MSXとはMSXの事である 第40回「夢大陸アドベンチャー」


夢大陸アドベンチャー
コナミ
1986年10月
4980円

 


けっきょく南極大冒険」から2年10ヶ月後に登場した続編。
基本的な構成は一緒だが、
超シンプルだった前作から様々なギミックが組み込まれている。
また、本作はファミコンなどの他ハードに移植される事は無く、
(当時は)MSXユーザーしか遊べないオーパーツ的な存在であった。

 


ペンギンを左右に操作しながら、
加速と減速を調整してゴール地点へ向かう構成は前作と同じ。

シンプル過ぎた前作の反省(?)を踏まえて様々な点が強化されている。

 


まず前作ではずっと氷の上で変化の無かった舞台設定が、
森、洞窟、平原など、変化のある場所になっている。


また、ステージ上を走るだけでなく、
水上を泳いだり、水中に潜ったり、宇宙にまで飛び立ったりする。
(水中や宇宙でらジャンプボタン連打で上昇できる)


前作には無かったパワーアップ要素もある。


ゲーム中に登場するハートは、取得したときの色によってその内容が異なる。
赤・・1000点
緑・・制限時間追加
青・・筋斗雲に乗って空中移動できる
黄・・一定時間無敵
ハート以外にも敵を倒せるピストル、対空時間が伸びるプロペラ帽子、
ジャンプ中の横移動ができる黄金の羽根など、様々なアイテムが存在する。
これらは地割れの下にあるショップで手に入る。
ショップはプレイ中に集めた魚との物々交換である。

 

前作は基地に到着すればステージクリアだったが、
本作はボスの待ち構えるステージも用意されている。
ボスの倒し方は、杭を何度か踏んで氷を割り、ボスキャラを水の中へ落とす事だ。

 

ここまでの進化は良いのだが、
本作の難点は「敵からの即死攻撃」を入れてしまった事だ。
前作は全ての障害はタイムロスでしか無かったので
ドライブゲーム」として成り立っていたように思うが、
即死要素によって難易度が跳ね上がっただけでなく、
理不尽さを感じるゲームになってしまった。
ステージ数も24と倍以上になった事で、
心の折れやすいゲームになってしまっている。

 

BGMがキレキレで素晴らしい。
このBGMの存在だけでゲームのプレイ感を一段上げている
と言っても過言では無いだろう。



前作はループゲームだったが、本作はエンディングが用意されているだけでなく、
そのときの条件により分岐するマルチエンディングが採用されている。
俺様はクリア出来ていないのでどちらも見た事無いけど(^_^;)

 

本作の世界観はファミコンの「夢ペンギン物語」に引き継がれる。
そのとき初めて主人公の名前が「ペン太」と判明する。
また、本作と「夢ペンギン物語」の間に
パロディウス」の主人公の一人としても選出されている。
ちなみに「パロディウスだ!」以降に登場しているペンギンは「ペン太」ではなく、
ペン太とペン子の子供である「ペン太郎」である。

 

MSXにはROMスロットが2つあり、
グラディウス2」をスロット1に、
夢大陸アドベンチャー」をスロット2に挿して起動すると、
グラディウス2の自機をペンギンにして遊ぶ事が出来た。