。暗くて何も見えません。
何かあります。
革袋を取りました。
歩くとサクサクと音がします。
麻の実を取りました。

 


井戸の中にいます。上から光が差し込んでいます。
ロープをかけました。

 


お城の中庭にいます。井戸と木があります。
ロープを回収します。

 


お城の入口です。ドアには板が打ち付けられています。

 


オノで穴を開けました。

 


お城の中にいます。ここは廊下です。

 


お城の中にいます。あなたは東を向いています。
鏡台があります。
引き出しが付いています。
開けて見たら?

 


カギを取ります。

 


ここは廊下です。

 


あなたは東を向いています。
肖像画があります。


若きマデリーン王女の肖像画です。
その優しそうな表情は、確かに悪女とは思えません。
肖像画を取ります。

 


あなたは西を向いています。
机があります。
引き出しが付いています。


日記があります。
日記を取ります。
マデリーン王女の日記のようです。
『家臣のネビウスから、
私に王位継承の資格がないことを書いた手紙を受け取りました。

お父様はすでに意識も定かではありません。
私はどうしたらよいのでしょう。
ネビウスの言うように、もし私がただの農夫の娘だとしたら今頃、
動物や鳥達に囲まれて幸せに暮らしていたかも知れません。
人にとって何が幸せなんでしょう‥。』

 


カーペットが敷かれています。


カーペットの下に紙がありました。
紙を取ります。
『由緒正しきモラビア国の統治者エスムラント二世の病床にありて、
姫君に一言ご忠告申し上げます。
現王と、今は亡きセレナ王妃におかれましては、
長くお世継ぎに恵まれず後の世に心を痛めておいででありました。
そこで王は私に、お世継ぎにできる子供を
国中より探し出すように申し付けられたのです。

私は北にある小さな農村で、
生まれたばかりの赤子を見付け王の許へお届けしたのです。

何を隠そう、その子供というのが王女‥あなた様なのです。
しかしその後、王に実の御子息がおできになられたのです。
王妃の死後、さる高貴な御方との間にもうけられたお子様であります。
王は母君をお亡くしになられたあなた様のお気持ちをお察しになり、
この事は公表なさりませんでした。
しかし王はしかるべき時には彼を、
跡継ぎとして国民な認めさせることを考えておいででした。
それまで私に養子として育てるように申されたのです。
私は王の意志を継ぎ我が養子サミュエルに即位させるつもりでおります。
王女におかれましても王のお気持ちをご理解の上、
何卒お聞き届け下さいますようお願い申し上げる次第であります。ネビウス。』

 


階段があります。

 


地下室のようです。
肉を取ります。

 


塔へ続く階段があります。

 


ここは塔の中です。
麻の実を撒きます。

 


巻物があります。
鳥が運んで来たようです。
巻物を取ります。
羊の皮で出来ています。裏に何か書いてあります。
『おお、かわいそうな王女様。
あなたは何故、自分が嘆きの塔に幽閉されているかも知らないでしょう。
世間ではあなたが王を毒殺したともっぱらの噂です。
どうやら家臣の一人がその噂を流しているようですが、
国民はすでに王の代理として彼を認めています。
長年、王女様のお世話をしてきた私も先日、暇を出され城を追われました。
王様がお亡くなりになられた今となってはどうする事もできませんが、
王女様をそこからお助けするくらいはできます。
私の国まで無事辿りつけば、追っ手から匿うこともできます。
そこでは、いままでのような生活はできませんが、
土に生きる喜びがあります。
どうぞ、ご決心下さい・・。フランシス。』

 


目の前に切り立ったガケになっています。
切り株があります。


ロープを切り株に結びました。

 


ガケの下にいます。
川とその横に立て札があります。
水を汲みました。
肉を川の水で濡らしました。

 


お城の中にいます。
目の前にドアがあります。

 


ここは城の裏です。
雑木林になっています。

 


雑木林にいます。目の前に大きな狼がいます。
目をぎらつかせてこちらを見ています。
>肉 やる
狼は肉を食べてしまいましたが、急に足をふらつかせて行ってしまいました。
食当りでしょうか?

 


荒れた岩場に道が続いています。

 


大きな岩が道を塞いでいます。

 


石碑があり、何か書かれてあります。
どうやら誰かのお墓のようです。
どれどれ?
1579年・・モラビア国の姫君マデリーンここに眠る!?
何と・・彼女の墓がどうしてこんな所に?
>水 かける


石碑は乾燥しきっていたようです。
水がかかるとピシッと音がして割れ落ち、ぽっかりと穴が開きました。

 


抜け穴になっています。奥の方は暗く良く見えません。

 


地下道にいますが暗くて何も見えません。
何かあります。
カナヅチを取りました。

 


凄い水の音がします。ここは滝の裏です。

 


掘りかけの石像があります。
そばにノミが置いてあります。
そういえばノミを打つカナヅチもある筈ですが・・。
ノミを取ります。

 


ここから先は川になっていて行き止まりです。
>ロープ つかう


>木 きる


あなたは木にまたがって川の流れに乗り出しました。
そのままどんどん流されて行きました。


しばらくすると、あなたを乗せた木は岩場に乗り上げました。

 


荒れた岩場に道が続いています。

 


谷があります。谷には渡るための吊橋がかけられています。
>カナヅチ 投げる
ビューンと音がして飛んで行きました。

 


吊橋を渡っています。吊橋はギシギシと音を立て、今にも落ちそうです。

 


荒れた岩場に道が続いています。
金槌があります。
カナヅチを取ります。

 


昔、建物があったのでしょう。壊れた門が見えます。

 


石作りの建物があります。

 


大きな水瓶が置いてあります。
>カナヅチ 使う

 


水瓶は壊れました。
気を付けて下さい。割れた水瓶の破片が落ちています。
おや?中に何かあります。石版のようです。


何か絵が描いてあり、その下に「汝、女神の導きに従え。』と書いてあります。

 


森の中にいます。細い木があります。
近くの木を切って手頃な棒にしました。
ノミの刃がこぼれてしまいました。

 


ここは木で作られたオリの中です。

 


ここからは湖が一望に見渡せます。とてもいい眺めです。

 


森の中にいます。木が積んであります。
積まれた木にはシートがかかっています。

 


湖の岸辺にいます。
マストの折れた小船があります。


棒をロープでマストにくくり付け、シートを帆の替わりに張りました。
立派に直ったじゃないですか!

 


湖上にいます。風は北に向かって吹いています。

 


小島の岩場に着きました。
無理をしたのでしょう。船は沈んでしまいました。

 


野原にいます。道が北に続いています。

 


上半身の崩れた女神像があります。

 


森の中にいます。正面に坑道の入口が見えます。

 


坑道の中にいます。

 


老人がいます。目を閉じて起きているのか、眠っているのか分かりません。
>絵 見せる
おお!わしら一族は姫に仕えし者の子孫なのじゃ。
そしてこの墓を代々守っておる。
我等の味方なら証拠になるものを見せよ。

このとき何を見せるかで3通りのエンディングに分岐する。

 

分岐(1)
「何と!お前は…。」
そう言って老人は奥に案内してくれました。


地下の広場にいます。前に棺があります。
棺には蓋がしてあり、横には何か文字が書いてあります。


「この棺を開けし者は、邪悪なる呪いがかかるであろう。」
棺にはこのように書かれてあります。


棺の中にはミイラ化した死体が横たわっていました。
あなたは王女の醜く変わり果てた姿に自分の目を疑いました。


王女は決して悪女ではなかったようです。
しかし、時の流れはあなたを現実に引き戻した。
もちろん、生きて出合えるはずはありませんが、
あなたは目の前の厳しい現実に為すすべもなく、いつまでも立ち尽くすのでした…。

 

分岐(2)
「これは!そうか、そうか。」
そう言って老人は奥に案内してくれました。


地下の広場にいます。目の前に台座にのった石像があります。


「マデリーン王女、農婦として生涯を終えここに眠る。
わが国の民は永遠に王女をお慕いいたします。1583年」
王女は無事にここまで逃げ延びたようです。
石碑には他に、王女はこの地に逃れてのち僅か4年で他界した事や、
その4年が彼女の一生にとって一番幸福な日々だった事が記されています。


石像は名工の手によるものでしょうか、まるで生きているようにあなたを見ています。
台座に記されているように王女はこの地で幸せに生涯を終えたようです。


あなたは真実を確かめる事が出来ました。
王女はこの地まで逃げ延び、農婦として幸せに暮らしたようです。
ただ、400年の隔たりがあなたの胸に重くのしかかって
どうする事もできませんでした…。

 

分岐(3)
「おお!これは確かに・・。」
そう言って老人は奥に案内してくれました。


行き止まりのようです。正面の岩に十字架が掛けてあります。


地下の広場にいます。
空気がとても冷たくまるで冷蔵庫のようです。
台座の上に何か乗っています。


何という事でしょう!
王女はそこにいました。
まるで生きているような表情をしています。
氷の中で400年間あなたを待っていたかのように・・
彼女の気品と優しさが伝わって来ます。
あなたは間違っていなかったことを確信しました。


台座には文字が刻まれていて、その下が開くようになっています。
「我等が永遠なる王女、マデリーンここに眠る。1583年」と記されています。
それによると1579年この地に逃げ延びた王女は
農民として生き幸せな結婚をした。
やがて彼女は一人の子を身籠ったが出産はきわめて難産で、
子供の命と引き替えに彼女は命を落としてしまう。
この地へ来てわずか4年後の1583年の事とある。
最後に彼女はこの土地での4年間が生涯で一番幸せだった事を告げ、
我が子と村人に唯一の形見を残したという。
その後、村人は彼女の姿を永遠に残すため遺体を氷柱に納め、
ここに安置したと書いてあります。


耳飾りがあります。


王女は永遠の瞳で、あなたをいつまでも見つめていました。


その時わしは、一歩も動くことができなんだ。
ただ涙がとめどなくあふれての・・。
わしの頭は完全に混乱しておった。
それというのも、そこにあった耳飾りと、
わしの母親の形見がまったく同じ物だったからじゃ。
どちらも片方だけの耳飾りは昔、ふたつで一対だったのじゃ。
その意味が分かるかの?
そう・・わし自身、彼女の子孫だったのじゃ。
もっとも、わしの持っていた方は絵を買う時に金に換えてしもうたがの。
しかし・・・運命だったのじゃ・・・。
低い声でつぶやいた。
まるで自分自身に言い聞かせるように・・・。
それから老人は、何かしゃべろうと2、3度試みたが、
ついに話すことはできなかった。
そして、小刻みにふるえる老人の指が、空にこう書いたのを私は見た・・・

・・・・・M・A・D・E・L・E・I・N・E。


THANK YOU FOR YOUR ADVENTURE MIND.
WE ADOMIRE YOU AS AN EXCELLENT PLAYER.
#4 MADELEINE.
THINKING RABBIT CO.,LTD.

produce & directed by 
HIROYUKI IMABAYASHI

computer grapher by 
SHINKICHI ABE

programmed by 
MASAHARU OHNO

sub programmed by
TADASHI HANO + Kel

illustrations by
AKIRA YONEDA

graphic designer by
HITOMI KAMASU

story telling by
SHINKICHI ABE
HIROYUKI IMABAYASHI

提供
ブラザー工業株式会社


タケルオリジナル「マデリーン」はどうだった?
タケルから君へのメッセージを贈ろう!
「これで君はアドベンチャースペシャリストだ!!」


本作は名作SFアドベンチャーカサブランカに愛を」を生み出したあとの
シンキングラビット作品なのであるが、
その内容は先祖返りしたかのような古典的な探索アドベンチャーゲームだった。
TAKERUはマニュアルが購入時にプリントアウトされる紙っぺらで、
そこに印字されたプロローグを読まないと
ゲームの目的も行動指針もチンプンカンプンである。
最後に老人とマデリーンの真相が明らかにされるが、
探索途中にストーリーに関連するテキストが皆無なので
蚊帳の外の出来事のようにしか感じない。
つまるところこのゲームは探索する事がメインであり、
ストーリーテリングを楽しむゲームでは無いと思う。
グラフィックも1987年という時代のゲームにしてはチープだ。
このあたりTAKERU専用ソフトという特殊な形態が色々と関係してそうだ。

さて、この記事をもって
全てのシンキングラビットミステリーADVを書き残しておく事ができた。
せっかくなので時系列にリンクを貼っておくので、
順番に進化を確認するのも一興だろう。

さて、その後のシンキングラビットは、
「道化師殺人事件」や「カサブランカに愛を」をリメイクしたり、
「南方珀堂登場」という推理ゲームを開発したりと続いていくが、
惜しむらくは8ビットパソコンでの
シンキングラビットミステリー最終作になるはずだった
「映画狂殺人事件」が発売中止になった事である。
本記事の締め括りとして、
そんな「映画狂殺人事件」のプロローグを掲載して終わろうと思う。


エリザベスは孤児だった。
物心が付いた頃には孤児院にいて、同じ境遇の子供達とともに育ってきた。
しかし、自分が孤児であることを意識したことはなかった。
もちろん、寂しくもなかったし悲しくもなかった。
なぜなら、普通の家庭がどのようなものであるのか知らなかったし、
“両親”という言葉の持つイメージも彼女にとっては
ただ漠然としたものでしかなかったからである。

エリザベスにとっては孤児院が家であったし、シスターが両親だった。
彼女にとってはそれで充分だったし、
一緒に生活する多くの子供たちとの生活はそれなりに楽しく、幸せだった。

院長のシスター・クーベリッジから、この孤児院には18才までしか居れないことや、
彼女がどのような経緯でここに送られてきたのかを聞かされたのだ。
そのとき、エリザベスは哀しみと喜びを同時に味わった。
哀しい方は、母親の名前を聞かされたことだった。自分にも母親がいる。
そう思うと今まで別世界の事のようにしか思っていなかった事が、
激しい感情を伴って胸をしめつけたのだった。

泣いてはいなかった。ただ、なぜか涙が止まらなかった。
シスターは彼女の涙が止まるのを待ってから、もう一つの嬉しい報告をした。
エリザベスがここに引き取られてから16年の間、彼女の養育費として毎月、
施設に寄付を続けている後見人がいる事だった。
彼女は自分の足ながおじさんがいることを知り、喜んだ。
ここを出ても一人ぼっちではないのだ。

後見人のいる孤児たちはすべて、16才になった日から彼らに対して自分で接し、
卒院までの2年間に各々の後見人と相談して
自分の将来をきめなくてはならないという決まりがあった。

シスターは、後見人への最初の手紙は、
16年間のお礼の気持ちを込めて書かなくてはいけません。

と優しく言いながら、彼女に後見人の住所と名前の書かれた紙を手渡した。
足ながおじさんの名前は、パトリック・ローズウォール。金持ちの篤志家であった。
エリザベスは彼への手紙の中で自分は役者の道を歩みたいことや、
以前見た映画に出演していた
ジュディー・ガーランドに憧れていることなどを書き綴った。

そんな彼女の熱い思いが足ながおじさんに通じ、
まもなくローズウォールの紹介で演劇の学校に通うことになったエリザベスは、
舞台に立つ自分を夢見て毎日の厳しいレッスンに励んだ。
もともと素質があったのであろう、彼女の学校での成績は常にトップで、
いつか先生からも将来を嘱望されるほどの生徒になった。
そして孤児院を卒院する三ヵ月前、
エリザベスはローズウォールの勧めで映画のオーディションを受けてみることにした。
映画のタイトルは「映画狂殺人事件」。
彼女はハリウッドまでの長旅の疲れをものともせず、
オーディションを受けにでかけ、そして、___

主役に抜擢された。

(映画狂殺人事件 広告掲載時のプロローグより)