ソニック&ナックルズ
(セガ)
1994年10月28日/サイドビューアクション/7800円
本作は日本で発売されたメガドライブのソニックシリーズ5作目であり、
最終作である。
2作目以後、1993年9月23日に
メガCD向けに発売されたのが「ソニック・ザ・ヘッジホッグCD」。
そして1994年5月27日にROMに戻って
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」が発売された。
この「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」。
開発が難航していたが、
北米市場の事情により発売日を延期させる事は出来なかった。
そこで当初予定していた「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」の内容を
前編と後編に分割。
単体ソフトとして作り直したものを「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」とし、
後半を「ソニック&ナックルズ」として半年後にリリースした。
本作はカートリッジ上面に接続端子がある特殊な形状をしており、
そこに他のメガドライブソフトを挿す事が出来るようになっている。
これはロックオンシステムと呼ばれており、
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」を挿すと、
開発都合で2つに分裂してしまった
本来の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」が遊べるというものだった。
つまり遊びを広げるポジティブな仕掛けではなく、
トラブルにより生まれた仕掛けと言える。
なお、2作目を挿すと
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」のステージをナックルズで遊べるようになる。
また、その他のメガドライブソフトを挿すと
スペシャルステージを単独で遊べるようになる。
ゲーム開始時に操作キャラクターをソニックかナックルズのどちらかを選択できる。
赤いハリモグラのナックルズは、
前作「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」から登場しているが、
操作キャラとしては本作が初である。
本作では2人プレイの要素は無くなっている。
(そのためテイルスはエンディングでしか登場しない)
今回はナックルズでプレイ。
ナックルズはソニックにない能力が2つあり、
ジャンプからの滑空と、壁に張り付いて上下に移動できる壁登りが
アクションに加わっている。
今回の新要素はロックオンシステムなどの外部的なものばかりで、
ゲームのプレイ感は焼き直しのように感じてしまった。
ナックルズの新アクションも取り立てて目新しいものではなく、
シリーズの売りである高速プレイが活きているようには思えない。
ステージ設計もどちらかというと操作ミスを誘発するような構成で、
慎重なプレイを求められるものだった。
これは1作目で見られた矛盾点に立ち返っているかのようだった。
今回のプレイではステージ3のピラミッドステージまで遊んだが、
脱出ルートに迷ったり、障害を越えるのに慎重になり過ぎていたら、
タイムオーバーになってプレイ意欲を失った。
高速アクションが売りのゲームで
タイムオーバーになるような設計なのである。
トラブルから生まれた複数のROMを連結させるというトリッキーな仕組み。
これはMSXでコナミがやっていた施策に似ているな。
でもあれはMSXにROMスロットが2つあったから容易に出来た事で、
もともと予定していた内容を完成させるために
わざわざ予算かけて特殊なROMを作り本作をリリースしたのだから、
セガはやはりクレイジーだ。(イイ意味でw)